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OpenAI Academyの14講座|無料の範囲と研修の境界【2026年9月】

OpenAI Academyの14講座|無料の範囲と研修の境界【2026年9月】

2026年9月29日時点の要点:OpenAI Academy は2026年9月21日に学習パスを4つに広げ、合計14講座になりました。すべて無料で、ChatGPT のアカウントがあれば誰でも受講でき、各講座の確認テストで80%以上を取るとバッジが出ます。所要時間は1講座45分から3時間で、社員向けの「Apply AI at Work」3講座は合計で約4時間です。無料で身につくのは「ChatGPT に指示を出し、結果を確かめる型」まで。自社の業務データで手を動かし、社内ルールにつなぐ部分は残ります。この記事では14講座の中身と、社内研修との線引きを整理します。

この記事の要点(2026年9月29日時点)

  • 学習パスは Apply AI at Work(3講座)・Build with AI(8講座)・Lead AI Adoption(1講座)・Teach and Learn with AI(2講座)の4つ。9月21日に後ろ3つが加わった
  • 受講は無料で自己学習型。ChatGPT のアカウントでサインインし、ワークスペースの契約は不要。全世界で利用できる
  • 確認テストで80%以上を取るとバッジ(Accredible 発行)。パス内の全講座を修了すると修了証。どちらも「認定資格ではない」と OpenAI は明記
  • 所要時間は45分〜3時間。社員向け3講座で約4時間、開発者向け8講座で約11時間、リーダー向け1講座で約3時間
  • 講座ページは英語。日本語版の有無は公式に確認できていない

対象読者:社員の AI 教育を設計する人事・情報システム・経営企画の担当者、開発チームの教育を考えるマネージャー。読み終えたらできること:14講座のどれを誰に割り当て、どこから先を社内研修で扱うかを決められます。

「社員教育は OpenAI の無料講座で済むのではないか」。研修を検討する会社から、この質問が増えています。答えは「一部は済む。ただし業務に結びつける部分は残る」です。何が無料で身につき、何が残るのかを、講座の中身から具体的に見ていきます。

この記事は、OpenAI の公式発表(2026年9月21日)、OpenAI Academy の講座一覧と各講座ページ、ヘルプセンターの案内を2026年9月29日に読んで整理したものです。当社の見立ては「当社の整理」と書き分けています。

OpenAI Academyで9月21日に変わったこと

OpenAI は2026年9月21日、OpenAI Academy に開発者・リーダー・教育者・大学生向けの講座を追加すると発表しました。それまであった社員向けの Apply AI at Work(2026年6月12日に3講座で開始)に、Build with AI・Lead AI Adoption・Teach and Learn with AI の3パスが加わり、4パス14講座の構成になっています。

OpenAI Academyの4つの学習パス。Apply AI at Work(社員向け3講座約4時間)、Build with AI(開発者向け8講座約11時間)、Lead AI Adoption(リーダー向け1講座約3時間)、Teach and Learn with AI(教育向け2講座約1.5時間)。9月21日に4パス14講座へ

学習パス対象講座数合計の目安
Apply AI at Work知識労働者(社員全般)3約4時間
Build with AI開発者・技術チーム(OpenAI API・Codex)8約11時間
Lead AI Adoption戦略・導入・変革を担うリーダー1約3時間
Teach and Learn with AI教育者・大学生2約1.5時間

合計の目安は、各講座ページに書かれた所要時間を当社が足したものです。OpenAI は「学習は導入の一部」という考え方を掲げ、講座は「AI を使って AI を学ぶ」設計だと説明しています。受講者は実際の作業を題材に、指示を出し、文脈を足し、結果を確かめる練習をします。

14講座の一覧|所要時間とレベル

各講座ページ(2026年9月29日閲覧)の所要時間とレベルを一覧にします。すべて自己学習型で、講座ページは英語です。

社員向けパスの3講座の流れ。AI Foundations(約70分・入門)→Applied AI Foundations(約80分)→Agents and Workflows(約90分)。合計約4時間

パス講座名所要時間レベル学ぶこと(公式の説明を要約)
Apply AI at WorkAI Foundations約70分入門AI と ChatGPT の基本。明確な指示、文脈の追加、結果の確認、責任ある使い方
Applied AI Foundations約80分中級繰り返しの作業を手順に分け、ChatGPT が役立つ箇所と確認ポイントを組み込む
Agents and Workflows約90分中級エージェントに仕事を任せる。境界を決め、下書きを確認し、ワークフローを改善して共有する
Build with AIScope AI Solutions約45分中級価値のある AI の機会を見つけ、解決策の計画にする
Evaluate AI Applications約70分中級代表的な評価を作り、失敗を診断し、品質の後退を防ぐ
Design and Build Agentic Systems約110分中級役割・道具の制御・安全な引き継ぎを持つエージェントを設計する
Build with Retrieval-Augmented Generation約110分中級検索パイプラインを作り、評価で回答の質を上げる
Optimize AI Application Performance約45分中級品質・遅延・信頼性・処理量・費用のバランスを本番の証拠で取る
Get Started with Codex約80分中級リポジトリの作業を切り出し、変更を検証し、レビューの根拠を示す
Extend Codex Workflows約90分中級Codex の習慣を、再利用できるチームのワークフローにする
Scale Codex Across Teams and Systems約100分上級並行する Codex の作業を調整し、出力を安全に統合する
Lead AI AdoptionAI Leadership約3時間中級1つの AI 施策を経営の優先順位につなぎ、責任と統治を決め、戦略とロードマップの初版を作る
Teach and Learn with AIAI for Educators約45分中級自分の教材で授業計画・課題・連絡文を作り、学習目標に照らして確認する
AI for College Students約45分中級学習計画・グループ課題・下書きの改善・応募や面接の準備

Build with AI の8講座のうち5つは OpenAI API を使う開発向け、3つは Codex 向けです。所要時間には「自己学習の講義と、手を動かす演習」が含まれます。

受講の条件|無料・アカウント・バッジ

OpenAI のヘルプセンターは、講座について次のように案内しています。

受講の条件。費用は無料でワークスペースの契約は不要、必要なものはChatGPTのアカウント、バッジは確認テストで80%以上で認定資格ではない

項目公式の案内
費用無料。ワークスペースの契約は不要
受講に必要なものChatGPT のアカウントでサインインして登録。進み具合が保存される
対象地域ChatGPT のアカウントを持つ人なら全世界で受講できる
バッジ講座を修了し、確認テストで80%以上を取ると発行(Accredible 経由)
修了証対象のパス内の全講座を修了し、全テストに合格すると修了証
認定資格との関係バッジと修了証は認定資格ではなく、将来の認定の受験資格を保証しない

会社として導入する場合、OpenAI は「導入ガイド」を用意しています。経営層の巻き込み、参加の促し方、進み具合の追い方が書かれており、社内の推進担当(Champion)向けの資料という位置づけです。

無料で身につくこと|当社の整理

講座の中身を読んだうえで、当社は「無料で身につくこと」を次の3つと見ています。

  • 指示の出し方と結果の確かめ方の型。AI Foundations と Applied AI Foundations は、指示・文脈・確認・責任ある使い方という、どの会社でも必要な基本を押さえています。
  • エージェントに仕事を任せる時の考え方。Agents and Workflows は、何を任せ、どこに確認点を置くかを扱います。エージェント導入の前提として十分な内容です。
  • 共通の言葉。全社員が同じ講座を受けると、「文脈を足す」「確認点を置く」といった言葉が社内でそろいます。研修を設計する側にとって、これは大きな時間の節約です。

開発者向けの Build with AI も、評価の作り方や RAG の組み方を公式の考え方で学べる点で価値があります。API や Codex を使うチームなら、まずここを通すのが早道です。

無料では残ること|社内研修との線引き

一方で、講座はどの会社にも当てはまる一般的な題材で組まれています。当社の整理では、次の4つが残ります。

無料で身につくこと(指示と確認の型・エージェントに任せる考え方・社内の共通の言葉)と、社内研修で残ること(自社データで手を動かす・社内ルールとの接続・詰まった時の個別対応)

残ること理由埋め方の例
自社の業務データで手を動かす講座の演習は一般的な題材。自社の見積書・議事録・問い合わせ文で試して初めて「使える」になる部門ごとに実データを持ち寄る演習会を社内で開く
社内ルールとの接続どのデータを入れてよいか、承認は誰か、は講座では扱えない情報の取り扱い基準と承認の流れを先に決め、講座の「責任ある使い方」に自社の基準を重ねる
詰まった時の個別対応自己学習型なので、自分の業務で詰まった時に聞く相手がいない社内の推進担当か外部の伴走者が質問を受ける時間を持つ
ChatGPT 以外のツール講座は OpenAI の製品が前提。Copilot や Claude を併用する会社は別に補う自社が契約しているツールごとの使い分けを別途整理する

つまり「基礎の底上げは無料講座、業務への定着は社内の仕組み」という分担になります。当社の法人向け研修も、講座で扱う一般論を繰り返すのではなく、受講者の実データで手を動かす部分と、社内ルールへの接続に時間を使う設計にしています。

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法人での使い方3パターン

OpenAI 自身が発表で示している組み合わせを、当社の整理で3パターンにします。

法人での使い方3パターン。全社の底上げはApply AI at Work 3講座を全社研修に、推進担当と管理職はAI Leadershipを経営層と推進担当に、開発チームはBuild with AI 8講座をAPIとCodexのチームに

パターン割り当てる講座向いている会社
全社の底上げApply AI at Work の3講座を入社時研修や全社研修に組み込むChatGPT を全社で使い始めた会社。まず共通の言葉をそろえたい
推進担当と管理職AI Leadership を経営層・推進担当・変革プログラムの参加者にAI 施策の責任者を決め、戦略の初版を作りたい会社
開発チームBuild with AI の8講座を、API 開発と Codex 利用のチームに社内で AI 機能や自動化を作っている会社

どのパターンでも、OpenAI が勧めているとおり「自分の実際の作業を講座に持ち込む」ことが効きます。管理職が受講者に実務の題材を持たせ、学んだことを進行中の仕事に結びつける役割を担うと、無料講座でも定着率が変わります。

導入ガイドが勧める進め方

OpenAI の発表は、会社で講座を広げる時の手順として「OpenAI Academy Deployment Guide」を案内しています。ガイドの中身は推進担当向けのコミュニティ内で公開されており、発表文には次の4点が挙がっています。

  • 講座の紹介の仕方。誰に、どのパスを、どの順で案内するかを先に決める
  • 経営層と管理職の巻き込み。受講を「勧める側」に経営層と管理職を置く
  • 参加の広げ方。受講者が実務の題材を持ち込み、役に立った例を共有する場を作る
  • 進み具合の追い方。誰がどこまで進んだかを、バッジなどの見える形で追う

当社の整理では、この4点のうち「実務の題材を持ち込む」が定着を左右します。講座を配って終わりにせず、部門ごとに「自分の仕事のどこで使ったか」を持ち寄る回を1度入れるだけで、受講が業務の変化につながります。なお、2026年6月に Apply AI at Work が始まった時点で、OpenAI は BCG や Accenture などの企業と組んで講座を組織へ広げると説明していました。

認定資格との違い

OpenAI は別に OpenAI Certifications(認定資格)の講座を始めていますが、Academy のバッジと修了証は「認定資格ではなく、将来の認定の受験資格を保証しない」とヘルプセンターに明記されています。社内の評価制度にバッジを使う場合は、この違いを前提にしてください。

よくある質問

日本語で受けられますか?

講座ページとヘルプセンターは英語で提供されています。日本語版の有無は、2026年9月29日時点で公式に確認できていません。ChatGPT に講座の説明を貼って日本語で確認しながら進める方法は現実的です。

ChatGPT の有料契約が無くても受けられますか?

受けられます。ヘルプセンターは「無料で、ワークスペースの契約は不要」と案内しています。必要なのは ChatGPT のアカウントだけです。

社員の受講状況を会社側で把握できますか?

OpenAI の導入ガイドは「進み具合を追う」ことに触れていますが、管理画面の具体的な機能は当社は確認していません。まずは受講者にバッジの提出を求める運用が確実です。

研修会社に頼む意味はまだありますか?

基礎の一般論だけを教える研修なら、無料講座で代替できます。残るのは、自社データでの演習、社内ルールとの接続、詰まった時の個別対応です。研修を頼むなら、その3つに時間を使う設計かを確かめてください。

まとめ

OpenAI Academy は、4パス14講座を無料で使える基礎教材になりました。全社員には Apply AI at Work の3講座(約4時間)、開発者には Build with AI、推進担当には AI Leadership を割り当てるのが公式の勧めに沿った使い方です。残るのは自社データでの演習と社内ルールへの接続で、ここは社内の仕組みか伴走者で埋めます。当社では、無料講座を前提にした社内研修の設計も含めて法人向けの AI 研修を行っています。自社の分担を一緒に決めたい場合は お問い合わせ からご相談ください。研修の全体像は 法人向け生成AI研修 にまとめています。

関連する既刊: ChatGPT研修の費用と助成金/人事部門の生成AI活用ガイド/ChatGPT WorkのData agent発表

参考・出典

この記事の内容を社内展開する方へ: ChatGPT/GPT系 法人利用スタートキット(無料・PDF 30ページ+Excel/Word) をダウンロードできます。

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佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

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