この記事の要点
- 2026年8月、OpenAI Codexは週次ペースでCLIを更新(0.149.0→0.150.1)。管理者向け「Admin Plugin」の追加とMCPサーバーコマンドの非推奨化が最大の実務インパクト
- Codex CLIは8月20日・24日・26日・27日と4回のバージョンアップを実施。タスク参照や作業ディレクトリ操作など開発者向け機能が中心
- 料金体系そのものの改定はなく、公式ヘルプ記事は「Codexは無料・Goプランを含む全プランに含まれ、上限はプランごとに異なる」とのみ案内
- 企業側の対応が必要なのは主に、CI/CD等で`codex mcp-server`コマンドを使っている場合の移行のみ。それ以外は静観で問題ない
2026年6月のCodex大型アップデート(役割別プラグイン・Sites機能・Amazon Bedrock対応)から2ヶ月。前回のまとめで紹介した機能は、その後も静かに拡張が続いています。8月に入ってからは大型発表というより、CLIの週次アップデートと管理機能の追加が中心でした。
私たちUravationは法人向けにAI研修・導入支援を提供する立場上、「Codexの新機能を追うべきか」という相談を継続的に受けます。8月に関しては、結論から言うと「開発チームは追う価値があるが、経営判断が必要な変更は基本的にない」という月でした。ただし1点だけ、MCPサーバーをCI/CDや自動化に組み込んでいる企業は移行対応の期限を意識する必要があります。
本記事では、2026年8月20日〜28日に公式チャンネル(ChatGPT公式変更履歴・GitHub Codexリポジトリ・OpenAI公式ブログ)で確認できたCodex関連の更新を一次情報ベースで整理します。掲載情報は2026年8月29日時点で確認できた内容にもとづいており、未発表・未確認の項目は「未確認」と明記します。

2026年8月のCodexアップデート一覧(一次情報まとめ)
まず全体像を時系列で押さえます。日付は各公式ソースに記載された発表日・リリース日です。
| 日付 | 内容 | 対象 | 影響度 |
|---|---|---|---|
| 8月20日 | Codex CLI 0.149.0(agentsダッシュボード・/cd /pwd /cwd・codex queue追加) | CLI利用者 | 中(開発体験の改善) |
| 8月20日 | Codex/ChatGPT横断アップデート(Site co-editing・Apple Messagesプラグイン等) | ChatGPT Work等 | 低〜中 |
| 8月24日 | `codex mcp-server`コマンドの非推奨化を発表 | MCP連携を組んでいる開発チーム | 高(移行対応が必要) |
| 8月24日 | Codex CLI 0.149.1(パッチリリース) | CLI利用者 | 低 |
| 8月25日 | Admin Plugin for ChatGPT Work and Codex 発表 | ChatGPT Work・Codex管理者 | 高(管理業務が対象) |
| 8月25日 | ブラウザ拡張のEdge/Brave/Opera/Vivaldi対応、Site tools(WebMCP)追加 | ChatGPT利用者 | 低〜中 |
| 8月26日 | Codex CLI 0.150.0(”@”メンションでのタスク参照・パーミッションモード切替等) | CLI利用者 | 中 |
| 8月27日 | Codex CLI 0.150.1(リモート圧縮時の画像トークン予算計算を修正) | CLI利用者 | 低(バグ修正) |
| 8月28日時点 | 0.151.0系のアルファ版が継続リリース中(一般提供はまだ) | 先行検証者向け | 情報のみ |
影響度が高いのは「MCPサーバーコマンドの非推奨化」と「Admin Pluginの追加」の2つです。次章以降で詳しく解説します。
Codex CLIのアップデート詳細(0.149.0→0.150.1)
8月20日以降、Codex CLIは公式changelogに4本のバージョン(0.149.0・0.149.1・0.150.0・0.150.1)が掲載されました。GitHubのリリース一覧ではこれに先立つ0.147.0(8月7日)と0.148.0(8月18日)も8月中に公開されており、8月の安定版リリースは合計6本です。いずれも大きな仕様変更ではなく、日々の開発体験を積み上げ式で改善する内容です。
0.149.0(8月20日):ダッシュボードと作業ディレクトリ操作の強化
対話型のcodex agentsダッシュボードが追加され、稼働中のエージェントタスクを一覧で確認できるようになりました。あわせて/cd・/pwd・/cwdという作業ディレクトリ操作コマンド、既存セッションへメッセージを送るcodex queue、Vim編集機能の拡張、codex doctor診断コマンドの強化が含まれます。
0.149.1(8月24日):パッチリリース
公式チェンジログ上は「マイナーな更新」とのみ記載されており、具体的な修正内容の詳細は公開情報からは確認できていません(2026年8月29日時点)。
0.150.0(8月26日):タスク参照とパーミッション操作の改善
“@”メンションで過去タスクを参照できる機能、/copyコマンド実行時のピッカー表示、無題ターミナルタスクへの自動タイトル付け、対応ターミナルでのMarkdownリンククリック、パーミッションモード切替のショートカット、中断されたターン向けの新しいフックが追加されました。
0.150.1(8月27日):リモート圧縮のバグ修正
リモート圧縮(remote compaction)機能が、保持している画像もトークン予算の計算に含めるよう修正され、必要に応じて古い画像を自動的にトリミングするようになりました。長時間セッションでコンテキストが圧迫されやすい問題への対応です。
なお、GitHub上では8月26日以降も0.151.0-alpha系のビルドが連続してリリースされています。これは開発者向けの先行検証版であり、一般提供される安定版ではない点に注意してください。最新の安定版バージョンは、社内で利用中のCLIがcodex --versionで確認できるバージョンと合っているか、GitHub公式リリースページで随時確認することをおすすめします。
クラウド実行環境(Codex Remote)側の動きとの関係
8月20日の横断アップデートで追加された「ローカルCodexスレッドの共有スナップショット」「Computer HistoryのEU提供開始」は、いずれもクラウド上でCodexタスクを実行する仕組み(Codex Remote)の周辺機能です。Codex Remoteそのものの一般提供開始時の全体像はCodex Remote一般提供ガイドで解説しているので、クラウド実行環境を使い始める企業はあわせて確認しておくと理解が早いはずです。
Codex内で使えるモデルは今どのバージョンか
OpenAIが公開したGPT-5.6の安全性資料によれば、「Codex内、およびChatGPT Work経由でGPT-5.6 SolやGPT-5.6 Lunaにアクセスするユーザーは、引き続き従来(2026年7月リリース)版のGPT-5.6 Sol・Lunaを利用している」と明記されています。つまり、ChatGPT本体側では8月にGPT-5.6 Sol・Lunaの更新版が展開されている一方、Codex内で使えるモデルは2026年8月29日時点でまだ7月版のままということです。モデルの世代・スペック差についてはGPT-5.6 Sol・Terra・LunaのCodexガイドで詳しく整理しています。
Admin PluginとMCPサーバー移行の実務インパクト
8月の更新の中で、企業導入の観点から最も影響が大きいのはこの2件です。
Admin Plugin for ChatGPT Work and Codex(8月25日発表)
OpenAIは8月25日、ChatGPT WorkおよびCodexの管理者向けに「Admin Plugin」を発表しました。公式発表によれば、管理者はチャット形式の対話を通じて、ワークスペースの利用状況分析、メンバー・グループの管理、アクセス権限の設定変更、利用上限の調整、支出リクエストの処理、定型的な管理作業の自動化を行えるようになります。公式は「このプラグインは各ユーザーが元々持つ権限の範囲内で動作し、権限を拡大するものではない」と明記しており、既存の管理者権限を超えた操作はできない設計です。管理画面を都度開いて設定変更する手間を、対話形式で短縮できる点が主な価値と言えます。
`codex mcp-server`コマンドの非推奨化(8月24日発表)
CI/CDや社内ツールからcodex mcp-serverコマンドを呼び出してMCP(Model Context Protocol)連携を組んでいる場合は、対応が必要です。公式チェンジログは、このコマンドを非推奨とし、代わりにCodex app serverの利用を推奨すると発表しました。また同時期の情報として、Claude Code側からCodexの機能を呼び出せる「Codexプラグイン for Claude Code」の存在も確認できています。これはClaude Code環境で作業しながら、必要な場面でCodexの機能を呼び出す用途のプラグインで、Codex CLI単体の後継機能とは役割が異なる点に注意してください。非推奨化から完全廃止までの具体的なタイムライン(サポート終了日)は、2026年8月29日時点の公式チェンジログには明記されていません。自動化フローに組み込んでいるチームは、次回のメンテナンス時にCodex app serverへの移行を検討することをおすすめします。

ブラウザ拡張・Site tools・自動化トリガーの追加機能
8月25日には、開発者向けだけでなく一般ユーザー向けの機能追加もまとまって発表されています。
- ブラウザ拡張の対応拡大:これまでChromeが中心だった拡張機能が、Edge・Brave・Opera・Vivaldiでも利用可能になりました
- Site tools(WebMCP):ブラウザ内での組み込み型AI操作を可能にする機能が追加されました
- クラウドブラウザサインイン:対象となるChatGPT Workプランで、クラウド上のブラウザ環境へのサインインが可能になりました
- スケジュールタスクの外部トリガー対応:Gmailのメッセージフィルタ、Slackチャンネルの監視、GitHubのプルリクエストイベント(レビュー・マージ含む)を起点に、ChatGPTのスケジュールタスクを自動起動できるようになりました
これらは主にChatGPT側の機能拡張であり、Codex CLI単体の利用者に直接影響するものではありません。ただし、Gmail/Slack/GitHubイベント起点の自動タスク実行は、社内の情報連携ルールと照らし合わせて利用範囲を決めておくことをおすすめします。CodexとChatGPTの間で機能・データがどこまで連携しているかの全体像はCodex・ChatGPT統合ガイドで整理しているので、社内展開の設計時に参考にしてください。
料金・プランへの影響
結論として、8月中にCodex単体の料金体系が改定されたという公式発表は確認できていません(2026年8月29日時点)。OpenAIヘルプセンターの公式記事は「Codexは無料プラン・Goプランを含む全てのChatGPTプランに含まれており、利用上限はプランごとに異なる」とのみ案内しており、プラン別の具体的な上限数値・クレジット数は公式ヘルプページおよびchatgpt.com/pricingで確認する必要があります(本稿では数値の断定を避けています)。
| プラン | Codexへのアクセス | 8月時点の料金改定 |
|---|---|---|
| Free | あり(上限は最小) | 未確認 |
| Go | あり | 未確認 |
| Plus | あり | 未確認 |
| Pro | あり(上限が拡大) | 未確認 |
| Business/Enterprise | あり(管理機能・クレジット制度あり) | 未確認 |
なお、OpenAIは8月19日に「フロンティアモデル向けZero Data Retention(ゼロデータ保持)」を発表していますが、公式発表文はCodexやCodex CLIを対象製品として明示的には挙げていません。データ保持ポリシーに関わる契約・調達判断を行う場合は、Codexが対象範囲に含まれるかを個別にOpenAIへ確認することをおすすめします。この点は2026年8月29日時点で公式に確認できていません。

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自社は対応が必要か?企業導入チェックリスト
8月のアップデートを踏まえ、企業として確認しておくべき項目をチェックリスト化しました。
- CI/CD・自動化ツールで`codex mcp-server`を使っていないか:使っている場合はCodex app serverへの移行時期を検討する
- Codex CLIのバージョンが古すぎないか:
codex --versionで確認し、0.149系以前であれば最新パッチへの更新を検討する(更新コマンドは環境により異なるため、社内の導入手順書またはGitHub公式リリースページを参照する) - 管理者アカウントでAdmin Pluginの提供有無を確認したか:ChatGPT WorkまたはCodexの管理者権限を持つ担当者は、管理画面での操作をAdmin Plugin経由に置き換えられないか検証する価値がある
- Gmail/Slack/GitHubイベント連動のスケジュールタスクを使う予定があるか:使う場合は、どの情報がAIに渡るかを事前に社内で確認する
- データ保持ポリシー(Zero Data Retention等)が自社の契約・調達要件に関わるか:関わる場合はCodexが対象範囲に含まれるかをOpenAIに個別確認する
逆に言えば、上記に該当しない企業(Codexを個人利用または小規模チームでコーディング支援として使っている程度の企業)にとって、8月は「特に緊急対応が必要な変更はなかった月」と言えます。開発チームがCLIを日常的に使っている場合のみ、最新バージョンへの追随を継続してください。
よくある質問
Q1. Codexは無料で使えますか?
公式ヘルプページによれば、CodexはChatGPTのFreeプランを含む全プランに含まれています。ただし利用上限はプランごとに異なり、Freeプランでは上限が小さく設定されています。具体的な上限数値は変動するため、最新の情報は公式料金ページで確認してください。
Q2. ChatGPTとCodexは何が違うのですか?
ChatGPTは汎用の対話アシスタントであるのに対し、Codexはコーディング作業(コード生成・修正・レビュー・エージェント的なタスク実行)に特化した機能群です。CLI・IDE拡張・クラウド実行環境・ChatGPT内のCodexタブなど複数の利用形態があり、いずれもOpenAIのアカウント・プランに紐づいています。
Q3. Codex CLIの現在のバージョンはいくつですか?
2026年8月27日時点の最新安定版は0.150.1です(8月26日にリリースされた0.150.0の翌日に公開されたバグ修正版)。8月28日時点では0.151.0系のアルファ(先行検証)版が並行してリリースされていますが、一般向けの安定版としての提供はまだ確認できていません。正確な最新版はGitHub公式リリースページで随時確認できます。
Q4. `codex mcp-server`が使えなくなるのはいつですか?
2026年8月24日に非推奨化が発表されましたが、完全に廃止される具体的な日付は2026年8月29日時点の公式チェンジログには明記されていません。移行先としてはCodex app serverの利用が案内されています。自動化フローに組み込んでいるチームは、廃止日が明示され次第、速やかに移行できるよう準備しておくことをおすすめします。
Q5. Zero Data RetentionはCodexにも適用されますか?
2026年8月19日に発表された「フロンティアモデル向けZero Data Retention」は、公式発表文の中でCodexを対象製品として明示していません。「フロンティアモデル」「対象となるAPI顧客」という表現にとどまっており、Codexが含まれるかどうかは2026年8月29日時点で公式に確認できていません。契約・調達判断が必要な場合は、OpenAIへ個別に確認することをおすすめします。
まとめ:8月は「積み上げ型」の更新月だった
2026年8月のCodexアップデートは、6月のような大型機能追加ではなく、CLIの週次アップデートと管理機能の追加という「積み上げ型」の更新が中心でした。企業として緊急対応が必要なのは、MCPサーバーコマンドを自動化フローに組み込んでいる場合の移行検討くらいで、それ以外は開発チームが最新バージョンを追随していれば十分です。
Uravationでは、法人向けのAI研修・導入支援の中で、こうしたツールのアップデートを「自社の業務にどう反映すべきか」を継続的に整理しています。次にやることは次の3つです。
- 自社で使っているCodex CLIのバージョンを
codex --versionで確認する - MCPサーバー連携を自動化フローに組み込んでいないか棚卸しする
- 管理者権限を持つ担当者はAdmin Pluginの提供状況を確認する
参考・出典
- ChatGPT/Codex公式変更履歴(Changelog)(参照日:2026年8月29日)
- Codex CLI公式GitHubリリースページ(参照日:2026年8月29日)
- Introducing the Admin plugin for ChatGPT Work and Codex — OpenAI公式ブログ(参照日:2026年8月29日)
- Using Codex with your ChatGPT plan — OpenAI Help Center(参照日:2026年8月29日)
- Offering Zero Data Retention for frontier models — OpenAI公式ブログ(参照日:2026年8月29日)
- GPT-5.6 — August Updates — OpenAI Deployment Safety Hub(参照日:2026年8月29日)
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