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AIで営業資料・提案書を作る実践ガイド|法人の運用と品質チェック【2026】

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結論:AIで営業資料・提案書を「作る」コツは、ツール選びよりも「構成案 → ドラフト → 品質チェック → 社外提出」という実務フローを固定することです。AIに任せるのは前半の叩き台づくりまで。数字・固有名詞・約束ごとの最終確認は必ず人間が行い、法人では「誰が・何を入力してよいか」「誰が承認するか」の運用ルールをセットで決めると、安全に時短できます。

この記事の要点

  • 提案書・営業資料をAIで作る4ステップ(構成案づくり → ドラフト生成 → 品質チェック → 社外提出前の最終確認)を、そのままコピペできるプロンプト6本つきで解説
  • AIが書きがちな「もっともらしい嘘の数字」「言い過ぎの約束」を弾く、提出前チェックリストを公開
  • 法人で運用するための「入力してよい情報の範囲」「承認フロー」「アカウント集約」のルール設計まで網羅

対象読者:提案書・営業資料・社内向けプレゼンに毎週時間を溶かしている中小企業の経営者・営業/企画の部門責任者・現場担当者
読了後にできること:今日、自社の提案書を1本「構成 → ドラフト → チェック」の流れでAIに下書きさせ、提出前チェックリストで仕上げられます。

「この提案書、明日の商談までに仕上がるのか…?」

先日、ある研修先(従業員50名規模のBtoBサービス業)でこんな相談を受けました。営業課長の方が、毎週2〜3本の提案書を作っていて、1本あたり3時間。「話す中身は頭にあるのに、文章にして、体裁を整えて、数字を入れて、と組み立てる工程で消耗する」とのことでした。聞いていて、これは多くの会社の「あるある」だなと感じました。提案書って、考える時間より組み立てて清書する時間のほうが長いんですよね。

その「組み立てて清書する時間」こそ、いまのAIが得意とするところです。テーマと聞き手を渡せば、構成案も、本文のドラフトも、話し原稿まで一気に下書きしてくれる。正直、初めて営業資料の叩き台をAIに作らせたときは「ここまで形になるのか」とびっくりしました。ただ、研修現場で実際に使ってもらうと、もう一つの問題がはっきり見えてきます。AIが出した数字や約束を、そのまま社外に出してしまう事故です。

そこで気づいたのは、提案書作りでAIを使いこなす分かれ目は「どのツールが優秀か」ではなく、「作る工程と、チェックする工程を分けて、人間が出口を必ず締めているか」だということ。叩き台はAIに任せ、最後の事実確認と約束ごとの責任は人間が持つ。この役割分担を実務フローとして固定できている人ほど、速く・安全に提案書を仕上げています。

この記事では、AIで営業資料・提案書を「作る」ための実務フローを、コピペで使えるプロンプト6本と提出前チェックリストつきで全公開します。どのAIツールを選ぶべきかという比較は別記事に譲り(後述)、ここでは「選んだツールで、どう安全に作り切るか」に振り切ります。AI活用の全体像から押さえたい方は、AIエージェント導入完全ガイドもあわせてどうぞ。

まず全体像:AIで提案書を作る4ステップ

細かいプロンプトに入る前に、提案書作りの「型」を先に共有します。成果を出している人は、例外なくこの4ステップで回しています。逆に、いきなり「提案書を全部作って」と丸投げする人ほど、的外れな出力にがっかりして時間を溶かしています。

ステップやることAIの役割人間の役割
① 構成案づくり誰に・何を・どの順番で伝えるかの骨組みを設計論点の洗い出し・順番の提案商談の文脈を踏まえて取捨選択
② ドラフト生成各スライド/各章の本文を下書き文章・見出し・要点の生成自社の言い回し・トーンに調整
③ 品質チェック数字・約束・論理の飛躍を点検セルフレビュー・抜け漏れ指摘事実確認・約束ごとの責任判断
④ 社外提出前の最終確認固有名詞・金額・日付・誤解リスクの最終点検(原則ここは使わない)一次ソース照合・最終承認

大事なのは、後半(③④)に進むほど人間の比重が上がること。AIに任せていいのは前半の叩き台づくりであって、価値が出るのも、責任が発生するのも後半です。ここを混同して「全部AIがやってくれる」と思い込むと、社外に出してはいけない資料を出してしまいます。

事例区分:想定シナリオ
本記事の研修現場・顧問先のエピソードは、100社以上のAI研修・導入支援の経験をもとに構成した典型的なシナリオです。特定企業の実データではありません。

なお、この記事は「作る実務フロー」に特化しています。Gamma・Canva・Microsoft 365 Copilot・ChatGPT・イルシルといったツールの料金や向き不向きの比較は、資料作成AI比較|用途別の選び方とプロンプトで詳しく整理しています。「そもそもどれを使えばいいの?」という方は、先にそちらで自社の用途に合う1本を決めてから戻ってくると、この記事のフローがそのまま当てはまります。

ステップ①:構成案づくり ── 設計図を先に固める

提案書作りで最初にやるべきは、デザインでも本文でもなく「話の骨組み」です。誰に・何を・どの順番で伝えるか。ここをAIと壁打ちして固めます。研修先で「資料がうまく作れない」という方の多くは、実はこの設計をすっ飛ばして、いきなり1枚目から書き始めて迷子になっています。

構成案づくりでは、聞き手・ゴール・制約(枚数・時間)をAILに渡すのがコツです。とくにBtoBの提案書は「結論を早く出す」「相手の課題から入る」のが効くので、その指示も最初にAIへ入れておきます。

プロンプト1:提案書の構成案を作る

あなたはBtoB営業の提案書設計の専門家です。以下の条件で提案書の構成案を作ってください。

# 提案テーマ
[例:中小製造業向けの在庫管理システム導入提案]

# 聞き手
[例:従業員80名・製造業の経営者と工場長。ITには明るくない]

# ゴール
[例:3ヶ月のトライアル導入の合意を得る]

# 相手の想定課題(ヒアリングで分かっている範囲)
[例:在庫の過不足が多い / 棚卸しに毎月2日かかっている]

# 制約
- スライド枚数:[例:10枚程度]
- 持ち時間:[例:20分]

出力形式:各スライドの「タイトル」と「そのスライドで伝える要点(2〜3行)」を箇条書きで。
相手の課題から入り、結論(提案の核)を前半で示す流れにしてください。
デザインや装飾は不要です。話の構成だけを設計してください。
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。

顧問先の営業部門でこのプロンプトを使ってもらったところ、「自分が作るとどうしても会社紹介から入ってしまうが、AIに設計させると相手の課題から始まる構成になり、商談の食いつきが変わった」という声がありました(事例区分:想定シナリオ)。構成は自己流のクセが出やすい部分なので、一度AIに客観的に組ませてみると気づきが多いんです。

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ステップ②:ドラフト生成 ── 各章の本文を下書きさせる

構成が固まったら、各スライド・各章の本文をAIに下書きさせます。ここで一気に「形」になります。ポイントは、スライド1枚=1メッセージに絞ること。AIは放っておくと情報を詰め込みがちなので、「要点は3点以内」「1行で言い切る」と制約をかけると、人に見せられるドラフトになります。

プロンプト2:1枚(1章)の本文を清書する

以下のスライドのメッセージを、聞き手に伝わる提案書の本文に清書してください。

# スライドのタイトル
[例:なぜ今、在庫管理を見直すべきか]

# 伝えたい要点(メモ)
[例:在庫の過不足で月◯万円の機会損失 / 棚卸しに毎月2日 / まず1拠点から始められる]

# トーン
[例:経営者向け・落ち着いた・煽らない・実務的]

出力形式:
- 見出し(15文字以内)
- 本文(箇条書き3点以内、各1行)
- 補足ひとこと(任意)

数字を使う場合は [要確認] とマークし、根拠(出典/前提)が必要な旨を明記してください。
事実が確定していない点を断定で書かないでください。

このプロンプトの肝は最後の2行です。「数字には [要確認] を付けさせる」。こうしておくと、後の品質チェック工程で「どこを裏取りすべきか」が一目でわかります。研修先では「AIが勝手にそれっぽい数字を入れて、それを見落として提出しかけた」というヒヤリハットが実際にありました。最初から要確認マークを出させる運用にすると、この事故がぐっと減ります。

プロンプト3:既存の議事録・企画書から提案書ドラフトを起こす

以下の文章を、BtoB提案書の構成に落とし込んでください。

# 元の文章
[ここに商談メモ・議事録・社内企画書などを貼り付け]

# 条件
- スライド枚数:[例:8枚]
- 1枚あたりの文字量:少なめ(口頭補足前提)
- 相手の課題 → 提案 → 効果 → 進め方 → 費用 の流れで

出力形式:スライドごとに「タイトル」と「箇条書き要点」。
元の文章に書かれていない情報は付け足さないでください。
推測で補う必要がある箇所は [要確認] とマークしてください。

商談メモや議事録から提案書を起こすこのやり方は、研修でも一番反響が大きいパターンです。ゼロから書くより「素材を渡して整理させる」ほうがAIの精度が高く、しかも自社の文脈がちゃんと反映されます。「元の文章にない情報は足さない」と縛るのも忘れずに。これがないと、AIが世間一般の話を勝手に盛り込んできます。

ステップ③:品質チェック ── AIに自己レビューさせる

ここからが、社外に出す資料で本当に差がつく工程です。ドラフトができたら、まずAI自身にレビューさせて、論理の飛躍や抜け漏れを洗い出します。人間がいきなり細部を直すより、先に構造の問題をAIに指摘させたほうが効率的です。

プロンプト4:提案書を聞き手目線でレビューさせる

以下は提案書のスライド構成と本文です。発注を判断する相手の立場でレビューしてください。

# 聞き手
[例:投資判断をする役員・予算を握る部長]
# 提案書の内容
[ここに各スライドのタイトルと本文を貼り付け]

チェックしてほしい観点:
1. 相手の課題に対して、提案がちゃんと答えになっているか
2. 結論(提案の核)が早い段階で示されているか
3. 話の流れに飛躍・抜けがないか
4. 専門用語が説明なく使われていないか
5. 「言い過ぎ」「断定しすぎ」な表現がないか
6. 削れるスライド・統合できるスライドはないか

指摘は「該当スライド名 → 問題点 → 改善案」の形で。
事実関係の断定が必要な箇所は、確認が必要な旨も挙げてください。

観点5の「言い過ぎ・断定しすぎ」は、提案書では特に重要です。AIは説得力を出そうとして「必ず」「確実に」「業界No.1」といった強い表現を使いがち。社外の提案書でこれをやると、後で「言った/言わない」のトラブルや、景品表示法的に危うい表現になりかねません。レビューでこの観点を必ず入れてください。

プロンプト5:スピーカーノート(話し原稿)を作る

以下の提案書の構成に対して、各スライドのスピーカーノート(商談で話す原稿)を作ってください。

# 提案書の構成
[各スライドのタイトルと要点を貼り付け]
# 持ち時間
[例:合計20分]
# 話し方
[例:丁寧だが堅すぎない / 一文を短く / 相手に質問を投げる箇所も入れる]

出力形式:スライドごとに、実際に話せる自然な話し言葉で。
1スライドあたりの目安秒数も添えてください。
誇張表現や根拠のない数字は使わないでください。
相手の反応を確認する問いかけを、要所に入れてください。

提案書は「資料そのもの」だけでなく「どう話すか」で決まります。スピーカーノートまでAIに下書きさせておくと、商談前の準備時間が大きく縮みます。研修先の営業担当の方からは「資料は作れても、話す順番で詰まっていた。話し原稿があると本番で落ち着ける」という感想をよくいただきます(事例区分:想定シナリオ)。

ステップ④:社外提出前チェック ── ここだけは人間が締める

正直にお伝えすると、AIで提案書を作るとき一番怖いのは「品質」ではなく「事故」です。もっともらしい嘘の数字(ハルシネーション)、相手企業名の取り違え、消費税の有無があいまいな金額、守れない約束。これらをそのまま社外に出すと、信用問題に直結します。

そこで、社外提出の前に必ず通すチェックリストを用意しておくのがおすすめです。研修現場で配っている型を、そのまま載せます。

確認項目見るポイント
数字・統計市場規模・効果・実績の数字は一次ソースで裏取りしたか。[要確認] マークが残っていないか
固有名詞相手企業名・担当者名・自社サービス名に誤りがないか(AIは名前を取り違えることがある)
金額表記税込/税抜が明記されているか。月額/年額が混在していないか。「◯◯円〜」の前提条件が書いてあるか
日付・期間納期・トライアル期間・有効期限が現実的か。古い日付が残っていないか
約束ごと「必ず」「確実に」など守れない断定がないか。SLA・保証範囲を盛りすぎていないか
機密の混入他社の事例を載せる場合、守秘義務に触れていないか。社内限定情報が紛れていないか
誤解リスク第三者が読んでも一通りの意味に取れるか。皮肉・曖昧表現がないか

このチェックリストは、AIに渡してセルフチェックさせることもできます。ただし最終承認は必ず人間が行う。これは何度でも強調したいポイントです。AIにチェックさせるのは「人間の見落としを減らすため」であって、「人間の責任を肩代わりさせるため」ではありません。

プロンプト6:提出前チェックをAIに手伝わせる

以下の提案書ドラフトを、社外提出前のリスク観点でチェックしてください。あなたは最終承認者ではなく、人間の見落としを減らす補助役です。

# 提案書ドラフト
[ここに本文を貼り付け]

# 指摘してほしい観点
1. 出典・根拠が不明な数字や統計(要・裏取り)
2. 「必ず」「確実に」など、守れない可能性のある断定表現
3. 税込/税抜・月額/年額があいまいな金額表記
4. 古い日付・非現実的な納期
5. 第三者が読むと複数の意味に取れる曖昧な箇所

出力形式:「該当箇所 → リスクの種類 → 修正案」。
あなたの推測で事実を補わず、確認が必要な点は「人間が確認」と明記してください。

15分で提案書ドラフトを作る流れ(時系列イメージ)

4ステップを実際の時間軸に落とすと、こんな進め方になります(事例区分:想定シナリオ)。

  1. 最初の5分:プロンプト1で構成案を作る。出てきた骨組みを見て「会社紹介は後ろに回そう」「費用の前に効果のスライドを足そう」など、商談の文脈に合わせて人間が並べ替える。
  2. 次の5分:プロンプト3で議事録から本文ドラフトを起こす、またはプロンプト2で各章を清書する。自社の言い回しやトーンに合わせて手を入れる。
  3. 最後の5分:プロンプト4でAIにレビューさせ、指摘を反映。提出前チェックリストとプロンプト6で、数字・固有名詞・金額・約束ごとを人間が一次ソースで確認して締める。

ゼロから手作業で3時間かけていた頃を思うと、削れた時間を「中身を磨く」ほうに回せるのが一番の収穫です。逆に言えば、AIに任せるのは作業の前半(叩き台づくり)であって、価値も責任も人間が持つ後半(チェックと承認)にあるということでもあります。

【要注意】AIで提案書を作るときの失敗パターンと回避策

失敗1:いきなり「提案書を全部作って」と丸投げする

❌ 「A社向けの新サービス提案書を全部作って」とテーマだけ渡す
⭕ まず構成案だけ作らせ、骨組みを人間が確認してからドラフト生成に進む

なぜ重要か:AIは大きすぎるタスクを渡されると、もっともらしいが的外れな提案書を量産します。ステップを分けるほど軌道修正が効き、最終品質が上がります。研修先でも、丸投げ派より分割派のほうが圧倒的に早く・的確に仕上がっていました(事例区分:想定シナリオ)。

失敗2:AIが出した数字・固有名詞をそのまま提出する

❌ AIが書いた市場規模や導入効果の数字を、裏取りせず役員プレゼンや顧客提案に使う
⭕ 数字・固有名詞・最新情報は必ず一次ソースで確認してから載せる。プロンプトで [要確認] を出させる

なぜ重要か:生成AIはもっともらしい数字を作ってしまうことがあります(ハルシネーション)。社外提案書で誤った数字を使うと、信用問題に直結します。本記事のプロンプトはすべて「数字に要確認マークを付ける」設計にしてあります。これを活かしてください。

失敗3:「言い過ぎの約束」を見逃す

❌ AIが説得力を出そうとして書いた「必ず○%改善」「確実に成果が出る」をそのまま残す
⭕ 守れる範囲の表現に直す。保証・SLAは契約と整合する形にする

なぜ重要か:提案書の断定表現は、後の「言った/言わない」トラブルや、表示規制上のリスクになります。レビュー(プロンプト4・6)に「言い過ぎ・断定しすぎ」観点を必ず入れて弾きましょう。

失敗4:機密情報を無防備にAIへ貼り付ける

❌ 相手企業の未公開情報・自社の顧客リスト・価格表を、利用規約を確認しないまま無料AIに入力する
⭕ 入力してよい情報の範囲を社内ルールで決め、学習に使われない設定・法人向けプランを使う

なぜ重要か:提案書には機密が当たり前に含まれます。便利だからこそ、つい中身をそのまま貼ってしまう。ここに歯止めをかける仕組みが要ります。次のセクションで詳しく扱います。

法人で運用する進め方:品質チェックと社内ルール

個人で1本作るぶんには、ここまでのフローで十分です。ただ、これを全社・チームの標準にするとなると、もう一段の設計が要ります。研修現場で「個人利用」から「全社の安全な運用」へ移行するとき、必ず整理してもらうのが次の3点です。

① 入力してよい情報の範囲を決める

提案書には未公開情報・顧客名・価格・社内数値が含まれます。これを無防備に外部AIへ貼ると、思わぬ形で外部に出るリスクがあります。研修現場では、まず「入力禁止リスト」と「匿名化のルール」を決めてもらいます。

  • 原則入力禁止:個人情報、未公開の財務、顧客の固有名詞、契約に関わる機密。
  • 匿名化して入力:「A社(製造業・従業員80名)」のように一般化してから渡す。
  • 判断に迷う情報:上長に確認する、というエスカレーション先を明記しておく。

② 承認フロー(誰が出口を締めるか)を決める

提案書作りでAI事故が起きるのは、たいてい「作った人がそのまま出した」ケースです。社外提出物は、AI生成かどうかに関わらず、本記事の提出前チェックリストを通したうえで人間が最終承認するフローを決めておきます。承認者は「数字の裏取り」「約束ごとの妥当性」「機密の混入」を確認する役割だと、明文化しておくのがコツです。

③ アカウントを会社管理に集約する

地味ですが効くのが「無料アカウントの乱立を防ぐ」こと。各自が個人メールで無料AIアカウントを作ると、誰がどのサービスに何の情報を入れたか会社が把握できなくなります。これは情報ガバナンス上かなり危ない状態です。全社で使うと決めたら、会社管理のアカウント・法人プランに集約し、入退社時のアクセス管理まで含めて運用するのが望ましい形です。

「AIに丸投げ」ではなく「AIと協業」。便利さの裏側にあるリスクを管理する仕組みまで作って、はじめて全社で安心して提案書づくりにAIを使えます。社内ルールの整備は、生成AI利用ガイドライン完全テンプレのような型を使うと一気に進みます。

企業が今日から始める3つのアクション

  1. 今日:手元にある提案書を1本選び、プロンプト1で構成案だけAIに作らせてみる。自分が作る構成との違いを見るだけでも発見があります。
  2. 今週中:実際の商談用提案書を1本、「構成案 → ドラフト → AIレビュー → 提出前チェックリスト」の4ステップで仕上げる。チームの1人が試して手順を共有する。
  3. 今月中:「入力してよい情報の範囲」と「承認フロー」を最小限で文書化し、社内に共有する。フロー整備とルール整備をセットで進めると、現場が安心して使えるようになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. どのAIツールを使えばいいですか?

この記事は「作る実務フロー」に特化しているため、ツール選びは資料作成AI比較|用途別の選び方に譲っています。ざっくり言うと、構成・文章の壁打ちは汎用AI(ChatGPT等)、スライド清書はGamma・Canva・イルシル、既存のOffice資産を活かすならMicrosoft 365 Copilot、という使い分けが基本です。本記事の4ステップは、どのツールを選んでもそのまま当てはまります。

Q2. AIが作った提案書はそのまま顧客に出していいですか?

そのままはおすすめしません。AIが作るのは叩き台です。数字・固有名詞・金額・約束ごとを本記事の提出前チェックリストで人間が確認し、最終承認を通してから出してください。「作る」のはAI、「責任を持って出す」のは人間という線引きが、安全に使う前提です。

Q3. もっともらしい嘘の数字(ハルシネーション)を防ぐコツは?

3つあります。①プロンプトで「数字には [要確認] を付けさせる」(本記事のプロンプトは全てこの設計)、②「元の資料にない情報は足さない」と縛る、③提出前に一次ソースで裏取りする。この3点を運用に組み込むと、社外資料の数字事故はかなり減らせます。

Q4. 機密を含む提案書をAIで作っても大丈夫ですか?

無条件には推奨しません。個人情報・未公開の財務・相手企業の固有名詞は原則入力せず、匿名化・一般化してから渡してください。法人向けプランやエンタープライズ設定でデータの扱い(学習に使われないか)を確認し、社外提出物は必ず人間が最終承認する——この運用が前提です。詳しくは本記事「法人で運用する進め方」を参照してください。

Q5. スライドの清書まで含めて時短したいです。手順は?

「ChatGPT等で構成・本文を固める → Gamma/Canva/イルシルで清書する」の二段構えが定番です。中身を考えるAIと、形にするAIを分業させると、どちらも一本で抱え込ませるより精度が上がります。清書ツールの選び方は資料作成AI比較記事を参照してください。

Q6. チームで標準化するには何から手をつければいいですか?

まず本記事の4ステップとプロンプト6本を「共通の型」としてチームに配り、1人が実際に1本作って手順を見せるのが早いです。並行して「入力してよい情報の範囲」「承認フロー」を最小限で文書化します。使い方の型とルールをセットで配ると、属人化せず安全に広がります。

まとめ:今日から始める3つのアクション

AIで営業資料・提案書を作るコツは、ツール選びよりも「構成案 → ドラフト → 品質チェック → 社外提出前の最終確認」という4ステップを固定することです。AIに任せるのは前半の叩き台づくり。数字・固有名詞・約束ごとの責任は、後半で人間が必ず締める。法人では「入力範囲」「承認フロー」「アカウント集約」のルールをセットで決めれば、安全に時短できます。

  1. 今日:提案書を1本選び、プロンプト1で構成案を作らせてみる。
  2. 今週中:商談用提案書を1本、4ステップとプロンプト集で仕上げ、提出前チェックリストで締める。
  3. 今月中:入力ルールと承認フローを文書化し、チームで共有する。

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参考・出典


著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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佐藤傑
この記事を書いた人 Uravation Lead API Bot
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