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Liquid AIとは|LFM2.5の特徴・使い方・商用利用【2026年8月】

Liquid AIとは|LFM2.5の特徴・使い方・商用利用【2026年8月】

最終更新: 2026年8月

結論: Liquid AIは米マサチューセッツ工科大学(MIT)発のAI企業で、最新モデル「LFM2.5-2.6B」はわずか2.6Bパラメータでラズベリーパイやスマートフォンでもツール呼び出し型のAIエージェントを動かせる軽量オープンウェイトモデルです。日本のeKYC企業「株式会社Liquid」とは無関係の、まったく別の会社です。

この記事の要点:

  • 要点1: 2026年8月4日公開の「LFM2.5-2.6B」は約34兆トークンで事前学習され、131,072トークンのコンテキスト長を持つ。公式ベンチマークでは、4倍のサイズを持つモデルにツール利用・指示追従性能で匹敵すると主張されている
  • 要点2: LFM Open License v1.0のもと、年間売上1,000万米ドル未満の企業は商用利用を含めて無料。それを超えると個別の商用ライセンス契約が必要になる
  • 要点3: Hugging Face・Ollama・llama.cppからすぐダウンロードでき、日本語を含む16言語に対応。日本語特化版「LFM2.5-1.2B-JP」も別途公開されている

対象読者: オンデバイスAI・エッジAI・軽量LLMの導入を検討している中小企業のIT担当者・開発責任者
読了後にできること: LFM2.5を自社PCまたはRaspberry Piでダウンロードして動かし、自社の売上規模に照らして商用利用の可否を正しく判断できるようになります。

「Liquid AIって、あの本人確認サービスの会社ですか?」

AI導入の研修や相談の場で、こういう聞き返しをされることが実は少なくありません。無理もない話で、日本語で「Liquid」と検索すると、eKYC(オンライン本人確認)サービス「LIQUID eKYC」を提供する国内企業がまず出てきます。でも今回取り上げる「Liquid AI」はまったくの別物です。MIT CSAIL(コンピュータ科学・人工知能研究所)から派生した米国のAIスタートアップで、2026年8月4日に発表した新モデル「LFM2.5-2.6B」が、AI業界で静かに注目を集めています。

クラウドAPIに頼らず、スマホやRaspberry Pi、あるいは工場のエッジ端末の中でAIエージェントを完結させる――そんな「オンデバイスAI」の分野で、Liquid AIはここ数年一貫して成果を出してきた会社です。生成AI導入支援の現場では、「社内の機密データをクラウドに送りたくない」「通信が不安定な拠点でもAIを使いたい」という相談を受ける機会が増えており、こうした軽量モデルの動向は実務に直結するテーマになりつつあります。

この記事では、Liquid AIという会社の正体と、日本企業が混同しやすいポイントの整理から始め、最新モデルLFM2.5の技術的な特徴、料金・ライセンス、そして実際にHugging FaceやOllamaで動かす手順までを一次情報ベースでまとめました。エンジニアでなくても判断できるよう、専門用語はかみ砕いて解説しています。

2026年8月時点の最新情報として、公式ブログ・Hugging Face・ライセンスページを直接確認したうえで執筆しています。未発表・未確認の情報は「確認できていない」と明記しますので、参考にしてください。

Liquid AIとは何の会社か ―― 日本の「株式会社Liquid」との違い

Liquid AI(リキッドAI)は2023年設立、米国マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置くAI企業です。創業メンバーはRamin Hasani氏(CEO)、Mathias Lechner氏(CTO)、Alexander Amini氏(CSO)、Daniela Rus氏の4名で、いずれもMIT CSAIL出身。同社は自らを「効率重視の基盤モデル企業」と位置づけ、「計算量最適化」「あらゆる場所で実行可能」「特化型」「プライバシー重視」という4つの特徴を掲げています。主な製品はLiquid Foundation Models(LFM)シリーズと、モデルの検索・カスタマイズ・デプロイを行うプラットフォーム「LEAP(Liquid Edge AI Platform)」です。Shopify、Mercedes-Benz、McKinseyなどとのパートナーシップも公式に紹介されています(Liquid AI公式サイト参照)。

混同しやすいポイント(重要): 日本語で「Liquid ai株式会社」「Liquid ai japan」と検索すると、まったく別の日本企業「株式会社Liquid(リキッド)」がヒットすることがあります。この会社は東京都中央区に本社を置き、2018年12月設立、代表取締役は長谷川敬起氏。オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」を主力事業とし、累計本人確認件数4,000万件超・導入社数700社超という実績を持つ、生体認証・本人確認分野の企業です(参照: 株式会社Liquid公式サイト「会社概要」)。

両社は業種も国もまったく異なり、資本関係があるという情報も確認できていません。本記事で扱う「Liquid AI」は、あくまで米国のLFM開発元(liquid.ai)を指しています。社名の英語表記が同じなので検索結果が混ざりやすいだけ、と理解しておくと迷わずに済みます。

AIエージェントの基本的な仕組みや企業導入の進め方については、AIエージェント導入完全ガイドで体系的に解説しています。あわせて参考にしてください。

LFMとは何か ―― Transformerとは違うアーキテクチャ

Liquid AIの主力製品「LFM(Liquid Foundation Models)」の最大の特徴は、ChatGPTやClaude、Geminiなど現在主流の大規模言語モデルの大半が採用している「Transformer」アーキテクチャを、そのままの形では使っていない点です。

Transformerは、文章中のすべての単語同士の関係性を計算する「注意機構(Attention)」によって高い精度を実現しますが、その分、計算量とメモリ消費が大きくなりやすいという特性があります。これに対しLFMは、Liquid AIの前身研究である「Liquid Time-constant Networks(LTC、液体時定数ネットワーク)」の考え方をベースにした、動的な仕組みを取り入れたハイブリッド構造を採用しています。公式ブログによれば、LFM2は16個のブロックで構成され、うち10ブロックが「短距離の畳み込み処理」、6ブロックが「限定的な注意機構(グループ化クエリ注意)」を担当します(参照: Liquid AI公式ブログ「Introducing LFM2」)。

ごく簡単に言うと、「全部をフル回転で計算する」のではなく、「必要な部分だけ効率よく処理する」設計にすることで、同じ性能ならより少ない計算資源・より少ないメモリで動かせるようにしている、というのがLFM系モデルの狙いです。この設計思想があるからこそ、数B(数十億)パラメータ級のモデルでもスマートフォンやRaspberry Piのような小型デバイスで動作させることができます。

LFM2.5-2.6Bの新要素 ―― 2026年8月4日公開の最新モデル

2026年8月4日、Liquid AIは最新の主力モデル「LFM2.5-2.6B」を発表しました(参照: Liquid AI公式ブログ「LFM2.5-2.6B: Deploy Agents Everywhere」)。単なるチャットボットではなく、ツールを呼び出し、複数ステップの計画を実行し、Web検索まで行える「フル機能のAIエージェント」を、クラウドを介さずデバイス上で動かすことを目的に設計されています。

項目LFM2.5-2.6B の仕様
パラメータ数約2.69B(総パラメータ)
事前学習トークン数約34兆トークン
コンテキスト長131,072トークン
ボキャブラリー128,000語(非ラテン文字対応強化のため拡張)
対応言語英語・日本語・中国語・韓国語・アラビア語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語・ヒンディー語・ロシア語・ポーランド語の16言語
推論速度(公式値)Apple M5 Maxで220トークン/秒、AMD Ryzen AI Max+ 395(CPU)で113トークン/秒、スマートフォンで約30トークン/秒
必要メモリ約2.5GB以内で動作(公式値)
公開日2026年8月4日
ライセンスLFM Open License v1.0(lfm1.0)

公式ブログのベンチマーク(IFBench、AIME25、LiveCodeBench v6など)では、LFM2.5-2.6Bは自身の4倍規模のモデルと同等以上のツール利用・指示追従性能を発揮すると報告されています。ただしこれはLiquid AI自身が公表した数値であり、第三者機関による独立検証の結果は2026年8月時点で確認できていません。ベンチマークの数字を鵜呑みにせず、自社の用途で実際に試すことをおすすめします。

なお、LFM2.5シリーズはこの2.6Bモデルだけでなく、8B-A1B(MoE構成)、1.2B、1.2B-Thinking(推論特化)、350M、230Mといった複数サイズが同時に展開されており、画像を扱うVLM版(LFM2.5-VL)や音声版(LFM2.5-Audio)、そして日本語に特化した「LFM2.5-1.2B-JP-202606」まで用意されています(参照: Liquid AI公式「Models」ページ)。用途に応じてサイズを選べる設計になっている点は、実務での使いやすさにつながります。

料金 ―― 自社利用は原則無料、超えると商用ライセンス契約

Liquid AIのオープンウェイトモデル(LFM2.5シリーズを含む)は、Hugging Face経由で無料ダウンロードでき、商用利用の可否は「企業の年間売上規模」で線引きされています(参照: Liquid AI公式「Pricing」ページLFM License公式ページ)。

利用者区分費用条件
年間売上1,000万米ドル未満の企業無料商用利用も可能。ダウンロード・実行・ファインチューニングすべて無料
研究機関・非営利団体無料売上規模の上限なし。研究目的なら無制限に利用可能
年間売上1,000万米ドル以上の企業個別見積もり商用ライセンス契約が必須。sales@liquid.aiへの問い合わせが必要

この「年間売上1,000万米ドル」という基準は、日本円にして数十億円規模の企業を指します。多くの中小企業やスタートアップにとっては、無料の範囲内で商用利用できるケースが大半でしょう。ファインチューニングしたモデルを非公開のまま社内利用してよい点(いわゆるコピーレフト要件がない点)もApache 2.0ライセンスをベースにした設計の特徴です。

なお、Liquid AI自身がクラウドAPIとして従量課金のホスティングサービスを提供しているかどうかについては、公式サイトの料金ページに1Mトークンあたりの単価表は掲載されておらず、2026年8月時点で確認できていません。サードパーティの価格比較サイトでは目安の単価情報が出回っていますが、本記事では公式未確認の情報として数値を掲載していません。API経由での利用を検討する場合は、必ず公式サイトで最新の案内を確認してください。

他社モデルとのAPI料金・コンテキスト長の横断比較は、生成AIモデル料金比較コンテキストウィンドウ比較の2本にまとめています。モデル選定の際の参考にしてください。

使い方 ―― Hugging Face・ローカルPC・エッジデバイスでの実行手順

LFM2.5-2.6Bは主に3つの方法で動かせます。ここでは実際に確認できたコマンド・コードのみを掲載します。

方法1: Python(Transformers)でロードする

Hugging Face公式モデルカードに掲載されている標準的な読み込みコードです。まずライブラリをインストールします。

pip install transformers torch accelerate

続けて、以下のPythonコードでモデルを読み込み、テキストを生成します。

from transformers import AutoModelForCausalLM, AutoTokenizer, TextStreamer

model_id = "LiquidAI/LFM2.5-2.6B"
model = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(
    model_id,
    device_map="auto",
    dtype="bfloat16",
)
tokenizer = AutoTokenizer.from_pretrained(model_id)
streamer = TextStreamer(tokenizer, skip_prompt=True, skip_special_tokens=True)

prompt = "生成AI導入を検討している中小企業に向けて、最初に着手すべきことを3つ教えてください"

input_ids = tokenizer.apply_chat_template(
    [{"role": "user", "content": prompt}],
    add_generation_prompt=True,
    return_tensors="pt",
    tokenize=True,
)["input_ids"].to(model.device)

output = model.generate(
    input_ids,
    do_sample=True,
    temperature=0.1,
    top_k=50,
    repetition_penalty=1.1,
    max_new_tokens=512,
    streamer=streamer,
)

方法2: Ollamaでローカル実行する

2026年8月時点で、Liquid AI公式のOllamaライブラリには「lfm2.5-1.2b-instruct」と「lfm2.5-350m」の2モデルが正式掲載されています(参照: Ollama公式LiquidAIページ)。

# 1.2Bのチャット/ツール利用モデルを実行
ollama run LiquidAI/lfm2.5-1.2b-instruct
# 350Mの超軽量モデルを実行(データ抽出・ツール利用向け)
ollama run LiquidAI/lfm2.5-350m

最大の2.6Bモデルは、2026年8月時点でOllama公式ライブラリには単体掲載されていませんが、Hugging Face上に公式GGUF版(LiquidAI/LFM2.5-2.6B-GGUF)が公開されているため、Ollamaの「hf.co経由実行」機能を使えば同様に動かせます。

# Hugging Face上の公式GGUF版を直接指定して実行
ollama run hf.co/LiquidAI/LFM2.5-2.6B-GGUF

方法3: llama.cppでダウンロードする

llama.cppやLM Studioなど他の推論エンジンを使う場合は、Hugging Face CLIでGGUF形式のモデルファイルを直接ダウンロードできます。

# Hugging Face CLIでGGUF版をダウンロード
pip install huggingface_hub
huggingface-cli download LiquidAI/LFM2.5-2.6B-GGUF --local-dir ./lfm2.5-2.6b-gguf

いずれの方法でも、モデル本体はHugging Face上で公開されているオープンウェイトなので、アカウント登録や承認申請なしにすぐダウンロードできます(参照: Hugging Face「LiquidAI/LFM2.5-2.6B」モデルカード)。

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ライセンス・商用利用の注意点

LFM2.5シリーズは「LFM Open License v1.0」のもとで公開されています。Apache 2.0をベースにしつつ、大企業向けに商用利用の閾値を設けた独自ライセンスです。実務上、以下の3点を押さえておくと判断を誤りません。

  • 売上1,000万米ドルが分岐点: これを下回る企業(多くの中小企業が該当)は、商用利用を含めて無料でLFM2.5を使えます
  • ファインチューニング後の非公開化は自由: いわゆる「コピーレフト」条項がないため、自社データでファインチューニングしたモデルを外部に公開する義務はありません
  • アトリビューション(著作権表示)の保持が必要: ライセンス条項に従い、著作権表示を保持したまま利用する必要があります

社内でのAIガバナンス整備やライセンス確認のプロセスについては、法務・情報システム部門と連携したチェック体制を組んでおくことをおすすめします。

ユースケース ―― オンデバイス・エッジAIで何ができるか

LFM2.5のような軽量エージェントモデルが向いている用途は、クラウドAPIを前提にしたChatGPTやClaudeとは少し異なります。

1. 通信環境に依存しない業務端末での活用

工場のライン端末、店舗のPOS周辺、船舶や僻地拠点など、通信が不安定・そもそもインターネット接続が制限されている環境でも、ローカルで完結するAIエージェントなら業務利用できます。実際、AI導入の相談を受ける中で「クラウドに接続できない現場でもAIを使いたい」という要望は年々増えている印象があります。

2. 機密データを外部送信したくない業務での活用

顧客の個人情報や社外秘の技術文書を扱う業務では、そもそも生成AIにデータを送信すること自体がセキュリティポリシー上NGというケースが少なくありません。デバイス内で完結する軽量モデルであれば、データが一切外部に出ないため、この種の懸念を構造的に解消できます。

3. コスト構造をトークン課金から解放したい業務での活用

API課金型のAIは、利用量が増えるほどランニングコストが積み上がります。オンデバイスで動くLFM2.5は、初期のセットアップコストこそかかりますが、動かすたびに追加費用が発生しない(電気代・端末代を除く)ため、大量・定常的にAIを使う業務ではコスト構造が根本的に変わります。研修や導入コンサルの現場でも、「1回あたりのAPIコストをゼロに近づけたい」という相談は増えています。

4. 音声・画像を伴うマルチモーダル用途

LFM2.5シリーズにはVLM(画像対応)版・Audio(音声対応)版もラインアップされているため、店頭での画像認識や、コールセンター音声のオンデバイス処理といった用途にも応用が検討できます。実際にAMDは自社ブログで、Liquid AIのモデルを使ったオンデバイスの会議要約デモを公開しています(参照: AMD公式ブログ)。

動画生成AIの分野でも、クラウド依存を減らす「ローカル実行」の動きは同様に進んでいます。関連する比較は動画生成AIローカル比較記事にまとめています。ローカルで動く大規模言語モデル全般についてはQwen3.5完全ガイドもあわせて参考になります。

LEAPプラットフォーム ―― モデル選定からデプロイまでを一元化

Liquid AIはLFMシリーズのモデル本体だけでなく、「LEAP(Liquid Edge AI Platform)」という開発者向けプラットフォームも公式に提供しています(参照: Liquid AI公式サイト)。LEAPは、用途に応じたモデルの検索・比較、ファインチューニング用のCLIツール、そしてデバイス別にすぐデプロイできる形式へのモデル変換までを一元的に扱える開発者向けの環境として位置づけられています。

個別にHugging Faceからモデルをダウンロードして自前で環境構築する方法に加えて、複数サイズ・複数用途のLFMモデルを比較検討しながら選びたい場合は、LEAP経由での試用も選択肢になります。ただし、LEAPプラットフォーム上のホスティングAPIの従量課金体系については、2026年8月時点で公式サイトに具体的な単価表が掲載されておらず確認できていません。導入を検討する際は、公式サイトで最新の提供条件を直接確認することをおすすめします。

Transformer系の軽量モデルとの位置づけの違い

「軽量な日本語対応LLM」というくくりで比較されることが多い他のオープンウェイトモデル(Qwenシリーズなど)は、いずれも標準的なTransformerアーキテクチャを採用しています。これに対しLFM2.5は、前述のとおり畳み込み処理と限定的な注意機構を組み合わせたハイブリッド構造を採用している点が根本的に異なります。

この違いが実務にもたらす一番のポイントは「同じパラメータ規模でも動作に必要なメモリと消費電力が小さくなる」ことです。裏を返せば、幅広い知識を要する複雑な質問応答や長文の要約精度では、学習データ量や汎用性で勝るTransformer系の大規模モデルに分があるケースも多く、「どちらが優れているか」ではなく「どちらの特性が自社の用途に合うか」で選ぶのが実務的な判断軸になります。ローカルLLM全般の選び方はQwen3.5完全ガイドでも解説しているので、比較検討の参考にしてください。

【要注意】LFM2.5導入でよくある勘違い

勘違い1: 「Liquid AI」を日本のeKYC企業と混同する

❌ 「Liquid AI株式会社」を検索し、日本のeKYCサービス「LIQUID eKYC」の株式会社Liquidと同じ会社だと思い込んでしまう。

⭕ 米国のLiquid AI(MIT発、LFM開発元)と、日本のeKYC企業「株式会社Liquid」はまったく無関係の別会社。社名(英語表記)が同じなだけで、事業内容も国も異なります。

勘違い2: 売上1,000万ドルを超えても無料のまま使い続けられると思う

❌ 一度無料で使い始めたら、会社の売上が伸びても引き続き無料で商用利用できると誤解する。

⭕ LFM Open License v1.0では、年間売上が1,000万米ドルを超えた時点で無料利用の対象外となり、商用ライセンス契約(sales@liquid.aiへの問い合わせ)が必要になります。売上規模が閾値に近づいている企業は、事前に確認しておくべきです。

勘違い3: LFM2.5を汎用チャットボットとしてGPT-5やClaude級の代替に使おうとする

❌ 「軽量で速いから」という理由だけで、幅広い知識を要する汎用チャット用途にLFM2.5を導入し、期待した回答品質が出ずに落胆する。

⭕ LFM2.5はエージェント的なツール呼び出し・オンデバイス処理に最適化されたモデルです。汎用的な知識量や複雑な推論精度では、大規模クラウドモデルに軍配が上がる場面が多いため、「軽量・オフライン・低コスト」が活きる用途に絞って導入判断をするのが現実的です。

勘違い4: 2.6Bモデルも公式Ollamaライブラリにそのまま存在すると思い込む

❌ 「ollama run lfm2.5」のようなシンプルなコマンドで最大サイズの2.6Bモデルまで動くと思い込み、コマンドが見つからずつまずく。

⭕ 2026年8月時点でLiquid AI公式のOllamaライブラリに掲載されているのは1.2B・350Mのみ。2.6Bを動かす場合はHugging Face上の公式GGUF版を「hf.co/LiquidAI/LFM2.5-2.6B-GGUF」の形式で指定する必要があります。

よくある質問

Liquid AIと日本の「株式会社Liquid」は関係がありますか?

関係はありません。Liquid AI(liquid.ai)は米国マサチューセッツ州の2023年設立企業で、LFMシリーズのAIモデルを開発しています。一方、日本の「株式会社Liquid」は2018年設立、東京都中央区の企業で、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」を提供しています。社名の英語表記が同じなだけで、資本関係があるという情報は確認できていません。

LFM2.5は商用利用できますか?

できます。LFM Open License v1.0のもと、年間売上1,000万米ドル未満の企業であれば商用利用も含めて無料です。それを超える企業は個別の商用ライセンス契約が必要になります。

LFM2.5は日本語に対応していますか?

対応しています。LFM2.5-2.6Bを含むシリーズは日本語を含む16言語をサポートしています。さらに日本語に特化した「LFM2.5-1.2B-JP-202606」という専用モデルもHugging Face上で公開されています。

LFM2.5はどこで試せますか?

Hugging Face(LiquidAI公式アカウント)からモデルをダウンロードできるほか、Ollama公式ライブラリでは1.2B・350Mモデルをコマンド一つで実行できます。2.6Bモデルも公式GGUF版をHugging Face経由で利用可能です。

LFM2.5とLFM2の違いは何ですか?

LFM2.5はLFM2アーキテクチャをベースに、追加の事前学習と強化学習を経て性能を引き上げた後継シリーズです。2026年8月時点で、2.6B・8B-A1B・1.2B・1.2B-Thinking・350M・230Mなど複数サイズが展開されており、画像対応(VL)版や音声対応(Audio)版、日本語特化版も用意されています。

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること: Hugging Faceで「LiquidAI/LFM2.5-2.6B」のモデルカードを開き、自社の売上規模がライセンスの無料枠(年間1,000万米ドル未満)に収まるか確認する
  2. 今週中: 開発担当者にOllamaでの実行手順を共有し、実際に手元のPCで1.2Bモデルを動かして応答品質を確認する
  3. 今月中: 自社の「クラウドに送りたくない業務」「通信が不安定な拠点」をリストアップし、オンデバイスAI導入が有効な業務があるか棚卸しする

参考・出典


著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。
SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

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