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Claudeに学習させない設定|場所と管理者の確認【2026年11月】

Claudeに学習させない設定|場所と管理者の確認【2026年11月】

結論:2026年11月1日時点で、Claudeに入れた会話が学習に使われるかどうかはプランで決まります。個人向けのFree・Pro・Max・Ultraは本人の「プライバシー」設定でオフにでき、Team・Enterprise・API(商用の規約)は既定で学習に使われません。

  • 要点1:個人プランは「設定 → プライバシー」の「AIモデルの改善を支援する」をオフにします。オンだと学習用に最大5年、オフだと30日が公式の保存期間です。
  • 要点2:オフにしても、高評価・低評価のボタンで送った会話と、安全性の確認で検知された会話は別の扱いになります。
  • 要点3:Claude Codeはログインしたアカウントの種類に従います。会社が確かめるのは、評価ボタンの可否とDevelopment Partner Programへの参加の有無です。

対象読者:社員から「Claudeを仕事で使いたい」と相談された情シス・管理者の方と、個人プランでClaudeを使っている方

読了後にできること:自分の設定の確認、プランごとの違いの説明、管理者が見る画面の特定、社内の審査で聞かれる「学習・保存」の欄への回答

社員から「Claudeを仕事で使ってもいいですか」と聞かれたとき、情シスや管理者の方がまず確かめたくなるのは「入れた内容がAIの学習に使われないか」だと思います。答えは1つではなく、どのプランのどのアカウントで使うかで変わります。

個人向けのプランは、2025年8月28日の規約の更新で、会話を学習に使ってよいかを利用者が選ぶ形になりました。既存の利用者には2025年10月8日までに選ぶよう案内が出ています(Anthropic「Updates to Consumer Terms and Privacy Policy」)。選んだ内容は、あとから設定画面でいつでも変えられます。

一方で、Team・Enterprise・APIは商用の規約(Commercial Terms)で動いていて、規約には「Anthropic may not train models on Customer Content from Services.」と書かれています(Commercial Terms of Service)。同じClaudeでも、個人の設定で決まる世界と、契約で決まる世界が分かれているわけです。

この記事では、Anthropicのプライバシーセンター・利用規約・ヘルプセンター・Claude Codeの公式文書を2026年10月31日と11月1日に読み直し、プラン別の扱い、設定の場所、保存期間、管理者が確かめられる画面、会社での決め方を整理しました。Claude Codeの権限やファイルの読み取り範囲の設定はClaude Codeセキュリティ設定7チェック、SSOや監査ログなど会社向けの管理機能の全体はClaudeのセキュリティの解説で扱っています。

最終更新:2026年11月1日(Anthropicの公式ページを同日に確認)

プラン別の早見表|学習に使われるか・設定の場所・保存期間

先に全体を1枚にまとめます。細かい条件は下の節で、公式の文言と一緒に説明します。

Claudeの学習の扱いは、個人向けのFree・Pro・Max・Ultraは本人の設定、Team・Enterprise・APIは既定で学習に使われず、Claude Codeはアカウントの種類に従うことを示す図

プラン会話が学習に使われるか決める人・場所保存期間(公式の記載)
Free・Pro・Max・Ultra(個人向け)本人の設定しだい。オンなら使われる本人:設定 → プライバシーオン:学習用に最大5年(匿名化した形)/オフ:30日。削除したチャットは30日以内にサーバーから削除
Team・Enterprise(Claude for Work)既定で使われない。評価ボタンで送った会話などは例外管理者(Primary Owner・Owner):組織設定のData and Privacyチャットは製品の中に保存。削除すると30日以内にサーバーから削除。Enterpriseは保存期間を30日以上で指定できる
API(Claude Console)既定で使われない管理者:Consoleのデータ保持の画面入力と出力は30日以内に自動で削除(Files APIやゼロデータ保持の契約などの例外あり)
Claude Codeログインしたアカウントの種類に従う個人:上の個人の設定/組織:Development Partner Programへの参加の有無個人:5年か30日/商用:30日。ゼロデータ保持は審査のうえ組織ごと

出典:個人向けはIs my data used for model training?(個人向け・2026年3月16日)とHow long do you store my data?(2026年7月1日)、商用はIs my data used for model training?(商用・2026年8月18日)とHow long do you store my organization’s data?(2026年7月1日)、Claude Codeと「オフなら30日」はClaude Code Docs「Data usage」。Ultraは個人向けプランとして、Claude Codeの公式文書とヘルプセンターの記載にあります。

どのプランでも使える例外として、Incognito chats(新しいチャットの右上のおばけのアイコンで始める一時的なチャット)は、学習の設定をオンにしていても学習に使われません。保存は既定で30日です(Use incognito chats)。

個人プラン(Free・Pro・Max・Ultra)で学習させない設定の手順

個人向けのプランは、アカウントごとの設定で決まります。パソコンのブラウザでもデスクトップアプリでも、手順は同じです(How do I change my model improvement privacy settings?(2026年8月3日))。

個人プランで学習させない設定の手順。名前、設定、プライバシー、AIモデルの改善を支援する、オフの順に進み、今後の学習に使われなくなることを示す図

パソコン(ブラウザ・デスクトップアプリ)の場合

  1. 画面の自分の名前を選び、メニューを開く
  2. 「設定」を選ぶ
  3. 「プライバシー」を選ぶ
  4. 「AIモデルの改善を支援する」の切り替えをオフにする(英語の画面では「Help improve our AI models」の欄)

ブラウザなら、設定の画面(claude.ai/settings/data-privacy-controls)を直接開いても同じ場所に着きます。この行き先はClaude Codeの公式文書の保存期間の節に書かれています。

スマートフォンのアプリの場合

名前 → 設定 → プライバシーと進み、同じ「AIモデルの改善を支援する」をオフにします。

画面の文言は、言語の設定やアプリの版で変わることがあります。上の名前は日本語版のヘルプの表記です。見当たらない時は、プライバシーの画面の中で「改善」「Improve」と書かれた切り替えを探してください。

オフにすると何が変わるか

公式のヘルプは、オフにした場合を次のように説明しています。

  • 新しいチャットとコーディングのセッションは、今後の学習に使われない
  • すでに保存されているチャットも、今後の学習の実行には使われない
  • ただし、すでに始まっている学習と、学習の済んだモデルには含まれたまま

つまり、オフにした時点から先の話です。過去にオンで入れた内容を取り消す操作ではありません。この順番が大事なので、後ろの「入れてしまった時」の節でもう一度触れます。

コネクタでつないだGoogle DriveやMCPサーバーの中身そのものは、学習に使う会話のデータに含まれないとも書かれています。ただし、会話に直接貼り付けた部分は含まれることがあります(個人向けの学習のページ)。

オフにしても学習・保存の対象になる3つの場面

「設定をオフにしたから全部大丈夫」と考えると、ここで食い違いが出ます。利用規約(Consumer Terms of Service・2025年10月8日発効)は、学習をオプトアウトしていても、次の場合は学習に使うと書いています。

学習の設定をオフにしても、高評価・低評価のボタンで送った会話(最大5年保存)、安全性の確認で検知された会話(最大2年保存)、自分から参加したプログラムは別の扱いになることを示す図

1. 高評価・低評価のボタンで送った会話

回答の下にある高評価・低評価のボタンを押すと、その会話全体がフィードバックとして最大5年保存されます。利用者のIDから切り離したうえで、サービスの分析や研究、AIモデルの学習に使うことがあると書かれています。個人向けだけでなく、Team・Enterpriseでも同じです(商用の学習のページ)。

2. 安全性の確認で検知された会話

利用規約に反する可能性があると自動の仕組みが判定した会話は、検知の精度を上げるために使われることがあります。この場合、入力と出力は最大2年、判定のスコアは最大7年保存されます(個人向けの保存期間のページ)。

3. 自分から参加したプログラム

Trusted Tester Programのように、明示的に学習への参加を選んだ場合です。会社の立場で見ると、Claude CodeのDevelopment Partner Programもここに入ります(後ろの節で説明します)。

仕事で使う側からすると、1つ目が一番起きやすいはずです。悪気なく評価ボタンを押す人は多いので、社内のルールに「業務の会話では評価ボタンを押さない」と1行入れておくと説明がしやすくなります。Team・Enterpriseなら、管理者がボタンそのものを止められます。

保存期間|学習をオンにした時とオフの時の違い

学習と保存期間はセットで決まっています。2025年の規約の更新で、学習をオンにした人の保存期間が5年に延びたためです(2025年8月28日の告知)。

個人向け(Free・Pro・Max・Ultra)

  • 学習をオン:匿名化した形で、学習の仕組みの中に最大5年。オンにした後の新しいチャットと再開したチャットが対象
  • 学習をオフ:30日(Claude Codeの公式文書の記載)
  • チャットを削除した時:履歴からはすぐに消え、サーバーからも30日以内に削除。削除したチャットは今後の学習に使われない
  • フィードバック(評価ボタン・不具合の報告):5年
  • 利用規約に反すると判定された会話:入力と出力は最大2年、判定のスコアは最大7年

商用(Team・Enterprise・API)

  • API:入力と出力は受け取りから30日以内に自動で削除。例外は、Files APIのように利用者が長く置く機能を使った時、ゼロデータ保持などの別の取り決めがある時、利用規約の執行に必要な時、法令に従う時
  • Claude for Work(Team・Enterprise):会話を続けられるよう、チャットは製品の中に保存。削除すると、履歴からすぐ消え、30日以内にサーバーから削除
  • Enterpriseの保存期間の指定:最短30日。指定しなければ期限なしで保存。組織設定のData and Privacyで、Primary OwnerかOwnerが決める(Configure custom data retention controls for Enterprise plans)。保存期間の変更や削除の記録は監査ログに残る

Enterpriseの保存期間の指定は、チャット・プロジェクト・アーティファクトが対象です。単独のClaude Design、Claude Tag、Claude Managed Agents、クラウドでClaude Codeを動かす機能には効かないと書かれています。保存期間を決める時は、どの機能まで含むかを一緒に確かめてください。

ゼロデータ保持(ZDR)と「Covered Models」

API(Claude Platform)とEnterpriseのClaude Codeには、審査のうえで入力や出力を保存しない取り決め(ゼロデータ保持)があります。Consoleでは「Settings → Privacy Controls → Data retention period」で適用を確かめられます(ゼロデータ保持の対象のページ)。

ただし2026年6月9日から、Anthropicが「Covered Models」に指定したモデル(ヘルプではMythos級のモデルと説明)に送った入力と出力は、ゼロデータ保持の組織でも安全のために30日保存されます(別の案内を受けた一部の組織を除く)。個人向けのプランはもともと保存しているので対象外です(Data retention practices for Covered Models)。ゼロデータ保持を前提に審査を通している会社は、この点を審査の記録に足しておくと後で困りません。

Claude Codeの学習の扱い|ログインしたアカウントの種類で決まる

Claude Codeは開発の道具なので別扱いだと思われがちですが、公式文書はアカウントの種類で書き分けています(Claude Code Docs「Data usage」)。

Claude Codeの学習の扱い。個人向けのアカウントは個人の設定に従い、商用のアカウントは既定で学習に使われず、Development Partner Programに参加した組織は提供の対象になることを示す図

  • 個人向け(Free・Pro・Max・Ultra)でログイン:上の個人の設定に従う。設定がオンなら、Claude Codeの利用分も新しいモデルの学習に使われる
  • 商用(Team・Enterprise・API・他社のクラウド経由・Claude Gov):Claude Codeに送ったコードやプロンプトを生成モデルの学習に使わない。例外は、Development Partner Programのように組織がデータの提供を選んだ場合

VS Codeの拡張から使う場合も、ターミナルから使う場合も、見るのは「どのアカウントでログインしているか」です。公式文書は画面の違いでなく、アカウントの種類で書いています。

Development Partner Programを確かめる

会社のAPIの組織で一番確かめたいのがここです。ヘルプによると、この仕組みは組織の管理者が参加を選ぶもので、次の決まりがあります(About the Development Partner Program)。

  • 提供されるのは、AnthropicのAPIを直接使ったClaude Codeの入力と出力だけ。ClaudeのアプリやClaude Code以外のAPIの呼び出しは対象外
  • データは最大2年保存され、学習に使うデータは他の顧客情報と結びつけない
  • 設定は組織の全員に効き、参加したことは全員に知らされる
  • いつでも抜けられるが、それまでに提供したデータは最大2年保存される
  • ゼロデータ保持の契約がある組織は参加できない

確かめる場所は、ConsoleのData retentionの画面(platform.claude.com/settings/privacy)の「Usage data and feedback」です。「Join our Development Partner Program to help improve Claude」の横のボタンが「Join」なら未参加、「Leave」なら参加中と読めます。請求書払いの組織にはこの項目が出ないので、担当の窓口に確かめます。

学習とは別に、手元とAnthropicに残るもの

審査ではここもよく並べて聞かれるので、公式文書の記載をそのまま整理します。

  • /feedback・/bug・/shareで送った記録:5年保存。製品の改善に使われることがある
  • 「How is Claude doing this session?」の評価:点数だけを記録。続けて出る質問で「Yes」を選ぶと会話の記録が送られ、最大6か月保存される。ただし学習には使えないと明記
  • 手元のパソコン:会話の記録が ~/.claude/projects/ に平文で、既定で30日保存される。日数は設定の cleanupPeriodDays で変えられる
  • 利用状況の計測(メトリクス):コード・プロンプト・ファイルのパスは含まない。DISABLE_TELEMETRY=1 で止められる

評価の質問は CLAUDE_CODE_DISABLE_FEEDBACK_SURVEY=1 で出なくなり、CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC を設定すると必須でない通信をまとめて止められます。どれも学習の可否を決める設定ではなく、送る情報を減らす設定です。権限やファイルの読み取り範囲の設定はClaude Codeセキュリティ設定7チェックにまとめています。

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管理者が確かめられる範囲と、確かめられない範囲

先に前提を書いておきます。個人向けプランの「AIモデルの改善を支援する」は、本人のアカウントの設定です。今回読んだヘルプの範囲では、管理者が社員の個人アカウントのこの設定を一覧で見る画面は見つかりませんでした。Enterpriseのドメインの取り込みで見られる個人アカウントの一覧も、項目はメールアドレス・プランの種類・作成日・最終利用日です(Claim and migrate accounts on your domain)。

管理者が確かめる順番。仕事で使うアカウントをTeam・Enterpriseに決め、ドメインの取り込みや個人アカウントの新規作成の停止を行い、Rate chatsとDevelopment Partner Programを確かめて記録に残すことを示す図

そのため、管理者がやることは「個人の設定を見張る」より「仕事の会話を会社のアカウントに寄せて、会社の設定を確かめる」ほうが現実的です。順番に並べます。

1. 仕事で使うアカウントを決める

業務の情報を入れるのはTeamかEnterpriseのアカウントだけ、と決めます。商用の規約では既定で学習に使われないので、社員ごとの切り替えに頼らずに済みます。

2. Teamならドメインを確かめ、個人アカウントの新規作成を止める

Teamでも、会社のドメインを確かめて、そのドメインで個人アカウントが新しく作られるのを止められます。ただし、すでにある個人アカウントを管理者が取り込むことはできません。社員が自分で会社の組織へ移す形になります。

3. Enterpriseならドメインの取り込みで個人アカウントを洗い出す

Enterpriseでは、確かめたドメインにある個人アカウント(Free・Pro・Max・Ultra)の一覧を見て、CSVで書き出せます。取り込みを始めると、該当する人にメールと画面の案内が届き、30日の移行の期間が始まります。期限までに移らなかった個人アカウントは使えなくなり(データは本人にメールで送られる)、Pro・Max・Ultraの有料の契約は日割りで返金のうえ解約されます。

この機能は一度オンにすると戻せません。始める前に、組織の作成の制限、DNSによるドメインの確認、SSOの強制、JITかSCIMによるアカウントの自動作成が必要です。設定の場所は「組織設定 → Organization and access → Security」の「Migrate accounts using your domain」です。

4. 評価ボタンを使えるようにするか決める

TeamとEnterpriseのPrimary OwnerとOwnerは、組織設定のData and Privacyにある「Rate chats」で、社員の高評価・低評価のボタンを止められます(Manage user feedback settings on Team and Enterprise plans)。評価で送った会話は最大5年保存され、学習に使われることがあるので、ここは会社として決めておきたい項目です。

5. APIの組織でDevelopment Partner Programとゼロデータ保持を確かめる

ConsoleのData retentionの画面で、Development Partner Programへの参加の有無と、ゼロデータ保持の適用を確かめます。Claude CodeをAPIのキーで使っている会社は、ここを見れば組織としての学習の扱いが分かります。

6. Enterpriseは監査ログを書き出して記録に残す

監査ログはEnterpriseだけの機能で、OwnerとPrimary Ownerが組織設定のData and Privacyの「Export logs」から直近180日分を書き出せます。チャットの題名や中身は含まれず、IDだけが出ます(Access audit logs)。保存期間の変更もここに残るので、審査の記録の裏付けに使えます。

個人プランでの業務利用を一部で認める会社では、本人にプライバシーの画面を見せてもらう、といった確かめ方になります。設定は本人がいつでも変えられるので、確認した日付を記録に残し、年に何回か見直す前提で運用するのが無理のない形です。

会社で使う時の決め方|審査で聞かれる5つの問い

学習の設定は、会社で使うかどうかを決める材料の1つです。審査の場では、だいたい次の5つを順に聞かれます。

  1. 入れてよい情報の範囲:顧客の個人情報、未公開の数字、契約書などをどこまで入れてよいか
  2. 使うプランとアカウント:個人プランを認めるか、Team・Enterpriseに限るか
  3. 学習と保存の設定:評価ボタン、Development Partner Program、Enterpriseの保存期間、ゼロデータ保持の要否
  4. 管理と記録:誰が設定を持ち、いつ確かめ、どこに記録するか
  5. 問題が起きた時:誤って入れた時の連絡先と、止める順番

このうち1は設定では決まりません。学習をオフにしても、会話は保存期間のあいだサーバーに残り、評価ボタンを押せば5年残ります。入れてよい情報の線引きは、社内のルールと研修で伝える部分です。一方で、評価ボタンの押し間違いや、個人アカウントでの利用は研修だけでは止めきれません。会社のアカウントに寄せる、Rate chatsを止めるといった設定と組み合わせて考えます。個人情報の扱いは生成AIと個人情報保護法の解説で、個人情報保護委員会の注意喚起に沿って整理しています。

2〜5は、表にして承認の記録に残すと話が早く進みます。Uravationでは、社員から申請されたAIツールを規約・学習・保存・権限・生成物の観点で確かめるAIツール導入前の安全性チェック(審査シートと申請の様式)を無料で提供しています。審査シート(Excel)と承認済みツールの台帳、利用申請と審査の記録(Word)が入っているので、この記事の内容を「学習・保存」の欄にそのまま写せます。

学習をオンのまま入れてしまった時にやること・戻せるか

個人プランで、学習の設定がオンのまま業務の情報を入れていたと気づいた場合の順番です。慌てて消す前に、公式に書かれている「戻せる範囲」を押さえておきます。

  1. 設定をオフにする:オフにした時点から、新しい会話も、保存済みの会話も、今後の学習には使われません
  2. 該当するチャットを削除する:削除したチャットは今後の学習に使われず、サーバーからも30日以内に消えます
  3. 評価ボタンを押したかを思い出す:フィードバックとして送った会話は、チャットとは別に最大5年保存されます
  4. 社内の窓口に伝える:個人情報や取引先の情報が含まれていた場合は、社内の規程に沿って、個人情報の担当や法務に相談します

戻せない部分もはっきり書かれています。すでに始まっている学習と、学習の済んだモデルからは取り除けません(設定の変更のページ)。Anthropicのプライバシーセンターは、個人データの写しの請求、処理への異議、削除の依頼ができると説明する一方で、学習用のデータについての対応には限りがあり手続きも複雑だとしています(How do you use personal data in model training?)。だからこそ、使い始める前に設定を確かめる順番が大事になります。

【要注意】読み違いやすい4つの点

1. 有料のProにすれば学習されない

❌ Pro・Max・Ultraは有料なので、学習には使われないと思っている

⭕ 有料でも個人向けプランです。学習の扱いは本人の設定で決まります。商用の扱いになるのはTeam・Enterprise・APIです。

2. Teamなら評価ボタンも気にしなくてよい

❌ 会社のプランなので、どの操作をしても学習には使われないと思っている

⭕ 評価ボタンで送った会話は、Team・Enterpriseでも最大5年保存され、学習に使われることがあります。止めるなら管理者が「Rate chats」をオフにします。

3. Claude Codeは別の道具だから個人の設定は関係ない

❌ Claude Codeのコードは学習に使われないと決めつける

⭕ 個人向けのアカウントでログインしていれば、個人の設定に従います。商用のアカウントなら既定で使われませんが、組織がDevelopment Partner Programに入っていれば提供の対象になります。

4. 設定をオフにすれば過去の分も消える

❌ オフにした時点で、それまでの会話も学習から外れて消えると思っている

⭕ オフは「今後の学習に使わない」という意味です。チャットを消すのは別の操作で、学習の済んだモデルからは取り除けません。

そのまま使える確認用の文面とプロンプト5つ

情シス・管理者の方が、社内への確認や審査の準備にそのまま使える文面です。[ ]の中は自社の内容に置き換えてください。

1. 社員にプライバシーの設定を確かめてもらう依頼

【お願い】Claudeのプライバシー設定の確認

個人のアカウント(Free・Pro・Max・Ultra)でClaudeを業務に使っている方は、
[11月15日]までに次の2点を確認し、画面の写しを[情シスの窓口]へ送ってください。

1. 設定 → プライバシー の「AIモデルの改善を支援する」がオフになっていること
2. 業務の会話で、回答の下の高評価・低評価のボタンを押していないこと

会社のTeam・Enterpriseのアカウントで使っている方は、この確認は不要です。
不明な点は[情シスの窓口]まで。

2. 公式ページを読ませて、社内向けの説明を作るプロンプト

次の公式ページを読み、社内の非エンジニア向けに
「Claudeの会話が学習に使われるか」をプラン別に説明する文を作ってください。

- https://privacy.claude.com/en/articles/10023580-is-my-data-used-for-model-training
- https://privacy.claude.com/en/articles/7996868-is-my-data-used-for-model-training

条件:
- 個人向け(Free・Pro・Max・Ultra)と商用(Team・Enterprise・API)に分ける
- ページに書かれていないことは書かず、「ページに記載なし」と書く
- 各文の根拠になったページのURLを文末に付ける
- 400字以内

3. 審査シートの「学習・保存」の欄を埋めるプロンプト

あなたは社内のAIツール審査の担当です。
次の審査項目に、Claude [Team / Enterprise] を使う前提で答えてください。

1. 入力した内容はモデルの学習に使われるか
2. 例外になる操作は何か(評価ボタン・参加プログラムなど)
3. 会話の保存期間と、削除した後の扱い
4. 管理者が確認・変更できる設定の場所

回答は公式のプライバシーセンターとヘルプセンターの記載だけを根拠にし、
根拠のURLと、確認した日付を項目ごとに書いてください。
分からない項目は「要確認」とし、推測で埋めないでください。

4. Claude Codeに手元の保存状況を読むだけで数えさせる指示

~/.claude/projects/ の下にある会話の記録について、
ファイルの数と、一番古いファイルの更新日だけを教えてください。

- 読むだけにして、ファイルの削除・移動・書き換えはしないでください
- ファイルの中身は表示しないでください
- 結果は「数」と「日付」の2行だけで返してください

5. 規約やヘルプの変更を毎月確かめるプロンプト

次のページを読み、前回の確認([2026年11月1日])の内容と比べて、
学習・保存期間・管理者の設定に関わる変更があるかを確認してください。

- https://privacy.claude.com/en/articles/10023580-is-my-data-used-for-model-training
- https://privacy.claude.com/en/articles/7996868-is-my-data-used-for-model-training
- https://code.claude.com/docs/en/data-usage

前回の要点:
[前回の確認メモを貼り付ける]

変更があれば「どのページの、どの文が、どう変わったか」を引用付きで、
変更がなければ「変更なし」とだけ返してください。

よくある質問

Claudeの学習させない設定はどこにありますか?

個人向けのプランは、自分の名前のメニュー → 設定 → プライバシーにある「AIモデルの改善を支援する」です。ブラウザでは claude.ai/settings/data-privacy-controls から直接開けます。スマートフォンのアプリも、名前 → 設定 → プライバシーの順で同じ項目があります。

無料プランでも学習させない設定はできますか?

できます。公式のヘルプは、Free・Pro・Maxなどの個人向けのプランを同じページで説明していて、どれも同じ設定でオフにできます。

学習させない設定にするとデメリットはありますか?

今回読んだ公式ページで説明されているのは、学習に使われるかどうかと保存期間(オンなら最大5年、オフなら30日)の違いです。オフにすると使えなくなる機能の記載は見当たりませんでした(2026年11月1日時点)。

Teamプランなら学習させない設定は要りませんか?

個人の切り替えは不要です。商用の規約で、既定では学習に使われません。ただし、評価ボタンで送った会話は例外なので、管理者が「Rate chats」の設定を決めておきます。APIでClaude Codeを使う組織は、Development Partner Programへの参加の有無も確かめます。

Claude Codeのコードは学習データとして使われますか?

ログインしたアカウントで変わります。個人向けのアカウントで、設定がオンなら使われます。Team・Enterprise・APIなどの商用のアカウントでは、組織がDevelopment Partner Programに参加していない限り使われません。

VS CodeやデスクトップアプリでClaude Codeを使う場合も同じですか?

同じです。公式文書は、どの画面から使うかではなく、どのアカウントで使うかで扱いを分けています。

学習に使われたデータはいつまで残りますか?

個人向けで学習をオンにしている場合、匿名化した形で最大5年です。評価ボタンで送った会話も5年です。学習の済んだモデルからは取り除けないと公式に書かれています。

Coworkの会話も同じ扱いですか?

今回読んだ学習のページは「チャットとコーディングのセッション」という書き方で、Coworkを名指しした記載はありませんでした。Enterpriseの保存期間のページはCoworkのセッションも含めて説明しています。会社で使う場合はTeam・Enterpriseのアカウントで使い、審査では営業の窓口かトラストセンターで確かめてください。

まとめ:今日から始める3つのアクション

Claudeの学習の扱いは、個人向けは本人の設定、Team・Enterprise・APIは商用の規約で決まります。管理者の仕事は、社員の個人の設定を追いかけることより、仕事の会話を会社のアカウントに寄せ、評価ボタンとDevelopment Partner Programの扱いを決めて記録することです。

  1. 今日やること:自分のアカウントの「設定 → プライバシー」を開き、「AIモデルの改善を支援する」の状態を確かめる
  2. 今週中:社内でClaudeを使っている人が、個人プランか会社のアカウントかを把握する(上の依頼文をそのまま使えます)
  3. 今月中:審査シートの「学習・保存」の欄を埋め、使ってよい範囲と確認の担当を決める

あわせて読みたい:共有リンクから会話が外に見えた件の確かめ方はClaude共有チャット・Artifact漏洩の設定総点検、ChatGPTの学習と情報の扱いはChatGPTの危険性と対策で解説しています。

参考・出典


著者: 佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』『Claude仕事術』(SBクリエイティブ・書籍シリーズ累計66,000部)、『AI推進担当になったら読む本』(大和書房)。
SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

執筆・監修:佐藤傑/下書き・図版・機械検査:当社のAI社員(人が確認してから公開しています)。記事の作り方と検査の方針

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