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Kimi K3.1 Proとは|料金・無料・K3との違い【2026年10月】

Kimi K3.1 Proとは|料金・無料・K3との違い【2026年10月】

2026年10月25日時点で、Kimi K3.1 Pro は Moonshot AI が日本時間の10月24日に発表した新しいモデル(Kimi K3 を追加で学習させた版)で、Kimi.ai の Web とアプリ、Kimi Work、Kimi Code、Kimi API で使えます。API の料金は100万トークンあたり入力 2.00ドル・出力 10.00ドル(税抜き)で、前の K3 の 3 分の 2 の単価です。K3.1 Pro の 2〜3 倍の速さで動く Kimi K3.1 Pro Highspeed は入力 4.00ドル・出力 20.00ドルで、モデルの重みは2026年11月4日までに公開されると発表されています(Kimi K3.1 Pro の公式ブログ、Kimi API の料金表)。

この記事の要点(2026年10月25日時点)

  • Kimi K3.1 Pro は K3.1 シリーズの最初のモデルで、K3 を大きな計算量で追加学習した版です。コンテキストは100万トークンで、公式ブログはコーディング・3D の制作・金融の調べものなどで大きく改善したと説明しています
  • API は入力 2.00ドル・出力 10.00ドル(100万トークンあたり・税抜き)で、どの項目も K3 の 3 分の 2 です。使い始めるには最低 1 ドルの入金が要ります
  • アプリは無料の Adagio と有料の Plus・Pro・Max・Ultra(月払いで 19〜199ドル)。Highspeed が料金ページに載っているのは Pro 以上で、Adagio で K3.1 Pro をどこまで使えるかは確認できませんでした
  • 重みは11月4日までに公開される予定です。ライセンスの条件と動かすのに要る機材は、10月25日時点で確認できませんでした
  • 会社で使うなら、入れた内容が学習に使われることがあるアプリと、学習に使わない API・Kimi Business を分けて考えます

対象読者:新しい AI モデルを業務で試すかを決める情報システム部門・開発の責任者、社内の AI の利用ルールを決める担当者

読了後にできること:Kimi K3.1 Pro を「どこで・いくらで・どんな情報なら」使えるかを社内で説明し、試す前に決めることを書き出せます

新しいモデルが出た直後は、ベンチマークの順位が先に広まります。ただ、会社で使うかどうかを決めるときに本当に要るのは、どこで使えるのか、いくらかかるのか、入れた情報がどう扱われるのか、の 3 つなんです。この記事は Kimi K3.1 Pro について、その 3 つを Moonshot AI の公式ブログ、Kimi API の文書と料金表、Kimi のヘルプ、プライバシーポリシーと利用規約で確かめた範囲で整理します。

Kimi のアプリ全体の始め方(登録・画面・K3 の使い方)は Kimiとは|無料AIアプリの使い方・K3・API にまとめています。この記事は K3.1 Pro で変わったところに絞ります。最終更新:2026年10月25日。性能の数字は Moonshot AI と Artificial Analysis が公開した値で、Uravation が測った値ではありません。

Kimi K3.1 Proとは|K3・Highspeedとの違い

Kimi K3.1 Pro は、Moonshot AI の新しい Kimi K3.1 シリーズの最初のモデルです。公式ブログによると、K3 を追加で学習した版(post-trained version)で、追加の学習に使った計算量を大きく増やし、数百の分野をまとめて強化学習で鍛えました。公式ブログは「3T 級のオープンウェイトモデル」と説明していて、コンテキスト(一度に読める長さ)は100万トークンです(公式ブログ)。

Kimi K3、Kimi K3.1 Pro、K3.1 Pro Highspeedの関係。Kimi K3は前の世代のモデル、Kimi K3.1 ProはK3を追加で学習した版、K3.1 Pro HighspeedはK3.1 Proの2〜3倍の速さ。コンテキストはどれも100万トークン

たとえると、K3 という同じ人材が、数百の分野の実務の演習を積んで腕を上げたのが K3.1 Pro です。土台は K3 のままなので、K3 の重みのページに載っている総パラメーター 2.8 兆・アクティブ 1,040 億の MoE(処理ごとに一部の専門家だけを動かす仕組み)という構成は、K3.1 Pro を理解する手がかりになります(Hugging Face の Kimi K3 のページ)。GIGAZINE も10月24日、K3.1 Pro を総パラメーター 2.8 兆・アクティブ 1,040 億の MoE モデルとして報じました(GIGAZINE)。

名前が似ていて混ざりやすいので、関係を表にしておきます。

名前何かAPI のモデル名API の料金(入力/出力・100万トークンあたり)
KimiMoonshot AI のサービスの名前。Kimi.ai、アプリ、Kimi Work、Kimi Code、API をまとめた呼び方――
Kimi K3前の世代のモデル。重みは Hugging Face で公開済みkimi-k33.00ドル/15.00ドル
Kimi K3.1 ProK3 を追加で学習した版。K3.1 シリーズの最初のモデルkimi-k3.1-pro2.00ドル/10.00ドル
Kimi K3.1 Pro HighspeedK3.1 Pro の 2〜3倍の速さで応答する版kimi-k3.1-pro-highspeed4.00ドル/20.00ドル

コンテキストはどれも100万トークンで、API の料金表では K3 シリーズのモデルはすべて 1,048,576 トークンまで読めると書かれています(Kimi API の料金表)。K3 そのものの特徴やベンチマークは Kimi K3とは?2.8兆パラメータMoEの特徴と使い方 で詳しく扱っています。

10月24日の発表で何が変わったか

Moonshot AI は日本時間の2026年10月24日に Kimi K3.1 Pro を発表しました(GIGAZINE の報道。公式ブログの記事情報の日付も10月24日です)。公式ブログと API の文書に書かれた要点を並べると、次のとおりです。

項目内容
位置づけK3.1 シリーズの最初のモデル。K3 の追加学習版
強化した分野コーディング、3D の制作、金融の調べもの、ほかのエージェントの作業
コンテキスト100万トークン(API では 1,048,576 トークン)
速い版Kimi K3.1 Pro Highspeed。K3.1 Pro の 2〜3 倍の速さ
使える場所発表の日から Kimi.ai とアプリ、Kimi Work、Kimi Code、Kimi API
重み2026年11月4日までに公開(by Nov 4)
組織での利用Kimi Enterprise の管理者が組織で有効にする。提供開始の時点では既定でオフ
API のデータAPI の利用者は Zero Data Retention を選べる

性能について、公式ブログは主に次の数字を挙げています。K3.1 Pro の値は Moonshot AI の測定で、推論の深さ(reasoning effort)を最大の max にした条件です。公式ブログには他社のモデルの値も並んでいますが、それらは各社の発表や公式のランキングから引いた値で測り方がそろっていないため、ここでは K3.1 Pro と前の K3 の値だけを載せます。ほかのモデルとの比較は、この後の第三者の評価で見ます(公式ブログ)。

評価K3.1 ProK3 の値・補足(公式ブログ)
Terminal-Bench 4.0(端末での開発作業)65.7%Claude Code の仕組みで測った値
Kimi Code Bench 3.0 Long-horizon(社内の評価・長い開発作業)61.2%K3 55.95%
BenchCAD(複数の角度の画像から CAD のコードで 3D を再現する・ツールあり)92.7%ツールありの値(Claude Code の仕組みで測定)
OfficeQA Pro v2(財務の資料の分析)64.4公式ブログは最高水準(state-of-the-art)と説明
Kimi Hallu Bench Hard(社内の評価・事実の誤り)主張ごとの誤りの割合 8.3%K3 23.4%

金融の社内評価では、財務モデルの作成で K3 より 7.2 ポイント、証拠に基づく調べもので 11.6 ポイント上がり、模擬の経営の課題では K3 の約 4.2 倍の成績だったとしています。事実の誤りの評価は、誤りが起きやすい問いをわざと集めたストレステストで、普段使いの誤り率ではないと公式ブログ自身が断っています。この点は読み違えないようにしたいところです。

第三者の評価では、Artificial Analysis の総合指標(Intelligence Index v4.3.2)で Kimi K3.1 Pro は 55 でした。同じグラフの Claude Fable 5.1(max with fallback)、GPT-6 Astra(max)、Gemini 4 Argon(high)は 53 で、最も高いのは Claude Opus 5.5(max with fallback)の 58 です(Artificial Analysis・2026年10月25日に確認)。GIGAZINE は10月24日、K3.1 Pro を GPT-6 Astra と同等の性能のモデルとして報じています。ほかのモデルとの比べ方は GPT-6 AstraとFable 5.1・Opus 5比較 も参考にしてください。

使える場所と条件|アプリ・Kimi Work・Kimi Code・API

K3.1 Pro は発表の日から Kimi の製品で使えるようになりました。公式ブログが挙げる入口は 4 つで、入口ごとに準備と注意が違います。

Kimi K3.1 Proを使える4つの入口。Kimi.ai・アプリはWebとスマホ、Kimi Workはデスクトップ版、Kimi Codeは/modelで選ぶ、Kimi APIは入金して使う

入口使い始め方条件・注意
Kimi.ai・アプリ(Web とスマホ)Kimi.ai を開くか、iOS・Android・HarmonyOS の Kimi アプリを最新にする無料の Adagio で K3.1 Pro をどこまで使えるかは確認できませんでした。Highspeed が料金ページに載っているのは Pro・Max・Ultra です
Kimi Work(デスクトップ版)バージョン 3.1.0 以降のデスクトップ版を入れるWindows と Apple シリコンの Mac に対応
Kimi CodeKimi Code を起動し、/model で選ぶ国際版の新しい 4 つの有料プラン(Plus・Pro・Max・Ultra)に Kimi Code が含まれます
Kimi API入金して使う。モデル名に kimi-k3.1-pro か kimi-k3.1-pro-highspeed を指定最低 1 ドルの入金で使えるようになります。Zero Data Retention を選べます

入口と手順は 公式ブログ、入金の条件は API の文書、プランの特典は 料金ページ と Kimi のヘルプ によります。Kimi Work そのものは Kimi Workとは|できることと3社比較 で紹介しています。

組織で使う場合は、注意が 2 つあります。1 つは、Kimi Enterprise では管理者が組織で K3.1 Pro を有効にする必要があり、提供開始の時点では既定でオフになっていることです(公式ブログ)。もう 1 つは、会社向けの Kimi Business の機能は Web とデスクトップ版で使え、スマホのアプリは今のところ個人のメンバーシップだけに対応していることです(Kimi Business のヘルプ)。

料金|API の単価とアプリのプラン

料金は API とアプリで仕組みが別です。API は使った分だけ払う従量課金で、月額のプランはありません。アプリの有料プランの特典は API の残高に移せず、API の残高でアプリのプランを買うこともできません(Kimi API の料金表、Kimi API のヘルプ)。

API の料金(100万トークンあたり・ドル・税抜き)

モデル名入力出力キャッシュ済みの入力キャッシュの書き込み(5分)キャッシュの書き込み(1時間)
kimi-k3.1-pro2.0010.000.202.004.00
kimi-k3.1-pro-highspeed4.0020.000.204.008.00
kimi-k3(前の世代)3.0015.000.303.006.00

出典は Kimi API の料金表(2026年10月25日に確認)です。表の料金は税抜きで、税は請求時に利用者の地域の規則で計算されます。K3.1 Pro の単価は、表のどの項目も K3 の 3 分の 2 です。Highspeed は、キャッシュ済みの入力(0.20ドル)を除いて K3.1 Pro の 2 倍です。

API の文書によると、料金はコンテキストの長さで段階が変わらない一律の単価で、請求の対象はキャッシュの書き込み、入力(キャッシュに当たった分と当たらなかった分で別の単価)、出力の 3 つです。キャッシュは自動で働き、書き込むたびに書き込みの料金が 1 回かかります。保持は既定で 5 分で、間が 5 分より空く使い方なら 1 時間を選べます(Kimi K3.1 Pro の API の文書)。料金をほかのモデルと並べて見たい場合は 主要AIモデルAPI料金 横断比較 にまとめています。

同時に動かせる数、1 分あたりのリクエスト数(RPM)、1 分・1 日あたりのトークン数(TPM・TPD)の上限は、これまでの入金の合計で決まる段階(tier)で変わります。入金の合計が 5 ドルに達すると 5 ドル分のクーポンがもらえますが、クーポンは入金の合計には数えられません(入金とレート制限のページ)。

月の費用の試算(1 例)

事例区分:試算例(実測値ではありません。前提と計算式を示します)。社内の 1 つの作業で、1 日に入力 50 万トークン・出力 10 万トークンを使い、月に 20 日動かす場合を考えます。月の合計は入力 1,000 万トークン・出力 200 万トークンで、キャッシュは考えず、税は含めません。

モデル入力の費用出力の費用月の合計
kimi-k3.1-pro10 × 2.00 = 20ドル2 × 10.00 = 20ドル40ドル
kimi-k3.1-pro-highspeed10 × 4.00 = 40ドル2 × 20.00 = 40ドル80ドル
kimi-k310 × 3.00 = 30ドル2 × 15.00 = 30ドル60ドル

1 ドル 150 円で換算すると、K3.1 Pro の 40ドルは約 6,000 円が目安です。K3.1 Pro は推論(思考)が常にオンで切れません。Kimi のヘルプ(K3 の項)には、思考の深さ(reasoning_effort)を下げると、簡単な作業では待ち時間とトークンの消費が減るとあります。実際の請求は、小さく試して確かめてください。

アプリのプラン(ドル・2026年10月25日に料金ページで確認)

プラン月払い年払い(年額)年払いの月あたりK3.1 Pro HighspeedAgent の同時実行
Adagio0ドル――記載なし1
Plus19ドル180ドル15ドル記載なし2
Pro39ドル372ドル31ドル利用可2
Max99ドル948ドル79ドル利用可4
Ultra199ドル1,908ドル159ドル利用可4

表は Kimi の料金ページ と ヘルプの料金の説明 によります。有料プランの機能(Agent、Deep Research、スライド、Kimi Code、Kimi Work など)は共通の月間クレジット枠を使い、使い切ると新しいタスクは始められません。クレジットは毎月の更新で、繰り越しはありません(ヘルプのクレジットの説明)。料金ページでは、最大100万トークンの長文チャットは Max と Ultra の「実験的機能」として載っています。

税込みか税抜きかは購入時の画面に表示され、支払いは法律で求められる場合などを除いて返金されません。年払いも同じ扱いです(Kimi の利用規約 4 章)。会社で席を管理して使う Kimi Business は、1 席あたり年 600ドル(月あたり約 50ドル)の年契約で、2 席から(1 回の購入で 150 席まで)です(Kimi Business のヘルプ)。

API の始め方|入金・キー・モデル名

API は 3 つの手順で使い始められます。入金する、API キーを作る、モデル名を選ぶ、の順です(Kimi K3.1 Pro の API の文書)。

Kimi APIを使い始める手順。入金する(入金の合計で上限が決まる)、APIキーを作る(キーはコードに書かない)、モデル名を選ぶ(kimi-k3.1-pro か kimi-k3.1-pro-highspeed)

  1. 入金する:Kimi API Platform(platform.kimi.ai)で最低 1 ドルを入金すると、K3.1 Pro が使えるようになります。入金の合計で上限が決まるので、使う量に合わせて段階を確かめます
  2. API キーを作る:コンソールの API キーの画面で作ります。キーはコードに書かない(文書の例では環境変数 MOONSHOT_API_KEY から読む)ようにします
  3. モデル名を選ぶ:リクエストの model に kimi-k3.1-pro か kimi-k3.1-pro-highspeed を指定します

入金の前に、Playground で小さく試すこともできます。どのモデルとクーポンが使えるかは、Playground とアカウントの画面の表示によります(Kimi API のヘルプ)。文書の例は Python 3.9 以降と OpenAI の SDK を使います。まず SDK を入れます。

python3 -m pip install --upgrade 'openai>=1.0'

呼び出しの最小の形は次のとおりです。base_url を Kimi API に向け、model に kimi-k3.1-pro を指定します(文書の例の質問だけ日本語に変えています)。

import os

from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key=os.environ["MOONSHOT_API_KEY"],
    base_url="https://api.moonshot.ai/v1",
)

completion = client.chat.completions.create(
    model="kimi-k3.1-pro",
    messages=[{"role": "user", "content": "Kimi K3.1 Pro を一文で紹介してください。"}],
)

print(completion.choices[0].message.content)

思考の深さは reasoning_effort で low・high・max から選び、既定は max です。要約のような簡単な作業は low から試すと、待ち時間を短くできます。

completion = client.chat.completions.create(
    model="kimi-k3.1-pro",
    reasoning_effort="low",
    messages=[{"role": "user", "content": "次の文章を3行で要約してください。[ここに文章を貼り付け]"}],
)

print(completion.choices[0].message.content)

API の文書が「重要な制限」として挙げる点も、先に押さえておきます。

  • max_completion_tokens の既定は 131,072 で、1,048,576 まで指定できます
  • temperature=1.0、top_p=0.95、n=1、presence_penalty=0、frequency_penalty=0 は固定なので、リクエストに入れません
  • 複数回のやり取りやツールの呼び出しでは、返ってきたアシスタントのメッセージを丸ごと次のリクエストに入れます。content だけを残す形にはしません
  • 画像の入力は公開の URL に対応していません。base64 か ms://<file-id> を使い、content はオブジェクトの配列にします
  • Web 検索は更新中で、当面は本番の業務で使うことを勧めていません

この記事の内容を社内で使うなら

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11月4日までの重みの公開で変わること

公式ブログは「The full model weights will be released by Nov 4」と書いていて、K3.1 Pro の重み(モデル本体のデータ)は2026年11月4日までに公開される予定です。重みが公開されれば、API を通さずに自社が管理するサーバーで動かす道ができます。いまの Kimi API はクラウドの API だけで、社内に置く形(オンプレミス)には対応していません(Kimi API のヘルプ)。

Kimi K3.1 Proの重みの公開。公式に書かれたことは11月4日までに公開、サイバー能力を抑えた、利用者の環境で動く。まだ分からないことはライセンスの条件、動かすのに要る機材、正確な公開日

公式に書かれたこと

  • 重みは11月4日までに公開される予定です。「by Nov 4」なので、11月4日ちょうどと決まっているわけではありません
  • オープンウェイトの公開に向けて、学習の 2 つの段階(中間の学習と強化学習)からサイバー関連のデータを取り除き、サイバー能力を抑えたと説明しています。一般のコーディングに要る課題は残したそうです
  • 脆弱性を見つけて突く課題を集めた社内の評価(xdev-bench-hard)では、この対策をしない版が 90.5%、最終版の K3.1 Pro は 81.0% を解きました(3 回まで試して解けた割合=pass@3。実行結果から無作為に選んだ一部で集計し、厳しい時間制限や出力トークンの上限は設けていない条件です)
  • K3.1 Pro のサイバー能力は、重みを公開していない最先端のモデルのうち、公開から 3 か月以上たったものより低いと説明しています
  • 利用者の環境で動く公開モデルがあれば、普段は点検が行き届かない古いシステムも含めて、多くのチームが自分のコードを点検できる。そう考えて、重みを公開すると書いています

出典はどれも 公式ブログ のサイバーセキュリティの節です。

まだ分からないこと

  • ライセンスの条件:10月25日時点の公式ブログと API の文書では確認できませんでした。参考までに、K3 の重みは独自の「Kimi K3 License」で公開されていて、社内だけでの利用は追加の条件の対象外です。一方、API などで第三者が入力やパラメーターを実質的に操作できる形でモデルを提供する事業(Model as a Service・特定の機能に組み込んだ製品や他社のモデルへの中継だけの場合は除く)を営み、関連会社と合わせた売上が連続する 12 か月で合計 2,000万ドルを超える場合は、商用で使う前に Moonshot AI との別の契約が要ります。月間のアクティブ利用者が 1 億人を超えるか月の売上が 2,000万ドルを超える商用のサービスでは、画面に「Kimi K3」と目立つ形で表示することが求められます。適用の有無はライセンスの本文で確かめてください(Kimi K3 License)。K3.1 Pro が同じ条件になるかは、公開時に確かめます
  • 動かすのに要る機材:K3.1 Pro については、公式ブログと API の文書では確認できませんでした。土台の K3 は総パラメーター 2.8 兆の MoE で、K3 のページは推論エンジンとして vLLM・SGLang・TokenSpeed を挙げています(Hugging Face の Kimi K3 のページ)
  • 正確な公開日:「11月4日までに」なので、それより前に出ることもあります。10月25日時点で、Hugging Face の Moonshot AI のページに K3.1 Pro の重みはまだありません

社内に置く AI を検討するときの考え方は ローカルAIとは|企業導入のメリットと判断基準 にまとめています。重みが出たら、ライセンスの条件と、自社で用意できる機材で動くかを先に確かめるのがよいと思います。

会社で使う前に決めること

K3.1 Pro に限らず、新しいモデルを業務で使うときにいちばん迷うのは、どの情報を入れてよいかです。Kimi はアプリ・API・Kimi Business で、入れた情報の扱いが違います。まず入れたい情報が社外秘・個人情報を含むかで分けます。含まない情報ならアプリで試す、含む情報なら API と ZDR(Zero Data Retention)か Kimi Business を選ぶか、入れないと決める、という順で考えると整理しやすくなります。

会社でKimiを使う前の判断。入れたい情報が社外秘・個人情報を含むかで分け、含まないならアプリで試す、含むならAPIとZDR、Kimi Business、入れないのどれかを選ぶ

決めることKimi の規約・ヘルプに書かれていること社内で決める例
入れてよい情報アプリと Web では、入力した内容(プロンプト・ファイルなど)がサービスの提供と改善(AI モデルの学習を含む)に使われます。学習に使わせない申し出はメールででき、効くのは申し出の後の分だけです社外秘と個人情報はアプリに入れない
使う入口API では、入力と出力をモデルの学習に使いません。API の利用者は Zero Data Retention も選べます。Kimi Business は、会社のデータを学習に使わないと約束しています社内のデータを扱う作業は API か Kimi Business に限る
アカウントの分け方Kimi Business は個人と組織のアカウントを完全に分けます。スマホのアプリは Kimi Business の機能に対応していません業務は組織のワークスペースだけで行う
データの保存場所情報は、居住する国の外にあるサーバーへ移されて保存されることがあります保存場所に条件がある業務は、使う前に法務と確認する
契約の相手アプリと Web の利用規約の相手は NOVASCENT PRIVATE LIMITED(シンガポールで登記)で、準拠法はシンガポール法です。Kimi Business は別の Kimi Business Service Agreement を見るようヘルプが案内しています稟議に契約の相手と準拠法を書く
費用の上限API はプロジェクトごとに 1 日の予算を設定でき、上限に達するとそのプロジェクトのリクエストは断られます。反映まで約 10 分かかることがあります試す期間の上限額を先に決める
成果物の確認規約は、出力を事実や専門家の助言として扱わず自分で確かめるよう求め、法務・医療・金融などの判断には適切な人の確認と法令の順守を求めています。特定の個人について、融資・採用・住居・保険・教育・医療など法的または重大な影響のある決定に出力を使うことは禁じています外に出す前に人が確かめる担当を決める
自動化のやり方アプリと Web をボットやスクリプトで操作するのは、書面の許可がない限り禁止です。出力を使って競合するモデルを作ることも、書面で明示的に許可された場合を除いて禁止です業務の自動化は API で組む

表の出典は、Kimi のプライバシーポリシー(2026年8月13日更新・1 章と 7 章)、Kimi の利用規約(2026年8月13日発効・2 章・3 章・12 章)、API のデータの扱いのヘルプ、公式ブログ、Kimi Business の FAQ、API の残高と利用量のヘルプ です。Zero Data Retention を選ぶ手順は、10月25日時点で確認できませんでした。使う前に、Kimi の営業窓口か API のコンソールで確かめてください。

【要注意】読み違いやすい4つの点

読み違い1:重みの公開日

❌「11月4日に重みが公開される」
⭕「11月4日までに公開される(by Nov 4)。それより前に出ることもあり、ライセンスの条件は公開されてから確かめる」

なぜ重要か:社内に置く計画を日付で決めると、ずれたときに段取りが崩れます。公開されたら、ライセンスと機材の条件を確かめてから計画を立てます。

読み違い2:Highspeed の速さと料金

❌「Highspeed は 3 倍速く、料金は K3.1 Pro と同じ」
⭕「公式の説明は K3.1 Pro の 2〜3 倍の速さ。API の単価は、キャッシュ済みの入力を除いて 2 倍。アプリで料金ページに載っているのは Pro 以上」

なぜ重要か:速さだけを見て Highspeed を既定にすると、キャッシュ済みの入力を除く単価が 2 倍なので、同じ使い方で API の費用が最大でおよそ 2 倍になります(キャッシュ済みの入力が多いほど差は小さくなります)。待ち時間が困る作業だけに絞るのが無難です。

読み違い3:無料で使える範囲

❌「無料でも K3.1 Pro を上限なく使える」
⭕「アプリには無料の Adagio があるが、K3.1 Pro をどこまで使えるかは確認できない。有料プランも月のクレジットを共有し、使い切ると新しいタスクは始められない。API は最低 1 ドルの入金が要る」

なぜ重要か:検証の途中でクレジットが尽きると、比べ直しになります。検証の前にアカウントの表示を確かめ、必要な利用量と予算(有料プランか API)を先に決めておきます。

読み違い4:入れた情報の扱い

❌「Kimi なら、どの入口から使っても入力は学習に使われない」
⭕「API と Kimi Business は学習に使わない。アプリと Web の個人の利用では、入力がモデルの学習に使われることがあり、止めるにはメールで申し出る」

なぜ重要か:同じ Kimi でも、入口でデータの扱いが変わります。社員が個人のアカウントで業務の資料を入れないよう、使ってよい入口を社内ルールに書きます。

Uravation ならこう判断する

試すかどうかは、ベンチマークの順位ではなく、自社の作業で比べて決めます。公式ブログの K3.1 Pro の数字は Moonshot AI 自身の測定で、Artificial Analysis の総合指標も 10 の評価をまとめた 1 つの物差しです。どちらも、自社の文書や業務で同じ結果になるとは限りません。

試すなら、次の順番がおすすめです。

  1. 社外秘を含まない資料で、アプリか API の Playground を試す
  2. API で、いま使っているモデルと同じ作業を同じ指示で比べ、費用・待ち時間・誤りの数を記録する
  3. 社内のデータを扱うなら、API(学習に使わない・Zero Data Retention)か Kimi Business を前提に、規約と保存場所を法務と確かめる
  4. 社内に置くことが条件なら、11月4日までの重みの公開を待ち、ライセンスと機材を確かめてから決める

比べるときは、答えの根拠を確かめやすい形で出させると、モデルの差が見えやすくなります。社外秘を含まない資料で、次のような指示を試してみてください。

あなたは社内の業務文書の点検役です。
次の資料を読み、指定の形式で答えてください。
・要点を3行で書く
・数字と固有名詞には、資料のどこに書かれているかを添える
・資料に書かれていないことは「資料に記載なし」と書く
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。
[ここに社外秘を含まない資料を貼り付け]

費用の面では、簡単な作業は reasoning_effort を low から始め、プロジェクトの 1 日の予算を先に設定しておくと安心です。正直なところ、発表の翌日の時点では、ライセンスや無料の範囲のように、まだ公式に確かめられない点が残っています。急いで乗り換えるより、小さく比べて記録を残すほうが、あとで判断しやすくなります。

よくある質問

Kimi K3.1 Proは無料で使えますか?

Kimi のアプリには無料の Adagio(0ドル)がありますが、Adagio で K3.1 Pro をどこまで使えるかは、2026年10月25日時点の料金ページとヘルプでは確認できませんでした。API は最低 1 ドルの入金で使えるようになります。

Kimi K3.1 ProとK3の違いは何ですか?

K3.1 Pro は K3 を大きな計算量で追加学習した版で、公式ブログの社内評価では長い開発作業の点が 55.95% から 61.2% に上がりました。API の単価は K3 の 3 分の 2(入力 2.00ドル・出力 10.00ドル)に下がり、コンテキストはどちらも100万トークンです。

Kimi K3.1 Pro Highspeedは何が違いますか?

K3.1 Pro の 2〜3 倍の速さで応答する版です。API の単価は入力 4.00ドル・出力 20.00ドルで、キャッシュ済みの入力を除いて K3.1 Pro の 2 倍です。アプリでは、料金ページで Pro・Max・Ultra の特典として載っています。

Kimi K3.1 Proの重みはいつ公開されますか?

公式ブログでは2026年11月4日までに公開するとしています。ライセンスの条件と動かすのに要る機材は、10月25日時点の公式ブログと API の文書では確認できませんでした。

Kimi K3.1 Proは日本語で使えますか?

公式ブログと API の文書では、日本語の性能を示す数字は確認できませんでした。Kimi の料金ページは、日本向けの設定のブラウザで開くと日本語で表示されました(2026年10月25日)。日本語の業務文書でどこまで使えるかは、社外秘を含まない自社の文書で試して確かめてください。

会社の情報を入れても大丈夫ですか?

入口によって違います。API は入力と出力をモデルの学習に使わず、Zero Data Retention も選べます。Kimi Business は会社のデータを学習に使わないと約束しています。アプリと Web の個人の利用では、入力がモデルの学習に使われることがあります。どの情報をどの入口に入れてよいかを、社内ルールで先に決めてください。

まとめ

Kimi K3.1 Pro は、K3 を大きな計算量で追加学習した K3.1 シリーズの最初のモデルで、2026年10月24日(日本時間)から Kimi.ai とアプリ、Kimi Work、Kimi Code、Kimi API で使えます。API の単価は K3 の 3 分の 2 に下がり、2〜3 倍の速さの Highspeed は、キャッシュ済みの入力を除いて K3.1 Pro の 2 倍です。重みは11月4日までに公開される予定ですが、ライセンスの条件はまだ確かめられません。会社で使うなら、アプリと API・Kimi Business でデータの扱いが違う点を押さえ、入れてよい情報と予算を決めてから、自社の作業で小さく比べてください。


著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』『Claude仕事術』(SBクリエイティブ・書籍シリーズ累計66,000部)、『AI推進担当になったら読む本』(大和書房)。
SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること:社内で Kimi を使っている人がいるか、どの入口(アプリ・API・Kimi Business)から使っているかを確かめる
  2. 今週中:入れてよい情報と試す期間の予算を決め、社外秘を含まない資料で K3.1 Pro といま使っているモデルを同じ指示で比べる
  3. 11月4日まで:社内に置く必要があるかを決め、重みが公開されたらライセンスの条件と機材を確かめる

ご質問・ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

参考・出典

この記事の内容を社内展開する方へ: 部門別 AIエージェント活用マップ 50選(無料・PDF 32ページ+Excel) をダウンロードできます。

佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

執筆・監修:佐藤傑/下書き・図版・機械検査:当社のAI社員(人が確認してから公開しています)。記事の作り方と検査の方針

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