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AIチェッカーに引っかかったら|最初の対処と証明【2026年10月】

AIチェッカーに引っかかったら|最初の対処と証明【2026年10月】

結論:AIチェッカーに引っかかっても、その数値だけでは AI で書いた証拠になりません。AI チェッカーを作る側が、そう書いています。OpenAI(ChatGPT を作る会社)は教員向けのヘルプで、「AI 検出ツールは機能するか」という問いに「私たちの経験では機能しない」と答えています。Turnitin(学校向けの文章チェックのサービス)は、判定の結果だけを理由に学生を不利に扱わないよう求めています。最初にやるのは、下書きと編集履歴を消さずに残すことです。この記事は2026年10月24日時点で確認した公式の資料をもとに整理しています。

  • 要点1:自分で通して高く出ただけなら、数値を下げるための書き直しは要らない。少し手を入れるだけで判定を逃れられるので、下がった数値は何の証明にもならない
  • 要点2:提出先から言われたら、下書き・編集履歴・メモを消さずに残し、何のツールで何%と出たのかを聞く
  • 要点3:示すのは、書いた過程の記録(版の履歴・構成メモ・参考にした資料)と、内容を自分の言葉で説明できること
  • 要点4:何%から AI と言える決まった線は無い。当社(Uravation)の AI チェッカーも、60〜80 は構成の整った人の文章が普通に入る帯と案内している。Turnitin は誤判定が起きやすい 1〜19% を数値で出さず「*%」と表示する

対象読者:AI チェッカーで高い数値が出た人。自分で通しただけの人も、提出先から「AI で書いたのでは」と言われた人も、最初にやることは同じです。大学のレポート、就活のエントリーシート(ES)、社内の報告書や提案書、ライターやブログの原稿の場面ごとの対処も、後半にまとめています。大学のレポートで、授業ごとの決まりや先生への説明の仕方まで知りたい人は『AIチェッカー誤判定|大学レポートの証明法と教員の対応』へ。

AIチェッカーに引っかかったら最初にやること

やることは、自分でチェッカーに通して高く出ただけか、提出先から「AI で書いたのでは」と言われたかで変わります。

自分で通して高く出た時

自分で書いた文章なら、数値を下げるために書き直す必要はありません。AI チェッカーの数値は、チェッカーが文章を AI らしいと見た度合いや量で、AI で書いたかどうかの答えではないからです。OpenAI のヘルプには、AI チェッカーは AI の文章を正しく見分けられず、仮に見分けられても、少し手を入れるだけで判定を逃れられる、とあります。少しの直しで判定が変わるなら、数値が下がっても上がっても、それだけでは自分で書いた証拠にも、AI で書いた証拠にもなりません。自分で通したチェッカーの数値が、提出先の使うツールで同じように出るとも限りません。ツールごとに数値の出し方が違うためです。

提出先の決まりに沿って書いたのなら、そのまま提出してかまいません。そのうえで、次の 3 つをしておきます。

  1. 下書きと編集履歴を今のまま残す(画面での呼び名は、Google ドキュメントが「変更履歴」、Word と Notion が「バージョン履歴」。この記事では「版の履歴」と呼ぶ)。Google ドキュメントなら、今の版に名前を付けておく(手順は下の「自分で書いたと示す材料の残し方」)
  2. 提出先の決まりを確かめる。AI を使ってよいか、使ったら書くことになっているか。AI に誤字を直してもらった、案を出してもらったなど、使った所があるなら、決まりに沿って書いておく
  3. 直したい所があれば、数値のためでなく、読む人のために直す

当社の AI チェッカーは、文体の均質性・定型表現率・固有情報の密度・構成の型・語彙の傾向の 5 つの観点で、AI らしく見えた所を本文から引いて示します。ツールのページは、この根拠を見て自分の言葉に書き直すのも有効と案内しています。直すなら、自分の経験の具体(数字・固有名詞・その時に考えたこと)を足すなど、読む人に伝わる方向で直します。直した後の数値は、自分で書いた証明にはなりません。

提出先から言われた時

  1. 下書き・編集履歴・メモを消さない、上書きしない。Google ドキュメントでは、ファイルのオーナーは変更履歴を削除でき、削除すると元に戻せない
  2. 今の状態に名前を付けて残す。Google ドキュメントでは、いくつかの版が 1 つにまとめられ、以前の版が表示されなくなることがあるが、名前を付けた版はまとめられない
  3. 何で判定したのかを聞く。ツールの名前、何%と出たか、どの部分か、その数値で何が決まるのか、何を出せば確かめてもらえるか。聞き方の例は「確認のため、どのツールで、どの部分が何%と出たのかを教えていただけますか。どんな資料をお出しすればよいかも教えてください」
  4. 書いた過程を、時系列のメモにする。いつ構成を作り、何を参考にし、いつ書いて直したか
  5. 内容を自分の言葉で話せるようにしておく。Turnitin は 2023年のブログで教員に、本人に内容・書いた過程・考え・要点を説明してもらうよう勧めている

相手が何を心配しているのか(丸ごと AI に書かせていないか、事実を確かめたか)も聞くと、出す材料を絞れます。話し合っても数値だけで不利に扱われそうな時は、大学なら学生の相談の窓口、会社なら人事の窓口に相談します。

AIチェッカーに引っかかったら最初にやること。自分で通しただけなら数値のための書き直しは要らない、どちらでも下書きと編集履歴を消さずに残す、Googleドキュメントは今の版に名前を付けて残す、言われたら何のツールで何%と出たかを聞き、書いた過程と内容を自分の言葉で説明する
AIチェッカーに引っかかったら最初にやること

してはいけないのは、履歴を消すこと、言われてから慌てて書き直すこと(直した後の数値は何の証明にもならない)、ChatGPT に「この文章は AI が書いた?」と聞いて、その答えを証拠にすることです。OpenAI のヘルプによると、ChatGPT は、どんな文章が AI の書いたものかを知りません。こうした問いに作り話の答えを返すことがあり、その答えはでたらめで、事実の根拠がありません。履歴の開き方は下の「自分で書いたと示す材料の残し方」の節に、相手への返し方は「伝え方」の節にあります。

AIチェッカーの判定は証拠になる?作る側が書いている限界

なりません。AI チェッカー(AI 検出ツールとも呼ばれます)の判定の信憑性、つまりどこまで信じてよいかについて、それを作る会社と文部科学省が、それぞれ次のように書いています。

資料書いていること
OpenAI のヘルプ(教員向けの FAQ)「AI 検出ツールは機能するか」に「端的に言えば、私たちの経験では機能しない」と答える。OpenAI の研究では、教員が学生について、成績や処分のように後まで響く判断を下せるほど信頼できるとは示されなかった。他社の道具の役立ち具合にはコメントできないとする。OpenAI が自分で作った判定ツールは、シェイクスピアやアメリカの独立宣言のような人の文章を、AI の文章と判定した
OpenAI の判定ツール(AI Classifier)2023年1月31日に公開し、2023年7月20日の時点で、精度が低いために使えなくなった。OpenAI が用意した英語の評価用の文章(課題セット)で、AI の文章を正しく見分けたのは 26%、人の文章を AI の文章と誤ったのは 9%。1,000文字未満の短い文章では、とても信頼性が低い。英語の文章だけで使うよう勧めていた
Turnitin のガイド人の文章を AI の文章と誤ることがあるので、判定の結果だけを理由に学生を不利に扱わない。不正があったかは、さらに確かめたうえで、組織の決まりに沿って人が判断する
文部科学省(2023年7月13日の大学・高専への事務連絡)AI が作った文章かを判定するツールを学修の評価に使う場合でも、その結果を過信しないことが重要

人が書いた文章が引っかかりやすい書き手の傾向も、OpenAI のヘルプに書かれています。OpenAI の判定ツールには、英語を第二言語として学んだ(学んでいる)学生や、とくに型どおりの文章・簡潔な文章を書く学生に、偏って不利に働く兆しがあった、という説明です。ES の「学生時代に力を入れたこと」や、社内の報告書の「背景・課題・対策」のように、型の決まった文章ほど引っかかりやすいと考えておくのが安全です。

Turnitin の誤判定の数字は、判定の機能を試験公開して 7 週間の時点の、2023年6月14日のブログのものです(今のガイドに率の数字は無く、ブログにも言語ごとの値は書かれていません)。文書の単位では、人だけが書いた文書を誤って AI の文章ありとする率は 1% 未満です。ただしこれは、AI の文章が 20% 以上と出る文書についての値で、ガイドが誤判定の起きやすい帯とする 20% 未満は入っていません。文の単位では約 4% で、AI の文として印が付いた文の約 4% は、実際には人が書いた文かもしれない、という意味です。この誤りは人と AI の文章が混ざった文書の境目で起きやすく、誤った文の 54% は、実際に AI が書いた文のすぐ隣にありました。Turnitin は 2023年3月16日のブログで、不正かどうかは Turnitin が決めるのでなく、教員が判断するための材料を出していると書いています。証拠がはっきりしない時は、学生が誠実に取り組んだものとして扱うよう勧めています。

電子透かしが見つからないことも、自分で書いた証明にはなりません。OpenAI は 2026年10月5日、EU の域内の ChatGPT と Codex の文章に、目に見えない電子透かしを入れていくと発表しました。EU の AI 法に合わせた対応で、ほかの地域では、導入の時点で既定にはしないとしています。透かしを調べる道具も、当初は承認された研究者と専門機関だけが使え、一般には公開されません。OpenAI はこの発表で、透かしは人がどれだけ手を加えたかを測るものではなく、透かしが見つからなくても人が書いた証拠にはならない、と書いています。評価では、単語の 10% を同じ意味の語に置き換えるだけで、見つかる率が約 92% から 66% に下がりました。誰でも使える OpenAI の確認の道具(Verify)が調べるのは、画像と音声のファイルです。

作る会社と文部科学省が書いている限界。OpenAIは研究では十分に信頼できると示されなかったとし、OpenAIの判定ツールは精度が低く2023年7月に使えなくなった、Turnitinは判定だけで学生を不利に扱わない、文部科学省は判定の結果を過信しない、ChatGPTに聞いた答えには事実の根拠が無い
作る会社と文部科学省が書いている限界

AI率の数値の読み方|当社のAIチェッカーとTurnitin

「AIチェッカーは何パーセントからやばいのか」に、決まった答えはありません。ツールごとに数値の出し方が違い、当社のチェッカーも Turnitin も「何%以上なら AI」という線を出していないからです。Turnitin は 2023年6月14日のブログで、AI 文章の判定の数値には「正しい値」も「目標の値」も無い、と書いています。当社のチェッカーで集めた判定の数値の分布は『AIチェッカーは何%からやばい?実測5,842件の分布と精度』にまとめています。

当社のAIチェッカーの数値の読み方

当社のAIチェッカー(登録不要・無料・日本語と英語に対応)は、AI 率を「参考値」として出し、AI らしい根拠と人らしい根拠を本文から引いて示します。ツールのページは、数値の帯ごとの読み方を次のように案内しています。

AI 率読み方(ツールのページの案内)
0〜30AI らしい特徴は少なめ。ただし、低い数値も AI を使っていない証明にはならない
30〜60どちらとも言えない帯。人が AI で推敲した文章の多くもこの帯に入る。この帯で疑いをかけるのは根拠が足りない
60〜80AI らしい特徴が多め。それでも、構成の整った人の文章が普通に入る帯で、一律の合否の線にしない
80〜100AI らしい特徴が強い。疑いの出発点にはなるが、断定は原理的にできない。本人への確認や、書いた過程の記録と必ず合わせる

判定できるのは 100〜8,000文字の文章で、400文字未満の短い文章や、マニュアル・法律の文のように型の決まった文章は、精度が大きく下がります(信頼度 low と表示)。ES の設問の答えも、400 字に満たないなら、この短い文章に当たります。

入れた文章は、判定の質を上げるためにサーバーに保存され、60日後に自動で消えます(第三者には渡しません)。氏名・学籍番号・連絡先などの個人の情報は、消してから貼り付けてください。社外に出せない社内の文書は、外部のチェッカーに貼る前に、会社の決まりを確かめてください。

Turnitinの数値の見え方

Turnitin の AI 文章の判定の報告は、数値を次の 3 つの見え方で出します(ガイドの説明・2026年10月24日時点)。

表示意味
0%判定の対象の文に、AI が書いたらしい文が見つからなかった
*%(1〜19%)数値も印(ハイライト)も出さない。この帯は誤判定が起きやすく、数値の信頼性が低いため。2024年7月8日より前に作られた報告では、20% 未満の数値が出ていることがある
20〜100%判定の対象の文のうち、AI が書いたらしい文(AI が書いた後に、AI の言い換えの道具で直したらしい文を含む)と判定された割合

20〜100% の数値は、文章全体を AI が書いた確率ではありません。判定の対象は、まとまった長さの文章の中の、段落を作る文(散文)です。詩・台本・コードはうまく判定できず、箇条書き・表・注釈つきの参考文献の一覧は判定しません。ファイルには長い文章の形の散文が 300 語(words)以上要り、ファイル全体で 30,000 語までです(日本語の語の数え方は、ガイドに書かれていません)。日本語の文章にも対応しています。Turnitin の判定の報告は、先生が学生に見せる設定にしている時に、学生も自分の提出物の分を開けます。

AI率の数値の読み方。何%からAIという決まった線は無い、当社の60〜80は構成の整った人の文章も普通に入る、当社のチェッカーは400文字未満で精度が下がる、Turnitinの1〜19%は誤判定が起きやすいので数値を出さない、Turnitinの20%以上は対象の文のうちAIらしい文の割合
AI率の数値の読み方

場面別の対処|就活のES・仕事の文書・ライターの原稿・大学のレポート

誰に何を示すかは、場面で変わります。どの場面でも、判定の数値と争うのではなく、書いた過程の記録と、内容を説明できることを示します。

場面相手示すもの
就活のES採用の担当者・面接官下書きと版の履歴。面接で、書いた経験を詳しく話せること
社内の報告書・提案書上司・チームの責任者版の履歴、参考にした社内の資料やデータ、打ち合わせのメモ
ライター・ブログの原稿発注者・編集者取材のメモ・構成案・版の履歴・参考にした資料の一覧
大学のレポート授業の先生下書きと版の履歴・参考にした文献。授業ごとの AI の決まりを先に確かめる
場面ごとに示すもの。就活のESは下書きと面接で経験を詳しく話せること、社内の文書は版の履歴と参考にした社内の資料、ライターの原稿は取材のメモと構成案と版の履歴、大学のレポートは下書きと版の履歴・参考にした文献
場面ごとに、示すものが変わる

就活のESで引っかかった時

応募先が ES を AI チェッカーに通しているかどうかは、外からは分かりません。自分で通して高く出ただけなら、上の「自分で通して高く出た時」のとおり、数値を下げるための書き直しは要りません。ES の答えが 400 字に満たないなら、判定の当たりにくい長さでもあります。

応募先から AI の使用を聞かれた時に一番強いのは、書いた経験を、その場で詳しく話せることです。数字や固有名詞、その時に何を考えたかを聞かれても答えられるよう、ES に書いた経験のメモを手元に残しておきます。応募先が AI の使い方の決まりを出しているなら、それに従います。AI に誤字を直してもらった、案を出してもらった、など使った所があって聞かれたら、隠さずにそう答えます。

ES を応募の画面に直接打ち込むと、下書きが残りません。Google ドキュメントか、OneDrive に保存した Word で書いてから貼り付けると、版の履歴が残ります。

社内の報告書・提案書で引っかかった時

社内の文書は「背景・課題・対策・効果」のように型の決まった書き方が多い種類で、上の OpenAI の説明(型どおりの文章を書く学生に不利に働く兆し)と同じことが起きえます。上司から聞かれたら、版の履歴と、参考にした社内の資料やデータ、打ち合わせのメモを見せ、どこを自分で調べ、どこを誰と相談して書いたかを説明します。

Word で書いている場合、Microsoft 365 のバージョン履歴が使えるのは、OneDrive か SharePoint に保存したファイルだけです。パソコンの中だけに保存した文書では、この機能で以前の版を見られません。今の文書がパソコンの中だけにあるなら、版の履歴の代わりに、下の「版の履歴のほかに残せるもの」(構成メモ・参考にした資料・途中で人に送った版など)を集めます。会社が AI の使い方の決まり(ガイドライン)を出しているなら、それに沿って、使った道具と使った所を伝えます。

ライター・ブログの原稿で疑われた時

発注者や編集者から聞かれたら、取材のメモ・録音・構成案・参考にした資料の一覧と、版の履歴を示します。どれも仕事の中で自然に残る物なので、新しく道具を入れなくても足ります。契約や発注の決まりに AI の使い方の項目があるなら、それに沿って説明します。

大学のレポートで引っかかった時

最初にやることは、この記事の前半と同じです。文部科学省は 2023年7月の事務連絡で、大学が学生に生成 AI の扱いの指針を示すことが望ましいとしました。AI を使った時は使った旨や AI の種類・使った所を書かせること、小テストや口頭の試験を合わせることも有効としています。学生の側から見ると、AI を使った所を書くよう求められたり、口頭で内容を聞かれたりすることがある、ということです。まず授業の決まり(シラバス・初回の案内・大学の生成 AI の方針のページ)を確かめ、使った所があれば決まりどおりに書き、下書きと版の履歴を用意します。先生への説明の仕方や、証明の具体的な手順は『AIチェッカー誤判定|大学レポートの証明法と教員の対応』にまとめています。

自分で書いたと示す材料の残し方|Googleドキュメント・Word・Notion

疑われてから材料を探すより、ふだんの書き方の中で自然に残る形にしておく方が確かです。Google ドキュメントと Notion では、以前の版を見るのに、そのファイルやページを編集できる権限が要ります。見るだけの権限で共有しても、相手は以前の版を開けません。相手に見せる時は、自分のパソコンで版の一覧を開いて一緒に見る(会って見せるか、画面の共有)か、版の一覧と、構成ができた時・初稿・提出の直前の版を画面に撮って送るのが手早い方法です。

Googleドキュメント

  1. パソコンでドキュメントを開き、右上の最終編集アイコンを押す(押さずにカーソルを合わせるだけなら、最後に変えた人と日時が出る)
  2. 右側に「変更履歴」のパネルが開き、版の一覧が出る。版を選ぶと、誰がどこを変えたかが分かる
  3. 残したい版で、その他のアイコンから「この版に名前を付ける」を選ぶ。名前付きの版は、1 つのドキュメントに 40 個まで

版の一覧では、いくつかの版が 1 つにまとめられ(統合)、以前の版が表示されなくなることがあります。名前を付けた版はまとめられないので、構成ができた時・初稿ができた時・提出の直前など、区切りで名前を付けておくと、後で見せやすくなります。ファイルのオーナーは変更履歴を削除でき、削除した履歴は元に戻せません。この削除で消えるのは、名前を付けていない版です。

Word(Microsoft 365)

  1. OneDrive か SharePoint に保存したファイルを開く(バージョン履歴は、この 2 つに保存したファイルだけで使える)
  2. ファイルのタイトルを押し、「バージョン履歴」を選ぶ
  3. 見たい版を選ぶと、別のウィンドウで開く

個人の Microsoft アカウントなら、新しい方から 25 個の版を取り出せます。職場や学校のアカウントでは、版の数は保存先のライブラリの設定で変わります。書き始める時に OneDrive へ保存しておけば、後から版の履歴を出せます。

Notion

  1. ページの上部の「•••」を押す
  2. 「バージョン履歴」を選ぶ
  3. 版を選ぶと、変わった所がハイライトで出る

ページを編集している間は 10 分ごとに、最後に編集してから 2 分たつと、新しい版が記録されます。版をブックマークして名前を付けることもできますが、ブックマークした版が、見られる期間を過ぎても残るかは、ヘルプに書かれていません。

過去の版を見られる期間は、プランで違います。フリープランは 7 日間、プラスプランは 30 日間、ビジネスプランは 90 日間、エンタープライズプランは無期限です。フリープランでは 7 日より前の版は見られません。版の履歴を材料にするなら、提出の前後に必要な版を開いて画面に撮るか、中身を別のページに写して控えておきます。すでに 7 日を過ぎていたら、下の「版の履歴のほかに残せるもの」を集めます。版の履歴には主な変更が出ますが、すべての変更が記録されるわけではありません。

変更履歴・バージョン履歴の出し方。Googleドキュメントは右上の最終編集アイコンから版を開く、Googleの名前付きの版はまとめられずに残り1つに40個まで、WordはOneDriveかSharePointのファイルのタイトルから、Notionはページ上部のメニューからバージョン履歴、Notionの期間はフリー7日・プラス30日・ビジネス90日
変更履歴・バージョン履歴の出し方

版の履歴のほかに残せるもの

  • 構成メモ・見出しの案:本文より前の日時で残っていれば、段階を踏んで書いた材料になる
  • 参考にした資料の一覧:読んだ資料・データ・記事のリンクを書き出しておく
  • 授業のノートや借りた本の記録(大学のレポート)、ES に書いた経験のメモ(就活)、取材のメモと録音(ライター)、打ち合わせのメモ(社内の文書)
  • 途中で人に送った版:先生・先輩・上司・編集者にメールやチャットで送った下書きは、送った日時と一緒に残る
  • AI とのやり取り:案出しや誤字の確認に AI を使ったなら、そのやり取りも記録になる。OpenAI のヘルプは教員向けに、学生に ChatGPT との具体的なやり取り(共有リンク)を出してもらうやり方を紹介している

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「AIで書いた?」と聞かれた時の伝え方

相手は数値を見て疑問を持っただけで、責めているとは限りません。Turnitin も 2023年のブログで教員に向けて、判定の情報は結論を出すためでなく、話を始めるために使うよう書いています。返す順番は次の 3 つです。

  1. 自分で書いたことと、材料があることを伝える:その場で聞かれたら「自分で書きました。書いた時の履歴とメモがあるので、お見せします」と言う
  2. 材料を見せて、内容を話す:版の一覧をパソコンで開き、構成メモ・参考にした資料と合わせて、何を書いたか、どう調べて書いたか、何を考えたかを話す
  3. 必要なら、判定の性質を添える:数値はチェッカーが文章を AI らしいと見た度合いや量で、AI で書いたかどうかの答えではない。AI チェッカーを作る側も、判定だけで決めないよう書いている

避けたいのは、「そんなわけありません」とだけ返して話を打ち切ることです。疑いは消えず、材料を見せる機会も失います。先生・上司・発注者に文面で返すなら、たとえば次のように書きます。

ご確認ありがとうございます。この文書は自分で書きました。書いた過程の記録として、版の履歴の画面と、参考にした資料の一覧をお送りします。なお、AI チェッカーの数値は、チェッカーが文章を AI らしいと見た度合いや量で、AI で書いたかどうかの答えではありません。AI チェッカーを作る会社も、それだけで判断しないよう案内しています。内容についてご質問があれば、直接ご説明します。

AI を一部で使っていたなら、この文面の「自分で書きました」を、使った所と使い方(誤字の確認だけ、構成の案だけ、など)に置き換えます。

やってはいけない対処|回避の書き換え・履歴の削除

  • 下書きや履歴を消す・上書きする:自分で書いたと示す材料を、自分で失う
  • 「AIチェッカー回避」「AIチェッカー対策」をうたうサイトの言い換えの道具に通す、回避のプロンプトで AI に書き換えさせる:そうして直した文は、もう自分だけで書いた文章ではない。AI を使ってはいけない決まりなら、それ自体が決まりに反する。OpenAI のヘルプが書くとおり、少し手を入れるだけで判定は逃れられるので、下がった数値は何の証明にもならない
  • ChatGPT に「AI が書いた?」と聞いて、その答えを証拠にする:OpenAI のヘルプのとおり、ChatGPT は作り話の答えを返すことがあり、答えに事実の根拠が無い
  • いくつものチェッカーで低い数値を探して見せる:ツールごとに数値の出し方が違い、低い数値も AI を使っていない証明にはならない(当社のチェッカーのページの案内)
  • 数値を「文章の何割を AI が書いたか」と読んで落ち込む:当社のチェッカーの AI 率は、AI らしい特徴がどの程度見られるかの目安(参考値)として読む。Turnitin の数値は判定の対象の文のうち AI らしいと判定された割合だが、判定そのものが誤ることがある

よくある質問

AIチェッカーで90%と出たら、AIで書いた証拠になりますか?

なりません。OpenAI は教員向けのヘルプで、研究の結果、学生について後まで響く判断に使えるほど AI チェッカーが信頼できるとは示されなかった、と書いています。Turnitin も、判定の結果だけを理由に学生を不利に扱わないよう求めています。当社のチェッカーのページも、80〜100 の帯を「疑いの出発点にはなるが、断定は原理的にできない」と案内しています。

AIチェッカーで何%と出たら、まずいですか?

決まった線はありません。当社のチェッカーは、30〜60 を「どちらとも言えない帯」、60〜80 も「構成の整った人の文章が普通に入る帯」と案内しています。Turnitin は、誤判定が起きやすい 1〜19% を数値で出さず「*%」と表示します。当社のチェッカーの判定の数値の分布は『AIチェッカーは何%からやばい?実測5,842件の分布と精度』で見られます。

ChatGPTに「この文章はAIが書いた?」と聞けば分かりますか?

ChatGPT に聞いた答えだけでは分かりません。OpenAI のヘルプによると、ChatGPT はどんな文章が AI の書いたものかを知りません。「これはあなたが書いた?」「AI が書いた可能性は?」のような問いに作り話の答えを返すことがあり、その答えはでたらめで、事実の根拠がありません。

ChatGPT には「AI 検出ツール」のページもあり、文章を分析して、AI が生成した文章に見られる特徴をチェックする、と案内しています。ただ、そのページに精度の説明はありません(2026年10月24日時点)。当社のチェッカーのページが 2026年9月16日に日本語の短い文章で試した時は、数値を出さず、AI らしい特徴を挙げる答えでした。同じページには、文章を「AI っぽさを抑える」ように書き直す機能も並んでいます。どちらの答えも、それだけでは AI で書いた証拠にも、自分で書いた証拠にもなりません。

自分で書いたのにAIチェッカーに引っかかるのはなぜですか?

AI チェッカーは、人の文章を AI の文章と誤ることがあるからです。OpenAI は、自分たちの判定ツールが、型どおりの文章や簡潔な文章を書く学生や、英語を第二言語として学んだ学生に、偏って不利に働く兆しがあったと書いています。短い文章も当たりにくく、当社のチェッカーは 400文字未満で精度が大きく下がります。

AIチェッカーに引っかからないようにするにはどうすればいいですか?

確実に引っかからない書き方はありません。AI チェッカーは人の文章を AI の文章と誤ることがあり、ツールごとに数値の出し方も違うからです。少しの直しで判定が変わる以上、数値を下げる工夫をしても、自分で書いた証明にはなりません。自分の経験の具体(数字・固有名詞・その時に考えたこと)を入れると、読む人に伝わる文章になり、聞かれた時に説明する材料にもなります。そのうえで、下書きと版の履歴を残しておくのが一番確かです。

AIを少し使った場合も、AIで書いたことになりますか?

提出先の決まりによります。許されている使い方なら、使った所と使い方をそのまま伝えます。決まりが無い・分からない時は、提出の前に聞いておきます。当社のチェッカーのページは、人が AI で推敲した文章の多くが、30〜60 の「どちらとも言えない帯」に入ると案内しています。伝える時は「このレポートは自分で書き、誤字の確認にだけ ChatGPT を使いました」のように、使った所を具体的に書きます。

ESのような短い文章でも判定されますか?

ツールによります。当社のチェッカーは 100文字以上なら判定しますが、400文字未満では精度が大きく下がります。Turnitin は、長い文章の形の散文が 300 語(words)に満たないファイルを判定しません。2023年に使えなくなった OpenAI の判定ツールも、英語の 1,000文字未満ではとても信頼性が低いとしていました。

Wordでバージョン履歴が見られないのはなぜですか?

パソコンの中だけに保存している可能性があります。Microsoft 365 のバージョン履歴は、OneDrive か SharePoint に保存したファイルだけで使えます。今の文書がパソコンの中だけにあるなら、版の履歴の代わりに、構成メモ・参考にした資料・途中で人に送った版などを集めます。これから書く文書は、最初に OneDrive へ保存しておきます。

Notionのバージョン履歴はいつまで見られますか?

プランで違います。フリープランは 7 日間、プラスプランは 30 日間、ビジネスプランは 90 日間、エンタープライズプランは無期限です。見るには、そのページを編集できる権限が要ります。

会社に「AIで書いた」と疑われたら、処分の対象になりますか?

会社の就業規則と、AI の使い方の決まりによります。判定の数値だけで決めないよう、AI チェッカーを作る側も書いています(Turnitin は学校向けのガイドで、当社のチェッカーのページは企業での運用も含めて)。まず会社の決まりを確かめ、版の履歴や参考にした資料を示して、書いた過程を説明します。AI を一部で使っていたなら、使った所と使い方を正直に伝えます。

大学のレポートでAIチェッカーに引っかかったらどうすればいいですか?

最初にやることは同じで、下書きと版の履歴を残し、授業の AI の決まりを確かめます。文部科学省は 2023年7月の事務連絡で大学に向けて、判定のツールの結果を過信しないことが重要だと示しています。先生への説明の仕方は『AIチェッカー誤判定|大学レポートの証明法と教員の対応』にまとめています。

最終確認日: 2026年10月24日

まとめ:数値と争わず、書いた過程を示す

AIチェッカーに引っかかっても、数値だけでは AI で書いた証拠になりません。OpenAI・Turnitin・文部科学省が、それぞれ判定の限界を書いています。自分で通して高く出ただけなら、数値のための書き直しは要りません。提出先から言われたら、履歴を消さずに残し、何で判定したのかを聞き、書いた過程と内容で説明します。

疑われているなら、まず下書きと編集履歴を消さずに残します。そのうえで、今日できることは次の 3 つです。

  1. 今書いている文書の版の履歴を、どこから見られるか確かめる。Google ドキュメントは右上の最終編集アイコン、Word は OneDrive か SharePoint に保存したファイルのタイトル、Notion はページの上部の「•••」から
  2. 書いている途中の文書に、区切りで名前を付けた版を作る(Google ドキュメントは「この版に名前を付ける」、Notion は版のブックマーク)
  3. 授業・応募先・会社・発注者の AI の使い方の決まりを確かめる

数値の帯ごとの読み方と、どの文が AI らしく見えたかの根拠は、当社のAIチェッカーのページで確かめられます。社内で AI を使う決まりづくりや研修のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

参考・出典

この記事は2026年7月に公開した記事を、公式の資料で確かめられる範囲で書き直したものです。

公式の資料(2026年10月24日確認)


著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』『Claude仕事術』(SBクリエイティブ・書籍シリーズ累計66,000部)、『AI推進担当になったら読む本』(大和書房)。SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。ご質問・ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

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佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

執筆・監修:佐藤傑/下書き・図版・機械検査:当社のAI社員(人が確認してから公開しています)。記事の作り方と検査の方針

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