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Claude Opus 5.5とは|料金・性能・Opus 5との違い【2026年9月】

Claude Opus 5.5とは|料金・性能・Opus 5との違い【2026年9月】

この記事の要点(2026年9月23日時点)

  • Claude Opus 5.5は、Anthropicが2026年9月22日に公開したClaude 5.5世代の最初のモデルです。公式は「多くの仕事でClaude Fable 5.1と同等の性能を、Opus 5より40%低い運用コストで」と説明しています。
  • API単価は入力100万トークンあたり4ドル・出力20ドル。Opus 5(5ドル・25ドル)より20%安く、キャッシュ読み取りは0.20ドルで60%減。出力速度はOpus 5より30%以上速いとされています。
  • 提供先はClaude API・Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry、そしてGitHub Copilot。Claudeアプリでは有料プランで使えます。モデルIDはclaude-opus-5-5
  • 法人が先に確認すべき変更が4つあります。thinkingをオフにできない(effortで制御)、強制ツール呼び出しが400エラー、2026年8月31日以降に作ったAPIアカウントは会話の途中編集が制限、文章出力に透かしが入る、の4点です。
  • この記事を読むべき人:Opus 5やFable 5.1をAPI・Claude Code・Copilotで使っていて、切り替えるかどうか、いくら変わるのかを社内で説明しなければならない情報システム担当者・経営者。
  • 今日できること:直近1か月のAPI利用量(入力・出力・キャッシュ読み取りのトークン数)を出し、この記事の料金表に当てはめて差額を計算する。

Claude Opus 5.5は、2026年9月22日にAnthropicが公開したClaude 5.5世代の最初のモデルで、API単価は入力100万トークンあたり4ドル・出力20ドルです。Opus 5の5ドル・25ドルから20%下がり、公式の試算では「既定設定の典型的な作業でOpus 5より40%安く済む」とされています。単価だけでなく、同じ仕事を少ないトークン数で終えることが40%の内訳です。

法人の相談で必ず出てくるのは「性能が上がった」より「切り替えると何が変わるのか」です。Opus 5.5は単なる値下げ版ではなく、APIの挙動が4か所で変わっています。thinkingをオフにする設定は受け付けなくなり、強制的にツールを呼ばせるtool_choiceは400エラーになります。会話の途中でシステムプロンプトを書き換える運用は、新しいアカウントでは止まります。文章の出力には透かしが入ります。どれも動かしてみて初めて気づく類の変更なので、先に知っておく価値があります。

一方で、同日にGitHub Copilotでも使えるようになり、AWS・Google Cloud・Microsoft Foundryの3社のクラウドにも同時に載りました。「どこで使えるか」で迷う時期は短く、判断の中心は「どの仕事をOpus 5.5に寄せ、どの仕事をFable 5.1やSonnet 5に残すか」に移っています。

この記事では、Anthropicの発表ページ・Claude Platformのリリースノート・モデル別ドキュメント・料金ページ・GitHubのchangelogを2026年9月23日に自分で開いて確認した数字だけを使い、定義、提供状況、料金、性能、使い分け、法人が確認すべき仕様変更、切り替え手順の順にまとめます。Uravationで実際に測った数字は含めていません。速度や品質の記述はすべて公式の説明です。

Claude Opus 5.5とは|Claude 5.5世代の最初のモデル

Claude Opus 5.5は、Anthropicが2026年9月22日に公開した大規模言語モデルで、Claude 5.5ファミリーの第1弾です。公式の位置づけは「長時間のエージェント型コーディングと知的業務のためのモデル」。同社のモデル一覧では、Fable 5.1が「最も難しい推論と長期のエージェント作業」、Sonnet 5が「速度と知能のバランス」で、Opus 5.5はその中間に置かれ、「どれを使うか迷ったらまずOpus 5.5から」と書かれています。

Opus 5(入力$5・出力$25、キャッシュ読み$0.50、effort既定はhigh)からOpus 5.5(安く:入力$4・出力$20、速く:出力30%以上高速、長く:長時間の自律作業に強い)への変化を左右で対比した図

Opus 5との関係は「同じOpusの名前を持つ上位互換」です。公式によれば、Opus 5.5はOpus 5より提供に必要な計算量が少なく、その分を価格に反映しました。性能面では、Anthropicの社内ベンチマークでエージェント型コーディング・コンピュータ操作・知的業務の3領域で首位とされ、公式の表ではFable 5.1の数値も上回っています。ただし公式自身が「この水準ではベンチマークの差が実務の差を示す指標として弱くなっており、社内で使う限りOpus 5.5とFable 5.1の差は表より小さい」と注記しています。

仕様はOpus 5と同じ1Mトークン(100万トークン)のコンテキストウィンドウが既定で、最大出力は128,000トークン。信頼できる知識の基準日は2026年6月です。adaptive thinking(状況に応じて考える深さを変える推論)は常時オンで、深さはeffortパラメータで指定します。Opus 5の使い方や1Mコンテキストの活かし方は、既刊のClaude Opus 5の使い方|effort設定と1M活用で整理していますが、Opus 5.5では既定のeffortがhighからmediumに変わる点が最初の違いです。

なお、Claude Sonnet 5.5とClaude Haiku 5.5は「今後数週間のうちに」続くと公式に書かれています。日付は2026年9月23日時点で公式発表がありません。

提供状況|Claudeアプリ・API・クラウド3社・GitHub Copilot

2026年9月23日時点の提供先と、それぞれで指定するモデルIDは次のとおりです。すべて公式ドキュメントとGitHubのchangelogの記載です。

Claude Opus 5.5の提供先としてClaude API(fast modeはここだけ)・AWS(Bedrock)・Google Cloud・Microsoft Foundry・GitHub Copilot(Pro+・Max・Business・Enterprise)の5つを中心から放射状に示した図

提供先状況モデルID・条件
Claude API(Claude Platform)全顧客に提供claude-opus-5-5。fast mode(研究プレビュー)はここだけ
Amazon Bedrock提供中anthropic.claude-opus-5-5。旧コンピュータ操作ツールcomputer_20251124も引き続き動く
Claude Platform on AWS提供中claude-opus-5-5
Claude on Google Cloud提供中claude-opus-5-5。コンピュータ操作はcomputer_toolset_20260801のみ
Claude in Microsoft Foundry提供中claude-opus-5-5
GitHub Copilot2026年9月22日から段階的に展開Copilot Pro+・Max・Business・Enterpriseで、VS Code・Visual Studio・Copilot CLI・coding agent・JetBrains・Xcode・Eclipse等のモデル選択から。従量課金ではプロバイダ定価で請求
Claudeアプリ(Web・デスクトップ・モバイル)有料プランで利用可公式料金ページの対応表ではFreeプランはOpus系が利用不可。Pro・Max・Team・Enterpriseは利用可

Claudeアプリ側では、Opus 5.5の公開に合わせてPro・Max・Team・シート課金のEnterpriseプランの「5時間あたりの利用上限」が引き上げられました。あわせて、サブスクリプション利用者には利用制限のリセットが1回分与えられ、好きなタイミングで使えるようになっています。どちらもAnthropicの発表ページの記載で、具体的な上限値は公開されていません。

GitHub Copilotでは、BusinessとEnterpriseの管理者がCopilot設定の「モデルポリシー」でOpus 5.5の利用可否を管理します。既定では新しいモデルは自動的に有効になるため、社内で使わせたくない場合は管理者が明示的に無効化する必要があります。ここは情報システム部門が公開当日に確認しておく項目です。

料金|Opus 5との比較・fast mode・キャッシュ・日本円目安

料金はすべて米ドル建てで、100万トークンあたりの単価です。以下はClaude Platformの料金ページ(2026年9月23日参照)の値をそのまま並べたものです。

通常モード(入力$4/100万トークン・出力$20・キャッシュ読み$0.20・バッチ処理は半額)とfast mode(入力$8・出力$40・出力速度は最大2.5倍・Claude API限定の研究プレビュー)を2枚のパネルで並べた料金の図

項目(100万トークンあたり)Claude Opus 5.5Claude Opus 5
入力4ドル5ドル20%減
出力20ドル25ドル20%減
キャッシュ読み取り0.20ドル0.50ドル60%減
キャッシュ書き込み(5分)5ドル6.25ドル20%減
キャッシュ書き込み(1時間)8ドル10ドル20%減
バッチ処理(入力/出力)2ドル/10ドル2.50ドル/12.50ドルいずれも通常の半額

公式が強調しているのはキャッシュ読み取りの60%減です。エージェント型の処理やコーディングでは、同じシステムプロンプトやツール定義を毎回読み込むため、費用の大半がキャッシュ読み取りになります。そこが0.50ドルから0.20ドルに下がることが、「典型的な作業で40%減」という公式試算の主因です。1Mトークンのコンテキストは全域が標準単価で、20万トークンを超えても割増はありません。米国内推論を指定する場合は1.1倍の乗数がかかります。

fast mode(高速モード)の料金

fast modeは同じモデルを高速な推論構成で動かす仕組みで、出力トークンの毎秒生成数が最大2.5倍になります。知能や挙動は変わらず、速くなるのは「出力の速さ」であって「最初のトークンが返るまでの時間」ではありません。研究プレビューのためアカウントマネージャー経由か待機リストでの申し込みが必要で、提供はClaude APIのみ。Amazon Bedrock・Claude Platform on AWS・Google Cloud・Microsoft Foundryでは使えません。Claude Codeでも利用できると発表ページに書かれています。

モード入力(100万トークン)出力(100万トークン)備考
通常4ドル20ドル既定
fast mode8ドル40ドル通常の2倍。バッチ処理・Priority Tierとは併用不可。速度を切り替えるとキャッシュは無効になる

日本円の目安(2026年9月時点の概算)

公式に日本円の価格表はありません。以下は1ドル=157円で計算した概算で、為替(2026年9月22日時点の参考レート)と税で変わります。社内の稟議に使う場合は「概算」と明記してください。

項目(100万トークンあたり)Opus 5.5Opus 5
入力約628円約785円
出力約3,140円約3,925円
キャッシュ読み取り約31円約79円
fast mode 入力/出力約1,256円/約6,280円対象外(Opus 5は10ドル/50ドル)

試算例(実測値ではありません・前提と計算式を明示):月に通常入力1,000万トークン、キャッシュ読み取り4,000万トークン、出力500万トークンを使う社内エージェントを想定します。Opus 5.5では 10×4 + 40×0.20 + 5×20 = 148ドル(約23,000円)、Opus 5では 10×5 + 40×0.50 + 5×25 = 195ドル(約30,600円)。単価の置き換えだけで約24%の差になり、公式が言う「トークン消費そのものが減る」効果は含んでいません。逆に、既定のeffortがmediumになるため、Opus 5でhighを前提に組んだ処理を同じ品質で回すにはeffortを明示する必要があり、その分の出力トークンは増えます。他社モデルを含めた単価の横断比較は主要AIモデルAPI料金 横断比較、Opus 5の円換算と損益分岐はClaude Opus 5料金完全ガイドにまとめています。

Claudeアプリのプラン料金(税別・公式料金ページ2026年9月23日参照)

プラン料金Opus系の利用
Free0ドル不可(Sonnet・Haikuのみ)
Pro月20ドル(年払いは月17ドル相当・200ドル一括)
Max月100ドルから(Proの5倍または20倍の利用量)可・混雑時の優先アクセスあり
Team標準シート 月20ドル/シート(年払い)・月払い25ドル、プレミアムシート 月100ドル/シート(年払い)・月払い125ドル。2〜150名
Enterprise月20ドル/シート+API料金ベースの従量課金(年契約)

性能|公式ベンチマークとOpus 5・Fable 5.1・GPT-6 Astraとの差

以下はAnthropicの発表ページに掲載された表を、数値も列もそのまま転記したものです。Claude各モデルはAnthropicの測定、GPT-6 AstraとGPT-5.6 SolはOpenAIが報告した値をAnthropicが転記しています。Opus 5.5は原則としてadaptive thinkingの最大effortで測定され、本番の安全装置を有効にした状態のため、公式は「安全装置が介入したタスクは別モデルが処理しており、スコアは実力より低めに出ている可能性がある」と注記しています。

ベンチマーク領域Opus 5.5Fable 5.1Opus 5GPT-6 AstraGPT-5.6 Sol
Terminal-Bench 4.0エージェント型コーディング66.4%55.8%52.3%57.9%37.3%
FrontierCode v1.1(Main)エージェント型コーディング54.4%50.3%48.0%53.3%47.5%
CursorBench 4.0エージェント型コーディング57.8%51.8%46.6%41.7%
GDPval-AA v2.1知的業務(Elo)18461735170815421588
AutomationBench業務ワークフロー40.0%31.4%26.9%41.4%28.8%
Humanity’s Last Exam学際的推論(ツールあり)67.7%65.6%63.6%57.2%
Terminal-Bench-Science 0.1科学研究58.7%52.6%29.0%64.6%22.4%
OSWorld 2.0コンピュータ操作(partial)81.8%80.7%74.0%
Chartography図表の読み取り(ツールあり)89.0%88.4%83.4%

表の注記も公式のままです。Terminal-Bench 4.0はOpus 5.5がxhigh、GPT-6 Astraがhighのeffortで、それぞれの最高スコア。AutomationBenchはZapierが実施した結果で、安全装置の介入を失敗として数えています。「—」はAnthropicの表に値がない項目です。AstraとSolの数字をAnthropic以外の条件で比べたい場合は、既刊のGPT-6 AstraとFable 5.1・Opus 5比較で両社の公式値を並べています。

公式が「差がはっきりしている」と言い切っているのは効率です。同じ仕事をこなすときのトークン数がOpus 5より少なく、単価の値下げと合わせて40%の費用減になると説明されています。社内テストの例として、C言語で書かれた負荷分散ソフトHAProxyをRustに書き直す作業で、Opus 5.5が9.5時間、Fable 5.1が12時間かかり、費用はOpus 5.5が51%少なかったことが挙げられています。いずれもAnthropic社内の測定であり、条件が違えば結果も変わります。

もう1つ、公式が今回改善を明言しているのが「文章の書き方」です。Opus 5について多かった「出力が長く、読みにくい」という声に対し、Opus 5.5は重要な情報を先に置き、専門用語や独特の言い回しを減らし、与えられた書き方のルールに従うとされています。長い作業ログを人が確認する場面では、この変更が費用と同じくらい効いてきます。

仕事での使い分け|Fable 5.1・Opus 5.5・Sonnet 5の3段

Anthropicのモデル一覧は、現行の主要3モデルを次のように整理しています。単価とコンテキストは公式値です。

Fable 5.1(最難関の推論・長時間エージェント、入力$10・出力$50)、Opus 5.5(日常のコーディング・知的業務の主力、入力$4・出力$20)、Sonnet 5(速度と費用のバランス、入力$2・出力$10)の3段を上から並べた図

項目Claude Fable 5.1Claude Opus 5.5Claude Sonnet 5
公式の位置づけ最も難しい推論と長期のエージェント作業長時間のエージェント型コーディングと知的業務速度と知能のバランス
入力/出力(100万トークン)10ドル/50ドル4ドル/20ドル2ドル/10ドル
既定のefforthighmediumhigh
コンテキスト/最大出力100万/128,000トークン100万/128,000トークン100万/128,000トークン
知識の基準日2026年6月2026年6月2026年1月
モデルIDclaude-fable-5-1claude-opus-5-5claude-sonnet-5

公式の推奨は明快で、「ほとんどの作業はOpus 5.5から始める。より難しい推論や長期のエージェント作業、あるいはOpus 5.5をeffortを上げても評価が届かない場合にFable 5.1を使う」です。単価はFable 5.1の4割なので、Fable 5.1を既定にしている組織は、まずOpus 5.5で同じ評価セットを回し、届かない処理だけFable 5.1に残す順番が公式の考え方に沿います。Sonnet 5はさらに半額で、サブエージェントや大量の定型処理に向くと整理できます。

コンテキスト長の横断比較は主要AIモデル コンテキスト長 横断比較にまとめています。同じ9月22日にOpenAIがGitHub Copilotへ提供を始めたGPT-6 SolとLunaについては、GPT-6 SolとLunaの違い・料金で別途整理しています。

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法人が先に確認すること|透かし・adaptive thinking・anti-distillation・データ

ここが本記事で最も読んでほしい節です。Opus 5.5への切り替えで法人が事前に確認すべき仕様変更は、公式のリリースノートと「What’s new in Claude Opus 5.5」に列挙されています。順に見ていきます。

1. 文章の出力に透かしが入る

Opus 5.5はFable 5.1と同様に、生成した文章に透かし(ウォーターマーク)を入れます。Anthropicは2026年8月14日の解説で、透かしは「出力の品質や内容に実用上の影響がない」「読者には区別できない」「文字を追加せず隠し文字もない」「追加トークンや追加料金は発生しない」「特定の個人・組織・チャットに紐づく情報は含まない」と説明しています。目的はEU AI法への対応で、他の主要なモデル提供者も同じ行動規範に署名しています。GitHubのchangelogも「透かしは意味・品質・可読性を変えず、トークンや費用も増えない」と明記しています。

法人として押さえるべきは「Claudeが書いた可能性を、鍵を持つ側が確率として判定できる」という性質です。対外文書をAIで下書きする運用そのものは変わりませんが、社内規程で「AI生成物の扱い」を決めていない会社は、この機会に決めておくべきです。

2. thinkingはオフにできない。制御はeffortで行う

Opus 5ではeffortがhigh以下のときにthinking: {"type": "disabled"}を送れましたが、Opus 5.5ではこの指定も、手動のbudget_tokens指定も400エラーになります。公式が返すエラー文は次のとおりです。

"thinking.type.disabled" is not supported for this model. Use "thinking.type.adaptive" and "output_config.effort" to control thinking behavior.

対処は「thinkingフィールドを送らない(または{"type": "adaptive"}を送る)」、そして考える深さはoutput_config.effortで指定する、の2点です。effortはlow・medium・high・xhigh・maxの5段階で、Opus 5.5の既定はmedium。これまで「thinkingオフで速く安く」動かしていた処理は、lowかmediumに置き換えて、品質を測り直すのが公式の案内です。公式は「同じeffortでもOpus 5.5はOpus 5より1ターンあたりの思考量が多い傾向があり、特にxhighとmaxで顕著。max_tokensに思考分の余裕を持たせる」とも書いています。

3. 強制ツール呼び出し(tool_choice any/tool)は使えない

tool_choice{"type": "any"}{"type": "tool", "name": "..."}にした要求は400エラーになります。使えるのはauto(既定)とnoneです。スキーマどおりのJSONが必要な場合はautoのまま厳密ツール使用(strict: true)にするか、構造化出力へ移すのが公式の案内で、「必ずツールを呼ばせたい」ときはプロンプトで条件を書く形になります。Fable 5.1と同じ制限です。

4. anti-distillation(preserved thinking)で「会話の途中編集」が止まる

Anthropicは、大量の偽アカウントでモデルの推論を抜き取る「蒸留攻撃」への対策として、Fable 5.1で導入したpreserved thinkingをOpus 5.5にも適用しています。仕組みは、会話に戻すthinkingブロックについて「そのブロックより前(システムプロンプト・ツール定義・以前のメッセージ)が変わっていないか」をAPIが検査するもので、2026年8月31日0時(UTC)以降に作成されたAPIアカウントでは既定で有効です。該当アカウントで、途中のシステムプロンプトを書き換えてからブロックを送り返すと400エラーになります。

実務への影響は「会話は追記だけで組む」という設計原則が必須になることです。途中で指示やツールを変えたいときは、公式が用意する会話途中のsystemメッセージを使い、過去の内容を編集しません。ベータヘッダthinking-binding-controls-2026-08-01で「不一致なら該当ブロックを落とす」挙動に変えることもできます。古いアカウントでも同じ書き方にしておけば、アカウントを作り直したときに壊れません。関連して、thinkingブロックはモデルと会話に紐づき、Opus 5.5はOpus 5以前のOpus・Sonnet・Haikuのブロックは読めますが、FableやMythosのブロックは読めません(Claude APIではFable 5.1とMythos 5.1がOpus 5.5のブロックを読めます)。読めないブロックはエラーではなく無視され、課金もされません。

5. 安全装置の介入とデータの扱い

Opus 5.5は、サイバーセキュリティ・生物学・蒸留の3領域でFable 5.1と同等の安全装置つきで提供されます。日常のバグ修正は通常どおり行えますが、公式によれば「サイバーセキュリティ関連の作業の多くはOpus 4.8に自動で振り替えられる」仕様です。生物学の研究用途は「Life Sciences Verification Program」への申請で、サイバー防御の専門家向けには「Cyber Verification Program」の拡大が予定されています。拒否された要求はHTTP 200でstop_reason: "refusal"が返り、別モデルへの自動フォールバックを設定できます。

データについては、これまでのOpusと同じくゼロデータ保持(ZDR)で利用できます。また、ツール呼び出しの合間にモデルが書く短い進捗テキストは、Opus 5.5では文章ブロックではなくthinkingブロックとして返るため、既定の表示設定のままだと利用者向けの進捗表示が静かになります。エラーは出ないので、切り替え後に「進捗が出なくなった」と感じたらこの仕様です。

始め方|APIとClaude Codeでの切り替え手順4段

公式の移行ガイドを、法人の担当者が実際に行う順番に並べ直すと4段になります。すでにOpus 5でthinkingをオンにして動かしているコードは、モデルIDを変えるだけで動くとされています。

モデルIDをclaude-opus-5-5へ、thinkingを外しeffortを明示(既定はmedium)、tool_choiceをautoに直す、effortを測り直し費用を確認(max_tokensに余裕)という切り替え4段を左から右へ並べた図

  1. モデルIDをclaude-opus-5-5に変える(Bedrockはanthropic.claude-opus-5-5)。Opus 4.7以前から移る場合は、先にOpus 5の移行ガイド(サンプリングパラメータの廃止・prefillの廃止・新トークナイザ)を適用します。
  2. thinkingフィールドを外し、effortを明示する。既定がmediumに変わるので、Opus 5でhigh前提だった処理はoutput_config.effortを書きます。
  3. tool_choiceのany/toolをautoに直し、必要ならstrict: trueを付ける。Claude APIとGoogle Cloudでコンピュータ操作を使っている場合はcomputer_toolset_20260801へ移します。
  4. effortを測り直し、費用とmax_tokensを確認する。公式は「設定を持ち越さず、effortのスイープを再実行する」ことを勧めています。

APIの呼び出しは、公式ドキュメントに載っている次の例が最短です(Python・公式の例)。effortをmediumで明示しています。

client = anthropic.Anthropic()

response = client.messages.create(
    model="claude-opus-5-5",
    max_tokens=4096,
    messages=[
        {
            "role": "user",
            "content": "Analyze the trade-offs between microservices and monolithic architectures",
        }
    ],
    output_config={"effort": "medium"},
)

for block in response.content:
    if block.type == "text":
        print(block.text)

fast modeを使う場合は、ベータヘッダとspeedを付けます(公式の例。研究プレビューのため事前の利用申請が必要です)。

client = anthropic.Anthropic()

response = client.beta.messages.create(
    model="claude-opus-5-5",
    max_tokens=4096,
    speed="fast",
    betas=["fast-mode-2026-02-01"],
    messages=[
        {"role": "user", "content": "Refactor this module to use dependency injection"}
    ],
)

for block in response.content:
    if block.type == "text":
        print(block.text)

Claude Codeでは、発表ページに「fast modeはClaude CodeとClaude Platformでも利用できる」と書かれています。Claude Code側のモデル選択やeffort設定の操作は、公式ドキュメントの現行の記述に従ってください(この記事では自社で動かしていない操作手順は載せていません)。GitHub Copilotでは、各エディタのモデル選択でOpus 5.5を選ぶだけで、展開は段階的です。

切り替えの判断を社内で共有するときは、次の指示文をそのまま使えます。数字は自社のAPI利用明細から貼り付けてください。

以下は当社の直近1か月のClaude API利用量と、Opus 5・Opus 5.5の公式単価です。
Opus 5からOpus 5.5に切り替えた場合の月額差を、計算式を示して算出してください。
前提(為替レート・キャッシュ比率)は「仮定」と明記し、貼り付けた数字にないものは推測で埋めず「記載なし」と書いてください。
数字と固有名詞には根拠(出典または計算式)を添えてください。

【利用量(入力・キャッシュ読み取り・出力のトークン数)】
【公式単価(100万トークンあたり)】
当社でClaude APIを使っている処理の一覧を貼ります。
各処理について、Opus 5.5への切り替えで影響を受ける可能性がある項目を次の4点で点検し、該当・非該当・要確認の3段階で表にしてください。
1. thinkingをdisabledにしている
2. tool_choiceをanyまたはtoolにしている
3. 会話の途中でシステムプロンプトやツール定義を書き換えている
4. computer_20251124ツールを使っている
不足している情報があれば、最初に質問してから作業を開始してください。

【処理の一覧(名称・用途・使っている設定)】
Opus 5.5のeffortをlow・medium・highで比較する評価票を作ってください。
対象タスクは当社の【タスク名】です。評価軸は「正答率」「出力トークン数」「所要時間」「人が手直しした箇所数」の4つとし、各設定で同じ入力10件を使う前提で、記入用の表と判定ルール(どの差が出たらhighに戻すか)を提案してください。
仮定した点は必ず「仮定」と明記してください。
ここまでの検討結果を貼ります。経営会議向けに1ページの意思決定資料を作ってください。
構成は「結論(切り替える処理と残す処理)」「月額の差(計算式付き・概算と明記)」「仕様変更の影響と対処(透かし・thinking・tool_choice・会話の途中編集)」「切り替え日程」の4項目。
貼り付けた資料に書かれていない項目は「記載なし」と書き、推測で埋めないでください。

【検討結果を貼り付け】

【要注意】切り替えでつまずく失敗パターン4つ

失敗1:thinkingをオフにする設定を残したまま切り替える

❌ Opus 5で使っていたthinking: {"type": "disabled"}をそのままに、モデルIDだけclaude-opus-5-5へ変える
⭕ thinkingフィールドを削除し、速さと費用はoutput_config.effortのlowかmediumで調整する
なぜ重要か:Opus 5.5では400エラーになり、処理そのものが止まります。公式のエラー文に「adaptiveとoutput_config.effortを使え」と書かれているので、エラーを見たらこの節に戻ってください。

失敗2:effortを省略して「Opus 5と同じ設定」のつもりでいる

❌ effortを書かずに移行し、品質が落ちたと判断する
⭕ Opus 5でhigh前提だった処理はeffort: "high"を明示し、そのうえでmediumで足りるかを測る
なぜ重要か:Opus 5.5の既定はmedium、Opus 5の既定はhighです。何も書かなければ、切り替えた瞬間に推論の深さが1段下がります。逆にmediumで足りるなら、公式の説明どおり費用は大きく下がります。

失敗3:fast modeやコンピュータ操作をクラウド経由でも同じ条件で使えると思う

❌ BedrockやGoogle Cloud経由でspeed: "fast"を送る、Google Cloudで旧computer_20251124ツールを使い続ける
⭕ fast modeはClaude APIのみ。コンピュータ操作はClaude APIとGoogle Cloudで新しいツールセットへ移し、Bedrockだけは旧ツールが動く
なぜ重要か:同じモデル名でも提供経路で使える機能が違います。クラウド契約の都合でBedrockやFoundryを使う会社は、機能表を経路ごとに持っておく必要があります。

失敗4:会話の途中でシステムプロンプトを書き換える運用を続ける

❌ 長い会話の途中で指示文やツール定義を編集し、過去のthinkingブロックごと送り返す
⭕ 会話は追記のみで組み、指示の変更は会話途中のsystemメッセージで行う
なぜ重要か:2026年8月31日以降に作成したAPIアカウントでは既定で検査が有効で、400エラーになります。古いアカウントで動いていたコードが、新規アカウントに移した瞬間に止まる典型例です。

Uravationならこう判断する|切り替える処理と、しばらく残す処理

法人のAI導入支援で相談を受けたら、次の順番で判断します。前提はすべて公式の仕様と単価で、自社の測定値は含みません。

先に切り替える処理:Opus 5でthinkingをオンにして動かしているコーディング補助・文書のたたき台作成・社内データの要約。公式は「thinkingオンのOpus 5のコードは変更不要」としているため、モデルIDを変えてeffortを明示するだけで単価20%減の恩恵を受けられます。特にキャッシュ読み取りが費用の大半を占めるエージェント型の処理は、60%減の効果が最も大きく出る場所です。

測ってから切り替える処理:Fable 5.1を既定にしている難しい推論と、長時間のエージェント作業。公式の推奨どおり、Opus 5.5でeffortをhighやxhighに上げて同じ評価セットを回し、届かないものだけFable 5.1に残します。単価が4割なので、半分でも移せれば費用の差は大きいです。

しばらく残す処理:thinkingをオフにして大量に回している分類・抽出などの軽い処理と、tool_choiceの強制で成り立っているJSON生成。前者はSonnet 5やHaiku 4.5のほうが単価で有利な場合があり、後者は厳密ツール使用か構造化出力への書き換えが先です。書き換えの工数を出してから判断します。

切り替えと同時に決めること:AI生成文の透かしを前提にした対外文書の扱い、Copilotのモデルポリシー(自動有効化の可否)、そしてAPIアカウントの作成日の棚卸しです。2026年8月31日以降に作った新しいアカウントが1つでもあれば、会話の途中編集をしていないかをコードで確認します。

よくある質問

Claude Opus 5.5とは何ですか?

Anthropicが2026年9月22日に公開した大規模言語モデルで、Claude 5.5世代の最初のモデルです。公式は「長時間のエージェント型コーディングと知的業務のためのモデル」と位置づけ、多くの仕事でClaude Fable 5.1と同等の性能を、Opus 5より40%低い運用コストで提供すると説明しています。1Mトークンのコンテキスト、128,000トークンの最大出力、常時オンのadaptive thinkingが仕様です。

Claude Opus 5.5の料金はいくらですか?日本円ではどのくらいですか?

APIは入力100万トークンあたり4ドル、出力20ドル、キャッシュ読み取り0.20ドル、キャッシュ書き込み5ドル(5分)・8ドル(1時間)、バッチ処理は入力2ドル・出力10ドルです。fast modeは入力8ドル・出力40ドル。1ドル=157円で計算すると入力は約628円、出力は約3,140円(2026年9月時点の概算・為替と税で変動)。Claudeアプリでは有料プラン(Pro月20ドル、Max月100ドルから、Team標準シート月20ドル年払いなど・税別)で使えます。

Opus 5とOpus 5.5の違いは何ですか?

価格は入力・出力とも20%減、キャッシュ読み取りは60%減、出力速度は30%以上向上(いずれも公式値)。仕様面では、既定のeffortがhighからmediumに変わり、thinkingをオフにできなくなり、tool_choiceのany/toolが使えなくなり、文章の出力に透かしが入ります。Claude APIとGoogle Cloudでは旧コンピュータ操作ツールが使えません。性能は公式ベンチマークの全項目でOpus 5を上回っています。

無料プランでClaude Opus 5.5は使えますか?

使えません。公式料金ページ(2026年9月23日参照)の対応表では、FreeプランはOpus系が利用不可で、SonnetとHaikuのみです。Opus 5.5を含むOpus系はPro・Max・Team・Enterpriseの有料プランと、Claude API・各クラウド・GitHub Copilot(Pro+・Max・Business・Enterprise)で利用できます。

Fable 5.1とOpus 5.5はどちらを使うべきですか?

公式の推奨は「ほとんどの作業はOpus 5.5から始め、より難しい推論や長期のエージェント作業、あるいはOpus 5.5をeffortを上げても評価が届かない場合にFable 5.1」です。単価はOpus 5.5がFable 5.1の4割(4ドル/20ドル対10ドル/50ドル)なので、まずOpus 5.5で同じ評価セットを回し、届かない処理だけFable 5.1に残す順番が費用面でも合理的です。

まとめ

Claude Opus 5.5は、Opus 5より20%安い単価と60%安いキャッシュ読み取り、30%以上速い出力を持ち、公式ベンチマークではFable 5.1を上回る数字を出したモデルです。提供先はClaude API・AWS・Google Cloud・Microsoft Foundry・GitHub Copilotと、Claudeアプリの有料プランで、公開初日から「使える場所」で困ることはありません。

判断を分けるのは仕様変更のほうです。thinkingはオフにできず制御はeffortに移り、強制ツール呼び出しは使えず、新しいAPIアカウントでは会話の途中編集が止まり、文章には透かしが入ります。どれもコードと社内規程の話であって、性能の話ではありません。「まずOpus 5.5、届かなければFable 5.1」という公式の順番に、この4点の点検を足したものが、法人が今週やるべき切り替え計画です。

執筆者

佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』『Claude仕事術』(SBクリエイティブ・シリーズ累計約6万部)。
SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

次の一歩

  • 今日やること:直近1か月のAPI利用明細から入力・キャッシュ読み取り・出力のトークン数を出し、この記事の料金表で差額を計算する。切り替え判断の指示文をそのまま使えます
  • 今週中:thinkingのdisabled・tool_choiceのany/tool・会話の途中編集・旧コンピュータ操作ツールの4点を、処理一覧に対して点検する。社内でこの点検を回す体制づくりは法人向けAI研修で扱っています
  • 今月中:Fable 5.1を既定にしている処理でOpus 5.5の評価セットを回し、残す処理と移す処理を決める。エージェント型の処理の設計見直しはAIエージェント開発で、個別のご相談はお問い合わせから受け付けています

参考・出典

PDF 30ページ

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佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

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