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Hermes Agent使い方・インストール完全ガイド【2026】

Hermes Agent使い方・インストール完全ガイド【2026】

最終更新:2026年7月14日。本記事はNous Research公式GitHubリポジトリ(README・install.sh・SECURITY.md)と公式ドキュメントサイトを一次情報として、Hermes Agentの実際のインストール手順・初期設定・最初のタスク実行までをハンズオン形式でまとめています。コマンドは公式ドキュメント準拠です。

結論: Hermes Agentは公式インストーラー1本のコマンドでセットアップでき、`hermes setup`のウィザードに沿って進めれば10〜15分程度で最初のタスクを動かせます。ただし法人PCで試す場合は、権限スコープと実行環境の隔離を先に決めてから進めるべきです。

この記事の要点:

  • 要点1: インストールはOS別にコマンド1行(Linux/macOS/WSL2/Termuxは`curl`、Windowsは`irm`)で完了する
  • 要点2: `hermes setup`の初期設定ウィザードでLLMプロバイダー・権限・ワークスペースをまとめて決める
  • 要点3: 定型リサーチ・ファイル整理・定期レポートなど、非エンジニアでも試しやすい実務タスクから始めるのが失敗しないコツ

対象読者: Hermes Agentを実際に手を動かして試したい情シス担当者・エンジニア・AI活用担当者

読了後にできること: 自分のPCまたは検証用サーバーにHermes Agentをインストールし、最初のタスクを1つ動かせる状態になる


「Hermes Agentって名前は聞くけど、結局どうやってインストールするの?」

前回の記事でHermes Agentの仕組みと法人導入の論点を解説したところ、一番多かった反応が「概要は分かったから、実際の手順を知りたい」というものでした。AI研修の現場でも、ツールの説明だけで終わってしまい、実際に手を動かすところで止まってしまう人を何度も見てきました。OSSのCLIツールは、公式ドキュメントの英語を読み解きながら1つずつコマンドを打っていく地味な作業が意外とハードルになります。

この記事では、そのハードルをできるだけ下げるために、Hermes Agentの公式README・インストールスクリプト・公式ドキュメントを一次情報として確認しながら、インストールから最初のタスク実行までを順番に解説します。「概要」や「他ツールとの比較」「セキュリティの是非」といった論点は別記事に譲り、ここでは実際に手を動かす部分だけに絞りました。

先に断っておくと、コマンドはすべて公式ドキュメント(GitHubリポジトリのREADME・`scripts/install.sh`・公式docsサイト)で確認したものをそのまま掲載しています。憶測や未確認のオプションは書いていません。動作環境によって多少の差が出ることはあるので、うまくいかない場合は記事後半の「よくあるエラーと対処」を確認してください。

それでは、前提条件の確認から始めていきましょう。

Hermes Agentそのものの仕組みや「エージェントが学習して賢くなる」という特徴については、Hermes Agentとは?法人導入完全ガイドで詳しく解説しています。まだ読んでいない方は先にそちらで全体像をつかんでおくと、この記事の手順がスムーズに理解できます。AIエージェント全般の基礎から導入ステップまで体系的に押さえたい方は、AIエージェント導入完全ガイドもあわせてご覧ください。

導入前に確認する3つの前提条件

インストールを始める前に、以下の3点を確認しておきましょう。ここでつまずくと、インストール自体は成功してもセットアップ後にエラーが出続けることになります。

1. 対応OS

公式ドキュメントとインストールスクリプトが対応を明記しているのは以下の環境です。

OSインストール方法備考
Linux(Ubuntu/Debian/Fedora/Arch等)curlワンライナーapt/dnf/pacmanで依存関係を自動判定
macOS(Intel/Apple Silicon)curlワンライナーHomebrewまたはコマンドラインツールを利用
WSL2curlワンライナーLinux版と同じ扱い
Windows(ネイティブ)PowerShellワンライナーinstall.shはWindowsを明示的に非対応とし、PowerShell版に誘導する
Android(Termux)curlワンライナーpkgパッケージマネージャーで依存関係を導入

2. 手動で用意しておくもの

インストーラーがPython 3.11・Node.js・ripgrep・ffmpegなどの依存関係は自動導入しますが、以下は事前に用意しておく必要があります。

  • Git: Windows以外の全環境で必須。Windowsではデスクトップアプリのビルド時に`g++`または`build-essential`(Debian/Ubuntu)が必要になる場合があります
  • Linux環境の`curl`と`xz-utils`: ディストリビューションによっては未導入のことがあるため事前確認を推奨
  • LLM APIキー: OpenAI・Anthropic・OpenRouter・Google Gemini・Nous Portalなど、いずれかのプロバイダーのAPIキー。ローカルモデル(Ollama等)を使う場合はAPIキー不要

3. スペックの目安

公式ドキュメントに具体的なCPU/RAM/ディスクの数値要件は明記されていません(2026年7月14日時点)。ただしPython仮想環境・Node.js・ブラウザ操作用のPlaywright/Chromiumまで含めてインストールする場合、数GB単位のディスク空き容量を見込んでおくのが安全です。ブラウザ操作機能が不要であれば、後述の`–skip-browser`フラグでインストール容量を抑えられます。

インストール手順(公式コマンドそのまま)

公式インストールスクリプトが、Git・Python 3.11(uv経由)・Node.js・ripgrep・ffmpegといった依存関係の確認、リポジトリのクローン、仮想環境の構築、`hermes`コマンドのシンボリックリンク作成、そして対話式の初期設定までを自動で行います。

Linux・macOS・WSL2・Termuxの場合

curl -fsSL https://hermes-agent.nousresearch.com/install.sh | bash

Windows(PowerShell)の場合

iex (irm https://hermes-agent.nousresearch.com/install.ps1)

インストール後、シェルを再読み込みして起動

source ~/.bashrc
hermes

zshユーザーは`~/.zshrc`を再読み込みしてください。ただし後述する「よくあるエラー」の通り、`.zshrc`のファイル権限が原因で`source`が失敗するケースが報告されているので、うまくいかない場合はファイル権限を確認してみてください。

用途別にインストールをカスタマイズするフラグ

非対話環境(CI/検証用サーバー等)で使う場合や、特定の機能だけをスキップしたい場合は、公式インストールスクリプトが以下のフラグをサポートしています。

フラグ用途
--no-venvPython仮想環境を作らない
--skip-setup対話式の初期設定ウィザードをスキップ
--skip-browserPlaywright/Chromiumを導入しない(ブラウザ操作機能を無効化)
--no-skills同梱スキルを読み込まない
--branch NAME取得するGitブランチを指定(既定はmain)
--commit SHA特定コミットに固定
--dir PATHインストール先ディレクトリを指定
--hermes-home PATHデータディレクトリを指定
--non-interactiveすべての入力プロンプトをスキップ
--include-desktopElectron製デスクトップアプリもビルド

検証用サーバーに非対話でインストールしたい場合は、次のように組み合わせます。

curl -fsSL https://hermes-agent.nousresearch.com/install.sh | bash -s -- --non-interactive --skip-setup

インストール先はユーザー権限によって変わる

公式インストールスクリプトは実行ユーザーによってレイアウトを切り替えます。

実行環境コード配置コマンド配置
一般ユーザー~/.hermes/hermes-agent~/.local/bin/hermes
root(Linux・FHS構成)/usr/local/lib/hermes-agent/usr/local/bin/hermes
Termux$HERMES_HOME/hermes-agent$PREFIX/bin/hermes

データディレクトリ(会話履歴・メモリ・スキル等)は既定で~/.hermes/(rootの場合は/root/.hermes/)に作られ、環境変数HERMES_HOMEで変更できます。

初期設定:モデル接続・権限・ワークスペースを決める

インストールが終わったら、初期設定ウィザードを起動します。

hermes setup

Nous Portal(Nous Research提供の統合プロバイダー。300以上のモデルとTool Gatewayを1つのサブスクリプションでまとめて使える)を使う場合は、専用フラグでポータル連携まで一括設定できます。

hermes setup --portal

あとからプロバイダーを切り替える・追加する

セットアップ後にモデルを切り替えたい場合は`hermes model`を、特定プロバイダーのAPIキーだけを追加・更新したい場合は`hermes config set`を使います。

hermes model
hermes config set OPENROUTER_API_KEY your_key

公式ドキュメントによれば、Hermes AgentはOpenAI互換APIを持つプロバイダーであれば幅広く対応しており、OpenRouter・Nous Portal・OpenAI・Anthropic(Claude)・Google(Gemini)・z.ai・Moonshot AI(Kimi)・MiniMaxに加えて、Ollama・vLLM・llama.cpp・SGLangなどローカルモデルサーバーにも接続できます。ローカルモデルを使う場合、`hermes model`で「Custom endpoint」を選び、`http://localhost:11434`のようなローカルサーバーのURLを指定します。この場合APIキーは不要で、公式ドキュメント上も無料で運用できるとされています。

ツール・権限の設定

hermes tools

ファイル操作・ブラウザ操作・シェルコマンド実行など、どのツールをエージェントに許可するかを個別に設定できます。法人PCで試す場合は、まずここを最小構成にしておくのが安全です(詳細は後述の「法人PCで試すときの注意」を参照)。

メモリ・ワークスペースの保存先

公式FAQによれば、Hermes Agentはテレメトリや利用状況データを収集せず、会話・メモリ・スキルはすべて~/.hermes/配下にローカル保存されます。API通信は自分で設定したLLMプロバイダーにのみ送信される設計です。この保存先を変更したい場合は、インストール時または環境変数HERMES_HOMEで指定します。

最初のタスクを実行してみる

セットアップが終わったら、いきなり複雑な自動化に挑戦せず、まずは非エンジニアでも失敗しにくい実務寄りのタスクから試すのがおすすめです。研修の現場でも、最初の一歩でつまずくと「難しいツール」という印象がついてしまい、そのあとの定着が進みません。

実行例1:定型リサーチを頼んでみる

まずは対話モードでシンプルなリサーチタスクを依頼してみます。

hermes
# 対話プロンプトが起動したら、そのままチャットで指示を出す
> 直近1週間の生成AI業界のニュースを3件、日本語で要約してください

成功すれば、その手順が「スキル」として保存され、次回以降は似た依頼をより速くこなせるようになります(公式READMEが説明する学習ループの仕組みです)。

実行例2:ローカルファイルの整理を頼んでみる

ファイル操作ツールを許可した状態で、フォルダ内の整理を依頼します。

hermes
> ~/Downloads フォルダ内のPDFファイルを、内容ごとにサブフォルダへ分類してください

この種のタスクは、ファイルアクセス権限の範囲を事前に狭く設定しておくと安心です。`hermes tools`でアクセス可能なディレクトリを絞ってから試してください。

実行例3:定期レポートの土台を作ってみる

Hermes Agentはサーバー常駐(デーモン)で動かす設計を前提にしているため、定期実行の仕組みと組み合わせると効果を発揮しやすくなります。まずは1回限りの手動実行で「週次レポートのひな形」を作らせてみて、内容が想定通りか確認してから、cron等の定期実行に組み込むのが手堅い進め方です。

hermes
> 今週のタスク進捗をまとめたレポートのひな形を作成してください。項目は「完了」「進行中」「ブロッカー」の3区分でお願いします

複数人でメッセージングツール経由のやり取りをしたい場合は、`hermes gateway`でTelegram・Slack・Discord・WhatsAppなどと連携するゲートウェイを起動できます(公式ドキュメントによれば、アクセス制御はallowlistとDMペアリングで行う設計です)。

運用のコツ:アップデート・ログ確認・よくあるエラー対処

アップデート

hermes update

診断コマンド

動作がおかしいと感じたら、まず診断コマンドを実行します。

hermes doctor

GitHub Issuesで報告されている主なつまずきポイント

以下は、公式GitHubリポジトリのIssuesで実際に報告されている事例です(コミュニティ報告のため、必ず自分の環境で再現するか確認してから対処してください)。

症状原因・対処の方向性
インストール後`source ~/.zshrc`で「permission denied」`.zshrc`のファイル権限、またはインストーラーが書き込めなかったことが原因。Hermes固有の不具合ではなくシェル設定側の問題であるケースが多い
最初のチャットでHTTP 400エラー設定したモデル名がプロバイダー側に存在しない、またはAPIキーにそのモデルへのアクセス権がないことが原因。`hermes model`で選び直す
`hermes doctor`で「model provider ‘vertex’ is unknown」Google Vertexプロバイダー追加直後の既知の不具合として報告例あり。最新版へ`hermes update`してから再確認
macOSデスクトップアプリが真っ白な画面のまま起動しないデスクトップアプリ(Electron)固有の起動不具合の報告あり。CLI版(`hermes`コマンド)は別プロセスのため影響を受けない
Windowsでターミナルツール実行時に「exit code 126」権限・実行属性まわりのWindows特有の問題として報告あり。WSL2経由でのLinux版インストールに切り替えると回避できるケースがある

上記で解決しない場合は、`hermes doctor`の出力を添えて公式GitHub Issuesを検索するのが最短です。似た症状の報告と対処法が見つかることが多くあります。

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法人PCで試すときの注意

ここまでの手順は個人の検証環境を想定したものです。法人のPCやサーバーで試す場合は、もう一段階の注意が必要になります。

公式SECURITY.mdは「エージェントプロセス内部の仕組みは境界(boundary)ではなく、OSレベルの隔離だけが唯一の防御線」と明言しています。つまり、Dockerコンテナや専用VM等で実行環境を隔離した上で、`hermes tools`によるアクセス範囲の最小化、ファイルアクセス可能なディレクトリの限定、APIキーのスコープ制限をセットで行うことが前提です。この設計思想と、実際に企業導入で確認すべきセキュリティ論点の詳細は、Hermes Agentの危険性|企業導入のセキュリティ対策【2026】で個別に解説しています。本番投入を検討している場合は、必ず先にそちらも確認してください。

また、Claude CodeやChatGPTエージェントといった他のAIエージェントとの使い分けに迷う場合は、Hermes Agent vs Claude Code|違いと選び方【2026】でアーキテクチャ・料金・セキュリティの違いを比較しています。

よくある質問

Hermes Agentは日本語対応していますか?

公式ドキュメントに「日本語対応」を明記した記載はありません(2026年7月14日時点)。ただし接続先のLLM(Claude・GPT・Gemini等)が日本語を扱える場合、対話自体は日本語で問題なく行えます。UIやドキュメントそのものが日本語化されているわけではない点は理解しておいてください。

無料で使えますか?

Hermes Agent本体はMITライセンスのOSSで無料です。公式FAQでも「Hermes Agent自体は無料・オープンソース。費用が発生するのは選んだプロバイダーのLLM API利用分のみ」と明記されています。ローカルモデル(Ollama等)を使えば、API利用料もかからず完全無料で運用できます。

Windowsで使えますか?

使えます。Windowsネイティブ環境ではPowerShell用のインストーラー(`install.ps1`)が用意されており、`iex (irm https://hermes-agent.nousresearch.com/install.ps1)`でインストールできます。WSL2を使う場合はLinux版のcurlインストーラーが使えます。

商用利用はできますか?

できます。MITライセンスのため、改変・再配布・商用利用のいずれも制限はありません。

Claude CodeやChatGPTエージェントと同時に使えますか?

技術的には併用可能です。両者の設計思想の違い(セッション型か常駐型か)や使い分けの考え方は、Hermes Agent vs Claude Code|違いと選び方【2026】で詳しく解説しています。

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること: 検証用の個人環境またはVM上で公式インストーラーを実行し、`hermes setup`まで完了させる
  2. 今週中: 定型リサーチ・ファイル整理・レポートひな形作成のいずれかを実際に試し、`hermes tools`で許可する権限範囲を見直す
  3. 今月中: 本番導入を検討する場合は、セキュリティ対策記事を確認した上で、実行環境の隔離方針を情シス・経営層で合意する

次回予告: 次回は、Hermes Agentのメッセージングゲートウェイ(Telegram/Slack連携)を使った複数人運用の設定例を、実際の画面つきで解説する予定です。


参考・出典


著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

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