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【2026年6月最新】Microsoft MAI-Code-1-Flash 完全ガイド|自社製コーディングAI 7活用パターン+Copilot比較

結論: Microsoft MAI-Code-1-Flash は、2026年6月2日に発表されたMicrosoft初の自社製コーディング専用AIモデルです。5Bパラメータの軽量設計でありながら、SWE-Bench ProでClaude Haiku 4.5を16ポイント上回る51.2%を記録し、GitHub Copilot全プランで無料利用可能です。

この記事の要点:

  • MAI-Code-1-Flashは5Bパラメータの軽量コーディングモデル。GitHub Copilot Free/Pro/Pro+/Max全プランで利用可能(2026年6月2日〜)
  • SWE-Bench ProでClaude Haiku 4.5比+16ポイント(51.2% vs 35.2%)。難解タスクをSWE-Bench Verified比60%少ないトークンで解く
  • Microsoft初の「完全自社製」モデルで、OpenAI依存からの脱却戦略の第一弾

対象読者: GitHub Copilotを使っている開発者・IT担当者、AIコーディングツールを比較検討中の中小企業の技術部門責任者
読了後にできること: VS CodeのモデルピッカーでMAI-Code-1-Flashを選択し、今日から業務コードに適用できる


「また新しいAIモデルか…」と思った方に伝えたいこと

「また新しいAIモデルが出た」——そう思いませんでしたか?

先日、ある中小企業の技術部長から相談を受けました。「うちのエンジニアはGitHub Copilotを使っているんですが、どのモデルを選べばいいのかわからなくて。Claude、GPT-4o、それに今度Microsoftが自社モデルを出したとかで…」。そうなんです、MAI-Code-1-Flashの登場で、Copilotのモデル選択肢がまた増えたわけです。

でも、今回のモデルは「また増えた」レベルの話じゃないんです。MicrosoftがOpenAIとは完全に別ルートで、自社だけで作り上げた初めての本格的コーディングモデルです。しかも、軽量(5B)なのにClaude Haiku 4.5を全ベンチマークで上回るという、なかなか挑発的な発表でした。

この記事では、MAI-Code-1-Flashとは何か、どう使えるか、他のツールと何が違うか、日本の中小企業にとって何が変わるかを、徹底的に解説します。公式発表と独立した検証を元に、裏取りした情報だけを書きました。

(参照日: 2026年6月4日。情報は2026年6月2日のMicrosoft Build発表に基づく)


MAI-Code-1-Flash とは何か——基本仕様と位置づけ

モデルの基本仕様(公式発表分)

まず、公式発表で確認できる仕様から整理します。

項目仕様
パラメータ数5B(50億)
用途コーディング専用(コード生成・レビュー・補完)
統合先GitHub Copilot(VS Code・他エディタ)
対応プランCopilot Free / Pro / Pro+ / Max(全プラン)
料金(API)入力: $0.75/100万トークン、キャッシュ入力: $0.075/100万トークン、出力: $4.50/100万トークン
リリース日2026年6月2日(段階的ロールアウト)
訓練期間2026年3月〜5月
訓練データクリーン・適切にライセンスされたデータ + 本番Copilotハーネス

コンテキストウィンドウ長は、公式発表時点では明示的に公開されていません(姉妹モデルMAI-Thinking-1は256Kトークン)。対応プログラミング言語の公式リストも未公開ですが、SWE-Bench MultilingualやTerminal Bench 2でのベンチマーク結果から、複数言語対応が確認されています。

(出典: Introducing MAI-Code-1-Flash | Microsoft AI / MAI-Code-1-Flash is now available for GitHub Copilot – GitHub Changelog、参照日: 2026年6月4日)

「Flash」の名前が意味すること

モデル名の「Flash」は、Googleの Gemini Flash シリーズと同じ命名思想です——大型モデルの「Pro」「Thinking」に対して、高速・軽量・コスト効率重視の派生モデルを指します。

実際、MAI-Code-1-Flash(5B)はMicrosoftが同時発表したMAI-Thinking-1(35Bアクティブパラメータ)の「コーディング特化・軽量版」という位置づけです。Thinking-1がFoudryのプライベートプレビュー段階なのに対し、Code-1-Flashは即日Copilotに展開されました。

「適応的思考」機能とは

MAI-Code-1-Flashが特徴として強調するのが「適応的思考(Adaptive Thinking)」です。

簡単に言うと、リクエストの複雑さに応じて計算リソースを自動調整する仕組みです。「変数名を変えて」という単純なリクエストには最小限のリソースで素早く応答し、「このマイクロサービスをリファクタリングして、テストも書いて」という複雑なリクエストには多くの推論ステップを踏む——というイメージです。

これにより、難解なタスクをSWE-Bench Verified比で最大60%少ないトークンで解けるとMicrosoftは主張しています。コスト削減と応答速度の両立を狙った設計です。


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ベンチマーク詳細——Claude Haiku 4.5比較の本当の意味

4つのベンチマーク結果

公式発表時点で公開されているベンチマーク結果は以下の通りです。

ベンチマークMAI-Code-1-FlashClaude Haiku 4.5
SWE-Bench Pro51.2%35.2%+16ポイント
SWE-Bench Verified(60%少ないトークンで同等以上)基準
SWE-Bench Multilingual上回る基準詳細未公開
Terminal Bench 2上回る基準詳細未公開

(出典: Microsoft Launches MAI-Thinking-1 and MAI-Code-1-Flash | DataNorth、参照日: 2026年6月4日)

「比較対象がHaiku」の読み方

正直に書くと、比較対象がClaude Haiku 4.5である点は慎重に読む必要があります。

HaikuはAnthropicのラインアップで最小・最安値モデルです。Claude Sonnet 4.6(最高クラスのコーディング性能)やOpenAI GPT-4o miniと比べた数字は、現時点では公式に開示されていません。

Microsoftの主張の趣旨は「5BパラメータのフラッシュモデルがHaikuを上回る = サイズあたりの効率が高い」ということです。同サイズ・同コスト帯での比較としては意味のある数字ですが、「大型モデルより優秀」という意味ではありません。

この区別は、ツール選定で重要な判断軸になります。詳しくは後半の比較表で整理します。


Microsoft AI戦略の変遷——OpenAI依存から自社モデル化へ

2019年〜2025年:OpenAI依存期

Microsoftは2019年にOpenAIへ10億ドルを出資し、2023年には追加で100億ドル規模の投資を行いました。この期間、Copilot・Azure OpenAI Service・Bing AIなど、Microsoftの主要AIサービスはほぼ全てOpenAIのモデルで動いていました。

これは戦略的に合理的でした。GPT-4の圧倒的な性能を素早く製品化できたからです。ただし、Microsoftはモデルプロバイダーに依存する立場でもあり、コスト・速度・機能拡張の主導権はOpenAI側にありました。

2025年末〜2026年:関係再設計期

2025年末にMicrosoftとOpenAIは契約を再交渉し、2026年4月には独占ライセンス終了・非独占IP継続(2032年まで)という形に移行しました。

これは「決別」ではなく「関係の再定義」です。Satya Nadella CEOは「OpenAIとの深いパートナーシップにコミットしている」と発言しつつ、「顧客はモデルの選択肢を持つべき」と述べています。

この文脈でMAI-Thinking-1・MAI-Code-1-Flashの自社開発を発表したのが、2026年6月2日のBuild 2026でした。

MAIファミリーの全体像(7モデル同時発表)

Build 2026ではMAI-Code-1-Flashだけでなく、7つのMAIモデルが同時に発表されました。

  • MAI-Thinking-1: 推論・汎用(35Bアクティブパラメータ、256Kコンテキスト、Foundryプライベートプレビュー)
  • MAI-Code-1-Flash: コーディング特化・軽量(5B、Copilot全プラン展開済み)
  • その他: 画像生成・音声認識・ボイスクローニングなどのモデル(詳細は順次公開予定)

Microsoftは「推論・コード・画像・音声・文字起こしにわたる自社モデルスタックの構築」を戦略として明示しています。

(出典: Microsoft Build 2026 | Microsoft Blog、参照日: 2026年6月4日)

コスト削減効果の主張

Microsoft AI CEOのMustafa Suleimanは、自社モデルがOpenAIのGPT 5-5を特定ベンチマークで上回りながら、コストを10分の1に抑えたと主張しています。Azureで自社モデルを動かせば外部ベンダーへのロイヤルティを支払う必要がなく、Copilotの数億ユーザー向けにレイテンシとコストを最適化できます。

(出典: Microsoft unveils new AI models to lessen reliance on OpenAI | CNBC、参照日: 2026年6月4日)


7つの活用パターン——MAI-Code-1-Flashで何ができるか

GitHub CopilotでMAI-Code-1-Flashを選んだとき、具体的に何ができるのかを整理します。

パターン1: コード生成

自然言語の説明からソースコードを自動生成します。「ユーザー認証機能を作って」「CSVを読み込んでDB保存するバッチ処理を書いて」といった指示に対応します。

MAI-Code-1-Flashは本番Copilotハーネスで訓練されているため、「Copilotの使われ方」を学習しています。これは、インライン補完・Copilot Chat・エージェントモードなど、Copilotの実際のUIパターンに特化した最適化がなされているということです。

【Copilotへのプロンプト例: コード生成】
以下の仕様でPythonの関数を作ってください。
- 入力: 顧客IDのリスト(List[str])
- 処理: DBから顧客情報を取得し、メール未送信の顧客だけ抽出
- 出力: List[dict](customer_id, email, last_activity_date)
- 例外処理: DBエラー時はemptyリストを返す

パターン2: コードレビュー

既存コードの問題点・改善点を指摘します。セキュリティの脆弱性、パフォーマンスボトルネック、コーディング規約違反などを検出します。

【Copilotへのプロンプト例: コードレビュー】
以下のコードをレビューしてください。
セキュリティリスク、パフォーマンス問題、可読性の3観点で問題を挙げ、
各問題に対して修正コードを示してください。

[コードを貼り付け]

パターン3: ドキュメント生成

コードからドキュメント(README、APIドキュメント、関数コメント)を自動生成します。

【Copilotへのプロンプト例: ドキュメント生成】
この関数のdocstringをGoogle形式で書いてください。
引数の型・説明、戻り値、Raises、使用例を含めてください。

[関数コードを貼り付け]

パターン4: テスト生成

実装コードに対するユニットテスト・統合テストを自動生成します。エッジケースの洗い出しも任せられます。

【Copilotへのプロンプト例: テスト生成】
以下の関数に対してpytestのユニットテストを書いてください。
- 正常系(通常入力・境界値)
- 異常系(None入力・型エラー・DBエラー)
- 各テストケースにコメントで意図を明記する

[関数コードを貼り付け]

パターン5: リファクタリング

既存コードの構造を改善し、可読性・保守性・パフォーマンスを向上させます。

【Copilotへのプロンプト例: リファクタリング】
以下のコードをリファクタリングしてください。
条件:
- Python 3.12のベストプラクティスに準拠
- 200行を超えている場合、関数・クラスに分割
- 変数名・関数名を明確にする
- 既存のAPIインターフェースは変えない

[コードを貼り付け]

パターン6: バグ修正

エラーメッセージや症状から原因を特定し、修正案を提示します。

【Copilotへのプロンプト例: バグ修正】
以下のエラーが発生しています。原因と修正方法を教えてください。

エラーメッセージ:
[エラーを貼り付け]

関連コード:
[コードを貼り付け]

実行環境: Python 3.11 / FastAPI 0.115 / SQLAlchemy 2.0

パターン7: レガシー移行

古い言語・フレームワークから現代的な技術スタックへの移行を支援します。MAI-Code-1-FlashはSWE-Bench Multilingualでの評価があり、複数言語対応の能力が示されています。

【Copilotへのプロンプト例: レガシー移行】
以下のPHP5コードをPython 3.12 + FastAPIに移植してください。
- 同等の機能・APIエンドポイントを維持
- モダンな非同期処理で書く
- 型ヒントを全行に付ける
- 移植の際に注意した点をコメントで記録

[PHPコードを貼り付け]

GitHub Copilotでの使い方——5ステップ実装フロー

  1. VS Codeを最新版にアップデートする
    MAI-Code-1-FlashはVS Code向けに段階的ロールアウト中(2026年6月2日〜)。最新版のVS Codeが必要です。バージョン確認: メニュー → Help → About。

  2. GitHub Copilotにサインイン(Free/Pro/Pro+/Max いずれか)
    MAI-Code-1-FlashはCopilot全プランで利用可能。Freeプランでも追加料金なしで使えます。GitHubアカウントでVS Codeにサインインしてください。

  3. VS CodeのモデルピッカーでMAI-Code-1-Flashを選択する
    Copilot Chatパネル右上のモデル選択ドロップダウンをクリック → 「MAI-Code-1-Flash」を選択。または、Autoルーターを有効にすると、タスクの性質に応じてCopilotが自動でモデルを選択します。

  4. インライン補完でも利用する(エディタ内)
    ファイルを編集中にTab補完で出てくる提案が、MAI-Code-1-Flash由来になります。インライン補完はモデルピッカーではなく、設定の「GitHub Copilot: Inline Completion Model」から変更できます。

  5. Copilot Agentsモードで複雑なタスクを実行する
    Copilot Chatで「@workspace」や「@terminal」を使ったエージェントモードでは、MAI-Code-1-Flashの適応的思考が特に有効です。複数ファイルにまたがる修正・テスト実行・デバッグなど、複雑なワークフローを自動で処理します。

(参照: MAI-Code-1-Flash is now available for GitHub Copilot、参照日: 2026年6月4日)


比較表——MAI-Code-1-Flash vs GitHub Copilot (GPT-4o) vs OpenAI Codex vs Claude Code

観点MAI-Code-1-FlashCopilot (GPT-4o)OpenAI Codex CLIClaude Code
提供元Microsoft(自社製)Microsoft(OpenAI製)OpenAIAnthropic
パラメータ規模5B(軽量)非公開(大型)非公開非公開
主な用途コーディング特化汎用(コード含む)CLIコーディングコーディング・開発全般
統合先GitHub Copilot内GitHub Copilot内ターミナル(CLI)ターミナル(CLI)
料金(Copilot月額)Free〜Max(追加なし)Free〜Max(追加なし)$3/月〜(API従量)$100/月〜
API料金(入力)$0.75/100万トークン$2.50/100万トークン$3/100万トークン$3/100万トークン
SWE-Bench Pro51.2%非公開非公開非公開(Sonnet参考値あり)
対応エディタVS Code中心(段階展開)VS Code / JetBrains等ターミナルターミナル / Web
特徴適応的思考・コスト効率汎用性・エコシステム成熟CLI自動化・スクリプト高品質・大規模コードベース

どれを選ぶべきか(Uravation推奨):

  • GitHub Copilot既存ユーザー: まずMAI-Code-1-Flashをモデルピッカーで試す(追加コストゼロ)
  • 大規模コードベースの複雑な作業: Claude Code(高品質・高コスト)か、Copilot AutoルーターでGPT-4oと使い分ける
  • CLI・自動化スクリプト: OpenAI Codex CLI(ターミナル操作に特化)
  • コスト最優先・大量利用: MAI-Code-1-Flash API($0.75/100万トークン)

(参照: CNBC: Microsoft unveils new AI models、参照日: 2026年6月4日)


APIとしてのMAI-Code-1-Flash——開発者・中小企業向け活用深堀り

API直接利用のユースケース

GitHub Copilot内での利用だけでなく、APIとしてMAI-Code-1-Flashを直接呼び出すことで、自社サービスやツールに組み込む使い方も見えてきます。現時点ではOpenRouter経由(model名: microsoft/mai-code-1-flash)での利用が報告されています。

中小企業での具体的なAPIユースケースとしては、次のようなものが考えられます。

  • 社内コードレビューボット: プルリクエスト作成時に自動でコードレビューコメントを生成するGitHub Actions連携
  • ドキュメント自動生成パイプライン: コード変更をフックにAPIを呼んで、README・APIドキュメントを自動更新
  • コードQAツール: セキュリティスキャンツールと組み合わせてAI的な脆弱性指摘を追加
  • バッチ処理スクリプト生成: 業務フローの自然言語記述からシェルスクリプトを生成する社内ツール
# MAI-Code-1-Flash API 呼び出し例(OpenRouter経由)
import requests

headers = {
    "Authorization": "Bearer YOUR_OPENROUTER_KEY",
    "Content-Type": "application/json"
}

payload = {
    "model": "microsoft/mai-code-1-flash",
    "messages": [
        {
            "role": "user",
            "content": "以下のPython関数のコードレビューをしてください。セキュリティリスクと改善点を箇条書きで:nn[コード]"
        }
    ]
}

response = requests.post(
    "https://openrouter.ai/api/v1/chat/completions",
    headers=headers,
    json=payload
)
print(response.json()["choices"][0]["message"]["content"])

注意: OpenRouter経由の利用は2026年6月時点での報告ベースです。料金・可用性の最新情報はOpenRouter公式で確認してください。Azure AI Foundryへの正式展開は未確定のため、本番運用には公式発表を待つことをお勧めします。

Copilot Freeプランでの制限と対応策

Copilot Freeプランは月間リクエスト数に上限があります。業務での使用量が多い場合、上限に達してしまいます。

対応策として、次のような工夫が有効です。

  • プロンプトの効率化: 不要なコンテキストを削り、1リクエストあたりの情報密度を上げる
  • バッチ化: 複数の小さな質問を1回にまとめる
  • 用途別の使い分け: 軽い補完はFreeのMAI-Code-1-Flash、複雑なタスクはProにアップグレードして使い分ける

Copilot Studio・Copilot Agentsとの関係

Copilot Studioとの統合

Copilot Studioは、カスタムAIエージェントをコードなしで作成できるMicrosoftのローコードプラットフォームです。MAI-Code-1-Flashは、Copilot Studio上で作るエージェントのバックエンドモデルとして選択できる選択肢の一つになる見込みです(2026年6月4日時点では段階的展開中のため、詳細は公式アップデートを要確認)。

GitHub Copilot Agentsとの関係

GitHub Copilot Agentsは、プルリクエスト・Issueへの自動対応・コードレビュー自動化などを行う機能です。MAI-Code-1-Flashはこのエージェント機能のバックエンドとして機能し、Copilotの数億ユーザー向けにレイテンシとコストを最適化します。

「Autoルーター」機能では、タスクの複雑さによってモデルを自動選択します。軽量な補完タスクにはMAI-Code-1-Flash、複雑な推論が必要なタスクにはより大型のモデルを自動で割り当てます。


失敗パターン——MAI-Code-1-Flashを使う際の注意点

失敗1: 「Claude/GPTより優秀」と誤解してすぐ乗り換える

❌ NG例: 「5Bモデルで51.2%のSWE-Bench Proなら、Claude Sonnet 4.6より優秀なんじゃない?」
⭕ 正解: 比較対象はHaiku 4.5(同サイズ帯のモデル)。Sonnet 4.6・GPT-4oなど大型モデルとの直接比較は公式未発表。用途・コスト・品質のトレードオフで選ぶべきです。

失敗2: CopilotのFreeプランで高負荷なタスクを実行する

❌ NG例: Freeプランで1日中大量のコード生成・レビューを実行→無料枠を使い切る。
⭕ 正解: Freeプランには月ごとの使用量上限があります。業務での継続利用はPro(月$10相当)以上を想定してください。

失敗3: 軽量モデルに複雑すぎるタスクを投げ続ける

❌ NG例: 「コンテキストが10万行のレガシーシステム全体を移植して」という一括依頼。
⭕ 正解: MAI-Code-1-Flashは5Bの軽量モデルです。コンテキスト長の限界やモデルサイズの制約があります。大規模なタスクは分割して投げるか、より大型のモデル(MAI-Thinking-1やClaude Sonnet)を使うのが現実的です。

失敗4: 生成コードをレビューなしで本番投入する

❌ NG例: MAI-Code-1-Flashの出力コードをそのままgit pushして本番デプロイ。
⭕ 正解: どのAIコーディングツールも同様ですが、生成コードは必ず人間がレビューしてください。セキュリティ要件・社内コーディング規約・ビジネスロジックの妥当性は、AIが自動で考慮するとは限りません。


中小企業視点での影響——何が変わるか

GitHub Copilotユーザーへの即時影響

日本企業でも多くの開発チームがGitHub Copilot Proプランを利用しています。MAI-Code-1-Flashは追加コストゼロで使える新しい選択肢として加わりました。

特に注目すべきは、APIコストが$0.75/100万トークン(入力)という点です。GPT-4oの$2.50と比べて70%安い。開発ツールやサービスに組み込んでAPIを直接呼ぶ場合、コスト構造が変わる可能性があります。

「自社製AI」がもたらす中小企業向けメリット

Microsoftが自社でモデルを持つことは、中小企業向けに次のような変化をもたらす可能性があります。

  • コスト安定: 外部ベンダー(OpenAI)の料金改定の影響を受けにくくなる
  • Azure統合の深化: Azure AI Foundryに自社モデルが展開されれば、Azure利用中小企業はエコシステム内でシームレスに使えるようになる
  • Microsoftサポート体制: 自社モデルなのでサポート・SLA・セキュリティ対応がMicrosoft完結になる見込み

懸念点:エコシステムへの依存

一方で注意点もあります。MAI-Code-1-FlashはGitHub Copilot専用設計(少なくとも当初は)であり、VS Code中心のエコシステムへの依存が前提です。JetBrains IDEユーザーや、VS Code以外の環境が主流のチームへの展開は、2026年6月時点では未確定です。


OpenAI Codex・Claude Codeとの位置づけ整理

AIコーディングツールが増え続けているなかで、改めて「どれを何に使うか」を整理しておきます。

Uravationが研修・顧問の現場で推奨している使い分けを以下に示します。

  • GitHub Copilot(MAI-Code-1-Flash / GPT-4o Autoルーター): IDE内でのリアルタイム補完・コードレビュー・チャット。コスト効率が高く、既にCopilotを使っているチームならゼロ追加コスト
  • OpenAI Codex CLI: ターミナルでのスクリプト自動化・バッチ処理・CI/CDとの連携。コードを書くというより「コードで業務を自動化する」用途に強い
  • Claude Code: 大規模コードベースの把握・複雑なアーキテクチャ変更・コードレビューの深い品質。コストは高いが、難易度の高いタスクで最高クラスのアウトプットを求める場面向け

関連記事: OpenAI Codex CLIとClaude Code 料金・機能比較 2026年版

関連記事: OpenAI Codex メジャーアップデート 2026年6月


今後の展開予測——MAI-Code-1-Flashはどこへ向かうか

Azure AI Foundryへの展開

MAI-Thinking-1がFoundryのプライベートプレビューで提供されていることから、MAI-Code-1-Flashも今後Azure AI Foundry経由でAPI利用できるようになる可能性があります。これが実現すれば、Copilotを使わずにカスタムアプリケーションに直接組み込めます。

OpenRouterでの利用

既に一部の報告では、OpenRouterで「microsoft/mai-code-1-flash」というモデル名でAPI呼び出しができるとされています。LLMルーターを通じた統合も選択肢になりそうです。

モデルサイズの拡張

「MAI-Code-1-Flash」という命名は、今後「MAI-Code-1-Pro」「MAI-Code-2」などのラインアップ拡張を想起させます。Microsoftが7モデルを同時発表したことから、今後もMAIシリーズの継続的な展開が見込まれます。


まとめ——今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること: VS CodeのCopilot ChatモデルピッカーでMAI-Code-1-Flashを選択し、普段使っているコードレビュープロンプトで試す。追加コストゼロで試せるので、感触だけでも掴んでおくと良いです。
  2. 今週中: GPT-4oモデルとMAI-Code-1-Flashで同じプロンプトを試し、アウトプットの質・速度・トークン消費を比較する。Copilotのモデル別利用ログで確認できます。
  3. 今月中: APIコストが課題のプロジェクトがあれば、MAI-Code-1-Flash API($0.75/100万トークン)を試験的に採用してコスト試算を行う。特にコード補完・ドキュメント生成など、大量リクエストが発生するユースケースで効果が大きい。

AIコーディングの選択肢がまた一つ増えました。ただし「全部取り換え」ではなく「最適な使い分け」が重要です。MAI-Code-1-Flashは、既存のCopilot環境内でゼロコストで試せる選択肢として、まず実際に使ってみることをお勧めします。

AI戦略全体については、こちらの記事もあわせてご覧ください: 中小企業のAI導入戦略 完全ガイド


参考・出典


著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、X(旧Twitter)で活用法を発信(@SuguruKun_ai、フォロワー10万人超)。100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。著書累計3万部突破。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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