結論: MCP(Model Context Protocol)はClaude CodeをGitHub・Slack・Google Drive・データベースなど外部ツールと繋げる公開標準です。設定はJSONファイル1つで完了し、連携後はClaude Codeが外部ツールを直接操作できるようになります。
この記事の要点:
- MCPは「AIのUSBポート」。一度設定すれば何百ものツールと接続できる
- 設定はプロジェクトルートの .claude/mcp.json に数行書くだけ。Node.js 18以上が必要
- GitHub MCP・Slack MCP・DB MCPの実用例3選をコピペ可能なプロンプト付きで解説
対象読者: Claude Codeを使い始めて「外部ツールと連携したい」と感じているエンジニア・DX担当者
読了後にできること: 今日中にGitHub MCPを設定してClaude Codeから直接PRを作成できる
「Claude Codeって、SlackやGitHubと繋げられるの?」
Claude Codeを使い始めてしばらくすると、必ずこの質問が出てきます。先日の研修でも、あるスタートアップのエンジニアが「毎回GitHubのブラウザを開いてPRを作るのが面倒で……自動化できないかな」と言っていました。
答えは「できます」。MCPを設定するだけで、Claude Codeがまるでチームメンバーのように外部ツールを操作してくれます。「このコードをGitHubのdevelopブランチにPRを出して、Slackの#devチャンネルに通知して」という指示を1回で実行できるようになります。
この記事では、MCPの概要から設定手順、実用例3選まで、コピペ可能なプロンプト付きで解説します。セキュリティの注意点も正直にお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
MCPとは何か — 5分で分かる概要
MCP(Model Context Protocol)は、Anthropicが2024年末に公開したオープン標準です。ひと言で言えば「AIのUSBポート」です。
USBポートがあれば、マウスでもキーボードでも外付けHDDでも同じポートで接続できますよね。MCPも同様に、ClaudeがどんなAPIやサービスとも共通の方法で接続できるようにする仕組みです。
| MCPなし | MCPあり |
|---|---|
| GitHubのAPIを毎回手動で呼ぶ | 「このPRを作って」と言うだけ |
| DBのSQLを書いて実行してコピペ | 「売上TOP10を教えて」と言うだけ |
| Slackアプリを開いてメッセージを送る | 「#generalに通知して」と言うだけ |
MCPはClaudeだけでなく、CursorやWindsurf、その他のAIツールでも使える共通標準です。設定したMCPサーバーは複数のツールで使い回せます。AI導入戦略全般についてはAI導入戦略完全ガイドもあわせてご参照ください。
まず試したい「5分セットアップ」— GitHub MCPの設定手順
最初に試すべきは GitHub MCP です。世界中の開発者が使う最も定番のMCPサーバーで、90%のMCPエラーはNode.jsのバージョン不足(18未満)が原因です。まずここから。
前提条件の確認
# Node.jsのバージョン確認(18以上が必要)
node --version
# バージョンが古い場合はアップグレード
# nvm use 22 または brew install node
# Claude Codeのバージョン確認
claude --versionGitHub Personal Access Tokenの取得
- GitHub → Settings → Developer settings → Personal access tokens → Fine-grained tokens
- 「Generate new token」→ Repository permissions で repo(read/write)を選択
- 生成されたトークンをコピーしておく(一度しか表示されない)
.claude/mcp.json の設定
# プロジェクトルートに .claude ディレクトリを作成
mkdir -p .claude
# .claude/mcp.json を作成(セキュリティのため環境変数でトークンを渡す)
cat > .claude/mcp.json << 'EOF'
{
"mcpServers": {
"github": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"],
"env": {
"GITHUB_TOKEN": "${GITHUB_TOKEN}"
}
}
}
}
EOF
# 環境変数にトークンを設定
export GITHUB_TOKEN="ghp_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
# Claude Codeを起動(MCPが自動認識される)
claude# GitHub MCPを使った最初のプロンプト(コピペ可)
現在のリポジトリの状況を教えてください。
1. オープンなPRの一覧(タイトル・作成者・作成日)
2. 最近マージされたPR TOP5
3. オープンなIssueのうち、ラベルが"bug"のもの一覧
不足している情報があれば最初に質問してください。主要MCPサーバー一覧と用途
2026年3月時点で利用できる主要なMCPサーバーを整理しました。
| MCPサーバー | できること | インストールコマンド |
|---|---|---|
| GitHub | PR作成・レビュー・Issue管理 | npx @modelcontextprotocol/server-github |
| Slack | チャンネル投稿・メッセージ読み取り | npx @modelcontextprotocol/server-slack |
| PostgreSQL | DB直接クエリ・スキーマ確認 | npx @modelcontextprotocol/server-postgres |
| Filesystem | ローカルファイル読み書き | npx @modelcontextprotocol/server-filesystem |
| Google Drive | Drive内ファイル検索・読み取り | npx @modelcontextprotocol/server-gdrive |
| Brave Search | Web検索(プログラムから呼び出し) | npx @modelcontextprotocol/server-brave-search |
| Notion | Notionページ読み書き・DB検索 | npx @notionhq/notion-mcp-server |
| Playwright | ブラウザ自動操作・スクレイピング | npx @playwright/mcp |
おすすめのスタート順: GitHub → Slack → Filesystem の3つを最初に設定するのがベストプラクティスです。この3つで開発ワークフローの90%をカバーできます。
実用例3選:こんな使い方ができる
実用例1:Slack通知の自動化
コードのビルドが完了したら自動でSlackに通知、という定番シナリオです。顧問先のあるSaaS企業では、デプロイ完了通知をClaude Codeが自動送信するようにして、担当者への連絡漏れをゼロにしました。
# .claude/mcp.json にSlackを追加
{
"mcpServers": {
"slack": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-slack"],
"env": {
"SLACK_BOT_TOKEN": "${SLACK_BOT_TOKEN}",
"SLACK_TEAM_ID": "${SLACK_TEAM_ID}"
}
}
}
}# Slack MCP使用プロンプト(コピペ可)
以下の内容をSlackの#deployチャンネルに投稿してください。
---
[デプロイ完了通知]
日時: 2026-03-27 14:30 JST
環境: Production
バージョン: v2.3.1
デプロイ者: Claude Code
変更内容:
- 決済処理のバグ修正(Issue #234)
- ユーザーダッシュボードのパフォーマンス改善
確認事項: 本番環境でログインフローをテストしてください。
---
@channel でメンションも追加してください。実用例2:データベース直接クエリ
「先月の売上を教えて」とClaude Codeに聞くだけで、SQLを書かずにDBから最新データを引っ張ってこられます。これは研修先でも一番驚かれる機能です。「SQLが書けない非エンジニアが、自分でデータを確認できるようになった」と言われました。
# PostgreSQL MCP設定
{
"mcpServers": {
"postgres": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-postgres",
"${DATABASE_URL}"]
}
}
}# DB直接クエリプロンプト(コピペ可)
売上データベースに接続して、以下の情報を教えてください。
1. 今月(2026年3月)の日別売上推移
2. 先月と比較した増減率
3. 売上上位商品TOP10(商品名・金額・個数)
4. 新規顧客数と既存顧客数の比率
SQLを実行して結果を分かりやすい表形式で表示してください。
数字は必ずデータベースの値(実測値)を使い、推測は含めないでください。実用例3:Google Drive連携
# Google Drive MCP設定例
{
"mcpServers": {
"gdrive": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-gdrive"]
}
}
}# Google Drive MCPプロンプト(コピペ可)
Google Driveの「2026年Q1レポート」フォルダにある
Excelファイルを全て確認して、以下をまとめてください。
1. 各ファイルのファイル名・最終更新日・作成者
2. 売上関連のシートを含むファイルを特定
3. 売上合計が記載されているセルの値を抽出
確認できない情報は「取得不可」と明記してください。複数MCPを組み合わせる — 高度な自動化の例
MCPの真価は「複数のツールを組み合わせる」ことです。以下は実際に使えるマルチMCP連携のプロンプトです。
# GitHub + Slack + Filesystem を組み合わせたプロンプト(コピペ可)
以下の作業を順番に実行してください。
1. ./src/api/payment.py の最新コードを読む
2. コードレビューを行い、バグ・セキュリティリスク・改善点を列挙
3. 改善済みのコードを src/api/payment_v2.py として保存
4. GitHubに「fix: payment API security improvements」というコミットメッセージでPRを作成
- ブランチ名: fix/payment-security
- PRの説明に「変更内容」と「テスト方法」を記載
5. PR作成完了後、Slackの#code-reviewチャンネルに「レビュー依頼」のメッセージを投稿
各ステップ完了時に進捗を日本語で報告してください。
仮定した点は必ず"仮定"と明記してください。【要注意】MCP設定でよくある失敗パターン
失敗1:APIトークンをJSONファイルにハードコードする
❌ mcp.json に直接 “GITHUB_TOKEN”: “ghp_xxx…” と書く → Gitリポジトリに誤ってコミットして漏洩
⭕ 必ず環境変数 “${GITHUB_TOKEN}” 形式で参照する。.gitignore に .claude/ を追加する
失敗2:Node.jsのバージョンが古い
❌ Node.js 16以下では多くのMCPサーバーが動作しない
⭕ node –version で確認し、18未満なら必ずアップグレード(22推奨)。MCPエラーの9割はここが原因
失敗3:本番DBに直接MCP接続する
❌ 本番データベースのURLをMCPサーバーに設定してClaude Codeから直接操作
⭕ 開発・ステージング環境のみでMCP DB接続を使う。本番DBへのMCPはデータ破壊リスクがある
失敗4:MCPサーバーの権限を広く設定しすぎる
❌ GitHub tokenに全リポジトリへのwrite権限を付与する
⭕ Fine-grained tokenで対象リポジトリと権限を最小限に絞る(最小権限の原則)
MCPのトランスポートモードとシステム設計
MCPには3つのトランスポートモードがあり、用途によって使い分けます。
1. stdio(標準入出力)— 最もシンプル・推奨
MCPサーバーをClaude Codeの子プロセスとして起動します。設定が最もシンプルで、エラーが起きにくいです。ローカル開発環境での使用に最適です。上記の設定例はすべてstdioモードです。
2. SSE(Server-Sent Events)— リモートサーバー向け
MCPサーバーをHTTPサーバーとして起動し、複数のClaude Codeインスタンスから接続します。チーム開発で同じMCPサーバーを共有したい場合に使います。
# SSEモードのMCP設定例
{
"mcpServers": {
"shared-db": {
"type": "sse",
"url": "https://mcp.internal.company.com/sse",
"headers": {
"Authorization": "Bearer ${MCP_AUTH_TOKEN}"
}
}
}
}3. Streamable HTTP — 最新モード(2025年後半〜)
SSEの後継として登場した双方向通信モード。大量データ転送や長時間実行タスクに向いています。エンタープライズ用途での採用が増えています。
コンテキスト効率化:Tool Searchの活用
多くのMCPサーバーを設定すると、ツール定義だけで大量のトークンを消費してしまう問題があります。Claude Codeには「Tool Search」という機能があり、タスクに必要なツール定義だけを動的に読み込みます。
具体的には、全ツール定義のコンテキスト消費が約72,000トークンから約8,700トークンに(85%削減)なります。MCP設定を増やしてもAPI費用が抑えられる仕組みです。コンテキストウィンドウのツール定義が10%を超えると自動的に有効化されます。設定不要で自動で機能します。
セキュリティのベストプラクティス
MCPはClaude Codeに外部ツールを「操作する権限」を与えます。適切なセキュリティ設定を行わないと、意図しない操作(ファイルの誤削除、不要なコミット等)が発生する可能性があります。
MCPが外部ツールを操作するということは、Claudeが「あなたの代わりに動く」ことを意味します。人間と同様に、「このMCPに何を許可するか」を明示的に管理することが重要です。
必ず守るべき4原則:
- APIトークンは必ず環境変数で管理(.envファイル、OSのキーチェーン等)
- mcp.jsonは.gitignoreに含める or プロジェクト外に配置
- 権限は最小限(読み取りのみ、特定リポジトリのみ等)
- 使わないMCPサーバーはmcp.jsonから削除してトークンを失効させる
企業全体でのMCP活用ポリシーについては、情シス部門と連携して運用ルールを定めることをおすすめします。Claude Code社内利用の全般的なガイドラインは別記事「Claude Code社内利用ガイド」で解説しています。
MCPを会社で展開するための承認フロー
個人開発者がMCPを試すのは簡単ですが、会社全体で使う場合は情シス部門の承認が必要なケースがあります。スムーズに承認を得るためのポイントをまとめました。
情シスが懸念する点と回答例:
| 情シスの懸念 | 回答例 |
|---|---|
| APIトークンが外部に漏れるリスク | 環境変数で管理、.gitignoreで除外、Fine-grained tokenで最小権限 |
| 社内DBへの無制限アクセス | 読み取り専用アカウントを作成、ステージングDBのみ接続 |
| Claudeが意図しない変更を加えるリスク | 承認フロー設定(全てのコミット/PR作成に人間の確認を必須化) |
| 機密情報がAnthropicに送信されるか | Teamプランは機密情報の学習利用なし。EnterpriseはSOC 2 Type II準拠 |
情シス部門への説明資料は研修やコーチングの中でもサポートしています。Claude Code個別研修・コーチングサービスをご覧ください。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日: node –versionでバージョンを確認し(18以上でなければアップグレード)、GitHub MCPを設定して「現在のリポジトリのオープンIssue一覧を表示して」と試す。10分でできます
- 今週中: 業務で最もよく使うツール(Slack・Notion・DBのどれか)のMCPを1つ追加設定し、週に5回以上繰り返している作業を自動化する。設定にかかるのは1時間程度です
- 今月中: 「GitHub PR作成 → Slackに通知」「DB問い合わせ → レポート生成 → Google Driveに保存」のような複数MCPを組み合わせたフローを1つ完成させる。社内のセキュリティルール(APIトークン管理・入力データの制限)を情シス部門と確認してから展開すること
Claude Codeを活用した高度な業務自動化についてはClaude Code個別研修・コーチングサービスでもご相談いただけます。
MCPはまだ登場して日が浅い技術ですが、Anthropicがオープン標準として公開したため、すでに何百ものサーバーが世界中の開発者によって公開されています。Claude Codeだけでなく、CursorやWindsurf、その他のAI開発ツールでも同じMCPサーバーが使えるため、一度設定すれば複数ツールで再利用できます。MCPサーバー開発のエコシステムは急成長中で、今後さらに多くのサービス連携が可能になります。公開MCPサーバーの一覧はModel Context Protocol公式リポジトリ(参照日: 2026-03-27)で検索できます。自社のニーズに合ったサーバーを探してみてください。
MCPを活用した業務自動化の詳細なトレーニングについてはClaude Code個別研修・コーチングサービスでもご支援可能です。非エンジニアの方でも、MCP設定から業務自動化スクリプトの作成まで、ハンズオンで習得できるプログラムをご用意しています。
あわせて読みたい:
- Claude Code始め方完全ガイド — インストールから最初のタスクまで
- Claude Code Agent Teams完全ガイド — 複数Claudeを並列実行して開発を加速
関連メディア
参考・出典
- Connect Claude Code to tools via MCP – Claude Code Docs — Anthropic公式(参照日: 2026-03-27)
- Connect to local MCP servers – Model Context Protocol — MCP公式ドキュメント(参照日: 2026-03-27)
- Claude Code MCP Servers: How to Connect, Configure, and Use Them — Builder.io(参照日: 2026-03-27)
- MCP Authentication in Claude Code 2026 Guide — TrueFoundry(参照日: 2026-03-27)
著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、X(旧Twitter)で活用法を発信(@SuguruKun_ai、フォロワー約10万人)。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
ご質問・ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。


