コンテンツへスキップ

media AI活用の最前線

情報セキュリティ10大脅威2026|AIリスク初選出と企業の対策

情報セキュリティ10大脅威2026|AIリスク初選出と企業の対策

結論: IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が2026年1月29日に公表した「情報セキュリティ10大脅威2026」組織編で、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が第3位に初めてランクインしました(2026年8月時点で最新版・最終更新2026年5月21日)。ランサム攻撃・サプライチェーン攻撃という常連の直下という順位は、生成AIの業務利用が「便利な道具」から「経営として向き合うべきリスク」へ格上げされたことを意味します。

この記事の要点:

  • AIリスクは「①情報漏えい」「②誤情報・権利侵害」「③攻撃の高度化」の3つに分解して理解すると対策しやすい
  • 海外では2024年に香港企業がディープフェイクで約38億円を詐取された事例があり、国内でも2025年末からAI悪用が疑われるCEOなりすまし詐欺が急増している
  • 対策は「利用状況の把握→ルール整備→技術的対策→継続的運用」の4段階で、専任のセキュリティ部門がなくても着手できる

対象読者: 生成AIを業務で使い始めた、または導入を検討している中小企業の経営者・情シス担当者・管理部門責任者

読了後にできること: 自社のAI利用状況を洗い出す社内アンケートのたたき台を、この記事のプロンプトでそのまま作成できます。

「うちも生成AIを使い始めたんですが、セキュリティ的に何をチェックすればいいんでしょうか」

企業向けのAI研修や導入支援の場で、この数ヶ月で急に増えた質問です。以前は「使い方」や「プロンプトのコツ」を聞かれることが大半でしたが、最近は経営層や情シス担当者から、リスク管理の観点での質問が目立つようになりました。

きっかけの一つが、IPAが2026年1月に発表した「情報セキュリティ10大脅威2026」です。毎年恒例のこのランキングで、今年初めて「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が組織編の第3位にランクインしました。ランサムウェア、サプライチェーン攻撃という”常連”のすぐ下です。裏を返せば、AIのリスクはもう「そのうち考えればいい話」ではなく「今年、経営として向き合うべき話」に格上げされたということです。

この記事では、IPAの一次情報と実際に起きた被害事例をもとに「AIの利用をめぐるサイバーリスク」の中身を分解し、中小企業でもすぐに着手できる対策を、コピペで使えるプロンプトつきで解説します。専門のセキュリティ部門がなくても、今日から始められる内容です。

情報セキュリティ10大脅威2026とは?AIが初めて3位にランクイン

「情報セキュリティ10大脅威」は、IPAが毎年1月に発表している、その年に企業・組織が特に注意すべきセキュリティ脅威のランキングです。前年に社会的影響が大きかったセキュリティ事故・攻撃をもとに脅威候補を選び、セキュリティ研究者や企業の実務担当者など約250名で構成される「10大脅威選考会」が審議・投票して順位を決めます。2026年版は2026年1月29日に決定・公表され、解説書は同年3月に、内容は5月21日に最終更新されています。

組織編の順位は以下の通りです。

順位脅威備考
1位ランサム攻撃による被害近年上位が続く常連
2位サプライチェーンや委託先を狙った攻撃近年上位が続く常連
3位AIの利用をめぐるサイバーリスク2026年、初選出
4位システムの脆弱性を悪用した攻撃 
5位機密情報等を狙った標的型攻撃 
6位地政学的リスクに起因するサイバー攻撃 
7位内部不正による情報漏えい等 
8位リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃 
9位DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃) 
10位ビジネスメール詐欺 

特に注目すべきは3位です。IPAは「AIの利用をめぐるサイバーリスク」について、AIに関する懸念が「将来的な可能性」から「現実の脅威」へ転換したことを選出理由に挙げています。生成AIの利便性そのものではなく、誤った使い方や悪用によって実際の被害が現実化し始めたことが、初選出の背景にあります。

生成AI導入について、AI導入戦略の全体像はこちらの記事で整理していますが、この記事では「導入した後のリスク管理」に絞って掘り下げます。

「AIの利用をめぐるサイバーリスク」の中身 — 3つに分解して理解する

研修や導入支援の現場でこの脅威について説明するとき、私は必ず3つに分解して話すようにしています。ひとまとめに「AIは危険」と言われても対策のしようがないからです。IPAおよび各種セキュリティ専門機関の解説を整理すると、リスクは大きく次の3つに分類できます。

① 情報漏えい — ブラウザ版の生成AIに機密情報を入力してしまう

設計資料や顧客情報を、社員がブラウザベースの生成AIにそのまま入力してしまうケースです。従来のIT資産管理では可視化しづらく、情報システム部門の管理が及ばないところで利用が広がっているのが問題視されています。研修の質疑応答でも「営業部門が商談メモをそのままChatGPTに貼り付けて要約させている」といった相談は、部門や業種を問わずよく出てきます。

② 誤情報・権利侵害 — ハルシネーションを検証せず使ってしまう

生成AIが事実と異なる内容(いわゆるハルシネーション)を出力しているのに気づかず、そのまま資料や顧客対応に使ってしまうリスクです。AIの生成物が著作権や第三者の権利を侵害していることに気づかず利用してしまうケースも想定されます。「AIが言っていたから正しいはず」という思い込みが、この種のリスクの根っこにあります。

③ 攻撃の高度化 — AIが「攻撃する側」にも使われている

攻撃者側が生成AIを悪用し、自然な日本語のフィッシングメールを大量に作成したり、ビジネスメール詐欺(BEC)の文面を自動生成したりするケースです。ディープフェイク技術で役員になりすまし、巨額の送金を指示する詐欺も含まれます。従来は「怪しい日本語」で見抜けた攻撃メールが、AIによって自然な文章になり、見抜きにくくなっています。

実際に何が起きているのか — 海外と国内の2つの事例

事例区分: 公開事例
以下はいずれも報道・公的機関の発表など公開情報にもとづく事例です。

海外事例:香港企業がディープフェイク会議で約38億円を送金

2024年2月、香港の多国籍企業で、経理担当者がディープフェイク技術で作られた偽のCFO(最高財務責任者)にビデオ会議上で騙され、約2億香港ドル(日本円で約38億円)を詐欺グループの口座に送金する事件が発生しました。攻撃者はまずフィッシングメールで接触し、その後のビデオ通話でディープフェイクによって複数の参加者になりすますという、前例のない手口が使われました。香港警察はこの事件に関わったとして6人を逮捕しています。この事件は、AI技術を悪用した新型詐欺の危険性を世界に示す事例として、以後多くのセキュリティレポートで引用されています。

国内動向:「社長を騙るLINE誘導型」CEO詐欺が急増

トレンドマイクロの分析(2026年2月6日発表、6月23日更新)によると、2025年12月頃から、社長になりすましたメールで従業員をLINEグループに誘導し、そのLINE上で送金を指示する詐欺が国内で急増しています。標的となった法人ドメインは6,000を超え、東京都内だけで43社が攻撃を確認、14社で実被害が発生し、被害総額は6億7,000万円にのぼります。検出件数は2025年12月15日ごろから1日1,000件超に急増し、2026年1月5日には1日1万件を超えるピークを記録しました。攻撃メールの一部からは、テンプレート変数の展開に失敗した痕跡(「代表者未找到」のような処理エラー文字列)が確認されており、大量のメール文面を自動生成する仕組みが使われていたことがうかがえます。

2つの事例に共通するのは、「AIやツールが直接お金を盗む」のではなく、「AIが”人を騙す精度”を引き上げている」という点です。だからこそ対策の中心は、技術的な防御だけでなく、社員一人ひとりが「AIによって、なりすましの精度が上がっている」と認識することにあります。

今日から使える「AIリスク自己点検」プロンプト5選

ここからは、実際に自社のAIガバナンスを点検・整備するときにそのまま使えるプロンプトを5つ紹介します。いずれもChatGPTやClaudeなどの汎用AIチャットにそのまま貼り付けて使えます。

プロンプト1:社内のAI利用状況を洗い出す棚卸しアンケート

あなたは中小企業の情報システム担当者です。
社内で生成AIツール(ChatGPT、Claude、Geminiなど)がどのように使われているかを把握するための、
従業員向けアンケートを作成してください。

条件:
- 質問数は8問以内
- 「どのツールを」「どんな業務で」「どんな情報を入力しているか」を把握できる設問にする
- 回答者が委縮せず正直に答えられる、責める口調にならないトーンにする
- 選択式と自由記述を組み合わせる

不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。

プロンプト2:生成AI利用ガイドライン(社内規程)のたたき台

あなたは中小企業向けのAIガバナンス設計を支援するコンサルタントです。
従業員数[人数]名、業種は[業種]の当社向けに、生成AI利用ガイドラインのたたき台を作成してください。

含めるべき項目:
1. 利用してよいAIツールと禁止事項
2. 入力してはいけない情報の具体例(顧客情報、未公開の契約条件など)
3. AIの出力を業務で使う前に必ず行う確認事項
4. 違反時の相談窓口・報告フロー

条文調ではなく、社員が読んで理解できる平易な言葉で書いてください。
仮定した点は必ず"仮定"と明記してください。

プロンプト3:AI生成が疑われるフィッシングメールの判定チェックリスト

あなたは企業のセキュリティ教育担当者です。
「AIで自然な日本語に生成された可能性がある、なりすましメール・フィッシングメール」を
従業員が見分けるためのチェックリストを作成してください。

含めてほしい観点:
- 送信者・返信先アドレスの確認方法
- 「至急」「今すぐ」など心理的圧力をかける表現への注意
- LINEやSNSなど、通常と異なる連絡手段への誘導に対する警戒
- 少額でも一度電話や対面で確認する運用ルール

10項目以内、社内掲示にそのまま使える体裁でまとめてください。

プロンプト4:従業員向けAIリスク研修用の理解度クイズ

あなたは企業研修の教材作成者です。
「情報セキュリティ10大脅威2026」で初めてランクインした「AIの利用をめぐるサイバーリスク」について、
非IT部門の従業員向けの理解度確認クイズを5問作成してください。

条件:
- 選択式(4択)
- 専門用語には簡単な補足をつける
- 「情報漏えい」「誤情報・権利侵害」「攻撃の高度化」の3分類がバランスよく含まれるようにする
- 各問題に、なぜその選択肢が正解なのかの解説を1〜2文添える

数字と固有名詞は、根拠(出典/計算式)を添えてください。

プロンプト5:AI関連インシデント発生時の初動対応メモ

あなたは企業のインシデント対応責任者です。
「従業員が生成AIに機密情報を誤って入力してしまった」ケースを想定し、
発生直後にとるべき初動対応の手順メモを作成してください。

含めてほしい項目:
1. 最初の30分でやるべきこと(事実確認・影響範囲の特定)
2. 関係者への報告順序(上長、情シス、必要に応じて顧客)
3. 該当AIサービスの利用規約・データ削除申請の確認手順
4. 再発防止のために記録しておくべき情報

社内の誰が読んでも迷わないよう、箇条書き中心で作成してください。
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。

【要注意】AIガバナンスでよくある失敗パターン4つ

失敗1:「使用禁止」で済ませてしまう

❌ セキュリティリスクを理由に、生成AIの業務利用を全面禁止にする

⭕ 「使ってよい範囲」と「入力してはいけない情報」を明確にした上で、利用を許可する

なぜ重要か:全面禁止にしても、従業員は個人のスマートフォンなどでこっそり使い続けるケースが多く、むしろ管理外の”シャドーAI利用”が増えて情報漏えいリスクが高まります。研修の現場でも、禁止した企業ほど個人端末での利用実態を把握できていないという声をよく聞きます。

失敗2:ガイドラインを作って終わりにする

❌ 生成AI利用ガイドラインを策定し、社内ポータルに掲示して終了

⭕ ガイドラインを研修や実際の利用シーンとセットで浸透させ、定期的に見直す

なぜ重要か:AIサービスの機能や利用規約は数ヶ月単位で変わります。「作った時点では正しかったルール」が半年後には形骸化していることが珍しくありません。

失敗3:AIの出力を無条件に信用してしまう

❌「AIが作った資料だから正確なはず」と最終チェックを省略する

⭕ 数字・固有名詞・法令に関わる内容は、必ず人間が一次情報にあたって確認する

なぜ重要か:ハルシネーションはAIの精度が上がっても完全にはなくなりません。「AIに丸投げ」ではなく「AIと協業」という前提を、研修の最初に伝えることが定着の鍵になります。

失敗4:「怪しいメール」の基準が古いままになっている

❌ 誤字脱字や不自然な日本語を基準に、なりすましメールを見分けようとする

⭕ 文章の自然さではなく、「連絡手段の変化」「支払いの緊急性」「本人確認の有無」を基準にする

なぜ重要か:AIによって攻撃メールの日本語が自然になっている今、文面の違和感だけに頼る従業員教育はすでに時代遅れになりつつあります。

AI活用、何から始めればいい?

100社以上の研修実績をもとに、30分の無料相談で貴社の課題を整理します。

無料相談はこちら

中小企業が明日からできる4ステップ対策

専任のセキュリティ担当者がいない中小企業でも、次の4ステップで段階的に対策を進められます。IPAおよび複数のセキュリティ専門機関が共通して推奨している考え方を、実務の順番に並べ直したものです。

ステップやること目安の期間
1. 利用状況の把握プロンプト1のアンケートで、どのAIを誰がどう使っているか可視化する1〜2週間
2. ルール整備プロンプト2でガイドラインのたたき台を作り、経営層・法務と最終調整する2〜4週間
3. 技術的対策共有リンクの公開設定、学習データとしての利用設定など、AIサービス側の設定を点検する継続的
4. 継続的運用プロンプト4のクイズなどで定期的に従業員教育を行い、ガイドラインを見直す四半期ごと

ポイントは、いきなり4を目指さないことです。まず1の「現状把握」がないまま2の「ルール整備」をしても、実態と乖離したルールになりがちです。研修先でも、この順番を踏んだ企業の方が、ルールへの現場の納得感が高い傾向を感じます。

生成AIサービスを選ぶときに確認すべき5つの設定

「ルール整備」の前段として、そもそも会社として契約する生成AIサービス自体の設定を確認しておくことも重要です。個人契約のまま業務利用が広がっているケースでは、特に見落とされがちです。

確認項目見るべきポイント
1. 学習データからのオプトアウト入力した内容がAIモデルの学習に使われない設定になっているか(法人プランでは既定でオフのことが多いが要確認)
2. データの保存期間・削除申請入力データがどれくらいの期間保存されるか、削除を申請する窓口があるか
3. 管理者による利用ログの確認誰が・いつ・何を使ったかを管理者が確認できる監査ログ機能があるか
4. SSO・権限管理への対応退職者アカウントの即時無効化や、部署ごとのアクセス権限設定に対応しているか
5. データの保存先(リージョン)業種によっては、データの保存先国・地域が契約や規制上の要件に影響することがある

個人向け無料プランのまま業務利用を続けている企業ほど、この5項目を未確認のまま使っているケースが多い印象です。契約プランを法人向けに切り替えるだけで、①②③はかなり改善することも少なくありません。

研修に落とし込むときのポイント

ここまでの内容を、実際に社内研修として展開するときのコツにも触れておきます。ガイドラインを文書として配布するだけでは、正直なところ、あまり読まれません。研修の現場で手応えを感じるのは、座学だけで終わらせず、その場でプロンプト1のようなアンケートに実際に答えてもらう、あるいはプロンプト3のチェックリストを使って過去に受け取った実際のメール(訓練用のサンプルでも可)を一緒に判定してみる、という「体験を伴う」構成にしたときです。

特にAIリスクは「自分には関係ない」と思われやすいテーマです。経営層向け、情シス向け、一般社員向けで伝えるべき粒度が異なるため、対象者を分けて設計することも、定着率を左右する重要なポイントになります。

他の脅威とAIリスクの関係 — 1位・2位・10位ともつながっている

「AIの利用をめぐるサイバーリスク」は独立した脅威に見えますが、実は他の上位脅威とも関係しています。

  • 1位 ランサム攻撃:攻撃者がAIを使ってマルウェアの作成やコードの改変を効率化しているとの指摘があり、攻撃の量産化を後押ししています。
  • 2位 サプライチェーン攻撃:AIによって取引先の関係者になりすます詐欺メールの説得力が増し、サプライチェーン経由の侵入リスクが高まっています。
  • 10位 ビジネスメール詐欺:前述の国内CEO詐欺のように、AI(または自動化ツール)による大量生成が疑われる文面が実際に確認されています。

つまりAIリスク対策は、単体の対策項目というより、他の主要な脅威への”下支え”にもなる取り組みです。ここが、経営レベルで優先度を上げて考える価値がある理由でもあります。

AIガバナンス用語ミニ辞典

研修の場でも頻出する関連用語を、この記事の文脈にあわせて簡潔にまとめておきます。

用語意味
シャドーAI利用会社が把握・許可していない状態で、従業員が個人契約の生成AIを業務に使ってしまうこと
ハルシネーション生成AIが、事実に基づかない内容をもっともらしく生成してしまう現象
ディープフェイクAIで実在の人物の顔・声を合成し、本人が話していないことをあたかも話しているように見せる技術
ビジネスメール詐欺(BEC)取引先や経営者になりすましたメールで、送金や情報提供を指示する詐欺手口
オプトアウト(学習データ)自分が入力したデータを、AIモデルの追加学習に使わないよう設定・申請すること

よくある質問

Q. 情報セキュリティ10大脅威2026はいつ発表されましたか?

A. IPAが2026年1月29日に順位を決定・公表しました。組織編の解説書は2026年3月に公開され、内容は同年5月21日に最終更新されています。

Q. 情報セキュリティ10大脅威2026とは何ですか?

A. IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が毎年発表している、その年に企業・組織や個人が特に注意すべきセキュリティ脅威のランキングです。セキュリティ研究者や企業の実務担当者など約250名で構成される「10大脅威選考会」が、前年に社会的影響の大きかった事象をもとに審議・投票して順位を決めます。

Q. なぜAIリスクが2026年に初めてランクインしたのですか?

A. IPAは、AIに関する懸念が「将来的な可能性」から「現実の脅威」に転換したことを理由として挙げています。生成AIの利便性そのものではなく、誤った使い方や悪用によって実際の被害が現実化し始めたことが背景にあります。

Q. 専任のセキュリティ担当者がいない中小企業でも対策は必要ですか?

A. 必要です。記事内で紹介した4ステップ(利用状況の把握→ルール整備→技術的対策→継続的運用)は、いずれも高価なセキュリティ製品を前提にしていません。まずは自社のAI利用状況を把握するアンケートから始めるだけでも、リスクの所在が大きく見えやすくなります。

Q. 個人編と組織編で、AIリスクの扱いに違いはありますか?

A. この記事で扱っているのは組織編(企業・団体向け)のランキングです。IPAは個人編も別途公表していますが、企業の経営者・情シス担当者にとって優先度が高いのは組織編の内容のため、本記事では組織編に絞って解説しています。

Q. AIリスク対策は外部のAI研修に頼るべきですか、社内で内製すべきですか?

A. どちらか一方である必要はありません。ガイドラインのたたき台や理解度クイズはプロンプト2・4のように社内でも十分作成できます。一方で、研修を体系立てて設計し、経営層と現場の温度差を埋める進行役が必要な場合は、外部の研修サービスを併用する企業も多いです。自社の状況に応じて使い分けるのが現実的です。

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること:プロンプト1を使って、社内のAI利用状況を可視化するアンケートを作成する
  2. 今週中:アンケート結果をもとに、プロンプト2でガイドラインのたたき台を作り、管理部門・経営層に共有する
  3. 今月中:プロンプト4のクイズを使って、全社向けの簡単なAIリスク研修を実施する

あわせて読みたい:


次回予告:次の記事では、生成AI利用ガイドラインを実際に社内へ浸透させるための「研修設計」をテーマに、具体的な進め方をお届けします。


著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。SoftBank IT連載7回執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

ご質問・ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

参考・出典

この記事の内容を社内展開する方へ: 生成AI社内利用ガイドライン 規程テンプレート(無料・PDF 14ページ) をダウンロードできます。

無料・初回相談

AIガバナンス・セキュリティ設計、Uravationが伴走支援

AI事業者ガイドライン準拠の社内体制構築、AI委員会設計、セキュリティ統制まで企業導入の壁を一緒に越えます。

  • 100社以上・研修4,200名以上の実績
  • 初回30分無料・即日返信

お問い合わせフォームから24時間以内にUravation担当者がご返信します。

佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

この記事をシェア

Claude Codeを本格的に使いこなしたい方へ

業務に合わせたマンツーマン指導で、Claude Codeを実務に組み込める状態まで伴走します。
現役エンジニアが貴方の業務に合わせてカリキュラムをカスタマイズ。

✓ 1対1のマンツーマン ✓ 業務に合わせた設計 ✓ 実務ベースの指導
Claude Code 個別指導の詳細を見る まずは無料相談

Contact お問い合わせ

生成AI研修や開発のご依頼、お見積りなど、
お気軽にご相談ください。

Claude Code 個別指導(1対1・12セッション)をご希望の方はこちらから別途お申し込みください

Claude Code 個別指導 無料相談