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DeepSeek V4.1 Flashとは?料金・使い方【2026年10月】

DeepSeek V4.1 Flashとは?料金・使い方【2026年10月】

結論:2026年10月1日時点のDeepSeek V4.1 Flashは、100万トークン当たりのAPI料金がキャッシュミス入力0.15〜0.30ドル、出力0.60〜1.20ドルで、画像入力と100万トークンのコンテキストに対応する現行Flashモデルです。

  • 現行のモデルID:deepseek-flash。旧deepseek-v4-flashは互換用の一時的な別名です。
  • 安い時間帯:オフピークはピークの半額。ピークは原則、月〜金の日本時間10:00〜13:00と15:00〜19:00です。
  • 重要な訂正:9月14日に予定されていたV4 Proからの強制切替は、現行の公式案内ではV4 Pro継続へ変わっています。

対象読者:DeepSeek V4 Flashからの移行、画像を扱うAPI、低価格な長文処理を検討する開発責任者・情報システム部門・経営者

最初にすること:既存実装のモデルID、処理時刻、入力データ区分の3点を確認してください。

最終更新:2026年10月1日(JST)

DeepSeek V4.1 Flashを調べると、「9月14日にV4 ProがV4.1 Flashへ置き換わる」という説明が今も見つかります。これは2026年9月10日の初回発表には書かれていましたが、現在の公式変更履歴と料金ページでは、利用者の要望を受けてV4 Proの提供を続ける案内へ変わっています。古い予定と現在の状態を分けて読むことが、いちばん大切です。

料金も「入力0.15ドル」だけでは判断できません。キャッシュに当たったか、出力がどれだけ増えたか、ピーク時間に実行したかで請求額が変わるからです。ここではDeepSeek公式の発表、API Docs、規約、個人情報保護委員会の情報だけを基準に、2026年10月1日現在の状態を整理します。

DeepSeek全体の沿革やV4シリーズの位置付けから確認したい方は、先にDeepSeekとは?V4の実力・料金・法人利用の可否をご覧ください。この記事はV4.1 Flashの料金、現行モデル名、画像入力、企業利用の判断に範囲を絞っています。

まず押さえるべき4つの事実

DeepSeek V4.1 Flashは、DeepSeekが2026年9月10日に発表したマルチモーダル対応のMixture-of-Experts(MoE)モデルです。公式発表では総パラメータ数552B、入力時に8B、出力時に16Bを活性化する非対称のCausal Encoder–Decoder構造と説明されています。従来のV4 Flashより総パラメータは増えましたが、入力時の活性量を抑える設計です。

DeepSeek V4.1 Flashの4つの事実。新しいIDはdeepseek-flash、画像入力はテキストと画像、コンテキストは100万トークン(1,048,576トークン)、時間帯別料金でオフピークはピークの半額

DeepSeek V4.1 Flashの現行仕様(2026年10月1日確認)
項目公式仕様実務上の意味
APIモデルIDdeepseek-flash新規実装で使う推奨ID
モデル構造552B MoE、入力8B/出力16B活性入力と生成で計算量を変える非対称構造
コンテキスト1,048,576トークン(表示上は1M)長い資料や履歴を扱えるが、投入可否は社内規程で判断
最大出力393,216トークン(表示上は384K)設定省略時の既定出力はこれより小さい
入力テキスト、画像文書画像や画面キャプチャの理解に使える
出力テキスト画像生成モデルではない
思考モード思考/非思考、low・high・max既定は思考モード、既定強度はhigh
主なAPIChat Completions、Responses、Anthropic互換既存クライアントから移行しやすい

4つの事実を短く言えば、「新しいID」「画像入力」「100万トークン」「時間帯別料金」です。対応する機能として、JSON出力、ツール呼び出し、Responses API、Anthropic互換APIも公式料金ページに掲載されています。モデル横断のコンテキスト長は主要AIモデル コンテキスト長 横断比較でも確認できます。

なお、最大出力384Kは常に自動で出る長さではありません。Chat Completionsの公式仕様では、max_tokensを省略した場合、非思考モードは8K、思考モードは64K、思考強度maxでは128Kが既定です。「最大値」と「省略時の既定値」を混同しないでください。

V4 Flash・V4 Proとの違いは「現行の実体」で見る

名前が似ているため、型番だけを並べるとかえって分かりにくくなります。2026年10月1日時点では、V4 Flashは終了した旧モデル、V4.1 Flashは現行Flash、V4 Proは継続中の別モデルです。

V4 Flashは終了で新規実装では使わない、V4.1 Flashは提供中でモデルIDはdeepseek-flash、V4 Proは提供継続でモデルIDはdeepseek-v4-pro

V4 Flash、V4.1 Flash、V4 Proの違い
比較軸V4 FlashV4.1 FlashV4 Pro
2026年10月1日の状態終了提供中提供継続
新規実装のID使わないdeepseek-flashdeepseek-v4-pro
旧IDの扱いdeepseek-v4-flashは一時的にV4.1へ接続現行実体独立した現行モデル
画像入力通常版は非対応。別のVision Expが存在した対応非対応
コンテキスト1M1M1M
最大出力現行提供なし384K384K
公表された構造284B/13B活性552B/入力8B・出力16B活性4月のPreview発表では1.6T/49B活性
同時実行上限現行提供なし2,500500

V4 Flashの284B/13B、V4 Proの1.6T/49Bは、2026年4月24日のV4 Preview発表に記載された値です。現行のV4 Proは料金ページ上でDeepSeek-V4-Pro-0813と表示されますが、その現行版の総パラメータ構成が4月のPreviewと完全に同じだと改めて保証する記述は、2026年10月1日時点で公式に確認できていません。

旧V4 FlashのIDを残すべきではない理由

deepseek-v4-flashとdeepseek-v4-flash-vision-expは今も互換性のため受け付けられますが、実際の処理はV4.1 Flashで行われ、V4.1 Flashの料金が適用されます。公式はこの接続を「一時的」としています。今は動いていても、将来の終了時期は示されていません。新規実装や改修ではdeepseek-flashへ明示的に切り替えるのが安全です。

性能は公式ベンチマークと実業務を分けて読む

DeepSeekは、V4.1 FlashがV4 Proを含む旗艦モデルをベンチマークで上回り、性能、料金、速度、総所要時間でも優位だったと説明しています。ただし、これはDeepSeek側の公表であり、すべての企業業務でV4 Proより良いことを保証する独立評価ではありません。

DeepSeekが各リリースで公表した主な評価値
指標V4 Flash(7月31日)V4 Pro(8月13日)V4.1 Flash(9月10日)
Terminal-Bench 2.182.787.990.6
DeepSWE(各公開時の表記)54.462.774.2
NL2Repo54.261.565.4

表は公式変更履歴に載った各公開時点の値です。V4.1 Flashだけは「DeepSWE v1.1」、旧2モデルは「DeepSWE」と表記されており、評価用ハーネス、思考強度、ツール利用、ベンチマーク版が同一とは限りません。単純な業務成功率や厳密な横並び比較としては扱わないでください。また、汎用的なトークン毎秒、初回応答までの時間、稼働率保証は、2026年10月1日時点の公式ページで確認できていません。導入判断では、自社の代表タスクと許容時間を決めて回帰試験を行う必要があります。

9月14日のV4 Proルーティングは当初予定から変わった

ここは検索結果の説明が分かれやすい部分です。初回発表と現在の公式案内を、同じ時点の情報として混ぜないでください。

V4 Proルーティング案内の時系列。2026年9月10日は初回発表時の計画、2026年9月14日以降は現在有効な案内(V4 Pro継続)、2026年10月1日はProは終了扱いではない

V4 Proルーティング案内の時系列
時点公式の案内現在の読み方
2026年9月10日9月14日04:00 UTC(日本時間13:00)から、deepseek-v4-proをV4.1 Flashへ接続し、Flash料金を適用すると予告初回発表時の計画
2026年9月14日以降現行のChange Logと料金ページは、利用者の要望によりV4 Pro APIを継続し、課金方法も変更しないと案内現在有効な案内
2026年10月1日deepseek-flashとdeepseek-v4-proが別モデルとして公式価格表に掲載Proは終了扱いではない

つまり、「9月14日にV4 ProがV4.1 Flashへ切り替わった」と現在形で書くのは不正確です。正しくは、切替が当初予告されたものの、現行案内ではV4 Proの継続へ変更された、となります。公式ページには方針変更を決めた日時や、9月14日に短時間だけ切替が起きたかどうかまでは記載されていません。確認できない経緯を補ってはいけません。

既存システムでdeepseek-v4-proを使っている場合、慌ててモデル名を書き換える必要はありません。ただし、応答品質、画像入力の要否、費用を比べてV4.1 Flashへ移すかは別の判断です。移行時はモデルIDだけでなく、思考モード、最大出力、ツール呼び出し、JSON出力、エラー処理を同じテストセットで確認してください。

API料金はピークとオフピークで2倍違う

DeepSeek V4.1 Flashの価格は、100万トークン当たりの米ドル建てです。入力はキャッシュヒットとキャッシュミスで分かれ、さらにピークとオフピークで変わります。下表はDeepSeek公式のModels & Pricingを2026年10月1日に確認した値です。

DeepSeek V4.1 FlashのAPI単価(100万トークン当たり)。入力・キャッシュミスはオフピーク0.15ドル・ピーク0.30ドル、出力はオフピーク0.60ドル・ピーク1.20ドル

DeepSeek APIの現行単価(100万トークン当たり、米ドル)
モデル課金区分オフピークピーク
V4.1 Flash入力・キャッシュヒット$0.003$0.006
入力・キャッシュミス$0.15$0.30
出力$0.60$1.20
V4 Pro入力・キャッシュヒット$0.022$0.044
入力・キャッシュミス$0.66$1.32
出力$1.98$3.96

オフピークはピークの50%です。公式が示すピーク時間は、月〜金の01:00〜04:00 UTCと06:00〜10:00 UTC。日本時間では同じ曜日の10:00〜13:00と15:00〜19:00です。それ以外、土日、中国の法定祝日はオフピーク料金になります。中国の祝日カレンダーを基準にする点も見落としやすいところです。

料金計算の例

試算例(実測値ではありません):キャッシュミス入力100万トークン、出力25万トークンをV4.1 Flashで処理するとします。

  • オフピーク:$0.15 + 0.25 × $0.60 = $0.30
  • ピーク:$0.30 + 0.25 × $1.20 = $0.60

便宜上、1ドル=150円と仮置きした円換算では、約45円と約90円です。これは為替相場を示すものではなく、差を理解するための概算です。実際の社内試算では、請求時点の為替、決済手数料、平均入力・出力トークン、キャッシュヒット率を別に置いてください。

単価だけを比較するならV4.1 FlashはV4 Proより低価格です。ただし思考モードで内部の推論トークンが増えれば、見えている回答が短くても出力課金は増えます。ダッシュボードの総トークンと費用を確認し、簡単な分類や抽出にmaxを固定しないことが大切です。他社モデルを含む価格の比較は主要AIモデルAPI料金 横断比較をご覧ください。

APIはdeepseek-flashを指定すれば使える

APIで確実にV4.1 Flashを呼ぶ条件は、ベースURLをPH_43_、モデルをdeepseek-flashにすることです。DeepSeek PlatformでAPIキーを発行し、ソースコードへ直書きせず環境変数に保存します。公式のOpen Platform規約も、APIキーを公開したりブラウザなどのクライアント側コードへ露出したりしないよう求めています。

Responses APIの最小例

import os
from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key=os.environ["DEEPSEEK_API_KEY"],
    base_url="https://api.deepseek.com",
)

response = client.responses.create(
    model="deepseek-flash",
    instructions="根拠と不確実な点を分けて回答してください。",
    input="請求書処理で確認すべき項目を5つ挙げてください。",
)

print(response.output_text)

この呼び出し形式は公式のResponses APIガイドに掲載されています。Chat CompletionsやAnthropic互換形式も使えますが、最初の疎通確認では形式を一つに固定したほうが、エラー原因を分けやすくなります。

画像を渡す例

V4.1 FlashはJPEG、PNG、GIF、WebPの画像入力に対応します。次はローカルのsample.pngをdata URLへ変換して渡す例です。

import base64
import os
from pathlib import Path
from openai import OpenAI

image_bytes = Path("sample.png").read_bytes()
image_url = "data:image/png;base64," + base64.b64encode(image_bytes).decode()

client = OpenAI(
    api_key=os.environ["DEEPSEEK_API_KEY"],
    base_url="https://api.deepseek.com",
)

response = client.responses.create(
    model="deepseek-flash",
    input=[{
        "role": "user",
        "content": [
            {"type": "input_text", "text": "画像内の項目を表形式で整理してください。"},
            {"type": "input_image", "image_url": image_url, "detail": "low"},
        ],
    }],
)

print(response.output_text)

公式の画像ガイドでは、data URLまたは外部URLの1画像は最大32MiB、Files APIのfile_idでは1画像最大64MiB、1リクエスト最大600画像とされています。ただし、上限まで送る設計が適切とは限りません。画像トークンも課金対象なので、まず解像度、枚数、抽出精度を小さな評価セットで確認してください。

思考モードを切り替える時の注意

Chat Completionsでは、thinking.typeをenabledまたはdisabledにし、reasoning_effortをlow・high・maxから選べます。既定は思考モードのhighです。複雑なコード修正と、定型分類を同じ設定にする必要はありません。品質だけでなく、総出力トークンと処理時間を含めて選んでください。

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一般向けアプリとDeepSeek Harnessは分けて考える

DeepSeekの公式ダウンロードページには、iOS/Android向けの一般アプリ、Web版、開発者向けのDeepSeek Harnessが案内されています。一般アプリは無料で主要モデルと対話できるとされていますが、「現在の一般アプリがV4.1 Flashを使っている」「モデル選択画面でV4.1 Flashを固定できる」という公式説明は、2026年10月1日時点で確認できません。

これは小さな違いに見えて、検証では重要です。一般アプリで良い回答が出ても、どのモデル・設定だったか固定できなければ、API導入の性能証明にはなりません。モデルを確実に指定したい場合は、APIでdeepseek-flashを指定してください。

一方、DeepSeek公式のAgentアプリであるDeepSeek Harnessは、公式GitHubの2026年9月10日リリースでdeepseek-flashへの対応、テキスト・画像入力、新規セッションの既定モデル化が明記されています。一般向けチャットアプリとは用途が違うため、社内説明では「DeepSeek App」「DeepSeek Web」「DeepSeek Harness」「API」を同じものとして扱わないようにしましょう。

企業利用では料金より先にデータの行き先を決める

安いAPIほど試したくなりますが、企業利用では「入力してよいデータ」を先に決める必要があります。DeepSeekのプライバシーポリシーは、テキスト、音声、プロンプト、アップロードしたファイル、写真、フィードバック、チャット履歴などを収集対象として挙げ、サービス提供のため個人データを中華人民共和国で直接収集・処理・保存すると説明しています。

初期検証での入力データの区分。公開済みのWeb情報・公開資料は利用候補、社内一般情報は条件付き、顧客情報・個人情報・未公開資料は承認前は入力しない、認証情報・秘密鍵・APIキー・特別管理情報は入力しない

日本の個人情報保護委員会も、2025年2月3日付、同年3月5日更新のDeepSeekに関する情報提供で、DeepSeekが取得した個人情報を含むデータは中国のサーバーに保存され、中国の法令が適用されると注意を促しています。適用例として、中国の個人情報保護法、サイバーセキュリティ法、データセキュリティ法、国家情報法が挙げられています。

さらに、DeepSeekの一般利用規約は中国本土の法律を準拠法としています。だからといって日本企業の利用が一律に禁止される、という意味ではありません。自社の個人情報保護方針、顧客との契約、業界規制、越境移転の扱い、委託先審査に照らして決める問題です。法的判断が必要な場合は、社内法務や個人情報保護の担当者へ確認してください。

Uravationが推奨する入力区分

次の表は法律上の一律区分ではなく、初期検証を安全に進めるための運用案です。

初期検証での入力データ判断
データ初期判断条件
公開済みのWeb情報、公開資料利用候補著作権、利用目的、出力の事実確認を行う
架空データ、匿名化した評価データ利用候補再識別できないか確認し、評価用であることを記録する
社内一般情報条件付き情報区分と外部AI利用規程で許可された範囲に限る
顧客情報、個人情報、未公開資料承認前は入力しない契約、法務、セキュリティ、委託先審査を終える
認証情報、秘密鍵、APIキー、特別管理情報入力しないマスキングで済ませず、設計上送信しない

APIを社内システムへ組み込む時の確認項目

  • 利用目的:誰が、どの業務で、何を入力し、何を出力するかを1枚にまとめる。
  • データ区分:個人情報、営業秘密、顧客資料、認証情報を送信しない制御を入れる。
  • APIキー:環境変数や秘密管理基盤で保管し、利用者・用途ごとに権限と費用を追えるようにする。
  • 利用ログ:本文を無制限に残さず、目的、保存期間、閲覧権限を決める。
  • 人の確認:外部公開、顧客回答、契約・法務・医療・財務判断には承認工程を置く。
  • 変更監視:モデルID、料金、規約、プライバシーポリシー、ルーティングの変更を定期確認する。
  • 停止条件:意図しないデータ送信、費用急増、品質低下、仕様変更が起きた時の停止手順を決める。

Open Platform規約では、DeepSeek APIを組み込んだ下流サービスの運営者が、エンドユーザーの個人情報処理ルールを示し、必要な法的根拠を整え、組織的・技術的な安全管理措置を設ける責任を負うとしています。APIを接続しただけで、提供者側の説明責任までDeepSeekへ移るわけではありません。社内ルールの作り方はAIガバナンス入門も参考にしてください。

DeepSeekの日本語プライバシーポリシーには、モデル訓練または技術最適化のための個人データ利用を拒否する権利が記載されています。ただし、一般アプリ、API、組織アカウントで手続や適用範囲が同じだと推測せず、実際に使う契約・管理画面で確認してください。利用拒否の設定は、機密情報を自由に入力してよいという意味でもありません。

V4.1 Flashを選びやすい用途と保留すべき用途

候補にしやすい用途

  • 公開情報や匿名化済みデータを使う文書分類、要約、情報抽出
  • 画像とテキストを一つのAPIで扱いたい検証
  • 長いコンテキストが必要で、入力・出力単価を抑えたい処理
  • 夜間や週末へ移せるバッチ処理
  • OpenAI互換またはAnthropic互換の接続先を切り替えて比較したい開発

先に条件整理が必要な用途

  • データ保存地域を国内または特定地域へ固定する契約がある業務
  • 個人情報、顧客秘密、未公開の研究・設計情報を扱う業務
  • モデル版を一般アプリ上で厳密に固定する必要がある評価
  • 応答速度や稼働率について契約上の保証が必要な本番システム
  • AI出力だけで権利・金額・採否・健康に関する判断を確定する処理

「安いから全面移行」でも「中国企業だから一律不採用」でもなく、データ区分、必要機能、契約条件、回帰試験の4軸で決めるのが現実的です。特にV4 Proからの移行は、コスト差だけでなく、既存プロンプトの結果、ツール呼び出し、構造化出力、思考トークンの増減を確認してください。

【要注意】導入時に起きやすい4つの失敗

失敗1:旧モデルIDが動くので、そのまま固定する

❌ deepseek-v4-flashで応答が返るから改修しない。

⭕ 現行のdeepseek-flashへ変更し、応答形式と費用を回帰試験する。

なぜ重要か:旧IDは互換性のための一時的な接続です。終了時期は公式に示されていません。

失敗2:9月14日にV4 Proが終了したと思い込む

❌ 初回発表だけを読み、deepseek-v4-proはもうV4.1 Flashと同じだと判断する。

⭕ 現行のChange Logと料金ページを確認し、2モデルを別々に扱う。

なぜ重要か:現在の公式案内はV4 Pro継続・課金方法据え置きです。古い予定を前提にすると、品質検証も予算もずれます。

失敗3:オフピーク単価だけで予算を作る

❌ 入力$0.15、出力$0.60だけで月額を計算する。

⭕ ピーク実行、キャッシュミス、思考トークンを含む上振れ条件も試算する。

なぜ重要か:平日の日本時間10:00〜13:00と15:00〜19:00は単価が2倍です。業務時間の同期処理はピークへ重なりやすくなります。

失敗4:技術検証の前に実データを入れる

❌ 顧客資料や社員情報を使えば精度を確かめやすいと考える。

⭕ 公開情報、架空データ、十分に匿名化した評価データで性能を確認し、契約・規程の承認後に範囲を広げる。

なぜ重要か:品質評価のために、取り消せないデータ送信を先に行う必要はありません。

よくある質問

DeepSeek V4.1 Flashの料金はいくらですか?

2026年10月1日時点では、100万トークン当たり、キャッシュミス入力がオフピーク$0.15/ピーク$0.30、出力がオフピーク$0.60/ピーク$1.20です。キャッシュヒット入力は$0.003/$0.006です。原文通貨は米ドルで、価格は変更される可能性があります。

DeepSeek V4.1 Flashは無料ですか?

公式の一般向けDeepSeek Appは無料で主要モデルと対話できると案内されています。一方、APIのV4.1 Flashは従量課金です。さらに、一般アプリが現在V4.1 Flashを使っているかは、2026年10月1日時点で公式に確認できていません。「アプリが無料」と「V4.1 Flash APIが無料」を同じ意味で扱わないでください。

V4.1 Flashは画像生成もできますか?

公式APIで確認できるのは画像入力とテキスト出力です。画像の内容理解には使えますが、V4.1 Flash自体を画像生成モデルとして扱う公式仕様は確認できません。

deepseek-v4-proはV4.1 Flashへ置き換わりましたか?

いいえ、2026年10月1日時点の公式案内では別モデルです。9月10日の初回発表では9月14日の切替が予告されましたが、現在のChange Logと料金ページはV4 Proの提供継続と課金方法据え置きを明記しています。

一般アプリでV4.1 Flashを選べますか?

一般向けDeepSeek AppとWebは提供されていますが、V4.1 Flashを明示選択する公式手順や現在のモデル割り当ては確認できていません。モデルを固定したい場合はAPIでdeepseek-flashを指定してください。DeepSeek Harnessは別製品で、公式GitHubのリリースにV4.1 Flash対応が記載されています。

日本企業が使うことは法律で禁止されていますか?

民間企業による利用を一律に禁止する日本の公式情報は、2026年10月1日時点で確認できません。ただし、個人情報保護委員会はデータの中国保存と中国法の適用について注意を促しています。自社の契約、個人情報保護方針、業界規制、社内AI利用規程に基づき判断してください。

最後に確認すべきこと

DeepSeek V4.1 Flashの魅力は、画像入力、100万トークン、低いAPI単価を一つのモデルで扱えることです。一方で、モデル名の移行、時間帯料金、データ保存地域、規約の適用範囲を見落とすと、安さを生かせません。

  1. モデルを確認する:新規実装はdeepseek-flashを使い、V4 Proは別モデルとして比較する。
  2. 費用を確認する:キャッシュミス、出力、ピーク時間、思考トークンを含む上限側でも試算する。
  3. データを確認する:公開情報や匿名化データから始め、個人情報・顧客秘密は承認前に送らない。

導入判断は、公式料金ページと変更履歴を同じ日に確認し、代表タスクで品質・費用・処理時間を記録してから行ってください。特に「ProがFlashへ自動で変わる」という古い説明を前提にしないことが、2026年10月1日現在の最重要ポイントです。

参考・出典

  • DeepSeek-V4.1-Flash: Smarter, Faster, More Efficient — DeepSeek API Docs、発表日・構造・画像理解・当初のルーティング計画(参照日:2026年10月1日)
  • Change Log — DeepSeek API Docs、V4.1 Flash公開・旧ID・V4 Pro継続・公式評価値(参照日:2026年10月1日)
  • Models & Pricing — DeepSeek API Docs、現行価格・時間帯・仕様・同時実行上限(参照日:2026年10月1日)
  • Lists Models — DeepSeek API Docs、正確なコンテキスト長・最大出力・モダリティ(参照日:2026年10月1日)
  • Using the Responses API — DeepSeek API Docs、テキスト・画像入力の呼び出し形式(参照日:2026年10月1日)
  • Vision — DeepSeek API Docs、画像形式・サイズ・枚数制限(参照日:2026年10月1日)
  • DeepSeek Open Platform Terms of Service — APIキー、下流サービス運営者、安全管理の責任(参照日:2026年10月1日)
  • DeepSeekプライバシーポリシー — 取得情報、利用目的、保存地域、モデル訓練等への利用拒否(参照日:2026年10月1日)
  • DeepSeek利用規約 — 入出力、準拠法、出力の限界(参照日:2026年10月1日)
  • DeepSeekに関する情報提供 — 個人情報保護委員会、データ保存地域と適用法令(参照日:2026年10月1日)
  • Releases · deepseek-ai/deepseek-harness — 公式HarnessのV4.1 Flash対応(参照日:2026年10月1日)
  • Download DeepSeek — 一般アプリとHarnessの公式案内(参照日:2026年10月1日)

著者:佐藤傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。X(@SuguruKun_ai)フォロワー約10万人。
100社以上の企業向けAI研修・導入支援。著書『AIエージェント仕事術』『Claude仕事術』(SBクリエイティブ・シリーズ累計約6万部)。
SBクリエイティブ「ビジネス+IT」ほかで生成AI連載を執筆(NewsPicks最大1,125ピックス)。

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佐藤傑
この記事を書いた人 佐藤傑

株式会社Uravation 代表取締役CEO/生成AIエバンジェリスト。法人向けAI研修・コンサルティングを手がけ、日経・SBクリエイティブ・GMO等のメディアで生成AIについて執筆。

執筆・監修:佐藤傑/下書き・図版・機械検査:当社のAI社員(人が確認してから公開しています)。記事の作り方と検査の方針

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