2026年8月時点の答えを先に言うと、Gemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張の「個人向け」提供(無料/Google AI Pro/Ultra)は、2026年6月18日にすでに終了した。現在ログインすると「This client is no longer supported for Gemini Code Assist for individuals」エラーが表示される。対処は3つ——(1)後継のAntigravity CLI(無料プランあり)へ移行、(2)Gemini APIキー認証に切り替えてGemini CLIを継続、(3)組織ライセンス(Standard/Enterprise)で継続。
- 何が終了した:2026年6月18日、Gemini CLI と Gemini Code Assist IDE拡張が個人向けで応答停止(ツールが消えたのではなく、ログインが通らなくなった)
- 何が継続している:組織ライセンス(Standard/Enterprise)・Gemini APIキー・Vertex AI経由は変更なしで継続。OSSのGemini CLI自体も開発継続中
- 後継:Antigravity CLI(起動コマンド
agy)。無料のIndividualプラン($0/月・週次レート制限)で使い始められる - 今日やること:エラーが出ている人はAntigravity CLIを導入するか、APIキー認証へ切り替え。組織はまず契約形態(個人/Standard/Enterprise/API)を確認
- 対象読者:Gemini CLI / Gemini Code Assist を業務で使っているエンジニア・開発リード・情シス、AI開発ツールの方針を決める立場の方
最終更新:2026年9月7日(初公開:2026年6月13日)。本文中の終了日・移行手順・料金は、2026年9月7日にGoogle公式ドキュメント・公式ブログ・Antigravity公式ドキュメントで確認した内容です。
「Gemini CLIを起動したら『Failed to sign in』と出て、昨日まで動いていた自動化が全部止まった」——2026年6月18日以降、この状態になった人が今も後を絶ちません。故障でも設定ミスでもなく、原因はGoogleの方針転換です。2026年6月18日をもって、Gemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張の個人向け提供(無料・Google AI Pro・Ultra)は終了し、後継の「Antigravity CLI」へ移行することになりました。
正直に言うと、これは「最新の便利ツールが、使う側の都合と関係なく突然終わる」という、いまのAI活用につきものの出来事のひとつです。AIツールを業務に組み込むほど「提供側の方針で止まるリスク」は無視できません。
とはいえ、慌てて全部を別物に乗り換える必要はありません。重要なのは「自社の使い方が、止まった側なのか・継続している側なのか」を正確に見極めること。組織ライセンス(Standard/Enterprise)やAPIキー経由の利用は変更なしで継続しており、影響を受けない企業も少なくありません。
この記事では、Google公式の一次情報をもとに、(1)何がいつ止まったのか、(2)いま出ているエラーの意味と対処、(3)後継のAntigravity CLIへどう移行するか、(4)法人としてどう判断すべきかを、AI導入支援の現場目線で整理します。移行コマンド・料金など細部は今後も更新されうるため、実際の作業時は各所に記載した公式ドキュメントの最新版を必ず確認してください。
何が、いつ止まるのか(タイムライン)
まず事実を時系列で整理します。6月18日の停止はすでに過去の出来事になっており、いまは「止まった後にどう動くか」のフェーズです。

- 2026年5月19日:Google I/O 2026 に合わせ、Google Developers Blogで移行計画を発表。AIエージェント開発プラットフォーム「Antigravity」の刷新と、Antigravity CLI の全ユーザー向け提供開始が告知される
- 2026年6月18日:Gemini CLI と Gemini Code Assist IDE拡張が「個人向け」(無料のGemini Code Assist for individuals / Google AI Pro / Ultra)で応答停止。ツール自体が削除されるのではなく、リクエストに応答しなくなる形。公式発表ではGitHub向けGemini Code Assistも対象とされ、同日にGitHub組織への新規インストールが停止しました
- 2026年6月23日:Google公式の非推奨化ドキュメントが更新され、個人向けアカウントの「Login with Google」が利用不可になったことが明記される
- 2026年7月17日:GitHub版Gemini Code Assist(個人向け)が停止。アプリによるコードレビューもこの日で終了
- 2026年8月25日:OSSのGemini CLIリポジトリが v0.57.0 をリリース。開発は停止後も継続している
- 2026年9月1日:OSSのGemini CLIリポジトリが v0.58.0 をリリース(2026年9月7日時点の最新の安定版)
ポイントは「個人向けの提供が終わった」という点です。誰もが一律で使えなくなったわけではありません。
2026年9月7日時点の状況まとめ
「Gemini CLIは終了したのか?」への正確な答えは、「個人向けアカウントでのログインは終了、それ以外は継続」です。
- 個人向けOAuthログイン(Sign in with Google:無料/Pro/Ultra):🔴 停止中。ログインすると後述のエラーが表示される
- Gemini Code Assist Standard / Enterprise(組織ライセンス):✅ 変更なしで継続
- Gemini APIキー / Vertex AI 経由:✅ 影響なしで継続
- OSSのGemini CLI本体:✅ 開発継続中(2026年9月1日に v0.58.0 をリリース)
- Antigravity CLI:✅ 提供中。無料のIndividualプラン($0/月)から使える
エラー「This client is no longer supported for Gemini Code Assist for individuals」の意味と対処
6月18日以降、個人向けアカウントでGemini CLIやIDE拡張にログインしようとすると、次のメッセージが表示されます。
Failed to sign in. Message: This client is no longer supported for
Gemini Code Assist for individuals. To continue using Gemini,
please migrate to the Antigravity suite of products:
https://antigravity.googleこのエラーの意味——壊れたわけではない
意味は「このクライアントは個人向けGemini Code Assistではもうサポートされない。続けるにはAntigravity製品群へ移行を」。つまり6月18日の個人向け提供終了に伴う仕様どおりの動作で、環境が壊れたわけでも、アカウントが凍結されたわけでもありません。
紛らわしいのは、ブラウザに「Authentication successful」と出るのにターミナル側で失敗するケースがあることです(公式リポジトリのIssueでも報告あり)。再インストールや設定削除では解決しません。個人向けアカウントである限りこのログイン経路は通らない——これが2026年9月7日時点の仕様です。
画面によっては「Try signing in with another personal Google account if you wish to continue to Gemini Code Assist Standard or Enterprise, select a Google Cloud project.」という案内が続きます。「組織ライセンスのアカウントに切り替えるか、Google Cloudプロジェクトを選択すれば継続できる」という意味です。対処は次の3つに分かれます。
対処1:Antigravity CLIへ移行する(個人利用の公式移行先)
無料個人・Google AI Pro/Ultraで使っていた場合の公式な移行先はAntigravity CLIです。無料プランがあるため費用ゼロで試せます。手順は後述の「インストール」「移行の流れ」の章で解説します。
対処2:Gemini APIキー認証に切り替えて、Gemini CLIを使い続ける
「ツールとしてのGemini CLIを変えたくない」場合は、認証をAPIキーに切り替える手があります。Google公式の停止アナウンスでも「APIキー認証は影響を受けない」と明言されています。Google AI Studioでキーを発行し、環境変数に設定して起動します(公式README記載の手順)。
# https://aistudio.google.com/apikey でAPIキーを発行してから
export GEMINI_API_KEY="YOUR_API_KEY"
gemini2026年9月7日時点の公式READMEには、APIキー認証の無料枠(Gemini 3のFlash/Proを合わせて1日1,000リクエスト)の記載もあります(枠は変わりうるため公式で要確認)。APIキーの発行方法や課金の仕組みはGemini API完全ガイドで詳しく解説しています。
対処3:組織のGemini Code Assistライセンス(Standard/Enterprise)で継続する
会社がStandard/Enterpriseを契約している場合、そのライセンスのアカウントでログインし直せば、Gemini CLIもIDE拡張もこれまで通り使えます。組織ライセンスではGoogle Cloudプロジェクトの指定が必要です。
# 組織ライセンスで使う場合(公式README記載の手順)
export GOOGLE_CLOUD_PROJECT="YOUR_PROJECT_ID"
geminiVS CodeやJetBrainsの拡張でエラーが出ている場合も構図は同じです。(a)組織ライセンスのアカウントに切り替える、(b)個人利用ならAntigravity(デスクトップIDE版またはCLI)へ移行する、のどちらかになります。
自社は影響を受ける? 止まる側・継続する側の早見
もっとも重要なのがここです。利用形態によって、扱いが分かれます。

| 利用形態 | 2026年6月18日以降 | 対応 |
|---|---|---|
| 無料の Gemini Code Assist for individuals | 🔴 停止済み | Antigravity CLIへ移行 or APIキー認証へ切替 |
| Google AI Pro / Ultra(個人サブスク) | 🔴 停止済み | Antigravity CLIへ移行 or APIキー認証へ切替 |
| Gemini Code Assist Standard / Enterprise(組織ライセンス) | ✅ 継続(変更なし) | そのまま利用可 |
| Gemini APIキー / Vertex AI 経由の利用 | ✅ 継続(影響なし) | そのまま利用可 |
つまり、組織でStandard/Enterpriseライセンスを契約している企業や、APIキー経由でGeminiを使っているシステムは、今回の終了で困ることはありません。一方、個人プラン(無料・Pro・Ultra)で業務に使っていた人は移行が必要です。「うちはどれだっけ?」が曖昧なまま放置するのがいちばん危険です。なお、Google AI Pro/Ultraのプラン内容自体はGemini有料プラン比較で整理しています。
後継「Antigravity CLI」とは
移行先のAntigravity CLIは、Google I/O 2026で刷新が発表されたAIエージェント開発プラットフォーム「Antigravity」のコマンドライン版です。公式ブログでは「デスクトップ版とバックエンドを共有する、エージェントファーストのターミナル体験」と位置づけられ、起動コマンドは gemini ではなく agy に変わりました。全体像はAntigravity完全ガイド|中小企業はどう使うかで詳しく解説しています。
公式に確認できている引き継ぎ仕様は次の通りです(2026年9月7日確認)。
- Agent Skills・Hooks・Subagents・拡張機能は引き継がれる(拡張機能は「プラグイン」として動く)と公式ブログが明言
- 一方でGoogle自身が「提供開始時点で機能の1対1対応はない」と公式ブログで明言。使い勝手が変わる前提で移行を考える必要がある
- カスタムテーマや実験的表示機能は非対応の場合があると公式移行ガイドに記載
- 公式ブログによると、Antigravity CLIはGo言語で作られており、複数のエージェントを非同期に動かして大規模な改修や調査を並行できる。デスクトップ版のAntigravity 2.0と同じエージェント基盤を共有するため、基盤側の改善は両方に反映される
「名前が変わっただけ」ではなく、資産は引き継げるが動作確認は必須——が公式情報から言える正確なところです。
Gemini CLI・Gemini Code AssistとAntigravityの違い
| 製品 | 形態 | 2026年9月7日時点の位置づけ |
|---|---|---|
| Gemini CLI | ターミナル用AIエージェント(OSS) | 個人向けOAuthは停止。APIキー・組織ライセンスで継続利用可 |
| Gemini Code Assist | IDE拡張(VS Code / JetBrains)+組織向けサービス | 個人向け(無料/Pro/Ultra)は停止。Standard/Enterpriseは変更なしで継続 |
| Antigravity | エージェント開発プラットフォーム(デスクトップIDE+CLI) | 個人向けユーザーの公式移行先。CLI版が「Antigravity CLI」(コマンド agy) |
ざっくり言えば「個人向けのGemini系開発ツールがAntigravityブランドへ一本化された」構図です。組織向けとAPI経由は従来のまま残っています。
Antigravity CLIの料金(2026年9月7日時点)
公式料金ページで確認できる内容は次の通りです(ドル建てのまま記載)。
- Individual(無料):$0/月。週単位の基本レート制限つき。Tab補完とCommandリクエストは無制限。2026年9月7日時点の公式料金ページに載っているエージェント用モデルは、Gemini 3.8 Flash / 3.7 Flash / 3.6 Flash、Gemini 3.1 Pro、Claude Sonnet・Opus 4.6、gpt-oss-120b
- Google AI Pro / Ultra:より緩いレート制限と柔軟なAIクレジットが使える
- Organizationプラン:Google Cloud経由の組織契約で、Antigravity 2.0とCLIにアクセス。Google Cloudの利用規約が適用され、Google Cloudプロジェクトと連携。課金はGemini Enterprise Agent Platformの従量制で、一部のGemini Enterpriseアプリのサブスクリプションにも含まれます(対象顧客へ順次提供)
無料のIndividualプランで試してから判断できるのが実務上は重要です。レート制限の詳細は変わりうるため、契約前に公式の料金ページを確認してください。
Antigravity CLIのインストール手順(Mac / Windows / Linux)
「これからGemini CLI相当のものをインストールしたい」人も、個人利用なら実質こちらが入口です。公式ドキュメント記載のインストール方法は次の通り(2026年9月7日確認・同日時点の最新版は 1.1.27)。
macOS / Linux:
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bashWindows(PowerShell):
irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iexWindows(コマンドプロンプト):
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.cmd -o install.cmd && install.cmd && del install.cmdインストールするとバイナリが macOS/Linux では ~/.local/bin/agy、Windows では C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\agy\bin に配置されます。あとはプロジェクトのディレクトリで起動するだけです。
cd your-project
agy認証は初回起動時にGoogleアカウントで行います。既存のGemini CLI環境なら、有効なセッショントークンがOSのキーリングへ自動で移行されると公式移行ガイドに記載されており、多くの場合ログインし直しは不要です。
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移行の流れ(概要)
個人向けでGemini CLIを使っていた場合の移行手順を、公式移行ガイド(antigravity.google/docs/cli/gcli-migration)に沿って整理します(2026年9月7日確認)。

- Antigravity CLIを導入する:前章のコマンドでインストールし、
agyで起動して認証を確認する - コンテキスト設定はそのまま使える:
GEMINI.md/AGENTS.mdは変更不要でそのまま読み込まれると公式ガイドに明記 - スキル・拡張機能を取り込む:
agy plugin import geminiでGemini CLIのスキル・プラグインをインポートできる。ワークスペース単位のスキルは.gemini/skills/→.agents/skills/へ手動移動が必要。グローバル共有スキルの置き場所も~/.gemini/skills/から~/.gemini/antigravity-cli/skills/に変わっています - MCP(外部ツール連携)設定を移す:従来
~/.gemini/settings.json内にあったMCP設定は、独立したmcp_config.json(グローバル~/.gemini/config/mcp_config.json/ ワークスペース.agents/mcp_config.json)に分離。サーバーURLのキー名もurl/httpUrlからserverUrlに統一されたため、書き換えが必要な場合がある - 既存ワークフローの動作確認:普段の自動化・コーディング補助が同じように動くかを必ずテストする。カスタムテーマや実験的機能は非対応の場合があると公式ガイドに記載
公式が「1対1対応はない」と明言している以上、「入れ替えれば終わり」ではなく「動かして差分を潰す」進め方が安全です。主要ワークフローの動作確認を終えてから本格移行してください。
移行しないとどうなるか
個人向けプランのままの環境では、Gemini CLI / IDE拡張はすでに応答せず、依存していた自動化・コーディング補助は止まっています。「入っているのに動かない」状態になるため原因に気づきにくく、とくにCIやcron等に組み込んでいた場合、誰も見ないまま処理が静かに失敗し続けます。心当たりがあれば、ログに冒頭のエラーが出ていないか今日確認してください。
【法人視点】自社はどう動くべきか
ここからが、AIツールを組織で使う立場で本当に考えるべき部分です。研修・導入支援の現場でも、こうした「ツールの提供方針が変わったとき、組織としてどう動くか」の相談は増えています。慌てず、次の順番で進めるのが現実的です。
ステップ1:自社の利用形態を棚卸しする
まず「誰が・どのプランで・何に使っているか」を洗い出します。これで「止まった側か継続側か」が確定します。下記のプロンプトで自社の状況を整理してください。
あなたは社内のAIツール運用を管理する担当者です。
当社のGemini CLI / Gemini Code Assist の利用状況を棚卸しする
チェックリストを作ってください。
【確認したいこと】
- 誰が使っているか(部署・人数・用途)
- 契約形態(無料個人 / AI Pro / Ultra / 組織ライセンス Standard・Enterprise / APIキー経由)
- 何の業務に組み込まれているか(自動化スクリプト、IDE補助、CI等)
- 止まった場合に影響が出る業務はどれか(影響度の高い順に)
【出力】
1. 上記を埋める表のテンプレート
2. 「停止対象(個人向け)」かどうかを判定するフロー
3. 影響度の高い業務から着手する優先順位ステップ2:継続できるなら、まず落ち着く
組織ライセンス(Standard/Enterprise)やAPIキー経由なら、今回の終了の影響はありません。「急いで全部移行」ではなく、提供方針の変化を踏まえつつ、計画的に評価する立場でかまいません。慌てて移行して既存の安定運用を壊す方がリスクです。それでも中長期では方針が変わる可能性があるので、「いま移行すべきか・継続して様子を見るか」を一度整理しておくと判断がぶれません。
当社のGemini CLI / Code Assist 利用について、
「今すぐ移行する」か「継続して計画的に評価する」かを判断する材料を整理してください。
【入力】
- 当社の契約形態: (無料個人 / Pro / Ultra / 組織ライセンス / API経由)
- 業務での重要度: (止まると困る度合い)
- 移行にかけられる工数: (担当・時間)
【出力】
1. 「今すぐ移行が必要 / 当面継続でよい」の判定と理由
2. 継続を選ぶ場合に、いつ・何をトリガーに再検討すべきか
3. 移行を選ぶ場合の、リスクを抑えた進め方(並行導入・段階移行)ステップ3:個人向けなら、並行導入して検証する
無料個人・Pro・Ultraで業務に使っていたなら、Antigravity CLI(またはAPIキー認証のGemini CLI)を導入し、普段のワークフローが動くかを検証します。重要度の低い作業から順に新環境で試すのが安全です。検証の観点をプロンプトで洗い出しておくと漏れません。
Gemini CLI から Antigravity CLI への移行検証チェックリストを作ってください。
【前提】
- 現在Gemini CLIで使っている主な機能: (例)コード生成、ファイル一括処理、MCP連携、独自スキル
- 重要な自動化: (例)日次のコードレビュー、ドキュメント生成
【出力】
1. 移行後に「同じように動くか」を確認すべき項目の一覧
2. 各項目の確認手順(簡潔に)
3. 動かなかった場合の代替案(API経由・別ツール等)
4. 切り替え可否を判断する基準ステップ4:設定資産の引き継ぎを確認する
これまで積み上げた資産が新環境で活きるかを確認します。GEMINI.md / AGENTS.md はそのまま使えますが、MCP設定は独立ファイル化とキー名変更があり、ワークスペースのスキルは手動移動が必要です(前述の「移行の流れ」参照)。
Gemini CLIの設定資産をAntigravity CLIへ移すための確認リストを作ってください。
【対象】
- プロジェクト用コンテキスト設定ファイル(GEMINI.md / AGENTS.md)
- MCP(外部ツール連携)の設定(mcp_config.jsonへの分離・serverUrlキーへの統一)
- 独自に作ったスキル・ワークフロー(agy plugin import gemini での取り込み)
【出力】
1. それぞれ「そのまま使える / 移動が必要 / 設定変更が必要」を確認する項目
2. 移行漏れが起きやすいポイント
3. 移行後に最初にテストすべき項目ステップ5:社内に周知する
複数人が使っている場合、影響と対応を一斉に共有するだけで混乱が大きく減ります。「自分の環境だけ壊れた」と誤解して時間を溶かす人を防げます。
社内向けに、Gemini CLI終了とAntigravity CLI移行のアナウンス文を作ってください。
落ち着いたトーンで、過度に不安を煽らず、やることが明確に伝わる文章に。
【状況】
- 2026年6月18日に個人向けGemini CLI / Code Assistが停止済み
(ログイン時に「This client is no longer supported…」エラーが表示される)
- 組織ライセンス・API経由は継続
- 個人向け利用者はAntigravity CLIへ移行(またはAPIキー認証へ切替)が必要
【出力】
1. Slack/メール向けの短い周知文(300字程度)
2. 「自分は移行が必要か」を判断する2〜3個の質問
3. 移行の大まかな流れと、困ったときの相談先【要注意】移行でやりがちな失敗4つ
失敗1:自社の契約形態を確認せず全社で慌てる
❌ 「Gemini CLIが終わった」のニュースだけで全社パニックになり、組織ライセンスで継続できるのに不要な移行を始める。
⭕ まず利用形態を棚卸し。止まった側か継続側かを確定してから動く。
失敗2:エラーが出てから、無検証で一気に切り替える
❌ 止まって初めてAntigravity CLIを入れ、その日のうちに本番の自動化を全部載せ替えて別のトラブルを踏む。
⭕ 重要度の低いワークフローから順に検証してから本格移行する。
失敗3:「名前が変わっただけ」と思い込む
❌ Antigravity CLIをGemini CLIの完全互換と思い、設定や手順をそのまま流用して動かない。
⭕ 公式が「1対1対応はない」と明言している前提で設定資産の引き継ぎ・動作確認を行う。MCPのキー名変更のような細かい非互換が実際にある。
失敗4:1ツール依存のまま、また同じことを繰り返す
❌ 移行して一安心し、再び単一ツールに全業務を賭ける。次の方針変更でまた振り回される。
⭕ 重要業務はAPI経由や別手段でも代替できる設計に寄せ、「ツールが止まっても業務が止まらない」体制を意識する。主要なAIコーディングエージェントの選択肢はAIコーディングエージェント比較で横並びにしています。
業界への示唆:ブランド統合と「外的要因で止まる」リスク
今回の件は、単なる1ツールの終了を超えた示唆を含みます。GoogleはAI開発ツールを「Gemini」ブランドから「Antigravity」へ統合しようとしており、その過程で個人向けの既存ツールが整理されました。利用者の都合とは別のところで、提供側のブランド戦略・事業方針によってツールが終わる——これは今のAI領域で繰り返し起きています。
記憶に新しいのは、Claude Fable 5が公開直後に規制を理由に停止した件です(Fable 5が利用停止になった理由と代替)。理由は規制とブランド統合で異なりますが、共通するのは「性能や料金とは別の、外的要因でAIツールが止まりうる」という現実です。なお、Gemini CLIのオープンソースリポジトリ自体は2026年9月7日時点も公開・更新が続いており(9月1日にv0.58.0リリース/ライセンスはApache 2.0)、「OSSごと消えた」わけではありません。一方、Antigravity CLIについて公式ドキュメントがサポート窓口として案内するGitHubリポジトリ(google-antigravity/antigravity-cli)に置かれているのは、2026年9月7日時点でREADME・変更履歴・サンプル・デモ動画だけです。ソースコードとライセンス表記は見当たらず、Gemini CLIと同じ意味での「ソース公開」には至っていません。ソースの透明性を重視する開発者にとっては、引き続き移行判断の論点になります。
だからといってAIツールを使わない選択はあり得ません。現実的な答えは「使う。ただし、止まっても業務が続くように設計しておく」。AI活用の進め方はAI導入戦略の立て方、ツール全体の選定はAIエージェント導入の完全ガイドも参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 6月18日にGemini CLIは完全に消えましたか?
消えていません。止まったのは「個人向けアカウントでのログイン」です。OSSのGemini CLIは2026年9月7日時点も開発が続いており(最新の安定版はv0.58.0)、APIキー認証や組織ライセンスなら現在も利用できます。
Q. うちの会社は影響を受けますか?
利用形態次第です。無料個人・AI Pro・Ultraは停止済み。Gemini Code Assistの組織ライセンス(Standard/Enterprise)やGemini APIキー・Vertex AI経由は変更なしで継続しています。まず自社の契約形態を確認してください。
Q. Gemini CLIとGemini Code Assistの違いは何ですか?
Gemini CLIはターミナルで使うOSSのAIエージェント、Gemini Code AssistはVS CodeやJetBrains向けIDE拡張です。個人向けの両者は同じ認証基盤を使っていたため、2026年6月18日に揃って停止しました。
Q. Antigravity CLIはGemini CLIと同じように使えますか?
完全な互換ではありません。公式ブログが「提供開始時点で機能の1対1対応はない」と明言しています。一方、Skills・Hooks・Subagents・拡張機能は引き継がれ、GEMINI.md / AGENTS.md も変更不要で読み込まれます。MCP設定の分離・キー名変更には手動対応が必要です。
Q. Antigravity CLIは無料で使えますか?
使えます。2026年9月7日時点、$0/月のIndividualプランがあり、週単位の基本レート制限つきで利用できます。Pro/Ultra契約者はより緩い制限で使えます。詳細は公式料金ページで確認してください。
Q. Gemini Code Assistの法人版(Standard/Enterprise)はどうなりますか?
変更ありません。公式ドキュメントで、終了対象は個人向けのみでStandard/Enterpriseは対象外と明記されています。2026年9月7日時点でも法人版の終了日は公式に発表されておらず、最終更新2026年9月2日の非推奨化ドキュメントでもStandard/Enterpriseは「変更なし」と記載されています。
Q. Gemini CLIはいつまで使えますか?
APIキー認証・組織ライセンスでの終了日は、2026年9月7日時点で公式に発表されていません。OSS開発も継続中です(2026年9月1日にv0.58.0)。ただし提供方針は変わりうるので、重要業務では「止まっても代替が効く設計」をおすすめします。
Q. 今すぐ何をすればいいですか?
(1)エラーが出ている人はAntigravity CLI導入かAPIキー認証切替で復旧、(2)組織は契約形態を棚卸し、(3)自動化・CIのログに失敗が残っていないか確認、(4)複数人で使うなら社内周知、の順です。
まとめ
- ① 2026年6月18日に個人向けGemini CLI / Code Assistは停止済み。現在は「This client is no longer supported…」エラーが表示される。組織ライセンス・APIキー経由は変更なしで継続
- ② 後継はAntigravity CLI(コマンド agy・無料のIndividualプランあり)。GEMINI.mdやスキルは引き継げるが「1対1の機能対応はない」と公式が明言しており、動作確認は必須
- ③ まず自社の利用形態を棚卸しし、止まった側なら「Antigravity移行」か「APIキー切替」を選ぶ。継続側は計画的に評価。1ツール依存を避ける設計も意識する
最新ツールが提供側の方針で突然終わる——今回の件は「ツールは外的要因で止まりうる」という前提を改めて突きつけました。重要なのは、自社の状況を正確に把握し、エラーに慌てず正しい経路で復旧すること。自社のAI活用を「止まらない設計」にしたい場合は、記事末のリンクからご相談ください。
あわせて読みたい
- Antigravity完全ガイド|中小企業はどう使うか
- AIコーディングエージェント比較|主要ツールの選び方
- Claude Fable 5が利用停止になった理由と代替
- AI導入戦略の立て方 — 止まらないAI活用の設計
参考・出典
- Google Developers Blog「An important update: Transitioning Gemini CLI to Antigravity CLI」(2026年5月19日発表)https://developers.googleblog.com/an-important-update-transitioning-gemini-cli-to-antigravity-cli/(2026年9月7日参照)
- Google for Developers「Gemini Code Assist consumer accounts」(非推奨化ドキュメント・最終更新2026年9月2日)https://developers.google.com/gemini-code-assist/docs/deprecations/code-assist-individuals(2026年9月7日参照)
- Google for Developers「Consumer version of Gemini Code Assist on GitHub」(GitHub版の廃止・2026年6月18日に新規インストール停止/2026年7月17日にサービス停止)https://developers.google.com/gemini-code-assist/docs/deprecations/consumer-code-review(2026年9月7日参照)
- Antigravity公式ドキュメント「Gemini CLI Migration」https://antigravity.google/docs/cli/gcli-migration /「Getting Started」https://antigravity.google/docs/cli/getting-started(2026年9月7日参照)
- Antigravity公式「Pricing」https://antigravity.google/pricing(2026年9月7日参照)
- google-gemini/gemini-cli(GitHub)README・リリース一覧(v0.58.0=2026年9月1日)・Discussion #28017「Important Update: Gemini CLI Has Stopped Serving Requests for Individual Accounts」・Issue #28229 https://github.com/google-gemini/gemini-cli(2026年9月7日参照)
- google-antigravity/antigravity-cli(GitHub・公式サポート窓口)README・CHANGELOG・リリース一覧(1.1.27=2026年9月5日)https://github.com/google-antigravity/antigravity-cli(2026年9月7日参照)
佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。
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