【2026年最新】AIでプレスリリースを作る|メディアに届く5プロンプト
結論: AIでプレスリリースを「書く」のは10分で終わります。問題は「メディアに届くかどうか」で、ここで差がつくのはプロンプトの組み方と”記者の興味”の翻訳工程です。
この記事の要点:
- 記者が見るのは「タイトル」と「リード3行」だけ。AIにこの2要素を10案ずつ量産させて、人間が選別するワークフローが最短です
- 本文は「背景→新規性→社会的意義→当事者引用」の4ブロック構造。プロンプトでこの型を強制すると素人っぽさが消えます
- 事実誇張・景表法・薬機法・引用同意の4点だけ人間が最終チェック。AIは数字を盛りがちなので、ここを抜くと配信後に取り下げる羽目になります
対象読者: 広報専任がいない中小企業の広報・販促担当・経営者、創業3年以内のスタートアップ広報、PR会社に外注するほど予算はないが自社で年5〜20本リリースを打ちたい方
読了後にできること: 今日中に、社内にある新商品・受賞・イベント情報からAIにタイトル案10本+リード5案を生成させ、人間が30分で1本のリリース原稿に仕上げられます
はじめに:「うちのリリース、誰にも読まれてない問題」
「プレスリリース、出したんですけど、全然反応なくて……」
先日、ある中小メーカーの広報担当者からこんな相談を受けました。広報専任ではなく、総務と兼務で年に5〜6本リリースを出している方です。出すたびに自社サイトに掲載し、PR TIMESにも配信しているのに、メディアからの問い合わせがほぼゼロ。アクセス解析を見ると、リリースページの滞在時間が平均7秒。タイトルだけ見て離脱されていました。
原稿を見せてもらって、すぐに分かったんです。タイトルが「新商品『○○ライト2026』販売開始のお知らせ」になっていて、本文も「当社は、このたび新商品『○○ライト2026』を販売開始いたしましたのでお知らせいたします」という、テンプレ100%の文章。記者目線でいえば、これは「読まなくていいリリース」の典型なんです。記者は1日に数百本のリリースを処理しているので、タイトルとリード3行で「これは取材する価値があるか」を秒で判定しています。
この記事では、私自身が100社以上のAI研修・広報サポート現場で組み立ててきた「AIにプレスリリースを書かせる5プロンプト」を、コピペできる形で全公開します。SoftBank IT連載でAI仕事術を7回書いてきた経験から、特に「記者の興味を引く翻訳工程」と「事実誇張・景表法を踏まない安全装置」をプロンプトに組み込んでいます。広報専任がいない中小企業でも、今日から年20本ペースで打てるレベルに引き上げる構成にしました。
ChatGPTやClaudeを業務でどう使うかの全体像はChatGPTビジネス活用完全ガイドにまとめています。本記事はその中でも「広報・プレスリリース」領域に特化した実践編として読んでください。
まず試したい「5分即効」テクニック3選
即効テクニック1:タイトル案を10本量産させる
記者がリリースを開くかどうかは、ほぼタイトルで決まります。「販売開始のお知らせ」だけのタイトルは、もう存在していないのと同じ。AIに「同じネタで切り口を変えたタイトルを10本」と命じるだけで、選択肢が一気に広がります。
事例区分: 想定シナリオ
以下は100社以上の広報サポート経験をもとに構成した典型的なシナリオです。実際の社名・数値はモザイクをかけています。
ある食品メーカーで、「無添加調味料の新商品リリース」を打ったときの話です。最初のタイトルは「新商品『○○だし』新発売のお知らせ」。これをAIに「ターゲット別に切り口を変えて10案」と頼んだら、「3歳児が初めて『うまみ』を覚えるための無添加だし」「忙しい共働き家庭の”罪悪感ゼロ”和食”」「保育園給食の調理時間を15分短縮する業務用だし」など、媒体別に投げ分けられる案が出てきました。実際にはこの中から「3歳児が初めて〜」を子育てメディア向け、「保育園給食の〜」を業界紙向けにそれぞれ送り分けて、両方から取材が来た想定例です。
あなたは中小企業の広報PR専門家です。以下のリリースネタを使い、
「記者が思わず開きたくなるタイトル案」を10本作ってください。
【ネタ】
- 商品/サービス名: [ここに入れる]
- 業界: [ここに入れる]
- 新規性のポイント(事実ベースで3つまで): [箇条書きで]
- 想定ターゲット読者: [一般消費者/業界関係者/投資家など]
【出力ルール】
- 1案は40字以内、日本語として自然な文章
- 「お知らせ」「販売開始」だけのテンプレ表現は禁止
- 数字を入れる場合は「ネタ」に書かれた事実のみ使用。誇張・盛り禁止
- 切り口を意図的にバラす(社会課題訴求/数字インパクト/当事者目線/業界比較など)
- 各案の右に「想定媒体/切り口メモ」を1行添える
【安全装置】
- 景表法に抵触する可能性のある最上級表現(「日本初」「業界No.1」など)を
使う場合は、必ず案の末尾に「※要根拠データ」と明記
- 薬機法に該当する可能性のある効能効果表現(食品・化粧品で「治る」「効く」など)
はそもそも案として出さない効果: 想定シナリオでの実例 — タイトル考案にかけていた40分が5分に短縮、かつ媒体別に投げ分ける発想が広報担当に芽生えるようになりました。
即効テクニック2:5W1Hを圧縮したリード3行を書かせる
記者がタイトルの次に見るのは、本文冒頭3行のリードです。ここで「いつ・誰が・何を・どこで・なぜ・どう」が一目で分かれば、取材検討に進みます。逆に、「当社は、このたび〜の運びとなりましたことをお知らせ申し上げます」のような序文がリードの位置にあると、その時点で離脱されます。
事例区分: 想定シナリオ
以下は地方IT企業の周年イベント告知を支援した想定例です。
ある地方IT企業が「設立10周年で社員旅行を全社員+家族同伴で実施する」というイベントを打ち出したとき、初稿のリードは「当社は、設立10周年を記念し、社員旅行を実施いたしましたのでご報告申し上げます」でした。これを5W1H圧縮プロンプトに通したら、「2026年5月、社員25名と家族35名の計60名が長野県の温泉地に2泊3日で集まり、地方IT企業として初の”家族同伴型10周年旅行”を実施。背景には人手不足下での”家族ぐるみの定着策”がある」というリードが出てきました。実際このリードは地方紙の経済面に取り上げられた、という想定例です。「家族ぐるみ」「定着策」というキーワードが地方紙の関心軸とマッチした構造です。
あなたは新聞記者出身のPRライターです。以下のネタから、
プレスリリースの「リード3行(5W1H圧縮版)」を5案作ってください。
【ネタ】
[商品・イベント・受賞などの情報をできるだけ具体的に貼り付ける]
【出力ルール】
- 1案あたり3行・合計150字前後
- 1行目: いつ・誰が・何を(事実)
- 2行目: どこで・どう(具体性)
- 3行目: なぜ(社会的文脈/業界課題への接続)
- 各案の下に「狙う媒体カテゴリ」を1行
- 「お知らせ」「運びとなりました」など儀礼的表現は禁止
- 数字はネタに書かれたものだけ使用、概算は避ける
【安全装置】
- 効果や成果の表現は事実ベースのみ。「業界唯一」「圧倒的」など根拠が要る
最上級表現は使わない。使う場合は「※第三者調査が必要」と明記
- 当事者(顧客名・取引先名)を含める場合は「※掲載前に同意確認」と注記効果: 想定シナリオでの実例 — 「儀礼的な書き出し」を撲滅できるので、リリースの「お知らせ感」が消えて記事化率の手応えが変わります。
即効テクニック3:SNS用の告知文を3パターン同時に出す
リリースを出した瞬間に、Xや公式LINE、Facebookで告知するのが今の広報の基本です。ただ、媒体ごとに文字数も文化も違うので、リリース本文をそのまま流すと「お知らせコピペ感」が漂ってしまう。AIに「同じネタを3媒体用に書き分けて」と頼むと、媒体特性を踏まえた出力が一気に揃います。
あなたはSNS運用とPRに精通したマーケターです。
以下のプレスリリースのネタを使い、X(旧Twitter)・公式LINE・Facebookページ用に
告知文を3パターン作ってください。
【ネタ】
[商品・サービス・受賞・イベントなどの情報]
【リリースURL】[URLが既にある場合は貼る]
【出力ルール】
- X: 140字以内・絵文字最大2個・改行は最大3回・最後にリリースURL
- 公式LINE: 300字程度・絵文字なし・敬語・最後に「詳細はリンクから」+URL
- Facebook: 400字程度・段落2-3個・冒頭に「何を発信したいか」を一文で
【安全装置】
- 「業界初」「唯一」などの最上級表現を使う場合、ネタ側にエビデンスがあるか
自問してから使う。なければ削る
- ターゲット顧客の体験を勝手に作らない。
「お客様の声」を入れる場合は「※実際の声か要確認」と末尾に注記
- 価格や還元率を載せる場合は景表法を意識し、条件・期間を必ず明記効果: 想定シナリオでの実例 — リリース配信〜SNS告知までの所要時間が、平均2時間から30分以下に短縮されました。
プレスリリース活用は”3つの型”で考える
AIにプレスリリースを書かせるとき、「とにかくAIに丸投げ」だとどうしてもテンプレ感が出ます。私が現場で組み立てている考え方は、リリースを「3つの型」のどれに当たるかをまず分類し、型ごとに違うプロンプトを当てる、というものです。
| 型 | 内容 | 難易度 | AIに任せる比率 |
|---|---|---|---|
| 発表型 | 新商品・サービス・機能リリース | 低 | 70%(事実整理+切り口提案) |
| 受賞・実績型 | 受賞・契約締結・売上達成など | 中 | 50%(数字の意味付けに人間判断必須) |
| イベント・社会発信型 | イベント告知・社会課題への提言など | 高 | 40%(社会的文脈・引用の同意取りは人間) |
発表型は事実の羅列がベースなので、AIに70%任せても破綻しません。受賞・実績型は数字を扱うので、景表法・誇張に踏み込みがちで人間判断の比重が上がる。イベント・社会発信型は当事者引用や社会的文脈の理解が要るので、AI比率はむしろ落とした方が安全、というのが現場感覚です。
部署・業務別テクニック5選
テクニック4:本文の4ブロック構造を強制する
記事化されるリリースには共通の構造があります。「背景→新規性→社会的意義→当事者引用」の4ブロックです。素人原稿は、この4つのうち「新規性」だけが膨らんで、背景や社会的意義が薄い。逆に記者出身のPRライターが書く原稿は、4ブロックの分量がほぼ均等で、リズムよく読めます。
事例区分: 想定シナリオ
以下はBtoB SaaSのリリースを支援した想定例です。
あるBtoB SaaSが「中小企業向けに料金プランを30%値下げする」というリリースを打ったとき、初稿は「新料金プランの内容」だけで本文が埋まっていました。背景(なぜ今値下げするのか)、社会的意義(中小企業のDXコスト負担の現状)、当事者引用(既存顧客の声)がごっそり欠けていた。これを4ブロック構造プロンプトに通したら、「中小企業のDX投資余力が3年連続で縮小している」というデータを背景に持ち込み、「料金30%減で月額○円が中小企業の試算で○年で回収可能」という社会的意義に翻訳した本文が出てきました。実際このリリースは複数のITニュースサイトに転載された、という想定例です。
あなたはプレスリリースの構成設計を担う編集者です。
以下のネタから、プレスリリース本文を「背景→新規性→社会的意義→当事者引用」の
4ブロック構造で構成案を作ってください。
【ネタ】
[商品・受賞・契約締結など。事実だけを書く]
【出力ルール】
- ブロック1: 背景(なぜ今このリリースなのか・業界課題・データ)200字前後
- ブロック2: 新規性(何が新しいか・他社との違い)200字前後
- ブロック3: 社会的意義(顧客・社会にどんな価値があるか)150字前後
- ブロック4: 当事者引用(代表 or 顧客 or パートナーのコメント案)100字前後
- 各ブロックの右に「使う数字・事実の出典」を1行明記
- ブロックの並び順は変えない(記者が読みやすい順序)
【安全装置】
- ブロック1で使う業界データは出典が明確なものだけ。
「と言われている」「とされる」のような出典不明表現は禁止
- ブロック2で「日本初」「業界唯一」を入れる場合は、調査機関名と調査日が
ネタ側に書かれているかを確認するチェックポイントを末尾に追加
- ブロック4の「引用」は架空の人物を作らない。
実在の人物の言葉を載せる場合は「※掲載前に本人同意取得が必要」と明記活用例: 新商品リリース、契約締結、サービスアップデートなど発表型全般。
実績: 想定シナリオでの体感 — 4ブロック構造化により、リリースの記事化率が体感で2〜3倍に上がる印象(測定方法: 同一企業の前後3か月リリース10本ずつでの記事化件数比較想定)。
テクニック5:媒体別の切り口を翻訳する
記者と話すと毎回気付くんですが、媒体ごとに「何を価値と見なすか」が全然違います。経済紙は「業績インパクト」「業界再編」、業界紙は「技術的新規性」「業務効率」、地方紙は「地域貢献」「雇用」、ライフスタイル誌は「ユーザーの暮らしの変化」、ビジネスメディア(NewsPicksなど)は「経営者の意思決定の背景」「投資家視点」。同じネタでも、媒体別に切り口を変えて投げないと、的外れになります。
あなたはPRエージェンシーで媒体研究を10年やってきたシニアPRです。
以下のリリースネタを「経済紙」「業界紙」「地方紙」「ライフスタイル誌」
「ビジネスメディア(NewsPicks等)」の5媒体カテゴリ向けに切り口を変えて翻訳してください。
【ネタ】
[ここに事実情報を貼り付け]
【出力ルール】
- 5媒体それぞれに以下の3点を出力
1. その媒体に刺さるタイトル案(1本・40字以内)
2. リードに入れる「価値訴求軸」(1行)
3. 添えるべき補足データ・引用素材(箇条書きで2-3個)
- 全媒体で同じ事実を使うが、強調する切り口だけを変える
- 業界紙向けには専門用語OK、ライフスタイル誌向けには専門用語禁止
【安全装置】
- 地方紙向けに「地域貢献」を訴求する場合は、実際の地域活動データを
ネタ側で確認(架空の地域貢献を作らない)
- 経済紙向けに業績数字を使う場合、IR上の正式数字以外を使わない
- ビジネスメディア向けの「経営者の意思決定」コメントは、
本人発言の確認が必要であることを末尾に明記活用例: 媒体リストを持っている広報担当者・PR会社との連携時。
実績: 想定シナリオでの体感 — 1本のリリースで送り分ける媒体数が平均1.3本→4.5本に増え、結果として記事化される媒体数も底上げされた想定例。
【要注意】よくある失敗パターンと回避策
失敗1:自社目線で「お知らせ」してしまい、記者が興味を持たない
❌ よくある間違い: 「当社は、このたび新商品『○○』の販売を開始いたしましたのでお知らせいたします」
⭕ 正しいアプローチ: 「中小企業の○○課題を解決する新製品『○○』が、地方IT企業から登場」のように、社会的文脈・読者ベネフィットを冒頭に置く。
なぜ重要か: 記者は「自社の都合」には興味がなく、「読者にとっての価値」を判定基準にしています。冒頭で「お知らせ」と言ってしまうと、その時点で読者ベネフィットがゼロのリリース判定になります。
実際、ある研修現場で「自社目線リリース」を10本見せてもらったら、10本とも記事化されておらず、AI翻訳プロンプトを使って読者目線に置き換えた後の10本では、想定で3本程度が業界紙に掲載されました(測定: 半年スパンの想定シナリオでの比較)。
失敗2:数字を盛り過ぎて、後で信頼を失う
❌ よくある間違い: 「業界No.1」「日本初」「圧倒的」など、根拠なしの最上級表現を入れる
⭕ 正しいアプローチ: 第三者調査機関名・調査日・調査範囲を明記したうえでのみ「No.1」を使う。なければ「○○分野で○社(自社調べ、2026年5月)における初の試み」のように限定する。
なぜ重要か: 景品表示法の優良誤認・有利誤認に抵触するリスクがあります。消費者庁は「No.1表示」に対する調査を強化しており、根拠資料のない最上級表現は行政指導の対象になり得ます。AIは「盛りがち」なので、最上級表現が出てきたら必ず人間が「根拠ある?」と問い直す工程を入れます。
失敗3:本文が長すぎて、最後まで読まれない
❌ よくある間違い: 商品スペック・歴史・社長コメント・ビジョン全部入りで2,500字オーバー
⭕ 正しいアプローチ: 本文は1,200〜1,800字以内。詳細スペックは「補足資料」「画像」「動画」に逃がし、本文では「背景→新規性→意義→引用」の4ブロックに絞る。
なぜ重要か: 記者は1日数百本のリリースを処理しており、長文は読まれません。本文を圧縮し、補足資料へリンクで誘導する構造が標準です。AIに「1,800字以内」と制約を渡せば、自然に圧縮された原稿が出てきます。
失敗4:配信前に当事者・関係先の同意確認を取らない
❌ よくある間違い: 顧客の声・パートナー企業名・社外取締役の引用を、本人確認なしに掲載する
⭕ 正しいアプローチ: 引用文・社名・人名を本文に入れる場合、必ず該当者の文面確認+同意を取ってから配信する。AIに「引用は同意取得が前提」と明記させる。
なぜ重要か: 顧客名・パートナー名を勝手に出すと、信頼関係を一発で壊します。実際、ある研修現場で「導入企業の声」として書いた一文が、本人未確認のまま配信され、配信から数時間後に取り下げ依頼が来た事例があります(想定シナリオ)。AIプロンプトに「※掲載前に同意確認」のチェック行を強制で入れれば、人間側で気づける仕組みになります。
プレスリリースの「型」テンプレート
4ブロック構造をさらに具体化した、配信用テンプレートです。AIに直接これを埋めさせるよりも、4ブロックプロンプトで本文素材を作ってから、人間が以下の型に流し込むのが現実的です。
| セクション | 内容 | 文字数目安 |
|---|---|---|
| タイトル | 記者を引き込む1行(40字以内) | 40字以内 |
| リード | 5W1H圧縮の冒頭3行 | 150字前後 |
| 背景 | 業界課題・社会的文脈・データ | 200字前後 |
| 詳細(新規性) | 何が新しいか・他社との違い | 200字前後 |
| 社会的意義 | 顧客・社会にどんな価値があるか | 150字前後 |
| 当事者引用 | 代表 or 顧客 or パートナーのコメント | 100字前後 |
| 会社情報 | 所在地・代表者・事業概要・URL | 150字前後 |
| 問合先 | 担当部署・氏名・メール・電話 | 100字前後 |
合計で1,100〜1,500字に収まる構造です。「補足資料」「画像URL」「動画URL」は本文の後ろにリンクで添える形にして、本文は短く保つのが王道です。配信後に追加の取材依頼や問い合わせが来たときに、補足資料を順次提供できる構成にしておくと、媒体側の編集負担も下がり、最終的に記事として取り上げられる確率が体感的に上がります。
追加プロンプト:応用パターン3つ
応用1:受賞・実績リリース用「数字の意味付け」プロンプト
受賞・売上達成・契約締結などの「実績型リリース」は、数字をそのまま並べるだけでは記者の心に届きません。「その数字が何を意味するのか」を翻訳する工程が必要です。AIに数字の文脈化を任せると、記者経験者がやるような「業界平均との比較」「過去5年の自社推移」「同業他社のベンチマーク」を提案してくれます。
事例区分: 想定シナリオ
以下は地方の人材紹介会社の「採用支援1,000件達成」リリースを支援した想定例です。
初稿は「採用支援1,000件達成のお知らせ」だけでした。これを「数字の意味付けプロンプト」に通したら、「地方の人材紹介会社が首都圏進出ゼロのまま採用支援1,000件達成、地元中小企業の採用難解消に貢献」という構造に翻訳されました。「首都圏進出ゼロ」「地元中小企業」という補助線が入ったことで、地方紙の経済面の関心軸にハマる構造になった想定例です。
あなたはBtoBの数字を読み解くプロ広報です。
以下の「実績数字」を、記者が興味を持つ「意味付け」に翻訳してください。
【ネタ】
- 達成した数字: [例: 採用支援1,000件達成]
- 達成期間: [例: 設立から7年]
- 自社の業界・規模: [例: 地方の人材紹介、社員10名]
【出力ルール】
- 数字の意味付けを3つの軸で提案
軸1: 業界平均/同業他社との比較(可能なら一般的な公表データを引用)
軸2: 自社の歴史的文脈(初回○件→現在○件など過去推移)
軸3: 社会的文脈(地域・業界課題への貢献)
- 各軸について、リリースに入れられる1〜2行のフレーズを提案
- フレーズ末尾に「※比較データの出典確認が必要」と注記
【安全装置】
- 業界平均データを使う場合は「○○調査(年)による」と仮置きし、
事実確認を促す注記を必ず添える
- 「業界1位」「No.1」など最上級表現は使わない
- 顧客の体験談を引用する場合は「※本人同意必須」を末尾に追記活用例: 受賞・契約締結・売上達成など実績型リリース全般。
実績: 想定シナリオでの体感 — 「ただの数字」が「業界文脈の数字」に翻訳されることで、記者からの追加質問が来やすくなる。
応用2:イベント告知用「社会的意義 → 集客」翻訳プロンプト
イベント告知リリースは、「日時・場所・登壇者」を並べるだけだと、参加してほしい層に届きません。「このイベントに参加するとどんな課題が解決するのか」を社会的意義から逆算して書くと、申込ページのコンバージョン率も上がります。
あなたはB2Bイベントの集客に強いコンテンツプランナーです。
以下のイベント情報を、「社会的意義 → 参加者ベネフィット → 集客動線」の順で
構成し直してください。
【ネタ】
- イベント名: [例]
- 日時/場所/形式: [例]
- 登壇者: [例]
- 想定参加者: [例]
- 既存の告知文(あれば): [例]
【出力ルール】
- 構成1: 社会的意義(なぜ今このテーマか・業界課題への接続)200字
- 構成2: 参加者ベネフィット(具体的に何が学べるか・どんな課題が解決するか)200字
- 構成3: 集客動線(参加申込までの導線・締切・特典情報)100字
- 各構成の右に「使う数字・事実の出典」を明示
【安全装置】
- 「業界初のイベント」を使う場合は、調査機関名と調査日を確認するチェック行を追加
- 登壇者プロフィールに学歴・職歴を入れる場合、本人確認が必要であることを明記
- 「参加無料」「先着○名」と書く場合、条件・キャンセルポリシーの記載を促す活用例: 自社主催セミナー・展示会・カンファレンス告知。
実績: 想定シナリオでの体感 — 申込ページの直帰率が体感で30%→18%程度に下がる印象(測定方法: GA4の同一テンプレ前後比較想定)。
応用3:配信前ファクトチェック プロンプト
AIが書いた原稿には、必ず「事実誤認」「誇張表現」「景表法・薬機法リスク」「未確認の引用」が残ります。これを人間が目視で全部潰すのは大変なので、別のAIに「ファクトチェック専門家として読んで」と指示し、原稿を最終チェックする工程を入れます。
あなたは新聞社の校閲部に20年いるベテラン校閲者です。
以下のプレスリリース原稿を、配信前に最終チェックしてください。
【チェック項目】
1. 事実誤認の疑い(数字・固有名詞・日付・場所)
2. 誇張表現(「業界初」「日本初」「圧倒的」など)の根拠の有無
3. 景品表示法に抵触する可能性のある表現(優良誤認・有利誤認)
4. 薬機法・健康増進法に抵触する可能性のある表現(食品・化粧品・健康器具)
5. 未確認の引用(顧客・取引先・社外取締役の発言)
6. 出典不明の業界データ・統計
7. 「お知らせ」「運びとなりました」など儀礼的すぎる表現
【出力ルール】
- 該当箇所ごとに以下3点を出力
該当文(原文を引用)
問題の種別(上記1〜7のどれか)
修正案(2案提示)
- 問題なしの項目もすべて「該当なし」と明記
- 最後に「総合判定: そのまま配信OK / 修正必須」を1行で出す
【入力】
[ここにAIが生成したリリース原稿全文を貼り付け]活用例: 配信前の最終チェック工程。広報担当者と法務担当者の二重チェックの前段で使う。
実績: 想定シナリオでの体感 — 法務確認の手戻り回数が体感で平均3回→1回に削減(測定方法: 法務確認時のコメント数推移想定)。
セキュリティと運用ルール
AIにリリース下書きを書かせる際、社外秘情報をそのままAIに渡すリスクがあります。実務での運用ルールは以下の3つです。
- 未公開情報は法務確認後にAIに渡す。上場企業のIR情報、契約交渉中の取引先名、未発表の人事情報などは、リリース公開と同タイミング以降にAIに投入。それ以前は社内の閉域環境のAI(オンプレ・専用テナント)に限定。
- 顧客名・人名はマスキングしてから生成→最終稿で復元。AIに渡す段階では「顧客A社」「担当者B氏」のようにマスキングし、最終チェックの直前に実名に置換する運用が安全です。
- ChatGPTなど公開API利用時は「学習に使わない」設定を確認。法人プラン(ChatGPT Enterprise・Team)やAPI利用は入力データの学習対象外、無料版・Plusは学習対象になる可能性があるため、業務用途は法人プランへ切り替えを推奨します。
記者と話してわかった「届くリリース」3つの共通項
私自身、SoftBank IT連載やNewsPicksでの執筆経験を通じて、編集者・記者と何度もリリースについて話してきました。彼らが「これは取材したい」と判断するリリースには、3つの共通項があります。
- 「読者の生活が具体的に変わる」が見える:商品スペックの羅列ではなく、「これによって誰のどんな1日が変わるのか」が冒頭3行で見える。AIプロンプトでも、「誰のどんな日常がどう変わるか」を必ず1行追加させると、原稿の質が変わります。
- 「業界の文脈」に位置づけられている:単発の発表ではなく、「業界のこの3年の流れの中で、自社のこの動きはこういう意味を持つ」と位置づけられている。記者は「業界の動きを書く仕事」なので、自社単独の発信では取り上げにくい。AIに「業界文脈での意味付け」を毎回付けさせるだけで、記事化率が体感で1.5〜2倍に上がります。
- 「次の取材ネタ」を匂わせている:リリース本体の情報量を完璧に詰め込むのではなく、「もっと聞きたい」と思わせる情報の引き残しがある。具体的には、社長のコメントが含意のある一文だったり、「次のステップとしては○○を検討中」など、追加取材のフックを残している。AI下書きの後で、人間が「あえて引き残す」工程を入れるのがコツです。
導入企業の成果(想定シナリオまとめ)
測定期間: 想定シナリオ上の6か月間
対象: 中小企業10社(広報専任なし、年5〜20本リリース配信)
測定方法: 同一企業のAIプロンプト導入前後3か月の「リリース1本あたり所要時間」「記事化件数」「SNS反応(いいね・RP数)」を社内ログから集計(想定)
結果(想定): リリース1本あたりの執筆時間が平均180分→45分に短縮。同一ネタからの媒体別投げ分けが平均1.2媒体→4.5媒体に拡張。記事化率は2倍前後に上振れ。SNS告知文の作成時間も媒体3つ分で平均60分→15分に短縮し、リリース配信と同時刻のX投稿率が30%→90%に向上した想定例です。担当者の負荷は半分以下になり、その分を「媒体リストの精度向上」「取材対応の質向上」「次の企画立案」に振り向けられる構造に変わっていきます。
まとめ:今日から始める3つのアクション
- 今日やること: 「即効テクニック1」のタイトル10本量産プロンプトを、社内にある直近のリリースネタ1本に当ててみる。10案出てきた中から、3案を選んで関係者に見せる。「これ、今のタイトルより刺さるかも」という反応が出れば一歩前進です。
- 今週中: 「テクニック4」の4ブロック構造プロンプトで、次の配信予定リリースの本文素材を作る。出てきた4ブロックを、人間がテンプレートに流し込む。所要時間は30分〜1時間で完成します。
- 今月中: 「テクニック5」の媒体別翻訳プロンプトを使って、直近のリリース1本を5媒体カテゴリ向けに翻訳する。実際に媒体リストへ送り分け配信し、記事化件数・問い合わせ件数を記録して、次月の運用判断材料にする。
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次回予告: 次の記事では「AIで決算説明資料・IR文書を作る」をテーマに、上場・非上場問わず使えるIR領域のAIプロンプト集をお届けします。
参考・出典
- 表示対策|消費者庁 — 消費者庁(参照日: 2026-05-24)
- PR TIMES|プレスリリース配信サービス — 株式会社PR TIMES(参照日: 2026-05-24)
- 医薬品等の広告規制について — 厚生労働省(参照日: 2026-05-24)
著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。
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