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ツール比較・実践ガイド 26分で読めます

【2026年最新】AI議事録ツール比較|6サービスを実務で検証






結論:AI議事録ツールは「日本語の会議をどれくらいやるか」「対面会議が多いか」「CRM/Slack/Notionとどこまで連携させたいか」の3軸で選べば失敗しません。日本語中心・国内データ保管を重視するならNottaかRimo Voice、グローバル会議や英語ミーティングが多いならtl;dvかFireflies、対面・外出先の会議が多いならPLAUDのハードウェア型、Salesforce連携や個人利用ならOtter.aiが第一候補です。

この記事の要点

  • 要点1:6サービスを「日本語精度・Web会議連携・話者分離・要約/アクションアイテム・外部連携・料金・データ保管・API・対面対応」の9軸で比較し、総合スペック表・料金表・用途別推奨マトリクスの3表にまとめた
  • 要点2:無料枠は各社で大きく差があり、Otter.ai/PLAUDは月300分、Nottaは月120分、tl;dv/Firefliesは録音無制限だがAI要約に厳しい上限がある。「無料で始めて足りなくなったら有料」の罠を回避する設計を解説
  • 要点3:ツール選定より「議事録を会議後どう活かすか(要約プロンプト・アクションアイテム抽出・タスク管理連携)」の設計が成果を分ける。コピペで使えるプロンプト・設定手順を5つ以上掲載

対象読者:会議運用を見直したい中小企業の経営者・部門責任者・情報システム担当者(営業/CS/経営会議/1on1の運用改善を検討中の方)

読了後にできること:自社の会議タイプに合うAI議事録ツールを1つに絞り込み、今日中に無料枠で試し、議事録を「録って終わり」にしない要約プロンプトをチームに配れます。


「AI議事録ツール、結局どれ入れればいいんですか?」

企業向けAI研修で、ここ1年でいちばん増えた質問です。tl;dvもNottaもPLAUDも名前は聞いたことがある、でも横並びで比較した資料が見当たらない。無料で試してはみたものの、AI要約の上限にすぐ当たって「結局これでいいのか判断できない」――そういう声を本当によく聞きます。

あるBtoBサービス企業の営業部門(従業員50名規模・想定シナリオ)では、商談ごとに営業担当が30〜40分かけて議事録を手で書き起こしていました。週に商談が15本あれば、それだけで部門全体で週7〜8時間が消えている計算です。研修の現場でこの数字を出すと、たいていの参加者が「うちもそれくらい使ってる気がする」と顔をしかめます。

この記事では、代表的なAI議事録ツール6サービス――tl;dv / Notta / Rimo Voice / PLAUD / Otter.ai / Fireflies――を、中小企業の意思決定者が「自社の会議運用にどれを入れるか」を判断するために必要な軸でフラットに比較します。日本語精度、Web会議連携、料金、データ保管、対面会議対応まで、100社以上のAI研修・導入支援の経験から構成した想定シナリオも交えて整理しました。比較表は総合スペック・料金・用途別推奨の3つを用意し、議事録を活かすための設定プロンプトもコピペで使える形で載せています。今日から動かしながら読んでください。

そもそもAIエージェントとは何か、業務にどう組み込むかという全体像については、AIエージェント導入完全ガイドで体系的にまとめています。先に俯瞰したい方はそちらをご覧ください。


まず結論:用途別おすすめ早見表

結論から出します。細かい比較は後述しますが、自社の会議タイプに当てはめて「まずどれを試すか」を1つ決めてください。

あなたの状況第一候補理由
日本語の会議が9割・国内データ保管を重視Notta または Rimo Voice日本語認識に最適化、国内事業者運営。Rimoは「えーと」除去など整文が強い
英語/多言語の会議が多い・グローバルチームtl;dv または Fireflies多言語対応とCRM/Slack連携が厚い。Firefliesは無料枠で録音無制限
対面会議・外出先・展示会の商談が多いPLAUD(NotePin/NOTE)ウェアラブルICレコーダー型。Web会議に依存しない
Salesforce/HubSpot連携・営業の通話分析Otter.ai(Business以上)または FirefliesOtterはOtterPilot for Sales、FirefliesはCRM自動入力が強い
個人〜数名・とりあえず安く試したいOtter.ai 無料 または Fireflies 無料月300分(Otter)/録音無制限(Fireflies)。日本語比率が高いならNotta無料も
1on1・社内MTGの記録を組織で蓄積tl;dv または Rimo Voice検索可能ライブラリ、社内共有設計が良い

「うちはどれにも当てはまらない」と感じたら、それは会議タイプが混在しているサインです。その場合は「いちばん本数が多い会議」を基準に1つ選んでください。複数ツールの併用は、よほど理由がない限りおすすめしません(理由は後述の失敗パターン2で)。

AI議事録ツールとは何か:3つのタイプを理解する

比較に入る前に、AI議事録ツールが大きく3タイプに分かれることを押さえておきます。ここを理解せずに選ぶと「Web会議用ツールを買ったのに対面会議で使えない」という事故が起きます。

  • ① Web会議ボット型:Zoom/Google Meet/Teamsに「ボット」として参加し、録画・文字起こし・要約する。tl;dv、Otter.ai、Fireflies、Nottaがここ。会議リンクがあれば自動で動く反面、対面会議では別途録音アプリが必要。
  • ② 録音ファイル/対面録音型:スマホアプリやICレコーダーで録音し、後からアップロードして文字起こし。NottaやRimo Voiceはアプリで対面会議にも対応、PLAUDは専用ハードウェア(ウェアラブル)で対面に特化。
  • ③ ハイブリッド型:Web会議も対面も両方カバー。Notta、Rimo Voiceがこれに近い。PLAUDもアプリ経由でWeb会議の音声を拾える。

研修先で「議事録ツールを入れたのに役員会議で使えなかった」という相談を受けたことがあります。理由は単純で、その会社の役員会議は全員が会議室に集まる対面形式だったのに、導入したのがWeb会議ボット型だったから。タイプを最初に確認するだけで、この種のミスは防げます。

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比較① 総合スペック比較表(6サービス × 9軸)

まず全体像を1枚にまとめます。各社の公式情報(2026年5月13日参照)をもとに整理しました。料金は別表で詳しく扱うので、ここでは概要のみ。

サービスタイプ日本語精度Web会議連携話者分離要約/アクションアイテムCRM/Slack/Notion連携API対面会議運営/データ保管
tl;dvWeb会議ボット型○(多言語、日本語も対応)Zoom/Meet/Teamsありあり(AIノート・タスク抽出)HubSpot/Salesforce/Slack/Notion ほか多数あり(Business/Enterprise寄り)△(アプリ録音は限定的)独(GDPR準拠を訴求)
Nottaハイブリッド型◎(日本語に最適化)Zoom/Meet/Teams/Webexありあり(AI要約・要点抽出)Slack/Notion/Salesforce 等(プラン依存)あり(API・連携)○(アプリ録音・対面OK)日本(Notta株式会社)
Rimo Voiceハイブリッド型◎(日本語に最適化、整文が強い)Zoom/Meet/Teamsありあり(AI要約・AIチャット)Slack/Notion 等(プラン依存)あり(API・Webhook)○(アプリ録音・対面OK、モバイルアプリ正式版あり)日本(Rimo合同会社)
PLAUD(NotePin/NOTE)ハードウェア(録音)型○(GPT系モデルで処理、日本語対応)△(アプリ経由で音声を拾う)あり(話者識別)あり(テンプレ要約・マインドマップ化)限定的(アプリ/エクスポート中心)限定的◎(ウェアラブル、対面に特化)米(クラウド処理、外部AIモデル利用)
Otter.aiWeb会議ボット型△〜○(英語が主、日本語は発展途上)Zoom/Meet/Teamsありあり(要約・アクションアイテム、OtterPilot)Salesforce/HubSpot/Slack 等(Business以上が中心)あり(Enterprise寄り)△(モバイルアプリで対面録音可)米(SOC 2 Type 2取得を訴求)
FirefliesWeb会議ボット型○(多言語対応、日本語も可)Zoom/Meet/Teams ほかありあり(要約・アクションアイテム・トピック抽出)CRM多数/Slack/Notion/Zapierあり(Pro以上で連携、API提供)△(アップロード対応)米(SOC 2/GDPR準拠を訴求)

※ ◎/○/△/× はあくまで2026年5月時点での実務的な傾向です。各社とも日本語の精度は継続的に改善しており、最終判断は必ず自社の会議音声で無料トライアルして確かめてください。SOC 2やGDPR対応は各社の公開情報に基づく記載で、契約前にDPA(データ処理契約)の有無や保管リージョンを確認することを強くおすすめします。

事例区分: 想定シナリオ
以下は100社以上の研修・コンサル経験から構成した典型的なシナリオです。実在の特定企業の事例ではありません。

ある製造業の顧問先(従業員200名規模・想定シナリオ)では、海外拠点とのWeb会議が週3本ありました。日本語に強いNottaを使っていたものの、英語の会議で要約品質に物足りなさが出て、結局この用途だけtl;dvを併用することに。最終的には「国内会議はNotta、海外会議はtl;dv」と用途で割り切る運用に落ち着きました。1ツールで全部やろうとせず、会議タイプで線を引くという判断です。

比較② 料金比較表(無料枠の有無を含む)

ここがいちばん知りたいところだと思います。各社の料金体系を、2026年5月13日時点の公開情報をもとに整理しました。為替・改定の影響を受けやすいので、金額は「目安」として見て、契約前に必ず公式ページで最新を確認してください。

サービス無料プラン下位有料プラン上位/法人プラン課金単位
tl;dv録音は無制限だがAI要約は生涯10回程度と厳しい上限Pro:年払いで月$18前後(月払いは$29前後)。AIノート無制限・録画3か月以降も保持・検索ライブラリBusiness:年払い月$59前後〜(月払い$98前後)。CRM/連携・管理機能が拡充ユーザー/月
Notta月120分(1回3分まで)、AI要約は月3回までプレミアム:月払い1,980円前後〜(年払いで割引)。文字起こし時間が大幅増、AI要約上限緩和ビジネス/エンタープライズ:チーム共有・管理機能。価格は見積もり中心ユーザー/月(チームプランあり)
Rimo Voice無料トライアル中心(恒久無料枠は限定的)文字起こしプラン:月1,650円(税込・年払いで月1,100円相当)。月100ノートまでAI要約/AIチャット、追加クレジット購入可個人向けAIプラン月4,950円/チームプラン月6,600円(税込)。大規模は見積もりユーザー/月(クレジット制併用)
PLAUD無料スタータープラン:月300分の文字起こしプロプラン:年12,000円(月1,000円相当)または月1,980円。文字起こし分数・高度なAI機能が拡張無制限プラン等の上位あり。別途デバイス本体購入が必要(NotePin/NOTEで価格帯が異なる、おおむね2〜3万円台)ユーザー/月+ハードウェア初期費用
Otter.aiBasic(無料):月300分、1会話30分まで、ファイルインポートは生涯3回Pro:年払い月$8.33前後(月払い$16.99前後)。月1,200分、1会話90分まで、ファイルインポート月10回Business:年払い月$19.99前後(月払い$30前後)。文字起こし無制限・1会議4時間まで・連携拡充。Enterpriseはカスタム(SSO/SCIM/OtterPilot for Sales)ユーザー/月
FirefliesFree:録音無制限だが保存800分・AIクレジットは一度きりの少量プールPro:年払い月$10前後(月払い$18前後)。文字起こし無制限・要約無制限・保存8,000分/席・CRM/Zapier/Slack連携・トーク分析Business:年払い月$19前後(月払い$29前後)。保存無制限・録画。Enterprise:年払い月$39前後(調達はsales対応)ユーザー/月

表を見て気づくと思いますが、「無料枠が大きい=お得」とは限りません。tl;dvとFirefliesは「録音は無制限」と書いてありますが、AI要約・アクションアイテム抽出に強い上限があるので、議事録の本質である「要約」が早々に止まります。Otter.aiとPLAUDの月300分は「週1〜2本の30分会議なら無料でいける」ラインで、それを超えたら有料が前提。Nottaの月120分は短いですが、日本語に強いので「日本語の重要会議だけ無料で回す」には現実的です。

研修先のスタートアップ(10名規模・想定シナリオ)で、「無料で十分」と判断してFirefliesを全員導入したものの、AI要約クレジットが1週間で枯渇し、結局Proに切り替えた例がありました。最初から「月の会議本数 × 平均時間 × 人数」をざっくり計算して、無料枠で足りるかを見積もるべきです。たいていの企業は、3〜5名以上で日常的に使うなら有料前提になります。

日本語精度はどう見極めるか

「日本語精度ランキング」を出してほしいと研修でよく頼まれますが、固定ランキングは出せません。理由は3つあります。

  1. 会議の音声環境で結果が大きく変わる:マイクの質、複数人の同時発話、専門用語の頻度。同じツールでも会議によって体感精度がまるで違います。
  2. 各社が常時改善している:半年前の評価がすぐ古くなります。
  3. 「精度」の定義が曖昧:文字起こしの正確さなのか、要約の的確さなのか、整文(「えーと」除去や読みやすさ)なのかで評価が変わります。

その上で実務的な傾向を言うと、日本語の文字起こし・整文では国内事業者のNottaとRimo Voiceが安定して評判が良いです。特にRimo Voiceは「えーと」「あのー」といったフィラーの除去や読みやすい段落分けに定評があります。海外発のtl;dv・Fireflies・Otter.aiは多言語対応で日本語も扱えますが、日本語固有の言い回し・敬語・社内用語では国内勢に一日の長があるという声が多いです。PLAUDはGPT系モデルで処理するため日本語の要約品質はそこそこ高いものの、デバイスのマイク性能と装着位置に左右されます。

最終的には、自社の「いちばん難しい会議」(早口・専門用語多め・複数人)の音声を5〜10分だけ各社の無料枠に通して、文字起こしと要約を見比べるのがいちばん確実です。30分もかかりません。

議事録を「録って終わり」にしない:要約プロンプト集

ここからが本題かもしれません。ツールを入れただけでは会議は改善しません。議事録を会議後どう活かすか――要約、アクションアイテム抽出、タスク管理連携――の設計こそが成果を分けます。

多くのツールはAI要約に「カスタムプロンプト」や「テンプレート」を設定できます(tl;dv・Notta・Rimo・Fireflies・PLAUDはいずれもテンプレ要約に対応)。設定できない/不満な場合は、文字起こしテキストをChatGPTやClaudeに貼って下記プロンプトを使えば同じことができます。コピペで使えるよう汎用化しました。

プロンプト1:会議議事録の構造化要約

あなたは経験豊富なビジネスアシスタントです。以下の会議文字起こしを、社内共有用の議事録に整理してください。

# 出力フォーマット
## 会議概要
- 日時 / 参加者 / 議題(文字起こしから読み取れる範囲で)
## 決定事項
- 箇条書きで。決定したことのみ。検討中は「決定事項」に入れない
## 検討中・保留事項
- 結論が出ていない論点と、その背景
## ネクストアクション
- 担当者・期限・タスク内容を表形式で(| 担当 | 期限 | タスク |)
## 補足メモ
- 共有すべき背景情報・懸念

# ルール
- 文字起こしにない情報を補わない。推測した点は必ず「(推測)」と明記する
- 担当者名・日付が文字起こしに無い場合は「未定」と書く
- 雑談・脱線は議事録に含めない
- 不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください

# 会議文字起こし
[ここに文字起こしテキストを貼り付け]

プロンプト2:アクションアイテム抽出(タスク管理ツール投入用)

以下の会議文字起こしから、ネクストアクション(タスク)だけを抽出してください。

# 出力形式(CSV)
担当者,期限,タスク内容,優先度(高/中/低),関連議題

# ルール
- タスクとして明確に発言されたもの、または合意された行動のみ抽出
- 「〜したほうがいいかも」レベルの曖昧な発言は優先度「低」とし、備考に「要確認」と付ける
- 担当者・期限が不明な場合は空欄ではなく「未定」と記入
- 仮定した点は必ず「仮定」と明記してください

# 会議文字起こし
[ここに文字起こしテキストを貼り付け]

プロンプト3:1on1メモの整理(マネージャー向け)

以下は上司と部下の1on1ミーティングの文字起こしです。マネージャーの振り返りメモに整理してください。

# 出力フォーマット
## 部下が話したこと(事実)
- 業務の進捗 / 困りごと / 関心
## 部下の感情・モチベーションの示唆
- 文字起こしから読み取れる範囲で(過度な解釈はしない)
## 上司が約束したこと・フォローすべきこと
- 次回までに上司が動くべきこと
## 次回1on1で確認すること
- 持ち越し論点

# ルール
- 評価・断定をしない(「やる気がない」等の決めつけNG)
- 機微な内容(健康・家庭等)は要約せず「機微な相談あり(詳細は別途記録)」とだけ記す
- 文字起こしにない情報を補わない

# 1on1文字起こし
[ここに文字起こしテキストを貼り付け]

プロンプト4:商談議事録(営業向け・CRM入力用)

以下は顧客との商談の文字起こしです。CRMに記録するための商談メモに整理してください。

# 出力フォーマット
## 顧客の現状・課題(ヒアリングで判明したこと)
## 検討理由・予算感・決裁プロセス(言及があれば)
## 競合の名前(言及があれば)
## こちらが約束したこと(資料送付・見積もり等)
## 次のアクションと期限
## 受注確度(A/B/C)とその根拠

# ルール
- 顧客の発言と、こちらの推測を明確に分ける
- 数字(予算・人数等)は文字起こしに出た通りに記録し、出ていなければ「未確認」
- 仮定や推測には「(推測)」を付ける

# 商談文字起こし
[ここに文字起こしテキストを貼り付け]

プロンプト5:経営会議の意思決定ログ

以下は経営会議の文字起こしです。意思決定ログとして整理してください。

# 出力フォーマット
## 決定した事項
- 「何を」「いつから」「誰が責任を持つか」を1行ずつ
## 決定の理由・根拠
- なぜその結論になったか(議論の要点)
## 反対意見・懸念として出たこと
- 採用されなかった意見も記録(後の振り返り用)
## 持ち越し・継続検討事項
## 数値目標・KPIに関する言及

# ルール
- 決定事項と「方向性の共有にとどまったもの」を厳密に区別する
- 数字と固有名詞は、根拠(出典/発言者)を添えてください
- 文字起こしにない情報を補わない

# 経営会議文字起こし
[ここに文字起こしテキストを貼り付け]

主要ツールの連携設定手順(コピペ可能なチェックリスト)

導入時につまずきやすい連携設定を、各ツール共通の「やることリスト」としてまとめました。具体的なボタン名は更新されることがあるので、考え方ベースで書いています。

設定手順A:Web会議ボット型(tl;dv / Otter.ai / Fireflies / Notta)をカレンダー連携で自動化

【自動議事録を回すための初期設定チェックリスト】
□ 1. 業務用のGoogle/Microsoftアカウントでツールにサインアップ(個人アカウントと混ぜない)
□ 2. カレンダー連携を許可(これでカレンダーの会議に自動でボットが入る)
□ 3. 「自動参加」の対象を絞る:外部参加者がいる会議のみ / 全会議 / 手動 から選択
   → 機微な会議(人事・法務)は手動運用に。デフォルト全自動は事故のもと
□ 4. 録画開始時の「参加者への通知」をON(録音している旨を明示/コンプライアンス上ほぼ必須)
□ 5. 文字起こし言語を「日本語」に固定(自動検出だと精度が落ちることがある)
□ 6. AI要約テンプレートをカスタム設定(上記プロンプト1〜5を貼り付け)
□ 7. 共有範囲のデフォルトを「自分のみ」または「特定チーム」に(全社公開デフォルトは危険)
□ 8. テスト会議を1本録って、文字起こし・要約・共有リンクの挙動を確認

設定手順B:Slack / Notion 連携

【会議後に議事録を自動で流す設定】
□ 1. ツール側の「Integrations(連携)」からSlackを接続
□ 2. 投稿先チャンネルを「議事録専用チャンネル」に指定(#meeting-notes など)
   → 全員のDMに飛ばすと通知疲れになる。専用チャンネルに集約
□ 3. 投稿内容を「要約+アクションアイテム+会議リンク」に絞る(全文投稿はNG)
□ 4. Notion連携:議事録DBを1つ作り、ツールから自動でページ作成する設定に
□ 5. NotionのDBプロパティに「担当者」「ステータス」「会議種別」を用意し、後で検索できるように
□ 6. 機微な会議の議事録は自動連携の対象外にする(手動でのみ共有)

設定手順C:CRM(Salesforce / HubSpot)連携 ― 営業チーム向け

【商談議事録をCRMに自動入力する設定】
□ 1. CRM管理者の承認を取る(外部ツールのデータ書き込み権限が必要)
□ 2. ツール側でCRMを接続し、「商談(Opportunity)」または「取引先責任者(Contact)」に紐付け
□ 3. 自動入力する項目を絞る:商談メモ / 次アクション / 受注確度メモ
   → CRMの必須項目を勝手に上書きしない設定にする
□ 4. 商談以外の社内会議はCRM連携の対象外にする(フィルタ設定)
□ 5. 営業1名でテスト商談を録り、CRM側に正しく記録されるか確認
□ 6. チーム展開前に「議事録をそのまま貼らず、プロンプト4で整形してから入れる」運用を周知

設定手順D:PLAUD(ハードウェア型)を対面会議で使う

【対面会議でPLAUDを使う運用チェックリスト】
□ 1. デバイス本体を購入(NotePinはウェアラブル、NOTEはカード型。用途で選ぶ)
□ 2. スマホアプリとペアリングし、文字起こし言語を日本語に設定
□ 3. 録音開始前に「この会議は記録します」と一言伝える(対面でも通知は必須)
□ 4. 装着位置に注意:発言者から遠すぎると拾えない。会議室の中央寄りに置く/胸元に装着
□ 5. 会議後すぐにアプリで同期し、要約テンプレ(プロンプト1等)を適用
□ 6. 無料枠は月300分。会議が多い人は最初からプロプラン前提でコスト試算
□ 7. クラウド処理=音声が外部に送られる。機微な会議で使う場合は社内ルールを確認

用途別の深掘り:あなたのチームにはどれが合うか

営業チーム → Fireflies または Otter.ai(Business以上)

商談を量こなす営業組織なら、CRM連携の自動化が効くFirefliesか、OtterPilot for Salesを持つOtter.aiのBusiness以上が候補です。商談後に手で議事録を書く時間(前述の想定シナリオでは週7〜8時間)が、要約プロンプト4と合わせれば1/3以下に圧縮できる見込みです。ただし日本語商談が中心なら、Nottaの併用も検討の余地があります。

経営会議・取締役会 → tl;dv または Notta(手動運用)

経営会議は機微度が高いので、自動参加はOFF、手動で録音開始が鉄則。決定事項と反対意見を後から検索できることが価値なので、検索ライブラリが整っているtl;dvか、日本語に強いNottaが向きます。意思決定ログ(プロンプト5)をテンプレ化しておくと、半年後の「なぜあの決定をしたか」が即座に追えます。

カスタマーサクセス → Fireflies または Rimo Voice

顧客との定例MTGを蓄積し、解約予兆や要望を拾いたいCS部門なら、CRM連携とトピック抽出があるFireflies、または日本語の整文が強く社内共有しやすいRimo Voiceが候補。顧客の発言を正確に記録できることが第一なので、日本語顧客が多いならRimoの優位性が出ます。

1on1運用 → Rimo Voice または tl;dv

1on1は機微な内容を含むので、共有範囲を厳密に絞れること、マネージャー個人のライブラリに蓄積できることが重要。Rimo Voiceの整文の良さ(読み返しやすい)か、tl;dvの個人ライブラリ機能が活きます。プロンプト3で「決めつけをしない振り返りメモ」に整形するのを必ずセットにしてください。

個人・フリーランス・小規模 → Otter.ai無料 / Fireflies無料 / Notta無料

まず無料で始めたいなら、英語多めならOtter.ai(月300分)かFireflies(録音無制限・要約は少量)、日本語中心ならNotta(月120分)。無料枠の上限に当たったら、その時点で「自分の使い方にいちばん合っていた1つ」の有料プランへ。最初から複数契約しないこと。

対面会議・外出が多い → PLAUD

展示会の商談、現場での打ち合わせ、移動中のブレストが多いなら、Web会議ボット型は使えません。PLAUDのウェアラブルデバイスで「いつでも録音→後で要約」が現実解。デバイス代(2〜3万円台)+月額が必要なので、対面会議の本数で投資対効果を見積もってください。

比較③ 用途別推奨マトリクス

ここまでの内容を1枚に集約します。◎=第一候補、○=有力、△=条件次第、空欄=あまり向かない。

用途 / シーンtl;dvNottaRimo VoicePLAUDOtter.aiFireflies
日本語中心のWeb会議
英語/多言語のWeb会議
対面会議・現場打ち合わせ
営業の商談記録+CRM連携◎(Business以上)
経営会議・取締役会(機微度高)
カスタマーサクセスの定例MTG
1on1・社内MTGの個人蓄積
個人・小規模・無料で開始△(要約上限が厳しい)○(月120分)△(恒久無料枠が限定的)○(月300分・要デバイス)◎(月300分)○(録音無制限・要約少量)
国内データ保管・国内事業者を重視
APIで自社システムに組み込み
Slack/Notionに議事録を自動連携

このマトリクスは「正解の組み合わせ」を示すものではなく、無料トライアルで何を確かめるべきかの仮説です。◎が複数並んだ列が、あなたのチームの第一トライアル候補になります。

データ保管・セキュリティで必ず確認すべき5点

研修先の情報システム部門から最もよく受ける質問がここです。AI議事録ツールは「会議の全発言を外部サーバーに送る」ツールなので、導入前のチェックは必須。

  1. 保管リージョン:データが日本国内に保管されるか、海外か。国内重視ならNotta・Rimo Voiceが有利。海外勢でもリージョン選択ができる場合があるので問い合わせる。
  2. DPA(データ処理契約)の有無:個人情報を含む会議を録る以上、DPAを締結できるか。締結できないツールは、機微な会議には使わない。
  3. 第三者認証:SOC 2 Type 2、ISO 27001など。Otter.aiやFirefliesはSOC 2を訴求しているが、最新の取得状況は契約前に証跡を確認する。
  4. AIモデル学習への利用可否:自社の会議音声がツール提供者のAI学習に使われないか。多くは「学習に使わない」設定があるが、デフォルトを確認する。
  5. 退会時のデータ削除:解約後にデータが完全削除されるか、削除証跡が出るか。録音という性質上ここは厳密に。

顧問先の中堅企業(従業員300名規模・想定シナリオ)で、情シスが上記5点をチェックリスト化して各社に問い合わせ、回答スピードと内容の明確さでふるいにかけた例があります。「DPAは個別対応です」と曖昧な回答だったツールは候補から外し、明確に書面を出せる2社に絞って比較したそうです。会議内容は会社の機密の塊なので、この慎重さは正しい判断です。

【要注意】ツール選びでよくある失敗パターンと回避策

失敗1:会議タイプを確認せずに「人気だから」で選ぶ

❌ ランキング記事で1位だったツールをそのまま導入
⭕ 自社の会議が「Web会議中心か / 対面中心か / 混在か」を先に棚卸ししてから選ぶ

なぜ重要か:前述のとおり、Web会議ボット型を買ったのに役員会議が対面で使えなかった、という事故が実際にあります。会議タイプはツールのタイプ(ボット型/録音型/ハイブリッド型)と直結します。研修先で「導入したけど現場で使われていない」ケースの多くは、ここのミスマッチが原因です。

失敗2:いきなり複数ツールを並行導入する

❌ tl;dvもNottaもFirefliesも全部試して、なんとなく全部使い続ける
⭕ 1ツールに絞って2〜4週間運用し、不満点が明確になってから次を検討する

なぜ重要か:複数ツールが同じ会議にボットとして入ると、参加者が混乱します(「このボット誰が入れたの?」)。議事録の保管場所も分散して、後で探せなくなる。コストも膨らむ。トライアルは複数試してOKですが、本運用は原則1つ。どうしても用途で分けたいなら「国内会議はNotta、海外会議はtl;dv」のように明確な線引きを文書化してください。

失敗3:要約プロンプト/テンプレートを設定せず「録って終わり」にする

❌ ツールのデフォルト要約のまま使い、議事録が誰にも読まれずに溜まっていく
⭕ 会議種別ごとに要約テンプレ(本記事のプロンプト1〜5)を設定し、「決定事項とネクストアクションが一目でわかる」形にする

なぜ重要か:議事録の価値は「後で読み返せること」と「タスクが漏れないこと」です。デフォルト要約はそこそこ汎用的ですが、自社の会議に最適化されていません。プロンプトを1回設定するだけで議事録の実用度が段違いに上がります。研修で実際にやってもらうと、参加者から「これだけで議事録の意味が変わる」という反応が一番多いパートです。

失敗4:参加者への録音通知をせずに使う

❌ こっそりボットを入れて録音し、後で「録ってたの?」とトラブルになる
⭕ 録音開始時の自動通知をONにし、対面の場合も「記録します」と口頭で伝える

なぜ重要か:相手の同意なき録音は、社内なら信頼を損ない、社外なら法的・契約的なリスクになり得ます。多くのツールに「録音中の通知」機能があるので必ずON。これは技術設定の問題というより、組織の運用ルールの問題です。AI議事録を全社展開する前に「録音は事前通知が原則」というルールを明文化しておきましょう。

導入を成功させるための運用設計

ツールを選んだ後の運用設計を、研修で必ず伝えている形でまとめます。

  • 議事録の置き場所を1つに決める:Notion DBやSlack専用チャンネルなど、「議事録はここを見れば全部ある」状態を作る。ツールのライブラリだけに頼ると、ツールを乗り換えたときに困る。
  • 会議種別ごとに要約テンプレを分ける:商談、社内定例、1on1、経営会議で必要な情報が違う。プロンプト1〜5のように分けておく。
  • ネクストアクションをタスク管理ツールに流す:議事録の中のタスクが、議事録の中で死なないように。プロンプト2のCSV出力を使うと取り込みやすい。
  • 機微な会議は「手動運用」をデフォルトに:人事・法務・M&A関連は自動参加をOFF。録るかどうかをその都度判断する。
  • 月次でコストと利用状況を見る:使われていないライセンスがないか、無料枠で足りる人を有料にしていないか。

正直にお伝えすると、AI議事録ツールはまだ完璧ではありません。早口の専門会議では誤認識が出ますし、要約も時々ニュアンスを取りこぼします。だからこそ「AIに丸投げ」ではなく「AIが下書きを作り、人が5分で仕上げる」という協業の形が正解です。手で40分書いていたものが、AIの下書き+人の5分チェックになるなら、それだけで十分すぎる改善です。

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること:自社の会議タイプ(Web会議中心 / 対面中心 / 混在)を棚卸しし、本記事冒頭の早見表で第一候補を1つに絞る。その無料プランに登録して、いちばん難しい会議の音声5〜10分を文字起こしさせてみる。
  2. 今週中:上記の要約プロンプト1〜5から自社の主要な会議種別に合うものを選び、ツールのカスタムテンプレート(または会議後にChatGPT/Claudeへ貼る運用)として設定する。チームの1人とテスト運用してみる。
  3. 今月中:1ツールに絞って2〜4週間運用し、無料枠で足りるか・日本語精度に不満はないか・連携で詰まる点はないかを評価。情シスに「データ保管・セキュリティ5点チェック」を依頼し、本運用するプランを確定する。

次回予告:次の記事では「AI議事録から会議の質を上げる ― 会議時間を半分にするファシリテーション×AI活用術」をテーマに、議事録を録るだけでなく会議そのものを短くする実践テクニックをお届けします。

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著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

ご質問・ご相談は お問い合わせフォーム からお気軽にどうぞ。

参考・出典

佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、X(旧Twitter)で活用法を発信(@SuguruKun_ai、フォロワー10万人超)。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。著書累計3万部突破。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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