結論: 岩手銀行は2024年6月、キーウェア・サイボウズ・freee・NTT東日本の4社とDX連携協定を締結。3年間で1,000件超のDX相談対応を目標に、融資×ICTコンサルという地方銀行ならではのAI支援エコシステムが動き出しています。
この記事の要点:
- 要点1: 岩手銀行+4社(キーウェア・サイボウズ・freee・NTT東日本)の包括連携協定(2024年6月締結)の全容
- 要点2: 地方銀行がDX支援に乗り出す理由と、中小企業が活用できる具体的なサービス
- 要点3: 全国の地方銀行DX事例との比較と、岩手県内中小企業がすぐ動けるアクション
対象読者: 岩手県内の中小企業経営者・DX推進担当者
読了後にできること: 岩手銀行のDXサポートチームへの相談窓口を把握し、今日アクションを起こせる
「銀行って、融資のことしか相談できないと思ってた。」
AI研修の場でこう言った経営者が、実はかなりいます。でも、今の地方銀行は変わっています。融資だけでなく「あなたの会社のIT化・AI化を一緒に考える」パートナーに進化しつつある。
岩手銀行は2024年6月21日、ICT関連4社(キーウェアグループ、サイボウズ、freee、NTT東日本)と「地域のDX推進に係る包括連携協定」を締結しました。3年間で1,000件超のDX相談対応を目指す、本格的な中小企業DX支援エコシステムです。
私(佐藤傑)は岩手県盛岡市出身です。地元企業がこういった支援を使いこなして、デジタル化の波に乗ってほしいという思いから、この記事を書いています。岩手県のAI研修・導入支援はこちらからもご相談ください。
📌 全国の地方銀行・金融機関にも応用可能
本記事は岩手銀行のDX連携協定(neoAI採用・NTTデータ東北クラウド基盤)を起点に、全国の地方銀行・金融機関が AI で行内業務効率化と地域連携を進める実装パターンを整理しています。岩手県内事業者向けの実装手順詳細は 岩手の中小企業 生成AI 導入完全ガイド(iwate AI ピラー)で公開しています。
まず結論:岩手銀行DX連携の全体像
事例区分: 公開事例
以下は岩手銀行・各社の公式プレスリリースおよび日本経済新聞報道に基づく公開情報です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 協定締結日 | 2024年6月21日 |
| 連携企業 | 岩手銀行 + キーウェアグループ・サイボウズ・freee・NTT東日本 |
| 目標 | 3年間で1,000件超のDX相談対応 |
| 支援開始 | 2024年4月(いわぎんデジタルサポートチーム稼働) |
| 主なターゲット | 岩手県内の中小企業(人手不足・業務属人化に悩む企業) |
「いわぎんデジタルサポートチーム」とは何者か
2024年4月、岩手銀行は「いわぎんデジタルサポートチーム」を設置しました。これは銀行内部にICTコンサルティング機能を持たせるという、従来の銀行業務の枠を超えた組織です。
📍 岩手県内事業者向け 実装ガイド:岩手県内で具体的に AI 導入を進めたい事業者向けに、業種別の実装手順・助成金活用・研修設計を 岩手の中小企業 生成AI 導入完全ガイド(iwate AI) で公開しています。岩手県内の実装事例 7組織(一関市・岩手銀行・岩手大学等)の紹介、業種別優先度マトリクス、岩手県内クラスターナビ付き。
同チームは、取引先中小企業の「DX相談」を受け付け、課題のヒアリング→ICT/AIツールの提案→導入後のフォローまでをサポートします。いわば「銀行が無料でDXコンサルをしてくれる」仕組み。
なぜ銀行がここまでするのか?理由は明快です。顧客の中小企業が人手不足・業務非効率から脱却して成長すれば、銀行との取引も拡大する。Win-Winの関係があります。
4社はそれぞれ何を担うのか
キーウェアグループ(キーウェア東北)
業務最適化コンサルティングとITソリューション提供を担います。地域企業へのIT・DXセミナー実施やデジタル人材育成支援も行います。岩手銀行とは以前からシステム事業譲渡などの関係があり、地域DXの実務パートナーとして機能しています。
【プロンプト例 — 業務フロー改善検討用】
「私は岩手県の中小企業(従業員[人数]名・業種[業種名])の経営者です。
以下の業務プロセスのDX化を検討しています。
現在の業務フロー:
1. [ステップ1]
2. [ステップ2]
3. [ステップ3]
問題点:
- [問題点1]
- [問題点2]
この業務をITツールで改善する場合の選択肢を
コスト・効果・導入難易度の観点で3つ提案してください。
仮定した点は必ず"仮定"と明記してください。」サイボウズ
「kintone」をはじめとする業務改善プラットフォームの導入支援を行います。サイボウズはDIGITAL CAMPというコンサルティング養成プログラムも持っており、その知見を岩手県内企業のBPR(業務プロセス改革)に活かします。特に「ノーコード・ローコードで自社業務アプリを作る」という方向性は、専任IT人材がいない中小企業に向いています。
freee(フリー)
クラウド会計・人事労務のfreeeです。中小企業の経理・給与計算・勤怠管理のDX化を担います。岩手銀行とは法改正対応(インボイス制度・電子帳簿保存法など)を含む地域社会の持続的発展への貢献を目的に業務提携を締結しています。
NTT東日本
地域ICTインフラとクラウドサービスを担当します。岩手銀行とNTT東日本はこれ以前(2022年7月)にも「DX活用の地域活性化」を目的とした連携協定を結んでいます。今回の4社協定で、その関係がさらに強化されました。
【プロンプト例 — DXツール選定用】
「以下の条件に合うDXツールを比較・提案してください。
会社情報:
- 業種: [製造業/小売業/サービス業等]
- 従業員数: [人数]名
- 特に困っている業務: [経理/勤怠/営業管理/情報共有等]
- 予算: 月[金額]円以内
- IT担当者の有無: [あり/なし]
各ツールについて:
1. 主な機能
2. 月額費用(概算)
3. 導入難易度(★1〜5)
4. 岩手県の中小企業に合う理由
数字と固有名詞は根拠(出典/計算式)を添えてください。」地方銀行DX支援 — 全国比較
岩手銀行の取り組みを全国の地方銀行と比較してみます。
| 銀行 | DX支援の特徴 |
|---|---|
| 岩手銀行 | ICT4社との包括連携。専任チーム「いわぎんデジタルサポートチーム」。3年1,000件目標 |
| 北海道銀行 | 道内IT企業との連携、スタートアップ支援に積極的 |
| 北陸銀行 | 富山・石川エリアの製造業向けIoT・AI導入支援 |
| 七十七銀行(宮城) | 宮城県内中小企業向けDXアドバイザリー、クラウド活用支援 |
岩手銀行の特徴は「4社という複数パートナー×専任チーム設置」という組み合わせです。単一ベンダーとの提携ではなく、業務改善(キーウェア・サイボウズ)・経理DX(freee)・インフラ(NTT東)と役割を分担した「エコシステム型」になっているのが強みです。
岩手県内中小企業が活用する具体的な方法
フェーズ1: 銀行に相談する(0円・今日できる)
岩手銀行の口座を持っている、または融資取引がある企業なら、まず「いわぎんデジタルサポートチームに相談したい」と銀行担当者に伝えるだけです。初回は課題のヒアリングから。「DXって何から始めればいいかわからない」という段階でも構いません。
フェーズ2: 「今一番痛い業務」を1つ選ぶ
DXは全部一気にやろうとすると失敗します。「受発注の電話連絡を減らしたい」「給与計算を自動化したい」「在庫管理をリアルタイム化したい」など、今一番人手が取られている業務を1つに絞って着手します。
【プロンプト例 — 業務優先順位付け】
「当社の業務改善優先順位を決める手助けをしてください。
以下の業務を[緊急度×改善インパクト]のマトリックスで評価し、
最初に着手すべき業務トップ3を教えてください。
業務リスト:
1. [業務名] — 担当[人数]名、週[時間]時間
2. [業務名] — 担当[人数]名、週[時間]時間
3. [業務名] — 担当[人数]名、週[時間]時間
評価観点:①現在の工数、②ミス発生率、③デジタル化の難易度、④費用対効果
不足している情報があれば最初に質問してください。」フェーズ3: 補助金でコストを抑える
freee(会計・人事DX)もkintone(業務アプリ)も、IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)の対象ツールです。岩手銀行のDXサポートチームは補助金情報も提供しており、申請書類の整理なども相談できます。
【要注意】岩手県中小企業のDX導入でよくある失敗パターン
失敗1: 銀行に「相談」せず「融資」だけもらう
❌ DXツール導入費用を融資で調達するだけで、活用支援は受けない
⭕ いわぎんデジタルサポートチームと組んで、導入後の定着まで伴走してもらう
なぜ重要か: ツールを買っても使われなければ意味がない。銀行は継続的な関係を持つパートナーであり、定着支援まで頼めるのが今の地方銀行DX支援の強みです。
失敗2: 経理DXだけで終わらせる
❌ freeeで会計は自動化できた。でもそれ以上は何もしない
⭕ 経理DXで生まれた「時間」を営業・企画・製造改善に回す計画を同時に作る
なぜ重要か: DXの本当の価値は「節約した時間で何をするか」にあります。経理DXは入口にすぎません。
失敗3: ツールを導入したが社内定着しない
❌ 経営者だけが「使おう!」と決めて現場スタッフへの説明なし
⭕ 導入目的・使い方・効果の見せ方を現場に丁寧に伝え、最初の1ヶ月は集中フォロー
失敗4: 複数ツールを一気に入れる
❌ 「セットで安い」と言われて会計・勤怠・CRM・チャットを一気に導入
⭕ 1ツール×3ヶ月で定着させてから次のツールへ。段階的に積み上げる
フェーズ3.5: 導入後の定着を確認する
【プロンプト例 — DXツール導入後の定着度チェック】
「[ツール名]を導入して2ヶ月が経過しました。
定着度を評価し、改善策を提案してください。
現状:
- 利用率: 全[人数]名中[人数]名が毎日使用([%])
- よく使う機能: [機能名]
- 使われていない機能: [機能名]
- 現場から出ている不満: [内容]
以下を教えてください:
1. 利用率[%]の評価(業界平均と比較)
2. 使われない機能の原因(3つ以内)
3. 定着率を上げるための具体的なアクション3つ
4. 3ヶ月後に目指すべき状態の定義
不足している情報があれば最初に質問してください。」【プロンプト例 — 岩手銀行DXサポートへの相談前の自己診断】
「岩手県内の中小企業として、いわぎんデジタルサポートチームに
相談する前に自社のDX現状を診断してください。
以下の質問に答えます:
1. 紙で管理している帳票・台帳の数: [件]
2. Excel管理している業務の数: [件]
3. 特定の人だけが知っている業務の数(属人化業務): [件]
4. 月に何時間、定型的な転記・集計作業をしているか: [時間]
5. 顧客とのやり取りで電話・FAXに頼っている割合: [%]
DX優先度スコア(10点満点)と、
最初に改善すべき業務トップ3を評価してください。
仮定した点は必ず"仮定"と明記してください。」Uravationからの視点:地方銀行DXエコシステムの本当の意味
AI研修・導入支援を100社以上で手がけてきた立場から率直に言うと、岩手銀行の取り組みは「地方の中小企業DX支援」の正解に近いモデルだと思います。
都市部と地方では、DX支援の難しさが違います。都市部では「情報が多すぎてどれを選べばいいかわからない」という問題が多い。地方では「誰に相談したらいいかわからない」「信頼できるパートナーがいない」という問題が大きい。
地方銀行は、長年その地域で「信頼」を積み上げてきた存在です。その銀行がDXの相談窓口になることで、「信頼できるパートナーがいない」という最大の障壁を取り除けます。岩手銀行の取り組みは、この地方固有の問題に対する正しい答えです。
岩手県内でのAI研修・活用支援については、Uravationの岩手向けページもご覧ください。
🔍 詳細実装ガイド:岩手銀行×neoAI 完全解説(iwate AI) — 岩手銀行が稼働させたneoAI Chatの設計思想・NTTデータ東北とのクラウド基盤2層構造・地域連携協定の動きを岩手県内事業者の応用パターンまで含めて深掘りしています。
全国の中小企業によくある質問(地域別・規模別の判断軸)
本記事は岩手県の事例を起点としていますが、ここで紹介したフレームは全国の中小企業に応用可能です。本記事の論点を自社の地域・規模・業種に当てはめるための FAQ をまとめました。
Q1. 他地域(岩手以外・全国)でも同じアプローチが効きますか?
A. 効きます。本記事の構造は地方銀行 AI / 金融機関DXにおける共通課題から導かれており、東北・北関東・中部・近畿・九州など全国の地方圏で応用可能です。
Q2. 規模別(10名 / 50名 / 200名)の AI 投資の現実的なレンジは?
A. 中小企業の AI 投資相場として、10名未満=月¥10,000〜¥30,000、10〜50名=月¥30,000〜¥200,000、50〜300名=月¥200,000〜¥1,000,000が現実的レンジ。助成金活用で実質負担を3〜7割削減可能です。
Q3. 自社の所在地(岩手以外)に該当する地域版ガイドはありますか?
A. 現在、岩手県内に特化した地域版ガイドは iwate AIで公開中。他地域版は順次展開予定です。全国汎用の AI 導入戦略は AI導入戦略 決定版ガイドを参照ください。
Q4. 助成金・補助金は全国共通で活用できますか?
A. 主要3制度(人材開発支援助成金 / IT導入補助金 / ものづくり補助金)は全国共通です。各都道府県の労働局・経済産業局が窓口になります。地域固有の補助金は地域版ガイドを参照ください。
Q5. 業界ニッチKW(地方銀行 AI / 金融機関 生成AI / 銀行 DX)でも本記事は応用できますか?
A. 応用可能です。本記事のフレーム・失敗パターン・助成金活用は業界横断で共通する論点。ニッチ業界の固有課題は本文の事例を読み替えて自社業務にマッピングしてください。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 岩手銀行の担当者または窓口に「DXの相談がしたい」と連絡する(口座・取引がある場合)
- 今週中: 自社で最も「人手・時間が取られている業務」を1つ特定し、デジタル化できないか検討する
- 今月中: IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)の対象ツールを確認し、申請スケジュールを押さえる
「DXって難しそう」と思っている岩手県の中小企業経営者の方へ。銀行が伴走してくれる時代が、すでに来ています。動かないと損です。
参考・出典
- 地域のDX推進に係る包括連携協定締結について — 株式会社岩手銀行・キーウェアグループ他(2024年6月21日)(参照日: 2026-04-19)
- 岩手銀行とキーウェア、「地域のDX推進に係る連携協定」を締結 — キーウェアソリューションズ(2024年)(参照日: 2026-04-19)
- freeeと岩手銀行が地域のデジタルトランスフォーメーションに向けて業務提携 — freee株式会社(2024年)(参照日: 2026-04-19)
- 岩手銀行など5社、地域DX推進で協定 中小企業を支援 — 日本経済新聞(2024年6月21日)(参照日: 2026-04-19)
- 岩手銀、地域のDX推進を強化 IT導入支援4社と提携 — ニッキンONLINE(2024年)(参照日: 2026-04-19)
著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。岩手県盛岡市出身。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、X(旧Twitter)で活用法を発信(@SuguruKun_ai、フォロワー約10万人)。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。
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