結論: Claudeのメモリ機能(Projects・Custom Instructions・Memory)を使いこなせば、毎回の会話で同じ説明をゼロにし、AIを「自分専用の業務パートナー」として育てることができます。
この記事の要点:
- 2026年3月からMemoryが無料プランを含む全ユーザーに開放。Projects・Custom Instructionsとの役割の違いを理解することが重要。
- Custom Instructionsの書き方次第で、Claudeの回答精度が劇的に変わる。500語以内・具体的な指示・テスト済みルールの3原則。
- 業務シーン別(議事録/ドキュメント管理/部署別最適化)のProject活用で、毎回のコンテキスト説明が不要になる。
対象読者: Claude有料・無料問わず、毎回同じ説明を繰り返していてもったいないと感じている方、AIをもっと自分の業務に最適化したい経営者・担当者
読了後にできること: 今日中にCustom Instructionsを設定して、明日から「何者か」を説明しなくてよいClaude環境を作る
「Claudeって優秀なのに、毎回『私は〇〇です、〇〇の担当をしています、普段は〇〇な文章が好きです』って説明するのが面倒くさい…」
企業向けAI研修で、本当によく聞かれる声です。
先日、100名規模のメーカーで情報システム部門のリーダーをされている方に、Claudeのメモリ機能を実演してみせたら、「こんな機能があったんですか!?」と本気でびっくりされました。毎日Claudeを使っているのに、Custom InstructionsもProjectsも使っていなかったと。もったいないなと思う一方で、正直な話、これは情報が散らかりすぎていて当然かなとも思います。
Memory・Projects・Custom Instructions――名前は知っているけれど、それぞれ何が違うのか、どう使い分ければいいのか、もやっとしている方が多いんです。
この記事では、3つの機能を「役割の違い」から整理して、今日から使える設定方法とプロンプト例を全部公開します。研修現場で実際に効果が出た活用パターンを中心に解説しますので、設定後すぐに「あ、変わった」を体感できるはずです。
まず5分で試す:Custom Instructionsの設定から始めよう
この記事を読み終わるより先に、これだけは今すぐやってほしいです。
Claude.aiにログイン → 右上のアカウントアイコン → 「プロフィール & 設定」 → 「プロフィール」タブ → 「Claudeに関して」欄。
ここに以下をコピーして貼り付けてください(あとで自分用にカスタマイズできます):
私は[業種・役職]です。
主な業務は[具体的な仕事内容]。
文章は簡潔・箇条書き優先で。「かもしれません」「可能性があります」などの過度な留保表現は避けてください。
日本語で回答してください。
数字・固有名詞は確認できる根拠があるものだけ使ってください。
不足情報があれば最初に質問してから作業を開始してください。設定後、新しいチャットを開いてみてください。同じ質問をしても、回答のトーンと精度が変わるはずです。
研修先での実例ですが、「簡潔・箇条書き優先」を追加しただけで、「前は毎回トリミングしてたけど、最初から使える文章が来るようになった」という方が続出します。これが、メモリ機能活用の第一歩です。
Claude メモリ機能とは? 3つの層を整理する
まず全体像を把握しましょう。Claudeのメモリ・パーソナライズ機能は、大きく3つの層で構成されています。
| 機能名 | 適用範囲 | 管理方法 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Memory(自動メモリ) | 全会話(アカウント横断) | 自動生成・手動編集可 | 好みや文体・職業などの長期的な情報 |
| Custom Instructions | 全会話(デフォルト) | 手動設定(常時適用) | 毎回適用したい回答スタイル・制約 |
| Projects | Project内の会話のみ | 手動設定(Project単位) | 特定業務・案件・部門ごとの文脈管理 |
シンプルに言うと、Memoryは「Claudeが自動的に学ぶ」仕組み、Custom Instructionsは「あなたがルールを書く」仕組み、Projectsは「業務ごとに切り替えられる文脈スペース」です。
この3つは競合しているわけではなく、積み重なるように機能します。Custom Instructionsが最初に読み込まれ、Project Instructionsがその上に追加され、会話中にMemoryが参照される、という順序です。
AIエージェント的に使うなら3つを組み合わせる
Claudeを「個人業務パートナー」として活用する上での考え方を補足します。AI全般のエージェント型活用について体系的に学びたい方は、AIエージェント導入完全ガイドもあわせてご覧ください。
Memory(自動メモリ)の仕組みと使い方
2026年3月:無料プランにも開放
Claudeのメモリ機能(Memory)は2025年10月に有料プラン向けに始まり、2026年3月2日に無料プランを含む全ユーザーに開放されました。これは大きな変化で、月額20ドル払っていなくても、Claudeが会話をまたいで自分のことを「覚えて」くれるようになったということです。
具体的には、約24時間ごとに会話内容が自動的に処理され、長期的に有用な情報(職業、よく使うツール、好みの文体、進行中のプロジェクトなど)がメモリとして保存されます。ルーティンなQ&Aはそのままにはなりませんが、繰り返し言及した情報は蓄積されていきます。
メモリの確認・編集方法
- Claude.aiにログイン
- 右上のアカウントメニュー → 「設定」
- 「機能」タブ → 「メモリ」セクション
- 現在保存されているメモリの一覧が表示される
個々のメモリは編集・削除が可能です。「この情報は消したい」という場合は個別削除、全てリセットしたい場合は一括削除もできます。
メモリをオフにしたい場合
「Claudeに自分のことを覚えさせたくない」という方も多いと思います(当然の感覚です)。設定 → 機能 → メモリのトグルをオフにすれば、新たな記憶の蓄積を停止できます。既存のメモリは残るので、必要なら個別削除してください。
また、特定の会話だけ記憶させたくない場合は、プロジェクト機能の「Project Memory」を使うと、アカウント全体のメモリとは切り離した文脈管理が可能です。
ChatGPTからの移行ツール
2026年3月のアップデートと同時に、ChatGPT・Gemini・Grokからのメモリインポートツールが追加されました。
手順は次の通りです:
- ChatGPTで、Anthropicが提供する以下のプロンプトを実行する
- 出力されたテキストをコピー
- claude.com/import-memory にアクセスして貼り付け
- 24時間程度でClaude側のメモリに反映される
Please export my memory in a structured format. Include:
1. Instructions I've given you about how to respond (tone, format, style, "always do X", "never do Y")
2. Personal details I've shared (name, location, profession, etc.)
3. Projects or topics we've discussed repeatedly
4. Tools, languages, or systems I use
5. Any preferences about output format or communication style
Format as a clear, readable text document I can import to another AI system.
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。ただし、正直に言っておくと、移行されるのは「要約」であって「フル文脈」ではありません。仕事関連の設定やツール情報は移行しやすいですが、個人的なニュアンスはやや薄くなります。それでも、ゼロから設定し直すよりはずっと楽です。
Free・Pro・Maxプラン別のメモリ・Projects範囲
「どのプランでどこまで使えるの?」という疑問に答えておきます。
| 機能 | Free($0) | Pro($20/月) | Max($100〜/月) |
|---|---|---|---|
| Memory(自動メモリ) | あり(2026年3月〜) | あり | あり |
| Custom Instructions | あり | あり | あり |
| Projects作成数 | 最大5個 | 無制限 | 無制限 |
| Project内ファイル添付 | あり(容量制限あり) | あり | あり |
| 利用量 | 制限あり(低め) | Freeの約5倍 | Proの5倍または20倍 |
| Claudeモデル | Sonnet 4.5 | Opus 4.7含む全モデル | Opus 4.7含む全モデル+優先アクセス |
重要なポイントは「ProとMaxの機能差はほぼない」ことです。Max($100/月)はProの5倍の利用量と優先アクセスのためのプランであり、メモリやProjectsの機能そのものはProと同じです。つまり、「もっとたくさん使いたい」という場合のみMaxが選択肢になります。
実務でClaude Codeも使いたい場合は、Claude Codeの料金体系が別になっていますので、Claude Max 20x完全ガイドで詳細を確認してください。
Projectsの作成と運用方法
Projectsとは何か
Projectsは、業務や案件ごとに独立した「会話スペース」を作れる機能です。
通常のチャットでは、会話を切り替えるたびに文脈がリセットされます。Projectsを使うと、プロジェクトに関連する文脈(指示・ファイル・これまでの議論)がProject内で引き継がれます。
例えば、こんな使い方が典型的です:
- 「新製品Aのマーケティング」Project → 製品仕様書・競合分析・これまでのコピー案を格納
- 「月次レポート作成」Project → レポートテンプレート・KPI定義・前月比較データを格納
- 「英文メール担当」Project → 取引先の文化的背景・よく使うフレーズ・過去の文例を格納
Project作成の手順
- Claude.aiのサイドバー → 「新しいProject」をクリック
- Projectに具体的な名前をつける(「2026年Q2 新製品発表準備」のように具体的に)
- 「Project Instructions」を設定する(後述)
- 関連ファイルをアップロードする
- このProject内でチャットを開始する
Project Instructionsの書き方
Project Instructionsは「このProjectでだけ適用するルール」を書く場所です。
研修先でよく見るパターンとして、Project Instructionsに「よろしくお願いします。今後もこの方向でお願いします」と書いている方がいます。正直、これはほぼ意味がないです。Claudeは「あなたが何をしてほしいか」を具体的に書かないと、毎回デフォルトの判断に戻ってしまいます。
以下が効果的なProject Instructionsのテンプレートです:
# このProjectについて
目的: [例: 月次経営レポートの作成と分析]
対象: [例: 経営陣向け・非専門家向け]
# 回答スタイル
- 結論→根拠の順で書く
- 数字は必ず表形式で整理する
- 業界用語は使うが、略語は初出時に展開する
- 「〜と考えられます」などの曖昧表現を避ける
# このProjectで使う定義・前提
- 当社の会計期間は4月〜翌3月
- 「目標達成率」= 実績 ÷ 月別目標(年度計画を12等分)
- KPIは[具体的なKPI名と計算式]
# 禁止事項
- 根拠のない数字の引用
- このProject以外の情報の混入
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。上記のうち「このProjectで使う定義・前提」の部分が特に重要です。社内用語・計算式・前提条件を書いておくと、Claudeが自社文脈に合わせた回答を出してくれます。
ファイルのアップロード活用
ProjectにはPDF・Excel・Word・CSVなどのファイルを格納できます。
研修先でのリアルな使い方として効果的だったのは:
- 会社の「文章作成ガイドライン(PDF)」をアップ → 社内文書のトーン・表現がブレなくなった
- 前月のレポート(PDF)をアップ → 比較しながら当月版を書いてもらえる
- 取引先情報の一覧(CSV)をアップ → 担当者名・部署・文化的背景を踏まえたメール文案を作成
ただし、個人情報や機密度の高い情報を含むファイルは慎重に判断してください。後述のプライバシーセクションをご確認ください。
Custom Instructions設計のコツ
Custom Instructionsの役割を明確にする
Custom Instructions(プロフィール設定)は、全ての会話に共通して適用される「あなたのデフォルトの好み」です。
ここで混同しがちなのは「Project Instructionsに書くべきことをCustom Instructionsに書く」ことです。Custom Instructionsは「どんな業務でも共通して使う設定」だけを書く場所です。業務ごとに変わる設定はProject Instructionsに書きましょう。
Custom Instructionsに書くべきもの:
- 言語設定(「常に日本語で回答」など)
- 文体の好み(「簡潔に」「箇条書き優先」など)
- 職業・役割の基本情報
- 不足情報があれば最初に質問してほしい旨
Custom Instructionsに書かない方がいいもの:
- 特定プロジェクトや業務の詳細
- 業務ごとに変わる前提条件
- 読んでもClaudeの動作が変わらない抽象的な要望
500語以内・具体的・テスト済みの3原則
Custom Instructionsは全会話で読み込まれるため、長すぎるとトークンを圧迫します。理想は200〜500語以内。各行について「これを削ったらClaudeの回答は変わるか?」を自問してみてください。変わらないなら削除です。
# 私について
[職業・役職]: 中小企業の経営企画担当。従業員50名のメーカーで経営計画と数値分析を担当。
# 回答スタイルの要望
- 結論を最初に書く(BLUF方式)
- 数字・統計は出典または根拠を添える
- 不確実な情報は「〜と報じられています(参照日)」と表記
- 過度な敬語・謙遜表現は不要。率直に
- 箇条書きを優先。散文は要点が多い場合のみ
# 言語
- 常に日本語で回答
- 専門用語は初出時にカッコで英語表記を添える
# 重要
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。
数字と固有名詞は、根拠(出典/計算式)を添えてください。タイムスタンプを入れると効果的
Custom Instructionsの末尾に「最終更新: 2026年5月」と書いておくと、Claudeが「この設定がいつ書かれたか」を把握できます。特にツールや制度の前提を含む場合は、バージョン情報も有効です(「Python 3.12を使用(2026年3月時点)」など)。
業務シーン別活用例
シーン1:議事録作成・会議準備
会議録や議事録の作成はClaude Projectsの真骨頂です。
以下の会議メモを議事録に整形してください。
[要件]
- フォーマット: 日時・参加者・決定事項・TODO(担当者・期限つき)の順
- 決定事項と「検討中」は明確に区別する
- TODOは「誰が・いつまでに・何を」の形式で
- 曖昧な発言は「要確認:」とマークする
[会議メモ]
(ここに生の会議メモを貼り付け)
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。このプロンプトをProject Instructionsに入れておくと、毎回書かなくてよくなります。さらに、「当社の会議では〇〇が議長、〇〇が決定者」という前提を加えておくと、担当割り振りの精度が上がります。
シーン2:ドキュメント管理・RAG的活用
Projectsをドキュメント管理の起点として使う方法です。
例えば「営業規程Project」を作り、以下を格納します:
- 社内営業規程(PDF)
- 価格表・値引き権限一覧(CSV)
- よくあるQ&A集
これで「〇〇の値引きはどこまでOK?」という質問を投げると、規程に基づいた回答が返ってきます。完全なRAGシステムに比べると制限はありますが、構築コストゼロで社内知識ベースのパイロット版として十分機能します。
以下の質問について、アップロードした社内規程・価格表を参照して回答してください。
質問: [質問内容]
回答の際は:
- 参照した規程の条項・ページを明記する
- 「規程に記載がない」場合はその旨を明示する
- 自分の判断で補完せず、根拠がある情報だけ答える
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。シーン3:部門別個別最適化
部署ごとにProjectを分けて、それぞれに特化したInstructionsを設定する方法です。
たとえば「経理部門Project」では:
このProjectでは経理・財務業務を支援します。
前提知識:
- 日本の消費税法(インボイス制度2023年10月〜)
- 当社の会計ソフト: 弥生会計(25年度版)
- 仕訳の借方・貸方は必ず明記する
- 金額は必ず「円」単位で表記(万円略記は使わない)
禁止:
- 税務アドバイスの断言(「〜してください」ではなく「顧問税理士にご確認ください」を付記)
- 古い税制(2023年以前のインボイス非対応前提)を使った回答
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。一方「マーケティングProject」では、コピー・トーン・ターゲット像を書いたInstructionsになります。部署ごとの専門知識をClaudeに「教える」ことで、汎用AIから「社内特化AI」に近づきます。
AI活用の基盤設計については、AI導入戦略の完全ガイドも参考にしてください。
ChatGPT Memoryとの比較
「ChatGPTもメモリ機能があるけど、何が違うの?」という質問もよく受けます。整理しておきます。
| 比較軸 | Claude Memory | ChatGPT Memory |
|---|---|---|
| 記憶の仕組み | 構造化された4カテゴリ(仕事・個人・注目事項・履歴)に整理 | テキストエントリ形式+タイムスタンプ。散文的。 |
| 手動追加 | できない(自動抽出のみ) | できる(「〇〇を覚えて」と直接指示可) |
| メモリの検索・並べ替え | 一覧表示・編集・削除のみ | Plus/Proでは検索・並べ替え・バージョン履歴あり |
| 学習への使用 | メモリはトレーニングに使わない(公式方針) | 「モデル改善のための使用」がデフォルトON(オプトアウト可) |
| プラン別差異 | 全プラン共通(2026年3月〜) | 有料プランで機能拡張 |
| インポート機能 | 他社AIからのインポートあり | エクスポートは設定から可能だが他社への移行ツールなし |
Claude Memoryの強みは「構造的に整理される」こと。ChatGPTの強みは「手動で記憶させられる」ことです。
どちらが良い・悪いではなく、方向性が違います。毎回「覚えて」と言わなくていいのがClaudeのアプローチで、記憶内容をこまめに管理・検索したい場合はChatGPTが使いやすいと感じる方もいます。
プライバシー・データ取扱い
Claudeはメモリをトレーニングに使わない
Anthropicの公式方針として、メモリに保存された情報はモデルのトレーニングには使用しません。有料・無料ともにこの方針は同じです。
一方で、無料プランの会話データについてはAnthropicが安全性評価・モデル改善のために利用する場合があります。プライバシーを最大限に保護したい場合は、設定 → プライバシー → 「Claudeの改善に協力」のトグルをオフにすることでオプトアウトできます(データは30日以内に削除されます)。
企業情報・個人情報の取扱い
Projects内にファイルをアップする際、特に注意が必要なのは以下の情報です:
- 個人情報を含む顧客リスト・従業員情報
- 未公開の財務情報・M&A関連の機密文書
- 競合他社との契約書など法的センシティブなもの
Claudeは入力データをClaudeのサービス外に共有しませんが、Anthropicのプライバシーポリシーの範囲内で処理されます。機密度の高い情報については、社内のAI利用ガイドラインに沿って判断してください。
「Incognito」モードを使う選択肢
特定の会話を完全にメモリ・学習対象外にしたい場合は、Claude.aiのIncognitoチャット(非公開チャット)を使う方法があります。この場合、その会話はメモリに保存されず、トレーニングにも使用されません。
【要注意】失敗パターン4選と回避策
失敗1: Custom Instructionsに抽象的なことを書きすぎる
❌「常にクリエイティブで革新的な回答をしてください」
⭕「箇条書き優先、文は短く。業界用語は日本語で、初出のみ英語表記を添える」
なぜ重要か: Claudeは「クリエイティブ」の定義を自分で判断します。それが自分の期待と合わない場合、毎回修正が必要になります。具体的な動作に変換できないルールは書かない、が原則です。
失敗2: Memoryに古い情報が蓄積される
❌ 半年前に入力した「React 17を使っています」が残ったまま、React 19の質問をする
⭕ 月1回、メモリ一覧を確認して古い情報・矛盾した情報を削除する
なぜ重要か: Memoryは自動で「古い情報を消して新情報に更新」はしません。矛盾したメモリが積み重なると、Claudeが誤った前提で回答する可能性があります。研修先でこれを体験した方が実際にいらっしゃって、「なぜかClaude が変なことを言う」と思ったら、半年前の情報が残っていたケースでした。
失敗3: ProjectとCustom Instructionsに同じ内容を重複させる
❌ Custom Instructionsに「日本語で回答」と書き、全Projectにも「日本語で回答」と書く
⭕ 全会話共通のものはCustom Instructionsのみ。Projectには追加・上書きしたいものだけ書く
なぜ重要か: 両方に書いても効果は変わりません。むしろトークンの無駄遣いになり、Claudeが処理できるコンテキストを圧迫します。「積み重なる」仕組みを理解して、上位レイヤーとの重複を避けましょう。
失敗4: Memoryに機密情報が蓄積されていることに気づかない
❌ 取引先との交渉額・未公開の人事情報を会話で使っていたら、Memoryに自動保存されていた
⭕ 定期的にMemory一覧を確認し、業務上センシティブな情報が含まれていないか確認する
なぜ重要か: Memoryは「Claudeが自動的に重要と判断した情報」を保存します。何が保存されているかは、設定画面で確認できます。月1回の棚卸しを習慣にすることをお勧めします。
まとめ:今日から始める3つのアクション
ここまで読んでいただきありがとうございます。改めて3つの機能の役割をまとめると:
- Memory: Claudeが自動的に学ぶ・覚える(全会話横断)
- Custom Instructions: あなたが書く、全会話共通ルール
- Projects: 業務・案件ごとの切り替え可能な文脈スペース
3つを組み合わせることで、ChatGPTとの比較で言えば「手動管理派 vs 自動整理派」という違いを超えて、Claudeを「本当に自分の業務に最適化されたパートナー」にできます。
- 今日やること: Custom Instructionsに「職業・文体の好み・日本語指定」の3点を設定する(5分で完了)
- 今週中: 毎週使う業務(議事録・レポートなど)のProject を1つ作り、具体的なInstructionsを書く
- 今月中: Memory一覧を確認し、古い情報・不要な情報を整理する棚卸しを習慣化する
参考・出典
- Understanding Claude’s personalization features — Claude Help Center(参照日: 2026-05-05)
- Free Claude users can now use memory and import context from rivals — 9to5Mac(参照日: 2026-05-05)
- How Claude Memory Works in 2026: Free Tier Setup, ChatGPT Import, and Privacy Controls — shareuhack(参照日: 2026-05-05)
- ChatGPT vs Claude vs Gemini: AI Memory & Context Features Compared (2026) — MemoryX(参照日: 2026-05-05)
- Release notes — Claude Help Center(参照日: 2026-05-05)
著者プロフィール: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、X(旧Twitter)で活用法を発信(@SuguruKun_ai、フォロワー約10万人)。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。
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